TPC特捜チーム
このうちの一人、水野は司令室へ向かう途中、奇妙な指輪を発見し、拾う。
しかしその指輪は異星人で、地球を守りに来たという。
助けを要求され、胡散臭さに水野は断ろうとするが、昔からの憧れ、【ウルトラマン】と同じ力を与えると言われ、訝しみながらも引き受ける。
司令室へと向かい青嶋 現 副隊長へと挨拶し、とりとめのないことで話している最中に怪獣が出現。
それをストリームス専用機「スクリューウィング」で迎撃するも、兵装が怪獣に全く効かず、窮地に陥る。その時、二条の光と共に赤と緑の巨人が出現。水野の窮地を救う。
しかし、異星人【ウォータ】は二人の覚悟が足りないと告げ、実際に二人の巨人は窮地に陥る。
それを見た水野は覚悟を決め、【ウォータ】と契約を交わし変身。信念、【正義】により凄まじい力を発揮したウォータは怪獣を撃破したのであった。
―――――
ウルトラフレンズ 第二話 『正義と友情』 炎熱怪獣 エンバリン 暴力子怪獣 ボリウJr. 登場
「水野光。ただ今帰還しました」
水野は不時着(乗り捨てとも言う)したスクリューウィングをなんとか通常飛行ができるレベルにまで戻し、基地へと帰還していた。幸い、変身時にはブースターと通信機器が逝かれていて追求されることもなかったが、その代わりに飛び立つための最低限の加速力のために必死で応急処置をする羽目になったことは余談である。
「おいこらてめぇ」
「うぇ? うぉっと!? 何!? いきなり!?」
水野はコックピットから飛び降りた瞬間に飛んできたスパナをキャッチすると、飛んできた方向に吠えると、そこにはニット帽のような作業帽、SAGのエンブレムが刺繍された作業着を着た童顔の青年が立っていた。
「隊長も副隊長も乗れねえから持て余してた戦闘機乗れるやつが出てきたと思ったら物を大事に扱わん馬鹿だったら、文句ぐらい言いたくもなるだろう」
「文句どころか殺意こもってましたけど!?」
水野はスパナを適当な方向に放り投げると、青年へと近づく。すると、拳が飛んできた。が、水野はそれを空手の回し受けの形で受け止める。
「モノを大事にしろっつってんだろうが……!」
「必要な時に必要なことをするのが俺のモットーでね。降りかかる火の粉は払わせて貰うぞ……?」
視線がぶつかり、火花が飛び散る。が、水野は早々に咳払いをすると、青年に背中を向ける。
「てめぇ!」
「勘違いしてんじゃない」
しばらくの間歩くと、水野はスパナを拾う。
「すまんね。お前がハンマーとか投げてこようとしたらどうかと思って両手自由にしたかったのさ。ほれ」
水野は青年にスパナを手渡す。あっけらかんとした水野の言動に、青年は毒牙を抜かれた。
「……お前、意味分かんねぇ」
「友達にもよく言われるよ」
「ハッ、そうかい」
青年はスパナを受け取ると腰についた工具ベルトに取り付け、右手を差し出す。
「え?」
「こっちも済まなかったな。俺は
「あぁ、俺は水野光。ストリームスのパイロットだ」
水野はそう返すが手は取ろうとしない。なぜならば。
「なんで握手しようとしないんだ」
「油まみれの手とはちょっと」
最もである。戦闘機のパイロットという点を除けば、だが。
「……それもそっか」
「いや、ね? 機械油が汚いってわけじゃなくてさ、ほら、ヌルヌルしてベトベトすんじゃん。いくら手袋つけてても、ねぇ?」
「まあ、わかるが……」
腑に落ちないといった表情で相田は俯く。それを見た水野はなんとか場の雰囲気を変えようと話題を探す。幸い、話題はすぐに見つかった。
「なあ、スクリューウィングってさ、ついてるレーザー機銃の威力ってそんなに低いわけ? 怪獣が気にも留めなかったんだけれど」
「何? あれにはS-ファランクスが積み込まれてるんだ、そんなわけないんだが」
ちなみに、S―ファランクスとは、旧GUTSのガッツウィング2号に搭載されていた”スバル砲”を小型軽量化し、複数を回転軸に取り付け、一つずつ回転させながら発射することにより驚異的な火力を誇り、回転させることにより放熱し熱暴走による機能停止を防ぐという優れ物である。毎秒34発放たれるそれは、分単位の火力で比較すれば、ガッツイーグルのトルネードバスターをも凌駕する。
