異世界侵略 ~転生者たちが侵略す~   作:グレン×グレン

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初戦優先 ~vsフェニックス第一ラウンド~

 

 そしてレーティングゲームが始まったんだけど・・・。

 

「嘘だろ」

 

 俺はそうぽかんとつぶやくしかできなかった。

 

 だって、だって、だって!

 

 レーティングゲームのフィールド。このためだけに用意した駒王学園のレプリカなんだぜ!?

 

 嘘だろ!? あんなでかい施設をこのためだけに用意したのかよ! あ、壁の傷まで再現してやがる!

 

 悪魔の技術すごい!! 少しぐらい人間界に分けてくれてもいいんじゃないの? いやマジで!

 

「建設業界とか機能してないんだろうなぁ」

 

「ま、悪魔になりたての人間はよく驚くぜ?」

 

 とまあ部長が面白がりながら付け加える。

 

 あれ? 意外と余裕?

 

「ま、負けたら負けたで仕方がねえ。とはいえ負けてやる義理もねえ」

 

 そういいながら部長はソファーにどっかりと座る。

 

「その割には全然動かないんですけど、いいんですか?」

 

「レーティングゲームっていうのはね、結構長期戦なんだよ」

 

 そう言いながら、木場が地図を広げる。

 

 あ、駒王学園の地図だな。しかもちぇず版みたいにマス目がついてるな。

 

「とにもかくにも、俺様達は数で圧倒的に不利なうえにレーティングゲームの経験でも劣ってる。こいつぁ間違いなくきつい戦いだ」

 

 と、部長が前置きした。

 

 俺もそれは同感だ。

 

 経験豊富な連中が圧倒的な人数差で攻めてくる。普通にかんげて勝負を挑む方がどうかしているレベルだ。

 

「部長、とにかく何とかして数を減らさないとまずいですよ。ライザーだけでもやばいのに」

 

 そう、何がやばいってライザーだ。

 

 十戦八勝。それがライザーのレーティングゲームの戦績。そしてそのうち二敗はお家事情でわざと負けている。

 

 ぶっちゃけそんな理由で勝ち負けを堂々と操作して意味あるのか疑問だけど、それはまあおいとこう。

 

 そして、それだけの圧倒的な成績を収めた理由は単純明快。

 

 ソロモン72柱に連なる上級悪魔。その序列37番目のフェニックス。その特性は、不死。

 

 傷を負っても炎とともによみがえり、さらには特殊な条件下で流した涙は聖母の微笑に匹敵する治癒の力を発揮する。

 

 冗談抜きでシャレにならない。伯爵って、爵位としては低めだよな。なんでそんなことになってんのかさっぱりなぐらいすごい能力だろうに。

 

 どうもレーティングゲームに入ってからメキメキと勢力を伸ばしているらしい。倒されないって本当にすごい。あと回復とか医療産業で莫大な利益もだせるからな。

 

 そういうわけで、フェニックスはかなり強いそうだ。ライザーの一番上のお兄さんは近々最上級悪魔に昇格するとか。

 

 そんなチートじみた奴を相手にする以上、それ以外の奴には退場してもらわないとマジで困る。

 

 さて、問題はどうしたらいいか・・・。

 

「とりあえず、何人かはどうにかできるはずだな」

 

 と、部長は校舎裏の運動場を指さす。

 

「ここから移動するのが一番わかりやすい以上、何かしらの形で何人かおいているはずだ。ここを祐斗、小猫、イッセーの三人で強襲する」

 

 おお、戦力のほとんどを投入するのか。あれ? でもアーシアは。

 

「アーシアの護衛は俺様がする。とにかく数で劣っている以上、囲まれたらアーシアが狙われるのは間違いねえからな」

 

「あ、足を引っ張ってしまって申し訳ありません」

 

 恐縮するアーシアの頭をなでながら、部長は安心させるように微笑んだ。

 

「大丈夫。アーシアの出番はライザーを倒すまで取っとくだけだよ。・・・そういうわけで、いけるな三人とも?」

 

 と、部長が答えをわかっているのにそう聞いてくる。

 

 ええ、わかってますよ部長!

