異世界侵略 ~転生者たちが侵略す~   作:グレン×グレン

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まあ、想像している人は何人もいるよね?


五の価値と赤龍帝

 

 兵藤一誠の転生者としての覚醒を、一人の女性が遠くから見ていた。

 

 本来なら、肉眼で見えるような距離ではない。だが、女はそれを確かに視認していた。

 

「・・・やるじゃんイッセー」

 

 そうほめる女はしかし、喜色だけでなく苦い感情すら浮かべてしまう。

 

 まさかと思ったが、本当に悪魔に転生しているとは思わなかった。これは本当に残念な事実だろう。

 

 ああ、これで彼と戦うことが確定してしまった。

 

 偽りの魔王たるサーゼクス・ルシファーの妹の眷属悪魔になった以上、直接か間接かの違いこそあれ、自分たちが殺し合う関係になることは確定だ。

 

『いやなら、抵抗すればいいんだぞ?』

 

 と、どこからともなく声が響く。

 

 否、その声は彼女の左腕から響いていた。

 

 その気づかわしげな声にしかし、女は首を振った。

 

「無理無理。あいつの保護が無けりゃあ、あたしはあんたのライバルに殺されるって。まだ禁手にすら目覚めてないのに、覇龍使える男となんて戦えないって」

 

『だが、()()()を使えば戦えないこともないだろう?』

 

「アンタにとっては嫌でしょうが。第一、其れだって覇には届かないって」

 

 苦笑交じりに相棒に言葉を告げ、女はため息をつきながら来た道を戻る。

 

 そう。もう戻れない。

 

 なら、せめて欲望のままに暴れよう。

 

 思うがままに生きる。それこそが龍という生き物の本来の在り方なのだから。

 

「帰る前にCDショップ寄ってくわよ、ドライグ」

 

『お前、最近本当に音楽を聴くようになったな、相棒』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、俺はやけに早く目が覚めて旧校舎に来ていた.

 

 どうせだし掃除でもしようかと思って部室に顔を出してみたら、そこでは部長が立っていた。

 

「よ! 昨日はかっこよかったじゃねえか」

 

「うっす! 昨日はありがとうございました!」

 

 なんか、口調が感染してるけどまあいいや。

 

 この人についていきたいと思わせる、そんな何かを感じさせる人だ。

 

「それで? お前の能力の詳細は分かったのかよ?」

 

「あ、あの時使ったやつだけですけど」

 

「上等。教えてくれや」

 

 あの時俺が使ったのは、こことは違う地球の能力。

 

 英霊(サーヴァント)。神話や伝説、歴史に名を残したものが、死後信仰によって精霊の域へと昇華された存在。

 

 俺が使えるのはそのうちの一人。円卓の騎士ランスロットの力だった。

 

 騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)。騎士ランスロットの伝承に存在する、相手の武器やその辺にあったものを使って勝利をつかんだ伝承を基にした宝具と呼ばれる能力。

 

 それは、手にしたものを自身の宝具へと変換する能力だ。

 

「・・・見た感じ、並の神器の禁手クラスには性能が引き上げられてたな。そこそこの武器を用意すれば、お前すごいことできんぞ」

 

「はい。突撃銃とか手に入りませんかね?」

 

 少年兵だった俺が使うなら、近代兵器が一番だろう。

 

 使い慣れているし、宝具化すればそこそこの偉業にも対応できる。

 

 それは同じく少年兵だった部長も同感なのか、うんうんとうなづいた。

 

「拳銃程度じゃ悪魔は殺せねえが、お前の能力が追加されりゃぁ話は別だ。何とか用意してやるぜ?」

 

「ありがとうございます!!」

 

 などといろいろ銃談義に花を咲かせていたら、リアス部長はにやりと笑う。

 

「しっかし、言い方は悪いがいい拾い物をしたぜ」

 

 そういうと、部長は俺の首に手をまわして引き寄せる。

 

 う、うぉおおおおおおおおお! 頬に胸が当たって俺のドラグノフがブーストぉおおおおおおお!!!

 

「知ってるか? 悪魔の駒(イーヴィル・ピース)ってのは、一つの駒で転生させれる限界があるんだよ」

 

 へえ。一つの駒さえあれば何でもできるもんだと思ってた。

 

「そのレベルはチェスの駒の価値とされるもので決定されてる。兵士の駒は一つにつき一だ。騎士と僧侶は3で戦車は5。女王の駒は9だな」

 

「え、えっと・・・じゃあ兵士の俺は、一?」

 

 マジか! ワールマターめちゃちな能力与えやがって!!

 

 一瞬マジでワールマターに怒りを覚えたが、しかし部長は首を振った。

 

「否、五だ」

 

 ・・・え? マジで?

 

 俺、戦車一駒と同じぐらいあるの!?

 

「あとギフトはそれに換算されねえ。つまりお前は神器だけでもシャレにならねえ力を持ってるってわけさ」

 

 え、マジで!?