え? ネオマキシマは? そんなものは地表で使い物にならないと判断します。市街地の被害怖いし。使ってた? ……知らんね。
「でもでも、実際気にもとめなかったんだぜ? 見てたなら知ってるでしょ」
「いいや。メカニックはあまり基地から離れたところの様子は見ることが出来ない。そんなの見てる暇があったら仕事しなきゃなんないんでな」
「じゃあ、ガンカメラとかで確認しといてよ。実際効いてないんだから」
「ガンカメラも逝かれてると思うけどな。ま、こういう報告があったって上に言っとくよ。でも、お前も報告しろよ?」
「わぁってるって、相田」
水野のその言葉を聞いて、相田は満足したように頷き、スクリューウィングの方へと駆けて行く。
≪ガンカメラに変身する際の映像が残ってたらキミはモルモットなんだがな?≫
いきなり頭の中に響いてきたウォータの声に水野は一切の動揺も無く答える。
「(大丈夫。ガンカメラは機首の先に取り付けられてる。変身する際の映像があったとして、映ってるのは青白い光。俺がその時ウルトラマンに助けられたとしか思われないさ)」
≪意外と頭が回るんだな≫
「(まあね。……意外とっつった?)」
「あっ、おぉい! 水野ー!」
「あっ、光!」
「んぇっ、敦士、裕樹?」
頭の中でウォータとの話に集中していた水野はいきなり話しかけられて変な声を出しながら振り向いた。
「災難だったな、水野。初日からあんな強い怪獣に当たっちまって」
「避難誘導ってあんなに大変なんだね。僕初めて知ったよ」
「あぁ、ホントにな……?」
水野は炎と木野の体に巻かれた包帯に気付いた。
「おい、その怪我……」
水野が指を刺してその怪我を指摘しようとした瞬間、その指に填められた指輪、ウォータリングから甲高い音が鳴り響き始める。
「「!?」」
「ちょっ、いきなり……っ!?」
水野は慌てて指輪を押さえるが、その場にいた3人以外の隊員は不思議そうな目をしたものの、そのままどこかへと向かっていく。
「ど、どういうことだ? 水野、その、指輪……」
「っていうかその指輪、朝してなかったよね? 拾いもの? ネコババは、駄目だよ?」
≪誤魔化す必要は無い≫
「ッ、敦志、広樹、こっちっ」
水野は炎と木野の手を引き、男子トイレの中へと逃げ込む。
「ど、どうした? さっきの声と関係あるのか?」
≪アツシ。大丈夫だ。彼は青い巨人、ウルトラマンウォータの契約者だ≫
「何?」
炎と木野が水野のほうを向くと、水野は所在無さ気に頭を掻いた。
「そういや、私達、って言ってたっけ」
≪そういうことだ。彼らはそれぞれ私の仲間、ヒート、ウッドと契約を交しているらしい≫
ウォータは指輪から一際強い光を放つと、虚空に自らの巨人としての姿を映し出した。それに倣って炎の腕に填められた腕輪、木野の首に掛けられたネックレスからも光が放たれ、炎の腕輪からは赤い巨人、木野の腕輪からは緑の巨人の姿が映し出される。
≪私の名はウォータ。ミツルと契約したものだ≫
≪俺の名はヒート。アツシと契約したもの≫
≪自分の名はウッド。ヒロキと契約したものだよ≫
虚空に映し出された青、赤、緑の光の三原色のラインの入った銀色の体の巨人がそれぞれの紹介を終えると、それぞれと契約した地球人は自らの名を名乗る。
「水野光。ウォータと契約した地球人だ」
「炎敦志。ヒートと契約した地球人だぜ」
「木野広樹。ウッドと契約した地球人」
三人が名乗り終わると同時に三体の巨人は虚空に消え失せた。
「な」
「ここにいたか」
水野が声のした背後に振り返ると凛とした雰囲気を放つストリームスの隊員服に身を包んだ女性が立っていた。
「ちょっと!? ここ男子トイレだぞ!?」
「関係ないな。ちょっと来い」
「うおっとぉ!?」
女性は水野の襟元を掴み力任せに引き摺って行く。
「おい、アンタ、何者だ?」
「私か? 家名は
「え、あ、はい」
炎の問いに事も無げに答える瑠に木野は呆気にとられて生返事をすると、水野はそのまま多少暴れても一切緩まない手に抵抗を諦め、無抵抗のまま、どこかへと引き摺られていく。
炎、木野はそれをただ呆然と眺めていることしか出来なかった。
―――――
「うわった!」
「どうした、新人」
瑠の手から乱暴に投げられた水野は情けない声を上げながら受身を取り、辺りを見回す。
「ここは……?」
「先程の怪獣の住処だ」
