俺が合流した時には、すでに戦闘はシャレにならないほど激戦になっていた。
っていうか熱い! 炎で熱い!!
「不死鳥とたたえられし我が一族の業火! いくらお前が重かろうと、炎を押さえつけれるものか!」
「舐めんなライザー! 祐斗は炎ならどうとでもできるんだよ!!」
「部長! ライザー氏の焔を僕一人でどうにかするのは無理ですよ!? 魔力使ってください!!」
と、至近距離で部長がライザーとガチンコ勝負してるぅうううう!?
なにこれ! どこの最終決戦!?
校舎中が燃え盛っていて、とてもじゃないけど近づけないし!!
部長は魔力で炎をシャットアウトしているようだけど、それでもこれは大変だ。マジカマジカマジですか!
「あら、こんなところにいましたの?」
と、そこにツインテールのかわいい女の子がいた。
「あれ? あんたライザーの妹さんだっけ? 戦わないの?」
「もちろんですわ。・・・妹萌えなんてニッチな趣味に配慮するために眷属悪魔にされたんですもの。これ以上戦うつもりはありませんわ」
何やってんだろうあの男。
ってそんなことを言っている場合じゃなかった!
今まさに戦いは大一番! ここで俺が出ないわけにはいかないぜ!!
「んじゃ、俺はそろそろ行ってくるぜ! そっちは巻き込まれないように気をつけな」
「あら本気ですの? 怪我しても知りませんわよ?」
心配してくれるのはうれしいが、そういうわけにもいかないのさ。
なんたって・・・。
「俺は世界を侵略する魔王を相手をする男なんでな。…不死鳥程度にビビってるわけにはいかねえのさ!!」
偉そうなことを言ったが、ライザーの奴は本当に強いな。
炎の出力も、不死の回復力も、フェニックス全体で見ても上位の部類だ。若手でここまでやるとは感心するぜ。
「なかなかしぶといな、リアス」
「そいつぁどうも。お前も少しはへばってきたか?」
アーシアを祐斗にかばわせながら、俺様はにやりと笑って見せる。
じっさいは結構疲れてるが、しかしこういうのは大事なんでな。
俺は余裕があるぞー平気だぞーって思わせるのは重要だ。それだけで向こうは警戒してくれるからな。
とはいえ、このままだとちぃとばかしきついか?
怪我はアーシアが直してくれるし、炎も祐斗が抑えてくれるが、しかしこのままだとジリ貧だ。
早くイッセーが来てくれねえと、さすがにまずいか?
「いい加減
と、ライザーがそんなふざけたことを言いやがった。
あ? 何言ってんだこいつは。
「このままいけば俺が勝つ。だがそれでも大苦戦で、どう見てもお前の健闘だ。それで十分じゃないか。無様をさらすよりもっといい」
と、そういうライザーは素直にこっちに気を使てくれてんだろうな。
ああ、其れには素直に感謝するぜ。
だが―
「―っざっけんじゃねえぞ、ライザー!!」
―なめてかかるのもいい加減にしろ!
「意地通しに来てる勝負で、ギブアップしろだぁ? 俺様は、まだひとかけらたりとも折れてねえぞ!!」
周りを見てみろやこの野郎!
祐斗も、小猫も、アーシアも! まだ誰一人として倒れてねえしあきらめてもいねえ!
そして何より価値の目は十分すぎるほどに残ってる!
それを、負けが確定とかよくほざいた!!
「・・・筋が通らない時期の繰り上げに文句があっただけで、結婚そのものはいつかはしていいと思っていたぜ、俺は」
だが、其れもここまでだ。
「だが、今のお前の腑抜け発言にゃあ心底ドタマに来たぜ! しっかり叩き潰したうえで、婚約は解消させてもらう!!」
ああ、これは認められねえ。
意地と意地との張り合いで、趨勢も決まってないのに降伏しろとは言ってくれたなこの野郎!
俺様が、このリアス・グレモリーが! 正面勝負でそんなことをほざく腑抜けなんぞに処女を暮れてやるとでも思ってんのか!? ふざけんな!!
「この俺様の処女を欲しいってんなら、決闘ぐらい真剣に勝負しやがれ! 散々眷属ぶちのめされて、そんなことほざくような焼き鳥なんぞにゃぁ俺様の処女はもったいねえんだよ!!」
「や、や、焼き鳥!?」
思いっきり馬鹿にされてライザーは狼狽するが、ついでに中指も立ててやるぜ!
「てめえは、俺たちが叩き潰す!! なあ、そうだろう!?」
マジで叩き潰してやらねえと、俺様の気が収まらねえ!
なあ、そうだよな―
「―応ともよ!!」
―イッセー!!
俺は銃剣をライザーに突き刺した。
正面から刺してやったんだ。まさか卑怯とは言わないよな!!
「このクソガキぃ! 今俺はリアスと話してるんだぞ!?」
「戦闘の真っ最中で警戒といたお前が悪い!!」
俺は即座に五連発で突き刺すが、ライザーはものともしない。
それどころか、反撃で殴り飛ばしてきやがった。
・・・ちっ! 骨にひびが入ったか!