 

 驚愕する俺をみて、部長はにやりと笑う。

 

「駒価値分は働いてもらうぜ、イッセー。・・・これでも期待してんだからよ!」

 

 そういう部長の笑顔は、なんていうか本当に格好良くて・・・。

 

「は、はぅ~」

 

 と、後ろからかわいらしい声が聞こえてきた。

 

 振り返ると、そこにはアーシアの姿が・・・って!?

 

「なんで駒王学園の制服を!?」

 

 そう、なぜか駒王学園の制服を着ていたのだ。しかも高等部のを!!

 

「眷属にするなら近くで見れた方がいいからな。俺の権力で無理やりねじ込んだんだよ。・・・一応国語以外の学力テストは合格したぞ? つまりは留学生ってやつだな」

 

 おおおおお! 職権乱用・・・の割には律儀に試験は受けさせてるんだ。 微妙にまじめだ。

 

 それはともかく、ってことはアーシアって十代後半? かわいらしいからまだ中学生ぐらいかと思ってた。

 

「一応イッセーと同じクラスにしといたからよ! いろんな意味で頑張れ若人!!」

 

「え、同い年!?」

 

 さすがにそれはびっくりだぜ。

 

 あれ? でもアーシアは日本語できないんじゃ・・・。

 

「あ、実は部長さんのお世話になるということで・・・その・・・」

 

 いろいろと悩んでいたが、アーシアはかわいらしく気合を入れる。

 

 と、そこに悪魔の翼が!?

 

「いやぁ、こいつの神器は聖母の微笑《トワイライト・ヒーリング》っつーんだけどよ? まさか駒一つでできるとは思わなかったぜ!」

 

 そういいながら、リアス部長は嬉しそうにカラカラ笑う。

 

 お、おおお? いいの? いいのアーシアちゃん?

 

「あ、あぅぅ。いくらイッセーさんと一緒にいられるからって、少し勢い余ったような気もします。ああ、主よおゆるしくださはぅう!?」

 

「おいおい。祈るんだったら覚悟決めとけよ。割とその辺融通きかねえぞ、ヤハウェはよ」

 

 ああ、アーシア悪魔になったから神に祈ると天罰が下るんだ。

 

 おいおい神様。救いを与えろとは言わないけど、せめて祈るぐらいは許してやれよ。

 

 悪魔だって改心したら祈るかもしれないじゃん。融通きかないなぁ。

 

「・・・なあ、俺様一応考えるだけでいいっていったぜ? ちょっと勢い任せにもほどがあるんじゃねえか?」

 

「で、でも、イッセーさんと一緒にいるなら悪魔の方が長く一緒にいられるわけで」

 

 などと二人して話し合うけど、其れってつまり・・・!

 

「え、ちょ、マジで!?」

 

 やべ、顔が真っ赤になってきたんだけど。

 

 え、でもいきなりすぎてどう反応していいかわからない! レイナーレのこともあるから、ちょっとすぐに恋愛は勘弁してほしいところもあるんだけど!?

 

「ま、まだあったばかりなんだからそういうのはゆっくり考えりゃいいさ。よく言うだろ、まずはお友達から・・・ってな?」

 

 そうにやりと笑うと、部長は指を鳴らした。

 

「お前ら! そろそろ出てきていいぞ?」

 

 と部長が言うと、扉が開いて気まずそうに木場が顔を出した。

 

「あ、あはは・・・。実はイッセーくんが来るんじゃないかって部長に言われてね」

 

 え、観られてた?

 

 部長の胸で興奮していたことも?

 

 アーシアから事実上の告白されたことも?

 

 うっわぁあああああ! 恥ずかしいいいいいいいいい!!!

 

「・・・これ以上待たせないでください、イッセー先輩」

 

 小猫ちゃんにまで見られてるぅ!?

 

 と、小猫ちゃんが視線を別の方向に向けていたので顔を剥ければ、そこには何ともおいしそうなケーキが!

 

「アーシアとイッセーの眷属入り祝いだ。祐斗のケーキはうまいぜ?」

 

 え、これ木場が作ったのかよ!? ふつうこれ部長か小猫ちゃんじゃね?

 

「一番うまい奴が作るのがいいだろ? ま、俺様と小猫もクッキーぐらいは手伝ったがな?」

 

「おなかが減りました。早く一緒に食べましょう」

 

 小猫ちゃん、眼の色怖いよ。

 

 ・・・うん。だけど。

 

「・・・食べよっか、アーシア」

 

「・・・はいっ」

 

 こんなうれしそうな笑顔を見れたんだし、早く食べるとするか。

 




と、いうわけで今代の赤龍帝はイッセーではありません。

転生によるイレギュラーを入れたいというのもありましたが、赤龍帝の籠手にギフトまでつかされたらどう考えてもチートすぎると思いました。

敵がチートなのはともかく、味方がチートでは戦闘の面白さが低下すると思いましたので。

ですがもちろん、赤龍帝もがっつり物語にかかわってきますのでご安心を
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