NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
つづきです。どうぞー
オレは前回の話の翌日。一か月間拠点として活用していた廃村を捨てていた。
もちろんオレが生活していたことがわかるような痕跡は一切残していない。
所謂、立つ鳥跡を濁さず。というやつだ。
オレの場合は本来の意味からはもっとドロドロとした理由でだが。
潜入捜査がバレちゃいかんでしょう。
「さてと・・・それじゃあ行きますか」
いざ、血霧の里へ。
水の国・霧隠れの里に存在した人柱力は2人。ただし、原作ではという注釈がつくが。
三尾・
やぐらの前任者は、第3次忍界大戦中にのはらリンに封印されていたが、この世界ではそのような事件は起こっておらず、のはらリンも存命している。
六尾・
ただ、上記2名の消息は水の国に潜入して半年経った今でもつかめていない。
もしかしたら、抜け忍になっている可能性もないわけではないが。
オレが水の国で調査していることは3つある。
1つは尾獣と人柱力。
2つ目は現政権や水影。
3つ目はうちはマダラや黒ゼツの存在や影。
この世界軸では、オビトが闇落ちしておらず、黒幕だったうちはマダラや黒ゼツといった存在が確認できていない。不透明だ。
存在が確認できていないというのは、イコール存在していないということにはならない。
地下に潜って、暗躍を続けていると思って行動したほうがいいだろう。
うちはマダラは自分の理想。忍びによる争いが、戦争が一切ない幸福な世界。無限月読の世界を構築するために。
黒ゼツはそれを利用して、母である大筒木カグラを復活させるために。
この2つの事件が起こってしまったら、もうオレの手には負えないね。
大筒木インドラの転生体でも大筒木アシュラの転生体でもない。
原作通り、真の主人公うずまきナルトと第二の主人公うちはサスケに任せるしかなくなってしまう。
この世界はオレがいる世界軸で。もうすでに原作とは違う世界となっているのだ。
バタフライ効果とかでナルトたちが勝てない可能性も出てくるだろう。
そうなりゃあ、この世の終わりだ。いや、比喩ではなく。盛っている話でもなく。
じゃあ、世界の命運が掛かっているのが初めから分かっているオレは何をすべきか。
うちはマダラ、黒ゼツの野望阻止である。
それではそのためには何が必要か。
敵の情報と対抗するための力である。
情報を集めるには優秀な手駒と組織力が必要不可欠だと考えたオレは大蛇丸が持ち掛けてきた『宵』の結成に乗っかったのだ。
力に関しては言わなくてもわかるだろう。
既に多くの尾獣を集めていたり、柱間細胞を墓荒らしして入手したりしているのだから。
今後も揺ぎ無く自身の能力を高める努力を行う。
・・・こほん。ちっと語り過ぎたかな。
あんまり熱くしゃべりすぎると又旅に茶化される。これくらいにしておこう。
「ここは原作通り、うちはマダラ
オレは孤児が身に着けているようなボロ布を纏って、徒歩で移動していた。
それにしても・・・一般人の歩行速度で歩いているとはいえ、もう霧隠れの里には大分近づいているはずなんだが、人っ子一人ともすれ違わない。
道を少し逸れたところに死体が転がっているのは何回か目撃したが。
「一体どんだけ荒れてんだよ・・・」
もしかしたら、情報が上がってないから分からないだけで水の国や霧隠れの里の国力は相当落ちぶれているのかもしれないな。
今は過去の栄光や情報封鎖から忍び五大国に数えられてはいるが、実は張りぼてで本当のところは大国なんて呼ばれる力は無いのかもしれない。
そんな考えが浮かんでしまうほどに人は少なく、稀に人を見かけてもそのほとんどの人は瞳が死んでいて。
廃村や廃屋は多く、腐乱した死体なども転がっていた。
こんな状況の国なのに。
外的要因で国が崩壊することなく、内戦を続けられる理由。
それは
国内の人間ですら極僅かな一握りの者しか知らされていない水影の存在や上層部の居場所。つまりは反乱、内乱へ備えての徹底的な秘密主義によるもの。
そして何よりも攻めにくく守りやすい天然要害と謳われる地形あってのことだろう。
逆説的に言うと、国境警備隊が何らかの原因で崩壊したり、情報封鎖が何処かで綻びを見せたら、内部から敵を引き込んだら、内応してしまったら、この水の国の体制は脆く崩れ去ってしまうだろう。
下手をしたら、曲がりなりにも忍び五大国の内のひとつである水の国が崩壊なんてことになってしまったら、これが引き金となってまた忍界大戦に突入してしまうということも最悪あり得なくもない。
だからオレや木ノ葉上層部の多くはそれを望んではいない。いや、総意といっても過言ではないだろう。
木ノ葉として東の大国である水の国・霧隠れの里の崩壊は望んではいないが、かと言って仮想敵国の情報が無いというのは安全保障上の脅威でもある。
さて。そんなこんなで(どんなこんなだ)。
「霧隠れの里の前まで来たんだが・・・」
門の前には警備している忍びが、
身なりというか、立ち姿勢というか。
恐らく上忍2名の他中忍下忍の構成だろうと判断する。
攻め入るのであれば、これくらいは障害にならないのだが、しかし今回は違う。お忍びだ・・・本来の
手っ取り早いのはみんな写輪眼で眠らせるなり、操るなりして侵入することなんだが、今回はそう簡単な話でもない。
だって、誰にもバレちゃいけないからな。
交代要員や通りがかった仲間に警備している者たちが幻術にかけられていると気づかれたら任務失敗だろう?
うーん・・・どうしたものかなぁ。
ひ、ひろいんが・・・。
出てこなかった・・・。
次回は出したい・・・なぁ。