NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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序章 終わりの始まり
001.プロローグ


 

 むかし、昔。あるところにお爺さんとお婆さんが住んでおりました。

 お爺さんは滝隠れの里へ復讐のために。お婆さんは雲隠れの里へ復讐に行きました。

 そこでお爺さんは7つの尾をもつ蟲を。お婆さんは2つの尾をもつ猫を家に持ち帰りました。

 そして家に帰り、生まれたばかりのかわいい孫に与えました。

 7つの尾をもつ蟲は背中に。2つの尾をもつ猫は左手の甲に封じられたのです。

 その孫は男の子だったのですが、その男の子はすくすくと育ってやがて強い男の子になりました。

 

 

 

 それがオレこと、羽衣カルタなのです。

 

 

 

 そしてオレこと、羽衣カルタは転生者である。

 それが元々『羽衣カルタ』という人物がいて、その人物に憑依した形での転生なのか、それともオレが転生したから『羽衣カルタ』という人物が誕生したのか、そこはわからない。

 

 羽衣カルタは霜の国に隠れ住む羽衣一族の末裔である。

 六道仙人・大筒木ハゴロモの子孫筋であるところの羽衣一族だ。

 霜の国にも忍の隠れ里は存在する。だが、我が一族はその隠れ里には属していない。

 

 羽衣一族は、六道仙人・大筒木ハゴロモの血筋である故、皆精強な忍であった。

 だが、それ故に滅亡した。

 第1次忍界大戦前、かの森の千手一族とうちは一族が和解し火の国にて木ノ葉隠れの里が創設され、他国もそれに追随し、一国一里のシステムが構築されていった。しかし、その時代の波に乗り遅れた羽衣一族はその後に起こった第1次忍界大戦にて一族の大多数を失い、第2次忍界大戦にて一族の土地を奪われ、生き残った者たちは離散した。

 今は滝隠れの里を保有する国の領土になっているはずだ。

 残された僅かな羽衣一族はその一族の地に戻ることを目標に霜の国にて臥薪嘗胆の日々を過ごしている。

 

 

 

 ・・・らしい。

 

 

 

 とりあえず、羽衣カルタ(幼児期)早送り。

 

 羽衣カルタ、0歳。精神年齢、永遠の中学2年生。

 目を開けるとそこは知らない場所だった。どうやらWeb小説とかで見る『転生』なるものをしてしまったらしいと気付くのに3日かかった。そして認めるのに更に3日かかった。何故かって言うと、オレ死んだ覚えなんぞないし。神様にも会ってないし。ましてやチートも貰ってない。こういうのって、ドジっ子金髪蒼眼ロリ神様がうっかり命の灯とかいう蠟燭の火をクシャミとかで消しちゃって、「ごめん生き返らせてあげる!でも輪廻転生の枠から外れちゃった貴方は同じ世界に還すわけにはいかないの。だから、マンガの世界に転生してあげる。でもそのままだったらすぐ死んじゃうかもだから、3つどんな能力でもあげるわ。ちなみにその世界は原作とは別次元にあるよく似た世界。つまりはパラレルワールド。平行世界だから原作ブレイクどんどんしちゃっていいよっ。」みたいなのがお約束だろ。それが無いなんて認めない。

 そしてどうやら転生してしまったらしいと認めた1日後。ここがあのNARUTO世界だということを知った。なぜ知り得たかというと、、、それが冒頭の昔話調のアレだ。

 

 むかし、昔。あるところにお爺さんとお婆さんが住んでおりました。

 お爺さんは滝隠れの里へ復讐のために。お婆さんは雲隠れの里へ復讐に行きました。

 そこでお爺さんは7つの尾をもつ蟲を。お婆さんは2つの尾をもつ猫を家に持ち帰りました。

 そして家に帰り、生まれたばかりのかわいい孫に与えました。

 7つの尾をもつ蟲は背中に。2つの尾をもつ猫は左手の甲に封じられたのです。

 その孫は男の子だったのですが、その男の子はすくすくと育ってやがて強い男の子になりました。

 

 いや、初っ端から原作ブレイクだろ。しかもオリ主たるオレじゃなくて、爺さん婆さんが。

 そんなツッコミを0歳児ができるわけもなく。その日から毎晩、化け猫と変な蟲が夢に出てくるようになった。

 

 

 羽衣カルタ、1歳。

 うちの家族構成を紹介しておこうと思う。爺さんと婆さん。お母さんとオレの4人家族だ。お父さんはどうやらオレの生まれる少し前の小競り合いで戦死したらしい。

 元気な爺さんと婆さんはオレを早く一人前の忍びにしようと、やたらと身体を使った遊びを強要してくる。2人は遊びと称しているが、母から言わせると修行の域に達しているそうだ。ちなみにオレは幼児虐待だと思っている。

 毎晩夢に出てくる二尾の猫と七尾の蟲と会話が成立するようになった。

 

 

 羽衣カルタ、2歳。

 とうとう世界情勢がきな臭くなってきたらしい。爺さんと婆さんも寿命が近くなってきたとうるさいが、めちゃくちゃ元気。でもまだ動けるうちにと現在霜の国の領土内にある隠れ家を捨てて、比較的安全な火の国へ移動することになった。その道中はチャクラコントロールの修行をメインに行った。わざわざ木や崖を登ったり、湖や川の上を走って移動したりなどなど。

 毎晩夢に出てくる二尾・又旅と七尾・重明と仲良くなった。

 

 

 羽衣カルタ、3歳。

 ついに第3次忍界大戦が始まった。各国の国境付近で長引く小競り合いが次第に戦火を広げていって、第3次忍界大戦へと発展したらしい。

 爺さんに忍者学校(アカデミー)へ有無を言わさずぶち込まれた。

 羽衣一族である爺さんや婆さん、それからお母さんは、羽衣一族である故に火遁・水遁・土遁・風遁・雷遁全ての性質変化を保有しているらしい。それでもまぁ、得手不得手はあるらしいが。

 又旅と重明とは盟友・親友のような関係となり、チャクラや技や術を無償提供してくれるようになった。

 

 

 羽衣カルタ、4歳。

 忍者学校(アカデミー)史上最年少で卒業することになった。恐らく戦争の影響と人柱力のせいだろうと思う。いや、もちろん成績が良かったことも影響しているとは思うけど。

 これによって木ノ葉の下忍になる。

 さてと、長い前置きはこれぐらいにして、オレこと羽衣カルタの物語はここから始まる・・・

 

 

 

 


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