NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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前回のあとがきで真面目に頑張りたいと言った件だが・・・ありゃ守れそうにもない。

では、続きです。


083.水の国潜入任務 其の漆

 オレは晴れて自由の身となっていた。

 

 あのあと。

 

 つまり、ランに向かって見逃せと頭を下げた後。

 ランは数秒間黙っていた。その間、メイがランに対して説得をしてくれていたのだが、ランはそれに対して反応することは無かった。

 黙っていた間に何を思って、何を考えていたのかは分からないが、彼女が次に口に出した言葉は「勝手にしロ」というものだった。

 

 その言葉にホッとしたのは、どうやらオレだけじゃなかったようで。

 メイも胸を撫で下ろしていた。

 初めて会った3年前よりも更に成長した胸を撫で下ろしていた。

 

 え?今、言い直した意味はあったかって?いいだろ。別に。ソフトなおっぱい描写なら全年齢対象だ。

 

 ・・・こほん。話を戻そう。

 

 ランは最終的にオレのことを上層部に報告せず見逃してくれることになったが、逆にそうならなかったとき用の保険もあった。

 

 万華鏡写輪眼による幻術。正確には催眠眼による情報の刷り込み。いわゆる洗脳だ。

 原作でのうちはシスイの両眼の万華鏡写輪眼に宿った《別天神》のように一瞬で洗脳できるわけではないが、同じような効果がある。

 強力な幻術に陥れたあとに、精神が崩壊するほどまでに痛めつけて、最後の最後にまるで天使か救世主のように助け出してオレのことを絶対的に正しい存在と認識させる。

 そうすれば、幻術を解いたあともその意識は残るが、チャクラの乱れは一切残らず、周りからも洗脳に気付かれることはないだろう。

 

 世界の命運が。とか言っているときに何を甘いことを・・・と思われてしまうだろうが、それでもこの幻術を使うのは最後の手に。最終手段にしておきたかったのだ。

 だって年端もいかない少女を洗脳なんてしたいわけがないだろ。

 

 年端もいかないだなんて言葉、ランに向けていったら絶対に怒られると思うが。

 

 そんなわけで自由の身となったオレは里内をひとりで散策しているのかというと、そうではない。

 

 オレの左側にぴったりと引っ付いてマークしている人物がいるのだ。

 

 言わずもがな、照美メイだ。

 

 いや、そんなに密着せんでも。身長差的にその胸を堪能できるわけもないし。

 

 メイは、ランから見逃されたオレに対して「でもうちの里で動くのなら身分を保証する人がいた方がいいわよね?」という願ってもない提案をしてきた。

 その提案にオレは一瞬の迷いもなく有難く受け入れ、霧隠れの里で調査する後ろ盾を得たのであった。

 ちなみにランは「丁度いいから監視をメイが責任をもってすることだナ」と言ってメイにオレのことを全てぶん投げていた。

 ランのその物言いにメイは「任せなさい」とその年齢に見合わない胸をドンと叩きながら言い返していたことを追記しておこう。ついでだからその際、ぽよよんと揺れた胸に対して憎しみと妬みの籠った視線を向けていたランの様子も追記しておこう。

 

「私、去年から一族の屋敷から出て、里内のアパートに一人暮らしだからまずはそこに案内するわね」

 

 ということで、里内をメイとともに移動している最中なのである。

 時間帯はもう夜中ということもあって、人通りは少ない。少ないのだが、それ以上に土砂崩れや土石流によって破壊され流された家屋の一部や窪みに溜まった泥水などによって劣悪な足元は歩行速度を遅らせている。

 

「明日、大通りだけでも土遁で一気に整備しようか」

「そうね。道がこの状態だと復旧作業も捗らないものね」

 

 などという会話もありつつ、まるで迷路かバリケードでも乗り越えていくような道を抜けてしばらくして。ようやく里の外周沿いにある1棟のアパートへとたどり着いた。

 

 着いたと同時にメイの表情がハッとなる。

 そしてその直後、申し訳なさそうな表情に変わり。

 

「私の部屋の中ちょっとだけ(・・・・・・)汚いからちょっとだけ(・・・・・・)片付けてくるから。だから、ちょっとだけ(・・・・・・)待っててっ!」

 

 ごめんね~と言いながら猛ダッシュで階段を駆け上がっていったメイ。

 

「そんなに『ちょっとだけ』を強調せんでも」

 

 まさに風のように去っていったメイの後ろ姿を眺めながらその場に残されたオレは苦笑しつつ、そんな感想をつぶやく。

 

 きっと相当散らかってるんだろう。脱ぎっぱなしのパジャマだとか、私服だとか。もしくは素肌に直接身に着ける下着類。つまり俗に言うパンティだとか、ブラジャーだとか。

 

 黒い大人チックなブラジャーだとか。フリルのついた蛍光色っぽいピンクや水色、ミントグリーンといった可愛らしいブラジャーだとか。透け透けで防御力という言葉とは程遠いむしろ男を惑わすための攻撃力しかないブラジャーだとか。使用済みであるのにも関わらず洗ってないある意味マニア受けしそうなブラジャーだとか。

 

 ・・・うん。メイの成長した胸に気を取られてどうもそっち方面に思考がズレるな。大事なのは外側じゃない。中身だ。

 つまり、その中身を守るための下着であるブラジャーが重要なのではなく、そのブラジャーが守っている中身であるところの・・・って、そうでもない。そういうことじゃなくてだな。

 

 オレがそんな不毛な妄想に囚われているうちにメイが戻ってきて、綺麗に片付けられた部屋の中へと案内されるのであった。

 

 

 




お気に入り登録等ありがとうございます。

新名蝦夷守です。

なぜ、こうなった・・・汗

次回もこの感じ続いてしまいそうな予感。

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