瑠の言葉に水野は一瞬身を強張らせる。が、首を振ってその緊張をほぐすと、極めて平常心を装いながら瑠へと問う。
「あの、比較的低威力とはいえ、既存の兵器が効かなかった怪獣の住処? どうやって」
「近隣住民の証言だ。まるで近所で有名な野生動物のように話しているのを聞いて私も最初は笑ったさ」
「あれを? 豪胆ですね」
水野はそういって笑うが、瑠は表情を緩めるどころか、更に強張らせる。
「いつもは穏やかで迷惑を掛けていたとわかると非常に人間に近い謝り方をしていたんだそうだ。動画まである。最新ファイル、再生開始。コード、24X3R6」
「……これが、あの?」
瑠が再生した動画を見ると、人間の言葉にぺこぺこと頭を下げる怪獣の姿が映し出された。確かに人間の話を理解し、友好的な関係を築いていたことが分かる。だが、水野が見て、戦ったあの怪獣がどうしても結びつかない。
「ああ。子供もいたらしくてな、人間ほどの背丈らしい。そんな怪獣が何故街を襲ったのか、分からないといった顔をしているな?」
「……」
瑠の言葉に水野はゆっくりと頷く。
「言葉が通じず、目にはどこか怯えがあったそうだ。まるで今までの信頼が全て崩れたように」
「人間不信……?」
「近隣住人はその怪獣の子供もおかしくなっていないか調べてくれ、といった内容の依頼、通報をしてきた。だからこそストリームスの出番だ。が」
「怪獣は見つけ次第殺せ。近隣住人はあのままだと人間を襲うと説明する。喜べ新入り、怪獣初討伐の時間だ」
「アンタっ!」
瑠のその言い方に水野は怒り、掴みかかる。
「どうした。何か不満があるのか? さっきはウルトラマンにスコアを取られたんだ。手当ては出んぞ?」
「あるに決まってる! 俺は正義の味方を目指してここに入ったんだ! まだ何もしてない怪獣をなんて、正義じゃあない!」
「正義などと不定形なものに踊らされるな新入り。ならお前は人をその怪獣の子供が襲わないと言い切れるのか?」
「それは……」
瑠の言葉に、水野は言葉を詰まらせる。無理も無い。よく躾けられた犬だって人を襲うことがあるのだ。毎日餌を与えていようともそういうことはある。生態をよく知る動物でもそうなのだ。よく知らない怪獣相手に弁護するには些か材料が少なすぎる。
「これは私達ストリームスにとって極めて重要の事象でもある。危険を捜索し、事前に除去。それも私たちの大事な仕事だ」
「理屈は、分かりますけど」
水野がそういってうつむくと、後ろからガサ、と木の葉が揺れる音が響く。
「新入り!」
「っ!?」
瑠の言葉に水野がその場を飛び退くと、そこに確かな破壊力を持った光弾が着弾する。その発射されたであろう方向を目で追うと、そこには先日の怪獣を人間大に縮め、角などを小さくしたような獣がいた。その目は、怯えや怒りが入り混じっているように震えていた。
「この子が……!」
「感情移入をしすぎるな、新入り。これは、駆除対象だ」
「とはいっても!」
「これは、ヒトなんて簡単に殺せるぞ? 今だって気付かなければ、避けられなければ消し炭だ」
「くっ……」
瑠の言葉に水野は言い返せず、悔しさをこらえるように歯を食いしばる。そして少しの間を置いて、口を開いた。
「隊長」
「なんだ」
「腹は括りました。ですが、一つだけお願いしたいことが」
「言ってみろ」
「……この子は、俺の手で確実に仕留めます。だから、だからどうか、俺が死ぬまで、決して手を出さないでください……!」
水野はそういうとスクリューガンを引き抜く。どうしようも出来ない悔しさに涙すら浮かべているが、その声にもう、迷いはなかった。
―――――
さて、所は変わってSAGの基地の中。避難誘導中に瓦礫に巻き込まれたことになった二人は大事をとってということで休みとなり、喫茶室でコーヒーメーカーで淹れたコーヒーを嗜んでいた。実際避難誘導中にはぐれた子供を捜し、落ちてきた瓦礫から二人がかりでその子供をかばったこと自体は事実で、その子供からの証言で労災が落ちることが決定している。しかし、そんなことよりも二人の心の中に浮かぶのは先ほどの戦いの内容だ。
