NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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そして、遅くなってしまってごめんなさい。

それではつづきをどうぞ・・・


037.雨に蠢く闇の住人 其の肆

 ダンゾウの奴、今度は一体何を考えてやがるんだ?

 

 この前の林の国での一件で独断専行を厳しく指摘され火影様から無期限の謹慎処分を言いつけられているはずなのにこんな前線付近にまで出没して。

 しかも解体されたはずの私的部下『根』らしき小隊も何組か連れてやがる。

 

 これはまた木ノ葉の為にという免罪符を己に使って裏で何かを画策、暗躍しようとしてんな。

 

 まったく。どんだけ目立ちたがるんだっていう話だ。火影になりたいならば、なりたいなりに行動をすればいいのに。

 

「ま、感知タイプじゃないオレがあっちに気が付いたということは、あっちもオレに気づいてる奴がいるんだろうな・・・」

 

 ここは一旦、里に帰って火影様に報告(告発。又は陰口ともいう)だな。

 ダンゾウの独断専行は見逃していたら最終的に木ノ葉が痛い目に遭うのが原作では定石だったからな。

 

 とりあえず、ここの座標を記憶しておいて・・・。

 

《座標天身の術》

 

 そして術を発動したその後にはオレの痕跡は何一つ残ってはいなかった。

 

 

 

 

 

 5小隊、20名もの集団が陣形を整えつつもかなりのスピードで森林を移動していた。

 その者たちは1人を除き皆、表情を隠すが如く顔が見えないように仮面を被っていた。

 

「ダンゾウ様」

 

 木ノ葉の暗部の証でもある面をつけた忍びの内の1人が己の主人の名を呼ぶ。

 

「なんだ。トウマ」

「前方、申の方角に人の反応があります」

 

 このトウマと呼ばれた忍びはダンゾウが率いる『根』の中でも感知タイプとして突出した才能を持った忍びであった。しかし、彼は日向一族のような眼も犬塚一族のような鼻も持ってはいない。

 ただ、生まれ持った超感覚という才能と、その後の努力の賜物で現在の地位を築いていた。

 そのことを知らない者はこの5小隊の中にはいない。それ故にその言葉にダンゾウの周りにいる忍びたちの意識を一気に警戒レベルにまで引き上げた。

 が、ダンゾウは今にでも飛び出していきそうな忍び数名を手で制し、抑揚のない声色で「数は?」とトウマという忍びに静かに尋ねる。

 

「たったの1人です。・・・が、チャクラの質からしてかなりの強者かと」

 

 トウマのその言葉に先程とは比べ物にならないほどに警戒レベルを引き上げる忍びたち。

 ダンゾウを除くその19人もの忍びが全員、次の指示に耳を傾ける。

 

 1秒ほどの思考の時間があった後、ダンゾウは3名の名前を挙げた。

 

「キイル、ライ、ラム・・・そしてジン。お前たちが行け」

「「「はっ!」」」

「ダンゾウ様、目標(ターゲット」)は如何様に」

「情報が少しでも流れたら拙い。誰であっても構わず抹殺せよ」

「畏まりました」

 

 そして指名された4名1小隊は他小隊と別れ、自分たちの主人であるダンゾウからの勅命である殺害の目標(ターゲット)を探しに別行動をとる。

 

 だがしかし、彼らが行きついたポイントには人物はおろか手掛かりになりそうな物すらも何一つ見つからなかったのであった。

 

 

 

 

 

 場所は変わって木ノ葉隠れの里。

 

 オレは木ノ葉の里につくと真っ先に火影様の執務室のドアを叩いた。

 

「火影様!カルタです。至急、報告したいことが」

 

 するとオレの急ぎ具合を感じ取ってくれたのか、中から『入れ』と火影様から返答があった。

 

「失礼します」

「なんじゃカルタ。お主はたしか雨隠れの里周辺にある岩隠れの秘密基地(アジト)を捜索していたのではないか?」

「えぇ。火影様のおっしゃる通り、ぼくはその任務についていたのですが、捜索に関しては全くの手詰まりです。怪しげな地点(ポイント)を隈なく探してもなんの形跡すら見つかりません。もしかしたら、今回の情報はガセネタだったのではないかと思ってしまうほど何一つ見つかりません。そんなことよりも重要なことが・・・」

 

 岩隠れのアジトが本当に無いのであればそれに越したことは無い。が、万が一見つからずに本当はアジトが造られていたとしたならば大変、木ノ葉にとっては軍事的脅威である。

 であるのにもかかわらず、オレがそれよりも重要という言葉に火影様の表情も変わる。

 

「なんじゃ。何か別件で見つかったのか」

「はい。現在、無期限謹慎処分中の志村ダンゾウが忍び数小隊を率いて雨隠れもしくは岩隠れなどの木ノ葉隠れ西方の領地に向けて移動中です」

 

 オレの報告に火影様は苦虫を噛み潰したような表情になる。

 そしてオレは報告を続ける。

 

「志村ダンゾウが率いていた忍びは恐らく解体されたはずの私的暗部『根』の構成員でしょう。どうやって火影様直属の暗部に編入された元構成員をまた自分の駒として使役しているのかは不明ですが、ダンゾウが何かを企てていることには間違いありません。その根底は木ノ葉の為というものであっても結果が伴うとは限りませんし、何より組織として国を、里を、民を守る以上、独断専行での軍事行動は看過できないものです」

 

 どうか、ご決断を。と最後に言葉を付け加える。

 

 火影様は最後まで悩まれたのであろう。

 

「・・・ダンゾウを討つ」

 

 この言葉が出てくるまでにかなりの時間を要した。

 

 だが、まさかあの火影様からこのような直接的な言葉が出るとは、願ってはいたが現実になる可能性は低いと考えていた。

 

「事態は急を要する。カルタよ、里内で休養中の自来也と大蛇丸を筆頭に他数名の実力者を集め直ちに木ノ葉を出立せよッ!」

「はっ!」

 

 

 




こんにちは新名蝦夷守です。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

時間を見つけて久しぶりに投稿することができましたが、やはり毎日書かないと全然かけないものですね。難産でした。

これからもこのようなペースになってしまうと思いますが、今後ともお付き合いいただけると嬉しいです。

感想や評価、活動報告でのアンケートなどにもお付き合いいただけると嬉しいです。

では、なるべく近いうちに・・・

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