 

「「「はい、部長!!」」」

 

 絶対、あいつらをぎゃふんといわせて見せますとも!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、いうわけで俺はアサルトライフルを構えている。

 

『イッセーくん。そろそろいいかい?』

 

 木場たちはすでに準備万端のようだ。

 

 よし。なら俺がやることはただ一つ。

 

「タイミングはそっちに合わせる。・・・よろしく頼むぜ?」

 

『では、私がやります』

 

 と、子猫ちゃんが代表した。

 

 俺は、呼吸を落ち着けて手のぶれを抑える。

 

 アサルトライフルとは、第二次世界大戦でドイツが開発した銃の種類。

 

 戦争における射撃の基本距離が、四百メートルぐらいだったことからそれに合わせて開発された装備だ。

 

 そして、テレビとかのイメージで勘違いされやすいけど、基本的に一発ずつ打つのがこの銃の在り方。

 

 つまり、ある程度の遠距離狙撃が可能なわけだ。少なくとも学校規模なら十分すぎる。

 

『では、カウント3で突入します』

 

 よし、こっちも狙いが付いた。

 

 ターゲットは明らかに僧侶っぽい和装の少女。

 

 女の子を撃つのは気が引けるけど、頭は狙わないから即死はしないだろう。

 

 どうせやられても退場して治療を受けるんだし、それぐらいなら大丈夫だろう?

 

『3、2、・・・1!』

 

 悪く思うな!

 

 久しぶりの突撃銃だったが、一発でど真ん中をぶち抜くことに成功した。

 

 よし! この感覚ならこのまま終了! 騎士は徒手にて死せずすごい!!

 

 それに気づいた相手の大剣をもった騎士と歩兵二人が飛びのくが、しかしそれは木場と小猫ちゃんに任せる。

 

 俺はすぐにサブマシンガンとグレネードランチャーに切り替えると、すぐに振り向いた。

 

 ・・・おそらく向こうも攻めるために歩兵を送り込んでいる。

 

 土壇場でその当たり前のことに気づいた俺たちは、迂回しながらこっちに移動した。

 

「そっちから仕掛けるとは思わなかったわよ!」

 

「ライザー様に怒られちゃうじゃない!」

 

 予想通り来たよ三人も!

 

 あとメイド服萌える! 写真撮りたい!!

 

 けど悪いが―

 

「そっちはワイヤートラップの群れなんだよ!!」

 

 何人かがワイヤーに引っかかってつんのめるから、それを正確にサブマシンガンで撃ち抜いていく。

 

 魔力式のトラップなら勘付かれただろうが、ただのワイヤーなら悪魔は勘付きにくいと思ったがその通りだ。

 

 もちろんなんの魔力も込めてないからすぐ千切れるけど、一瞬隙ができればすぐに倒せる。

 

 それでもかいくぐって接近してくる子がいたけど―

 

「その程度なら怖くない!」

 

 素早くナイフで切り捨てて、ハイ終了。

 

「な、つ、強い・・・!」

 

「そりゃあ、異世界からの尖兵だったわけだしね」

 

 これぐらいはできなきゃ、駒価値5の兵士は名乗れないってね。

 

「木場、小猫ちゃん! そっちは!?」

 

『兵士は小猫ちゃんが片付けた。騎士のほうはできれば一対一で倒したいけど・・・』

 

『では、私はいったんイッセー先輩と合流します』

 

 向こうもどうやら順調のようだ。

 

 ただ、順調に行き過ぎてるからか少し油断してる気がするな。単騎の討伐に慣れてるから、こういういつ援軍が来るかについては慣れてなさそうだ。ちょっと急ぐか。

 

「二人とも気を抜くなよ! 死人が出ないんだから、向こうだって平気でおとりの一人ぐら・・・ぃい!?」

 

 と、思ったら校舎の影から一人ドレス姿の女が小猫ちゃんを狙っている!?

 

 俺はとっさに片手もちでアサルトライフルとサブマシンガンをフルオートでぶっ放す!!