マシントラブルで回避行動の出来なくなっていたストリームス隊員(スクリューウィング自体は複数いたので二人はこれが水野だと気付いていない)を助けられたのはいい。だが、怪獣自体には手も足も出ず、水野が変身したウルトラマン、ウォータが一人で片付けた。二人が契約したウルトラマン、【ヒート】、【ウッド】も水野が契約したウルトラマンと実力はあまり変わらないらしい。ならば、この違いはどこなのか。そればかりが脳裏に浮かんでは消えていた。
「あいつと、俺達、何が違うんだろうな」
「多分、才能。昔ッからそうだったでしょ? サヴァンだかなんだか知らないけどさ」
「嫉妬なんて、らしくないぜ」
「違うさ。後悔だよ」
『そもそも。彼との違いは才能なんかではないのだけど』
炎は契約したウルトラマンの潜む腕輪から響く声に目を細める。
「あのな、正体をばらすなといったのは」
『俺たちの声は契約者以外には聞こえない。テレパスって奴だ。そっちも念じるだけでいい』
「(……ああ、そうかい)」
『そう、それでいい。そして、彼との違いだが。確固たる覚悟の違いだ』
「覚悟ォ……?」
『そう、覚悟』
思わず口から漏れた言葉をヒートは肯定する。木野も興味深そうに耳を傾けていた。
『心の迷い、悩み。それは腕を鈍らせる。全力を発揮できないんだよ。俺たちはそもそもこの地球上においてその実力を発揮できないといったね。君たち地球人の力を借りないとそれは無理だと。故に、君たちのコンディションに俺たちの力は左右される。俺たちのコンディションは誤差にしかならないが、君たちのコンディションは誤差どころか勝敗を決する差にほど達するのさ』
「(それが、覚悟の差)」
ヒートの言葉に炎は水野の顔を思い浮かべる。へらへらしているけれど、その生まれから、厳しく教育されてきた男。生まれ持ったサヴァン症候群という特徴から不気味がられて寂しそうにしていた男。友達になったとき、あふれんばかりの笑顔で喜んでいた男。そして、誰よりも正義を愛し、悪をなすものに対する強烈なまでの怒り。それら全てを持って、自分は水野光という一人の人間を友として、同士として好きになったのだと考える。だからこそ、足手纏いにはなりたくない。だから。
木野も思い浮かべる。サヴァン症候群だと、道場の生まれの堅物だと。そう呼ばれていた形容しがたい怪物のイメージを、一目見て会話を交わした瞬間打ち壊した優しい男。自分はそう力も頭もない。水野は当然、炎にも及ばない。樹のように広い器なんて自分には不相応。だけれど、水野と炎という人間の友達であるというのは一つの誇りにも思える。だから。
腹は括った。あとは、実践あるのみ。そんな中、怪獣出現の警報が鳴り響く。
「こんなすぐに……!?」
「敦士、行こう」
「……おう、やるしかない!」
そして二人は駆け出す。腕輪とピアスを煌かせて。
―――――
「グァオォォウ」
地中から現れた怪獣は雄たけびを上げるとビル群に熱線を吐き、ビルを次々と打ち壊していく。
「皆さんこっち! 避難所はあちらです!」
緑色の制服を着たガードナイツと赤い制服を着たアンデッツの隊員たちが街の人々を避難誘導する中、炎と木野は現場に到着する。
「新人の!? 基地で休んでいるようにといったはずだ!」
指揮を執っていた赤い制服を羽織った男、アンデッツ隊長である
「人手はいくらあっても足りないでしょう!? 要救助者を探してきます! 怪我をしているとはいえ、こんなの掠り傷だ!」
「無理はしません! だからどうか!」
「……無茶は許さん! 無事に戻ってくるように! 特にガードの新人! 何かあったらお前の所のに文句を言われるのは俺なんだからな!」
藤の言葉に二人は無言で敬礼を返すと怪獣の居る方とは別の壊れたビル群に駆け出していく。そして藤はその二人の背中を見送ると静かに目を瞑ると無事であるようにと天に祈る。
そして二人は人気の無いところまでくると天を見上げる。赤いアンデッツの戦闘機、ブラドアローと緑色のガードナイツの戦闘機、スカイシールダー飛び交って怪獣に攻撃をしていた。多少は効いている様子を見せてはいるものの決定的なものは無い。やはり従来の怪獣よりも強くなっているのだろう。炎は腕輪をつけた右腕を掲げ、木野は耳につけたピアスを弾いた。そして叫ぶ。
「ヒィィィト!」
「ウッドォォ!」
その叫びと共に二人の身体は光に変わり、炎は赤い巨人、【ヒート】に、木野は緑色の巨人、【ウッド】にその身を変え、光を天に放射しつつ巨大化する。
