NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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第2章 上忍篇-第3次忍界大戦(中期)
028.中忍選抜試験


 

 あの八尾襲来危機から数か月。

 木ノ葉は雲隠れの里と電撃的に休戦協定を締約した。

 

 この電撃的な木ノ葉と雲の休戦発表には忍界全土が大きく揺れた。特に岩隠れと砂隠れは震撼したといっても過言では無いだろう。

 

 それもそうだろう。五大国の中でも力の強い火の国木ノ葉隠れの里はこの第3次忍界大戦開戦直後は他四大国全てを敵に回して東部戦線、北部戦線、西部戦線と戦力を分散させて戦争を行なっていた。

 

 それによって均衡を保って三つ巴の戦いを繰り広げていた東部戦線での敵国である砂隠れの里と岩隠れの里は、今後木ノ葉が西部戦線に戦力の一極集中投入ができることとなるとして戦々恐々としていた。

 

 東部戦線、北部戦線での戦闘終結にはもともとまだまだ時間を要するとの予測があったのだ。その予測を木ノ葉は大きく裏切り、早期に霧隠れの里と雲隠れの里との停戦を実現させた。させてしまった。

 

 砂隠れと岩隠れはこれによって徐々に劣勢へと追い込まれていくようになるだろう。そしてそのことをわかりきっている両隠れ里の上層部はその現状を打破しようと裏で画策をするようになっていく。そのことが更に木ノ葉、砂、岩三つ巴の戦争を悲惨で凄惨なものにしていくのであった。

 

 

 

 

 

 それから八尾迎撃戦で開眼した写輪眼のことだ。

 

 実はオレが写輪眼を開眼したことはまだ誰にも言っていない。

 

 だからオレが写輪眼保有者であることはあの場にいたオレと又旅、重明。雲隠れの八尾牛鬼とマブイ、サムイ、ダルイしか知っている者はいない。

 

 言ったら言ったでまた新たな懸案事項となりかねないからな。最悪、うちは一族からは他家の人間のくせにうちはの写輪眼を所有していると疎まれ敵視され、木ノ葉上層部からはうちは一族の遠縁として扱われ、うちは一族と 同様に危険分子と判断されてしまったらオレは木ノ葉の里に居場所がなくなる。

 

 それですぐさま戦闘能力は高く、利用価値も高く、そして人柱力であるオレを排除する方向にはならないとは思うが、それでも徐々に肩身が狭くなるようには仕向けられそうだもんな。

 

 里の上層部は三代目火影以外はそういう厭らしい手段を良しとする傾向にあるからな。

 

 

 

 

 

 それと時を同じくして木ノ葉隠れの里では実績のある下忍のみが中忍になるべく試験が行われていた。

 試験内容は筆記と対戦形式の戦闘。

 平時の中忍選抜試験とは違い、戦時の中忍選抜試験は合格できる実力のある者だけが受験資格を得て、受験をし、受けた者は皆、合格通知を渡され中忍となる。そういうものであった。

 つまり、試験とは名ばかりのもので実際は受験者の実力確認程度のものでしかない。

 

 オレらの班は皆受験資格を得て、受験した。

 受験したということは、皆晴れて中忍となったのだった。

 

 忍びとしての戦闘能力が低い桜田ラクサですら、中忍として合格してしまうようなそんな試験であった。

 

 何故ラクサが大前提として、中忍選抜試験の受験資格を得られたかというと、任務達成回数だ。オレらの班は前のジュウの暴走を含め班としての任務達成回数はずば抜けた数をこなしていた。

 それがラクサの評価にも大きく影響し、結果として中忍になれたのだった。

 

 そんな下忍の中でも平凡の域を出ない桜田ラクサでも受かってしまうという危険が孕む戦時中の中忍試験制度ではあるが、この件は例外でそれまではこのようなことは起こってはいなかったようだ。

 

 中忍選抜試験は、午前の筆記と午後の実技ということで1日で終わった。

 その後、中忍となったジュウはその日のうちに暗部養成部門(ダンゾウが更迭、失脚したことにより火影直轄の組織となった)であるところの「根」に入隊することとなった。

 ラクサは自分の実力が実際には中忍に至っていないということは重々承知しているらしく、木ノ葉の里内で病院勤務をしながら医療忍者となるべく修行に入るとのことだった。中忍として戦場での槍働を命じられても実際、無理があっただろう。ラクサもすぐに命を落としかねないし、配属された部隊にも迷惑がかかる。そういった面では、ラクサのこの判断は正しかったとオレは思う。

 

 そして肝心のというか、メインであるところのというか、つまりこの物語の語り部兼主人公であるところのオレはというと中忍になったその瞬間に上忍になっていた。

 

 え、どういう意味かって?

 オレも最初は意味が分からなくて困惑したのだが、要は上忍になるには、大名や国の上役や里の上層部の推薦が必要となる。

 つまり、中忍選抜試験が始まる前から裏ではもうオレのことを上忍として登録する動きが始まっていて、オレが上忍に任命される最後の条件として中忍選抜試験に合格することとなっていたのだ。

 

 そんなことオレは一度も聞かされていない。

 

 たしかに一人で敵前線部隊を壊滅させてみたり、林の国を降伏させたり、八尾襲来を阻止したり、実績は普通の上忍以上だ。こんなやつをいつまでも中忍として使うのはもったいないと考えたのだろう。里の上層部も、国の上層部も。

 いやいや、でもオレ5歳になったばかりだぞ?そんなやつに責任持たせんなや。と、ぼやいたところで現実は変わらなかった。非情にも、無情にも、変わることなどなかった。

 

 そして、オレは木ノ葉歴代最年少の上忍になってしまった。

 

 

 




勝手にQ&A

Q.5歳で上忍とかありえなくないか?戦闘能力は置いといて状況判断能力とか責任能力の面から考えたらおかしい。

A.許せサスケ。これがご都合主義だ。

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