NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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では、早速つづきをどうぞ~


041.雨に蠢く闇の住人 其の捌

 大蛇丸と戦闘を繰り広げているダンゾウとその配下数名。

 その数名の中には、索敵の命を受けたが何の手掛かりすらも掴めなかったジンとライも含まれていた。

 

「ジン、この(いくさ)。恐らくあの小僧(カルタ)が勝負の鍵を握るだろう。お前があの生意気な小僧を止めてこい。彼奴のことはお前が誰よりも知っているだろう」

 

 ダンゾウが、自身の横でサポートに回っていたジンに対して話しかける。

 それを遮るようにして《潜影多蛇手》と大蛇丸の腕から飛び出てくる蛇が攻撃する。 

 

「ダンゾウさん?勝負の最中によそ見とは随分と余裕ですねェ」

 

 それを危なげなく回避するダンゾウ。

 

「ワシは大丈夫だ。()けッ!」

「はっ、必ずや」

 

 そしてジンが立ち去り、ダンゾウの大蛇丸戦は4対1となる。だがこれでもまだダンゾウのほうが数的優位である。

 

「大蛇丸。お前にはもう少し教育が必要だったようだな・・・」

「その舐めた態度。一体いつまで続くんでしょうねェ」

 

 実質、2人の戦闘は激しさを増していく。

 

 

 

 自来也と山椒魚の半蔵との戦闘では、自来也側に『暁』の弥彦、長門、小南が加わり、それまでは拮抗していた戦況が一気に自来也側へと傾き始めた。

 

《水遁・洪水乱波》《多重紙手裏剣》《風遁・大烈風衝波》

 

 それぞれがかつての自来也との師弟時代より遥かにパワーアップしていることに師である自来也は誇りに思う。

 

「全く・・・お前らという奴は本当に、たくましくなったのォ」

 

 それを戦闘中ではありながらも嬉しく、表情も思わず少しだけだが緩みが出る。

 

「先生、顔がにやけてますよ」

「油断はするなと、先生は僕らに教えてくださっていましたが・・・」

「油断大敵だぜ!先生ッ」

 

 かつての自身の教えをきちんと覚えてくれていたことにも嬉しく思いつつ、しかし、弟子たちから言われた言葉通りに意識を戦闘へと完全に移す。

 

「わかっておるわ!弥彦、長門、小南!行くぞォ、陣形(フォーメーション)炉だ!!」

「「「はいッ!!」」」

 

 

 

 一方のカカシ、天間、コロウはというと、『暁』の構成員らと共に雨隠れ・ダンゾウ子飼いの暗部衆との死闘を繰り広げていた。

 

「そのカカシくんって、たしか千手(うち)と親戚にあたるんだっけ!?」

「はいッ!一応ッ!・・・母が千手一族の血を引いてましたッ!分家の分家のまたその分家くらいですけどッ!!」

「口を動かせるくらいならもっと身体を動かそうか?カカシくん。天間さんも集中してくださいっ」

 

 死闘を繰り広げているわりには余裕があるようだった。

 だが、そうは言うものの3人とも必死だ。

 

 カカシは父サクモの形見でもある白いチャクラ刀を片手に敵を恐れず突撃し、口寄せの忍犬も上手く使い敵の動きを抑えつつ、確実に敵を一人また一人と屠っていく。

 天間は降り続いている雨を上手く利用し、僅かなチャクラで雨を千本に変え、足止めとしての活用や致命傷にはならずとも多少の出血を()いて敵は攻めあぐねている。

 その隙を逃さずに《水遁・水牙弾》や《水遁・水爪弾》といった殺傷能力の高い水遁忍術で息の根を止めている。

 コロウはというと、この天候ではうちは一族お得意の火遁は威力を発揮できないため、写輪眼を併用した体術と時折混ぜる風遁系忍術で主に『暁』構成員の手薄なところをサポートしてまわっていた。云わば1人で遊撃隊を行っているようなものだ。

 彼自身が直接敵を倒すことは少ないとはいえ、いままで『暁』側の戦闘員が最小限の被害で収まっているのは彼の活躍のおかげだろう。

 

「そういえば!そのカカシくんの一族自体も千手(うち)とは遠縁にあたる一族なんだっけ!?」

「はいッ!一応ッ!」

 

 まだ言うかーっ!と、コロウが叫ぶが2人の耳にはどうやら届いていないようだった。

 もしかしたらコロウは苦労人気質なのかもしれない・・・。

 

 

 

 そしてオレはというと。

 

 八門遁甲は傷門まで開き、纏も参式にはなったが、やはりどうしても本調子とはいかないらしい。

 そりゃあ、まぁ。今はもう自覚症状はほぼ皆無だったとしてもインフルエンザであることには変わりはない。

 

 致し方ないことだろう。

 

 厄介な半蔵とダンゾウは、それぞれ自来也と大蛇丸がなんとかしてくれるだろう。

 なら、本調子ではないオレが出しゃばることは無い。大人しく、雨隠れの忍びとダンゾウ子飼いの暗部衆の相手をしようじゃないか。

 

 と、地面を蹴ろうとしたその時だった。

 

《土遁・黄泉沼》

 

 急に足元が沼と化し、地面を蹴ってしまったオレの右足はずっぽりと沼に嵌ってしまう。

 

 雷遁のチャクラを右足に一瞬で集中させ抜け出すことに成功するが、その僅かなタイムロスが命取りだった。

 

《風の刃》

 

 仮面をつけた暗部。ジンの指から放たれた不可視の刃を避けきることができずオレの身体に直撃する。

 

「ぐはッ!」

 

 そんな情けないうめき声を上げながら術の威力によって後方へ吹き飛ばされる。

 纏の参式を発動していたから致命傷にはなってはいないものの、その飛ぶ斬撃はオレの身体を傷つけた。

 

 木ノ葉の中忍・上忍が着る忍装は表面はガッツリ破れてもう使い物にならない。

 その下のアンダーシャツのような肌着も破れてしまっているし、血も滲んでいる。ただ、切り傷が深くないことだけが不幸中の幸いだ。

 

「っち。この僕の風遁でも死なねぇのかよ・・・」

 

 対人戦ではこれまでにない窮地に追いやられているのかもしれない・・・。

 

「ま、対カルタ(オマエ)戦闘に特化した僕に敗北の可能性は皆無だけどね」

 

 

 




こんにちは。新名蝦夷守です。


いいところで(←自分で言うな)切ってしまって申し訳ないです!
なるべく明日中に更新しますのでお許しください・・・笑


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ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

次回もよろしくお願いします。ではまたー

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