 

 そんな打ち方であの距離の人に当てれるわけない。

 

 だが、弾が飛んできているのなら向こうだって対応するのは当然だ。少なくとも、弾丸が近くを飛んできてるのにそのまま狙撃できる猛者は相違ない。当然注意はこっちに向く。

 

 一種の制圧射撃だ。本来マシンガンってのはこういう用途のために使われるのでみんな覚えておくように!

 

「周囲の警戒は、集団戦じゃ怠っちゃだめだぜ! お互いに覚えておこうか!!」

 

「・・・手間をかけさせてしまい、すいません」

 

 少し顔を赤らめる子猫ちゃんがかわいらしいけど、残念ながら気にしてる余裕がない。

 

 さすがに両手持ちはきついし弾倉を変えられないので、泣く泣くサブマシンガンは投げ捨てる。

 

 屋内戦に持ち込まれませんように! お願いします!

 

「やってくれるわね。駒価値5とはいえ、ろくに戦いの経験もない日本の学生と聞いてたけど」

 

 おやおや、俺のことも少しは調べてるようだな。

 

 だが、さらにその前のことまでは調べようがないだろう? そういう意味でも俺は伏せ札(ジョーカー)なんだよ!

 

「・・・じゃあ、さらに反撃と行きますか! このままキルスコアを増やさせてもらうぜ!!」

 

 ・・・これ以上的が増える前に、なんとしてもこの女をぶちのめす!!

 

 と、思ったその時、女から莫大な魔力が集められる。

 

「気を付けてください。・・・あの女王(クイーン)は爆発の魔力を使ってきます」

 

 え、マジで、小猫ちゃん?

 

 それって、こんな広いところじゃ不利―

 

 とたん、俺は爆風にあおられて十メートルぐらいふっとんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら、俺は相手の女王のプライドをかなり傷つけてしまったらしい。

 

 さっきから集中的に攻撃されている。このままだとやばい。

 

「う、うぉおおおお!? 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!?」

 

「安心しなさい。レーティングゲームだからよほどのことがない限り死なないわ。・・・だからいたぶってあげる」

 

 この女性格悪い!

 

 くそ、サブマシンガンのほうを残した方がよかったか? アサルトライフルだと狙いをつける前に攻撃が飛んでくる。

 

 まるで攻撃ヘリだ。それもロケットランチャーを満載したタイプ。

 

 これが、悪魔の戦闘能力! 人間の兵士なんて目じゃないぐらい強い!!

 

 だが、其れでもいい加減パターンは読めた。

 

 まだまだ新入りだな。動きにパターンがあるから慣れてくればやりようはあるんだぜ?

 

「反撃開始!!」

 

 俺はバースト射撃で女王を誘導。同時に型手持ちでグレネードランチャーを構えて、ぶっ放す。

 

「あらあら、そんな攻撃に当たると思って?」

 

 そういって女王は動きを止めるが―

 

「残念、近接信管だ」

 

 その隣で、グレネードは爆発した。

 

 設定した弾丸は破片で攻撃するタイプのグレネード。

 

 手榴弾の方が少し大きいから威力は大きいが、宝具化は手に持つことで意味を発揮するし、こっちの方が射程距離は長いのでグレネードランチャーを携行していた。

 

 よっしゃ! これは一撃でリタイア―

 

「・・・やってくれるわね!」

 

 と、光に包まれかけた女王が懐から瓶を取り出す。

 

 そのまま中身を体にかけると、傷があっという間にいえてしまった。

 

 げ! これが噂のフェニックスの涙!?

 

「・・・その分お仕置きをしてあげないといけないようね。・・・覚悟しなさい!!」

 

 こ、これはさすがにまずい!?

 




人間世界での実戦形式に慣れているせいで、結果的に相手側はかみ合わず大苦戦。あと実戦経験があるのでそこら辺のスキも少ない。

決してギフト抜きではそんなに強い方ではありませんが、それでも経験豊富なのはルーキー同士の戦いでは十分すぎる力だと思います。はぐれ悪魔の討滅とかは一体複数で挑むことが多いので、戦闘終了後の不意打ちとかも少ないでしょうが、イッセーはリアルな戦争経験者ですのでそのあたり優勢という感じで。

とはいえ、かみ合ってないのはイッセーも同じ。さてさてこれからどうなるか?
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