NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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約束通りの更新です。

では、つづきをどうぞ・・・。


066.風と砂と離間の計 其の参

 砂隠れのパクラと霧隠れの忍刀七人衆との間で戦闘が勃発したのは太陽が沈みかけてきた頃だった。

 あと少しで黄昏時になろうかという頃合い。

 

 パクラの操る灼遁の数個の火球は彼女を中心としてその周りをぐるんぐるんと舞う。

 

 その様子はまさにどこからでもかかってこいと言わんばかりだ。彼女の表情にも悲壮感というものは微塵も感じられない。寧ろこれから起こる死闘に対して滾っているようにも見える。

 

 戦闘の火蓋を切って落としたのはどちらだったのか。それはわからない。もしかしたらパクラから火球で攻撃を仕掛けたのかもしれないし、もしくは忍刀七人衆の内の誰かが斬りかかって仕掛けたのかもしれない。

 

 ただ、開戦直後から客観的に見ても押されているのは完全にパクラのほうだった。

 

 そりゃあそうだろ。いくら彼女が珍しい灼遁という血継限界をもっているとはいえ、1対7。その7が有象無象のモブキャラなら灼遁の無双フィーバー状態に突入していたかもしれねーけど、相手は腐ってもこの乱世を生き抜いてきた他国にもその名を轟かせるあの忍刀七人衆。勝負として成立しているかも怪しい。

 

 パクラは防御や回避、牽制に忙しい。ただそれも完全にはできていないし、その証拠に彼女の身体につく生傷は時間が経つにつれて増えている。

 それに対して七人衆の方はというと完全に弄んでいる。もちろん皆、ノーダメージである。

 

 もう少し戦況を見てから割り込もうかとも最初は思ってたんだけどなぁ。

 そんな悠長なことを言ってたら本来の目的も果たせずに終わっちまう。

 

 さてと。それじゃあ久しぶりにあのセリフをぶっこむとしましょうかね。

 

 

 

 こっから先はオレの独擅舞台だッ!

 

 

 

 まず手始めとして八門遁甲の第一開門を開く。続けて雷遁を纏い弐式まで展開し、能力を引き上げる。

 そして漏れ出す稲妻(エネルギー)を最小限に抑える。

 

 よし。イイ感じだ。

 これで見た目はほぼそのまま。力を込めた時、込めたところにだけ稲妻(スパーク)が走るようになった。

 

 これにてオレの準備は整った。

 

 そしてオレはただいま絶賛戦闘中のパクラと忍刀七人衆の間に割り込むようにして11次元空間を利用する演算を開始し・・・。

 

《天送身の術》

 

 

 

「呼ばれて飛び出てジャンジャジャーン!」

 

 天送されて、約1秒のタイムラグのあと。

 完全に知覚外からの登場に何の対応もできなかった一人の頭目掛けて、穆王の補助《沸遁・怪力無双》状態をインパクトのその一瞬のみ発動させてダブルスレッジハンマー。

 

 オレに奇襲された敵の身体は衝撃で地面へと沈み込み(というよりは突き刺さり)、直接打撃された頭部はザクロのように弾け飛ぶ。これじゃあまるでリアルB級グロテスクホラー映画だ。

 

「もしかして、お呼びでない?こりゃ失敬・・・とでも言うと思ったか?霧隠れさんよぉ」

 

 パクラ、霧隠れ双方の動きが止まる。

 

「てめぇは・・・」

「木ノ葉の雷皇ッ!!」

 

 七人衆(内1人は既に戦死)は突然現れ味方を屠った人物がオレだと認識した瞬間、一斉に距離を取った。

 

「・・・お前は?」

 

 そう聞いてきたのは唐突に現れ助太刀された状況のパクラだ。

 

「ぼくのことは後でもいいでしょ。ま、今は味方だということだけは覚えておいて」

 

 彼女からしたら、何が何だか。といった具合だろう。

 

 それにしてもオレの登場に、パクラも、そして霧の七人衆も戦意は衰えていないみたいだったが。

 七人衆との間に距離が開いたことによってオレは足元に落ちている忍刀に意識を向ける余裕ができた。

 

「ふーん。これが鈍刀『兜割』ってやつか・・・」

 

 斧状の刃と、巨大なハンマーを持つ、変則的な鎖鎌のような忍刀。霧隠れの里が代々有する忍刀の一振り。

 

「なんだか使いにくそうだな」

 

 うん。まぁ、でもオレには必要ないね。

 何故かって?今さっき言ったように使いにくそうだし、特別特殊な能力があるってわけではないし、何よりオレの美的センス的にはナンセンスだ。

 

 そう判断したオレはポイっと《天送の術》でこの場から鈍刀『兜割』を消す。

 

 別に不必要なものだけれども戦利品ということでオレがもらっちゃっても問題ないだろ?

 決して刀コレクターというわけではないが、コレクションにしてもさ。

 

 捨てるのは勿体ないし、返すのも勿体ないし。

 

 ところで。

 

 オレは意識を七人衆の方へと戻し、問いかけてみる。

 

「この前みたいに尻尾を巻いて逃げてくれたりしないのか?」

「はんっ。前回はこっちが見逃してやっただけだろうがよッ!図に乗んじゃねーよ。このクソガキがァァァ!!」

 

 その男が持つ忍刀、双刀『ヒラメカレイ』によって文字通り飛ぶ斬撃が放たれる。

 

 それが戦闘再開の合図となった。

 

「お姉さん。ヘイト管理はぼくがします。あなたは西側へ移動してくださいっ」

 

 そう早口でまくし立てるようにそういうオレは、パクラの返事を聞くことはせずに次の行動へと移る。

 

《写輪眼》

 

 黒い瞳から淡く紅く発光する瞳へと。

 瞳に浮かび上がるは三つ巴の紋。

 

 オレは迫り来るその斬撃を写輪眼で見極め難なく避ける。

 だが敵の攻撃は当然の如くそれだけで終わるはずもない。

 

 避けたところで接近してきたもう1人に忍刀を振り下ろされる。

 それもオレは回避した・・・。

 

 はずだったのだが。

 

 突如発生した爆破による爆風によって吹き飛ばされる。

 

「なッ・・・んで!?」

 

 そして吹き飛ばされた先にいたのは、断刀『首斬り包丁』を持つ枇杷十蔵。

 

「死ね」

 

 まさに首斬り(・・・)包丁に相応しく。

 狙われたのは頸動脈。

 刃を横に寝かせて振られたその一閃は吸い込まれるようにしてオレの首を刎ね飛ばした・・・。

 

 




みなさん、こんにちは。

新名蝦夷守です。


アニメを見ていない作者は、パクラの口調がわかりません。
それに、忍刀七人衆の口調もわかりません。

看過できないところがあったら優しく教えてくださるか、もしくは『カルタ外伝』でのこのキャラクターの口調はこういうものなんだと諦めてください!!笑


では、次回もよろしくお願いします。ではではー

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