NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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つづきです。どうぞ・・・


061.五尾争奪戦 其の漆

 勝手にこれからの戦闘を第三ラウンドと称する。

 

 そのゴングを鳴らしたのは又旅、悟空、重明の3匹。

そのタイミングは3匹が五尾穆王と八尾化したキラービーに向けて放った尾獣玉が彼らに着弾し、爆発したとき。

 

 尾獣玉を放った3匹一斉に走り出す。

 ちなみにオレは重明の頭の上に乗っている。

 

「重明と悟空はまず八尾(キラービー)の動きを封じてくれ。又旅は予定通り五尾を頼む」

 

 オレがそう指示を出すと重明が閃光弾の効果を混ぜた鱗粉の粉塵爆発で五尾と八尾(キラービー)への同時攻撃を仕掛ける。

 

 それが起点となり、目くらましで五尾と八尾(キラービー)が視覚を使えていない間に悟空は八尾《キラービー》を、又旅は五尾を逆方向へ遠ざけるようにして全力の突進をして突き飛ばす。

 

 オレはその間、右腕から放出されるような状態で火遁のチャクラを練りに練り、圧縮に圧縮を重ねていた。

 

 見た目は右腕から生えた炎の大剣。

 

 炎の色は蒼色よりも更に薄い眩しいくらいの白。

 

 それがゆらゆらと揺らめきながら大剣の剣身の部分が更に大きく伸びる。

 

「重明。オレが飛んだら八尾(キラービー)を羽交い締めにしてる悟空ごと拘束しちゃってくれ」

御意(Yes,my lord)

 

 Oh......ブルータス、お前もか。

 

 戦闘(この)後、殴る奴がもう1匹増えたことを脳内メモに刻む。

 

「んじゃ、頼んだよッ!!」

(いて)っ」

 

 オレは乗っかっていた重明の頭を必要以上に蹴って上空へと大きくジャンプした。

 首が外れそうな勢いでカクンとなっていたような気もするが、まぁ大丈夫だろう重明(尾獣)だから。

 戦闘時(こんなとき)にふざけるから悪い。

 そして実際に痛みはあったらしいものの大したダメージは受けてなかった重明はオレの要求通り羽交い締めをしている悟空ごと八尾(キラービー)に糸を吐いて動きを止めていた。

 

 うげー!気持ち悪りィィィ!!と、悟空が叫んでいるが知ったこっちゃない。

 

 そうしている間にもオレは今回の跳躍した最高高度に達し、八尾(キラービー)目掛けての落下が始まる。

 

 ゆらゆらと揺らめいていた白炎の剣身は長く薄くそれでいて強く固定され、おとぎ話で見る聖剣のような風貌と化していた。

 白炎が揺らめくことで熱量が逃げていたところを形態を固定化し剣身に留めることができたことによって火遁の域を凌駕する。

 

 先ほど重明が出した拘束技、吐糸縫(としぬい)で身動きが取れなくなっている八尾(キラービー)を真っ二つに断ち斬ろうと白炎の聖剣を宿した右腕を振り下ろす。

 

それは触れるもの全てを触れる前に焼き斬る、いや、熔かし斬る実態の無い妖剣であり魔剣であり聖剣。

 

《断罪》

 

 その無銘の炎剣から繰り出される一太刀は振り下ろされる最中、空間をも熔かしながら八尾(キラービー)の眉間へと吸い込まれるようにして向かう。

 

憤怒(フンヌ)ッッッッッ!!!」

 

 それは俗にいう、火事場の馬鹿力。

 

 八尾(キラービー)はその無慈悲な一太刀が自身に当たる直前、悟空の羽交い締めと重明の吐糸縫(としぬい)による拘束を力尽くで破った。

 その衝撃でオレの影分身で尾獣化している悟空は煙となりオレの精神世界(なか)へと帰ってくる。

 

 そして迫り来る斬撃に対して取る回避行動は、真剣白刃取り。

 

 しかし、彼は知らない。

 

 その剣に触れた者がどうなるかを。

 

 彼は知らない。

 

 この後、自分自身に起こる悲惨で悲劇的な末路を。

 

「ウィィィィィィィィィィィ!!」

 

 体勢は崩され倒されたまま。

 その状態で真剣白刃取りをしようとする八尾(キラービー)

 

 迫る炎剣に対して手で受け止めるその直前にずるりと皮膚が熔けるのを感じた八尾(キラービー)は、このままでは自身に刃が当たる未来を予見し、ギリギリのところで横に転がるようにしてその未来を回避した。

 

 ドゴンと、大きな音と土煙を立ててナニかが落ちる。

 

 それは八尾(キラービー)の右肘から手にかけた部位だった。

 

 横に転がって回避した際に、腕だけは回避しきれずに炎剣に触れてしまったのだ。

 熔かし斬られた腕の断面は綺麗に焼かれてしまっている。

 

 そのことに未だ気付いていない八尾(キラービー)は8本の蛸足(内2本は炭化しているが)で、オレ本体に死角から鞭のようにして攻撃を仕掛ける。

 が、写輪眼それも万華鏡写輪眼を発動させているオレには八尾(キラービー)の悪あがきは全てお見通し。

 

 振り向きざまに右腕を振りぬくとその一動作だけで4本の蛸足を切り落とした。

 

 それと同時に八尾(キラービー)のチャクラが切れたのか、ボフンッ!!と大きな煙を立てながら八尾化が解かれる。

 そして地に満身創痍で横たわるのはキラービー本人の姿。

 

 その周りには尾獣化が解かれても尚残る、4本の蛸足と八尾牛鬼の右腕。

 

 この状況を()で見て、あることを確信したオレは身につけている手甲に描かれた印に触れ、《口寄せ・雷光剣化》で巨大な巻物を召喚した。

 

 そして印を結ぶ。

 

《封尾法印》

 

 そしてその巻物に牛鬼の右腕だけ(・・・・)その場に残して今しがた切り取った八尾の尾を4本全て封印した。それと同時に巻物を天送の術で保管場所へと戻す。

 

「ま、今回のところは見逃すか」

 

 オレはその場に唯一残した牛鬼の右腕を見ながらそう呟いた・・・。

 

 

 




皆さまおつかれさまです。新名蝦夷守です。

更新遅くなりました。次回更新もこんな感じだと思います。


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