「イッセーさん!」
即座に小猫ちゃんに抱えられたアーシアが近づいて回復してくれる。
ライザーは炎を出して攻撃するが、それは木場が魔剣を出して防御した。
木場は俺やアーシアと同じで神器を持っている。
その名も
すごいぜ木場! お前みたいなやつが部長の騎士やってるとかかっこいいなおい!!
「チィ! 勝ち目もないのにしぶとい奴らだ! 俺の全力をその程度の神器で防ぎきれると思うなよ!!」
「だったらこれならどうだ!!」
と、そこに部長の魔力が激突する。
ライザーは全身が吹き飛ぶが、しかしすぐに炎に包まれて再生する。
なんて回復力だ。これが、フェニックスの直系の力なのか!?
「しぶといんだよお前らは! この婚姻が、72柱の悪魔にとってどれだけ重要かわかってるのか!?」
ライザーの焔が燃え広がり、木場の防御すら突破して俺たちを焼いていく。
「72柱の悪魔の本家当主が、混じり物などと自慢になるか! お前ら元人間だって、犬や馬は血統で選ぶだろう! それと同じように純血の悪魔で血統を維持しようと努力することの何が問題だ!!」
「そういう問題じゃねえんだよ!」
リアス部長はその炎に焼かれることもいとわず、無理やり突進してライザーにつかみかかる。
そのまま全力で頭突きを叩き込んだ!
「血統主義大いに結構! 悪魔は血統で能力が左右されるからな! 犬や馬と同じで努力だけじゃあどうにもならねえ性能差がいっぱいあるわなそりゃぁ!!」
おお、増大化した全体重を込めた一撃だ。
余波で地面にひびすら入る。なんていう重量、そしてそれを動かす身体能力!!
「だが! お前はその才能頼りにもほどがある! 磨けば光る原石なのに、川の流れに任せるままだ!」
そのまま掴んで連続して頭突きを叩き込む!
「そんな自堕落な成長で、貴族の誇りだなんて笑わせるな! 少なくとも兄貴は持てる才能を努力で磨いてるからこその超越者だぜ!!」
さらにそのまま俺の方に投げ飛ばす!!
「それをこの場で証明してやる! やれイッセー! 転生悪魔風情に叩きのめされる屈辱を教えてやりな!!」
「了解です!!」
俺はこれがその機会だと判断し、奥の手を取り出した。
そして、それを見たライザーの目が点になる。
「水鉄砲? おいおい、それで何を―」
俺は、何も言わずに引き金を引いた。
一応言っておくが、この水鉄砲は宝具化されている。
つまり、むちゃくちゃ強化されている。
だから―
「・・・ぎ、があああああああ!?」
―こうなる。
「お兄様!? い、いったい何が!?」
「あれは、中身が聖水の水鉄砲」
狼狽するレイヴェルの耳に届くように、子猫ちゃんがその種を説明する。
俺のギフト、
手に持っているという必要はあるが、その強化は並の神器の禁手に匹敵する。飛び道具を宝具かすれば、遠隔攻撃も可能だ。
そして、この水鉄砲には聖水を入れている。
そんなもんが宝具化してたたきつけられれば、相手がフェニックスであろうと大ダメージだ。
そして、苦痛は相手の精神を傷つける。
たとえ肉体は不死だろうと、精神はそうじゃない。そして精神っていうのは苦難に打ち勝ったりしてこそ鍛えらえるもんだ。
フェニックスの不死に頼ったお前では、この激痛に心が耐えられないだろう!
「・・・部長の言うとおりだ。お前、いっぺん地の底から出直してきな」
「ぐ・・・あ・・・く、くそが、ふざ、ふざけるなぁああああ!!」
ライザーはそれでもなお炎をまき散らすが、それは木場の魔剣でかき消される。
「追い詰められて余裕をなくしたね。周りが見えてないよ!」
そしてそのまま全身を切り裂かれた。
それでもライザーは俺を殴り飛ばそうとするが、俺はそれを難なくよける。
そして、子猫ちゃんの拳が突き刺さった。
「ガハッ!?」
「打撃は体の中心線を狙ってください。・・・急所も狙ってなければ簡単に躱せます」
それでもライザーは魔力を放とうとするが、部長がそれを押し切った。
「イメージが集中できてねえ。魔力をあまり使わねえ俺様でもなんとかできたぜ?」
ため息をついた後、部長は俺の肩に手を置いた。
「MVPに譲ってやる。決めて来い、イッセー」
「うっす!」
俺はよろよろと他党としてるライザーに、水鉄砲を突き付けた。
「俺たちの部長をめとりたいなら、リベンジマッチは受け付けるぜ。・・・だから立ち上がって来い、ライザー・フェニックス」
「ま、まて、やめろぉおおおおおおおおおおおお!?」
心が折れかけているライザーに、俺は躊躇なく強化された聖水をぶっかけた。
『ライザー・フェニックス様の
まさかおもちゃで決着がつくとはだれも思うまい・・・。