NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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077.水の国潜入任務 其の壱

 火の国・木ノ葉隠れの里から見て、東の海上に存在する忍び五大国の一角。水の国。

 

 この国は忍び五大国で唯一の海洋国家という地理的条件。

 それから、一年を通して霧や濃霧に覆われているという気象的条件。

 そして、庇護下に置く海洋国家以外との貿易などの繋がりを持たないという政治的理由もあって、一切の情報も入らない未知の領域と化していた。

 

 ただ密かに噂されていることと言えば、内紛や内戦。クーデターといった国内での対立が頻繁に起こっているのではないか。ということ。

 

 それは水の国の軍事を司る忍びの隠れの里。霧隠れの里でも起こっているとまことしやかに噂されていた。

 

 

 

 霧隠れの里。

 

 島国である水の国の常時深い霧に覆われている山間部に存在し、それら全ての地理的条件が難攻不落の天然要害となっている。

 忍者学校(アカデミー)の最終卒業試験は少なくとも三代目水影の頃から生徒同士の殺し合いで勝ち残ったもののみが下忍として登録されるという過酷さ。

 そして、血継限界という特別な術の継承を血で行う一族への激しい弾圧から付けられたとされる別名、血霧の里。

 

 なぜ、血継限界を持つ者、一族が弾圧されることになるかというと国内で長きに渡って続く内乱に利用されるため。

 

 又、対外戦争であっても霧隠れの里は捕虜交換に応じることは一切ない。

 つまり他里の忍びが捕虜となった際に訪れる運命はただ一つ。その者が持つ忍術やチャクラの性質。情報などを徹底的に搾り取られたのちに殺されるのみである。

 

 そして霧隠れの里特有の制度が厳格なる身分制度。

 

 先祖代々霧隠れ出身の者を頂点に、最下層は霧隠れに屈服させられた一族などから構成される奴隷にも近い者たち。

 この最下層の身分に堕ちた者たちには実力に関係ない危険な任務を振り分けられているため、忍びの死亡率は他里と比べるまでもなく圧倒的に高い。

 

 

 

 そんな危険地帯に潜入してから、早半年。

 

 第3次忍界大戦という悲惨で凄惨な時代をようやく終えて、せっかくの平和を満喫できるであろう期間に。

 

 大蛇丸によって結成され、その存在自体が秘匿されている暗部組織『宵』。

 オレこと、羽衣カルタはその組織のトップとして部下である赤砂のサソリに水の国へと情報収集のための潜入任務を命じていた。

 

 していたのだが、長期任務を命じて僅か数日後。

 サソリの公私共にパートナーであったパクラの妊娠が判明した。

 それを知ったオレは水の国に派遣していたサソリを強制的に帰国させて、お前がパクラをしっかり支えてやれと休暇を与えたのだった。

 この2人には産後も育休としてしばらく任務には呼ばないつもりのオレなのだが、やらなくてはならない任務という名の仕事は減らない。

 

 俗に言う『代打、オレ』・・・というやつである。

 

 そこでオレは水の国内にあるとある廃村を拠点にして、火の国からでは得られない生の情報を得ていた。

 だが、それにしても。あまりにも。漠然とした情報や信憑性に欠ける噂話の類のものが多い。

 

 そして何よりも。里のトップの情報がなさすぎる。

 

「今の水影はどっちなんだ・・・」

 

 原作でも姿のみで名前すらわからない三代目水影か。

 もしくは、尾獣・三尾の人柱力であり、四代目水影となったもののうちはマダラを名乗っていたオビトに操られていた不憫な人。やぐらか。

 

 時期的にはそのどちらかだとは思うのだが。

 

 もしかしたら、オビトが闇落ちしていない影響で他の第三者が水影になっているという選択肢もないわけではないが。

 

 村人や町人に聞いてもわからない。

 忍びに聞いてもわからない。

 

『にゃんにゃんにゃにゃ~ん。にゃんにゃんにゃにゃ~ん。泣いてばかりいるおまえ様よ』

「あのさ。唐突に現れてしかも、童謡ぶち込んでくるのやめてくれるかな。こちとら真剣に今後の動きを考えているってのによ」

 

 こうなったら最終手段として危険を犯してでも霧隠れの里内部に侵入するか。

 バレてもオレが捕まるとは考えにくいが、木ノ葉が情報収集をしていると勘付かれることすらも避けたいとなると、やはり霧隠れの里内部への侵入は愚策か。

 などと静かに考えることすらままならない。

 

 こいつが出てきてしまったらな。

 

『かかっ。妾は言われなくてもわかっておるぞ。いやいや皆までいうな。おまえ様が寂しがり屋のツンデレさんということは十分に知っておるからの』

「勝手にオレのキャラ設定を捻じ曲げないでもらえるかなぁ。愚猫」

『それにそういう照れ屋なこともな。これはもう既に妾たちのみの共通認識どころか、もはや世界中の常識と言っても決して過言ではないじゃろうなっ』

 

 なぜか、登場するや否やハイテンションな又旅。

 オレがまだ赤子のときからの付き合いになるが。

 正直、いきなり出てきてこのテンションにはついていけない。

 

『よいではないかーよいではないかー』

「・・・はぁ」

 

 お前はどこの悪代官だ。

 

「守鶴、悟空、穆王、重明。又旅を下の階層で縛っておいてくれ」

 

 投げやりに、他の尾獣たちに又旅の処遇を任せるオレ。

 ちなみに一尾の守鶴は砂隠れでの騒動の後、封印したんだけど、なかなかファンキーでモンキーなベイビーズで・・・いや、間違えた。又旅に釣られて変なテンションになっちまったのか?オレ。

 それは一昔前に解散したバンドだ。

 

 こほん。閑話休題。話を戻そう。

 

 ファンキーな奴で普通にいい奴だった。それでもまぁ、封印された当初はオレの精神世界で暴れていたんだけど、あばれる君だったんだけれども。

 他のみんなが鎮圧に動いたら、素直でいい奴になった。

 もうすっかり馴染んでるしな。

 

『『『『アラホラサッサー』』』』

 

 そうそう。こうやって息の合った返事もできるように・・・って。

 お前らはどこのドロンボー一味だ。

 

 

 

 オレこと羽衣カルタ、もうすぐ8歳。

 

 魔境・水の国内でオレの精神世界に棲みつく愉快な仲間たちと楽しくやってまーす。

 

 




どうも!新名蝦夷守です。

さて始まりました。水の国・霧隠れ篇。
霧隠れといえば!もちろんあの人も出て来ますでしょう。
今後の展開はまだ見通しが立っていませんが笑

でも、ここで出さなきゃいつ出てくるんだ!って感じなので。ヒロイン。

では、また次回もよろしくお願いします。

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