「さっきのウルトラマン……赤と緑か。青いのだったら安心なんだが」
避難誘導をしていた隊員の一人の言葉が容赦なく二人の耳に入る。さっきなんのいいところも無く負けてしまっていたからだろう。
ヒートは両手に拳を握り、左拳を胸前に、右拳を敵に突き出す構えをとる。これが炎の覚悟、信念『打倒』を示す構えだ。そしてウッドは両手を手刀の形にし、腰を落として軽く手を広げる『守護』の形。
ヒートは怪獣に素早く近寄ると下から怪獣の顎を右肘でかち上げる。
『ゼェア!』
「グァウ!?」
その攻撃に思わず後ずさった怪獣はヒートに向き直り、その口から熱線を吐こうとするが、上空から放たれたウッドの光弾にそれを遮られる。
「さっきと動きが違う! なんだ、さっきは緊張してたのかよ!」
「良いぞウルトラマン! さあ、援護するぞお前ら!」
「「了解!」」
「空中支援が役目かなぁ!」
『管制室よりパイロットへ! 当然だろうが手ぇ動かせ!』
追い討ちといわんばかりに地上からの隊員たちの携行武装、戦闘車両からのビームと戦闘機たちによる機銃の一斉射が容赦なく怪獣を襲う。それを見て、その声援を聞いて、二人は顔を見合わせ力強く頷くと必殺技の構えに入る。
『ゼァアアア』
『ジャアアア』
ヒートはカラータイマーにエネルギーを溜めると胸前に両手を合わせてエネルギーをそちらに移し、ウッドは大きく腕を広げると右腕にエネルギーを溜める。
「行けぇウルトラマン!」
「がんばれぇ!」
「怪獣止めるぞ!」
「了解!」
「パイロットより管制室へ! 豪勢に行きたい!」
『管制室よりパイロットへ! どんとやれ!』
避難民も合わさっての声援、地上戦力が脚に狙いを定めての攻撃、航空戦力のミサイルに怪獣は手足どころか口も動かせない。そんな中、二人の巨人のチャージが終わった。
≪【ヒートウェーヴ!】≫
≪【ウッドクラッシャー!】≫
ヒートが腕を十字に合わせると赤い光線が交差した部分から発射され怪獣に突き刺さり、、ウッドが右手を天に突き出すとそこから発射された光玉が放物線を描きながら段々と巨大化、上から怪獣を押しつぶす。そして完全に怪獣の姿が見えなくなった瞬間爆発し、跡形も無く吹き飛んだ。
「やればできるじゃん!」
「ありがとうウルトラマーン!」
「ウルトラマンに敬礼!」
「はっ!」
「青いのは来なかったな」
『管制室よりパイロットへ、ピンチになれば来るんじゃないか? それより直ちに帰ってくるように』
街の人々や隊員たちの声が聞こえる。これは自分たちが守ったのだと、否応なしに自信が生まれる。心地よい達成感に包まれながら二人のウルトラマンは空へと飛び立ち、上空で光と変わり、地面に降り立ち地球人の姿に戻る。
「やったな、キノ」
「光に自慢してやろう、敦士」
そして辺りに要救助者がいないかを確認すると、二人は他のSAG隊員たちの下へ行くのだった。
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そしてとある山中。そこには喉に穴を開け血を流して息絶えた怪獣と、銃を持ったまま怪獣の亡骸へと腰をかけ項垂れる水野の姿があった。
「後悔しているか?」
「……いいえ。いつかしなくちゃいけなかった決断を、今しただけに過ぎません」
瑠の問いに水野は棘のある言い方で顔を上げて答える。瑠はそんな水野の顔を見ると満足そうに頷いた。
「一端の戦士の顔になった。誰かを護るのなら、これくらいの決断は必要だ」
瑠は懐から鞘に入ったナイフを取り出すと水野へと差し出した。
「流石に刀は無理だが、これが私の餞別だ。天才剣士」
「……天才なんかじゃ、ありません」
水野は差し出されたナイフを受け取りながら、重々しく呟いた。
「ただ、腕の立つ両親から生まれて、厳しく教え込まれたに過ぎませんから」
「それで出来上がるから天才という。謙虚は美徳ではあるが、過ぎれば嫌味だ」
瑠は水野の言葉にそう反論すると、こう付け加えた。
「大会を見たことがあるが、凡人のそれでは決してなかった。誇れ。それは強者の義務だ」
瑠はそれだけ言うと自分勝手に山を降りていく。水野は残されたまま、ただ表情暗く俯いていた。
基本的には書きあがった次の日くらいに投稿することになりますのでいついつ何時に投稿するとか決まってません。ご容赦を