NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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お待たせいたしました・・・。


060.五尾争奪戦 其の陸

 第二ラウンド。

 

 真っ先に動いたのはオレだった。

 

 瞬時に八尾と化したキラービーの頭上に飛ぶ。

 

 そして、《土遁・超加重岩の術》を自身の拳にかけて、桜花衝も併用したダブルスレッジハンマーを放つ(※ダブルスレッジハンマーとは、両手の指を組んだ状態でハンマーのように相手の脳天目掛けて振り下ろす打撃技のことだ。ドラゴンボールなどでよく見る)。

 

 巨大な八尾から比べるとミジンコくらいの小さな拳が八尾化したキラービーの脳天に突き刺さる。

 

 その瞬間、キラービーは頭から地面に突っ込む。

 

 八門遁甲の第七驚門を開き、雷遁・纏も肆式となればこの一撃の威力は凄まじいものとなる。

 

 その分、自分に返って来る反動も凄まじいが。

 

 現に今の一撃を喰らった八尾化キラービーは大地を割りながら頭だけではなくその巨躯ごと地中へと埋まってしまっている。

 

 キラービーの下敷きになっていた五尾とともに。

 

「ッ(つぅ)〜!」

 

 ミシミシと身体が軋み、全身に少なくない痛みが生じる。

 

 纏の肆式に耐えきれなくなったオレの身体は自動的に参式に纏の強度を下げる。

 

「どうだ?どっちかはやれたか?」

『あの程度で尾獣をやれるわけがなかろうて』

『確かに主様が放ったあの一撃の威力だとダメージは入っているだろうが・・・』

『ま、一発KOってことはないだろうな』

 

 だよなぁ、と言葉を返す前に尾獣玉が下から飛んでくる。

 

 それは危なげなく避けるが、避けた先にも続けて尾獣玉が飛んでくる。

 

 今度は間一髪のところで回避した。

 

 回避したところで下を見ると八尾化したキラービーが地面に出来た地割れの隙間から這い出てきているところだった。

 

「さっきの不意打ちは結構効いたぜ!バカ野郎♪コノ野郎♪」

「んじゃあ、そのまま伸びてろよ。バカヤロウコノヤロウ」

「オレ様舐めんじゃねぇぞ♪バカ野郎♪コノ野郎♪その生意気な口を閉じとかないと舌噛むぜ!ア!イエ―!!」

「牛の丸焼きにしてやるよ。このタコヤロウ」

 

 つーか、牛なのかタコなのかはっきりしやがれ!と、吐き捨てながら高火力の火遁を放つ。

 

《火遁・獄龍炎の術》

 

 原作でサスケが対イタチ戦で使用した火遁・豪龍火の術の上位互換である、獄龍炎の術は単発。

 龍の姿を模した高火力を表す蒼白い炎が一直線にキラービーへと襲いかかる。

 

 触れれば八尾と化したキラービーであっても炭化は間逃れないその炎にキラービーはタコ足のような尾を2本犠牲にして自身の身体を守った。

 

 そして、キラービーもやられっぱなしではなかった。

 

 その蒼白い炎に包まれている2本の尾を鞭のようにしてオレに攻撃を仕掛ける。

 

《水遁・九重水陣壁》

 

 それに対してオレは、巨大な正方形の水陣壁をキラービーとの間に9つ展開し、防御に徹する。

 

 その水陣壁は1枚1枚が相当な分厚さを誇っていたのだが、尾獣という桁違いの力の前では効果を十全には発揮できなかった。

 

 キラービーの尾が壁に当たるたびに威力は少しずつ削がれ、燃え盛っていた蒼白い炎は完全に消火されてはいる。ただ、その物理的な勢いを完全に止めることは出来ずにオレの身体は吹き飛ばされた。

 

 咄嗟に腕を身体の前で交差(クロス)させて、身を守るが腕の骨折は間逃れなかった。

 

 思いっきりぶっ飛ばされたオレは岩山にぶち当たったところでようやく止まるが、その際背中を打った衝撃で肺の中の空気が一気に吐き出され息ができなくなる。

 それに頭も打ったのか、視界がぐらんぐらんと揺れる。

 

『カルタ!派手にやられてんな!もう一回俺にやらせろ!!』

『主様。我らも参戦した方が良いのではないか?』

 

 未だ立ち上がれないオレに対して悟空と重明がそう主張してくる。

 

『このバカ蟲にアホ猿ッ!まずは回復が先じゃろうに!!』

 

 又旅のその言葉でようやく身体の治療が始まり、身体が楽になる。

 そして息もできるようになる。

 

「はぁはぁはぁ・・・さんきゅー又旅。まじで助かった」

 

 息も絶え絶えといった具合のオレだったが、又旅はどうやら他の2人(2匹か?)よりもオレの役に立てたことが嬉しかったようで『そうじゃろうそうじゃろう。やはり妾がおらんとおまえ様はダメじゃのう』と満面の笑みを浮かべている。

 

 八尾化したキラービーはと言えば、現在キラービーに下敷きにされ怒っている五尾との怪獣大戦争に興じている。いや、興じてはいないかもしれないが、死闘を繰り広げている。

 

「ただ怒りに任せて暴れている五尾よりも頭を働かせて戦ってくる八尾化したキラービーの方が厄介だ。そこでまずはキラービーを叩く。その邪魔をされないように又旅、お前には五尾の足止めを頼みたい。できるか?」

『モチのロンじゃ!』

「よし。じゃあ・・・行くぞ!」

 

 オレが影分身体を3体出現させると、尾獣が各々オレの影分身体を使って尾獣化する。

 

 それに伴い、オレに付与されていた能力である(エンチャントとでもルビ振ったほうがカッコいいだろうか)二尾又旅の炎、四尾悟空の熔遁、七尾重明の六枚翅は消える。

 

「一斉に尾獣玉を五尾と八尾化キラービー(あいつら)に放った後、散開。作戦開始だッ!」

『了解じゃ!』『御意』『応ッ!!』

 

 

 




新名蝦夷守です。こんにちは。

イイ感じにチートが増してきております。人外の存在と化してきている我らが主人公カルタですね。

次回も戦闘シーン続きます。

そしてなるべく早めに更新できたらなと思っております。


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