NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
陽は沈み。赤い空だった
空はもう藍色と化し、もうしばらくすれば深い藍色となり完全に暗くなる。そうなれば
「はん!ガキが出しゃばるからすぐに死ぬんだよ」
忍刀七人衆の内の一人。双刀『ヒラメカレイ』を持つ男が頭と胴体が切り離されたカルタに向かってそう吐き捨てて、唾も吐き捨てた。
「おい。そっちはどうなった!」
その男がパクラと戦闘をしていた仲間に向かって叫ぶ。
少し離れた場所から、こっちはもう終わったぞ。と、返答がある。
「よし。これで任務は終了だな」
「まァ・・・
彼らが水影から直々に受けていた2つの最重要任務。
ひとつは灼遁使いのパクラの殺害。そしてそれに伴った灼遁の解析。
そしてもう一つが木ノ葉の雷皇・羽衣カルタの暗殺。
「釣りは来てねぇだろ」
おーい!串丸をこっちに寄越してくれ!人体情報抜き取って処理しろ!
「おら串丸。あっちに呼ばれてんぞ。さっさと行ってやれ」
そう言って男は振り返るがその視線の先に先程までは居たはずの栗霰串丸はいない。
あれ、あの野郎どこいきやがった。そんな思考をしたか、していないか。
「んなッ・・・」
絶句する男。
その男の視線の先には。
「おいおいなんだよ。その顔は」
「オレ殺したとでも思ったか?俗に言う『お前は確かに死んだはず・・・ッ!!』ってか?」
「ま、時間帯も時間帯だしな」
「それにしてもまるでお化けか、妖怪か、物の怪。怪異にでも会ったような、いや遭ったかのような顔だな」
羽衣カルタ。
先程、その男が唾を吐き捨てた相手。
つまり、オレがいた。
「そんなお前にはこの言葉を送ることにしよう」
な~んちゃって。
ほら、どうしたベジータ。笑わないのか?
羽衣カルタの復活。
敵サイドからの視点でいうと某三大宗教の内のひとつである
七人衆がオレだと思って攻撃して殺していたのが彼らの仲間。長刀『縫い針』使いであった栗霰串丸だったのだ。
完全なる同士討ちというやつだ。
双刀使いの男が唾を吐き捨てた相手も栗霰串丸。
オレの目の前に残っているのは断刀『首斬り包丁』使いの
ちなみに大刀『鮫肌』使いの
「このオレがあの程度で死んだだと?だとしたら考えが甘い。それに写輪眼を相手にするときは目を見ちゃいけませんって習わなかったのか?」
この場に残る七人衆はようやく事態の急変に気づき、臨戦態勢をとる。
「つーことはもしかして目が合ったあの瞬間から俺らはお前の幻術の中だったってことかよッ!」
「落ち着け。数では3対1だ。写輪眼相手でも問題はない」
「てめぇは腐っても木ノ葉の雷皇だかんなァ。負けても3体1だったからなんて、言い訳すんなよォ!?」
なんか、それに似たセリフどっかで聞いたことような・・・。
あぁ・・・あれか。
《影分身の術》
オレはチャクラを練って十字の印を一つ結んだ。
ボフンという音と煙を立てながら9体の影分身が出現する。
「腐ってもお前ら忍刀七人衆はこの乱世を生き抜いてきた猛者だからな。3対1でやらせてもらうとしよう」
オレの影分身との死闘を現在進行形で繰り広げている枇杷十蔵と無梨甚八と双刀『ヒラメカレイ』使いの男を放り出してオレはパクラが西瓜山河豚鬼&黒鋤雷牙(仮)と戦闘しているところへと移動していた。
いわゆる応援に来たというやつだ。
ちなみにこの場合の応援とはチアガール的な意味合いの、又、甲子園での吹奏楽部や全校生徒がアルプススタンドで応援するという意味合いではないので悪しからず。
パクラの前方には西瓜山河豚鬼。後方には黒鋤雷牙(仮)という状況で善戦しているにしろこのままだと敗戦は濃厚といった戦況だった。
「お待たせしましたパクラさん。どうやら押され気味みたいですが、加勢しましょうか?いや、加勢しますね?ちなみに返事は聞いてませんよ」
オレはパクラと背中合わせになるような格好で着地した。
ただし、身長差的に背中合わせにはならない。・・・小さいとか言うな。地味にコンプレックスなんだよ。この歳の平均身長に満たないことがなっ!
こほん。
オレの将来的にはぐんと伸びる(はずの)身長のことはさておき。
そんなオレの勝手な態度に苦笑しつつも、助かると受け入れてくれる大人お姉さんパクラ。
その包容力とお胸から溢るる母性。まさに年上キャラの鑑というやつですねっ!パーペキです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
新名蝦夷守です。
ここ2日間、作者は高熱にうなされていまして・・・ストックが切れました。
次回更新は未定です。
感想、評価等ありがとうございます。とても嬉しいです。(モットクレモットクレ
ではでは、今回はこの辺で。