異世界侵略 ~転生者たちが侵略す~   作:グレン×グレン

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過去襲来 ~再開はエクスカリバーとともに~

 

 

 

 

 

「確かに、名が知られているタイプじゃねえがこれは聖剣だな。・・・チッ、面倒なことになってきたぜ」

 

 念のため写真を部長に見せたところ、かなり真剣に部長は舌打ちした。

 

 聖剣ねえ。確かにファンタジー要素強いこの世界なら、かなりすごいことになるとは思うけど・・・。

 

「そんなにすごいんですか、その聖剣って」

 

「たりめーだ。俺たち悪魔にとって見りゃ、半端な禁手よりよっぽど危険な能力だぜ?」

 

 と、部長がため息交じりにそう告げる。

 

 マジか。俺も悪魔だからかなりやばくね?

 

「聖剣ですか。できれば一度実物を見てみたかったです」

 

 クリスチャンのアーシアはうらやましそうにするが、部長は何やら苦い顔だ。

 

「そんなにいいもんでもねえよ。祐斗はそれで人生狂わされてるようなもんだからな」

 

 どういうことかと疑問を浮かべた俺たちに、部長は説明する。

 

 確かに、聖剣は悪魔に対して非常に有効な効果を発揮する。使い手に選ばれたものは、すべからく教会の精鋭として認識されるほどだ。最強格のエクスカリバーやカリバーン、デュランダルに至っては最上級クラスですら脅威と感じるだろう。

 

 そう、使い手に選ばれれば。

 

 聖剣はその多くが使い手を選ぶ。こと強力な政権であればあるほどその要素が強く、一世代にわたって使い手が現れないこともざらにある。

 

 そして、それを克服しようとする聖剣計画というプロジェクトが存在した。

 

 だが、其れは人体実験はおろか失敗したものの殺戮すらあったそうだ。

 

「・・・さすがに現場の独断とか一部の連中が土地狂っただけだと思いてぇが、監督責任ってもんもあるわけだしなぁ」

 

「うっへぇ。どこもかしこもひどいところはとことんひどいなぁ」

 

 仮にも教会がそんなことするなよ・・・といいたいが、人間の世界なら結構よくある話だ。

 

 俺が少年兵やってた組織も正義を謳ってたし、正義のためというお題目は人をたやすく暴走させる。それほどまでに正義ってのは麻薬じみた特性を持っている。

 

「教会が・・・そんな人の道に反することをしてただなんて・・・」

 

「ショックを受ける必要はねえ。悪魔だって一部の連中の下僕や領民の扱いは問題があるからな。・・・これは人間だか悪魔だかの問題じゃねえよ」

 

 そう部長は諭すけど、表情は暗かった。

 

「毒ガスで致命傷を負っていた祐斗を、たまたま通りがかった俺様は転生させて助けたんだ。なんていうか・・・同病類憐れむってやつだな」

 

 ああ、そうだろう。

 

 俺も部長も近いところのある境遇だ。そんな目にあっている人を見つけたら放っては置けない。

 

「最初のころの祐斗はそりゃもう荒れてたぜ。教会の教えがあったから悪魔を敵視しているし、そんな経緯だったから俺様たちにも心を開かないし」

 

 そう懐かしむように部長は言うが、あいつそんな感じだったの?

 

 今の優男からは全く想像もできない。

 

「兄貴の騎士が師匠役になって、復讐するにしても力をつけろっていうことで鍛えられてからはだいぶ丸くなったんだが・・・」

 

 そこで区切り、部長は写真を見る。

 

 そこに映っている聖剣をみて、部長は渋い顔になった。

 

「聖剣をみてぶり返したみてぇだな。まったく、どうしたもんかねえ」

 

 部長はそういいながら、ソファーにどっかりと座り込む。

 

「まあ、ここにいる限り聖剣なんぞとかかわる機会もねえだろうし、ここはおとなしく待っとくとするか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが甘い見積もりだと知ったのは、ここから数日後のことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのころ、僕こと木場祐斗は深夜の中町を歩いていた。

 

 少し気分が高ぶっているので、気晴らしに散歩に出かけてみた。

 

 ああ、まさかイッセー君が聖剣とかかわりを持っているとは思わなかった。彼は割と数奇な運命を背負っているけど、それにしてもこれはご都合主義といってもいいだろう。

 

 彼の知り合いに聖剣使いがいるとはね。うまくすれば、彼らと会って話をする機会があるかもしれない。その時は、聖剣を切り捨てて・・・。

 

「落ち着け」

 

 思わず口に出しながら冷静さを取り戻す。

 

 さすがにイッセー君の知り合いを切り殺すのはだめだろう。そんなことをしたらイッセーくんに恨まれてしまうし、リアス部長も激怒するはずだ。

 

 だが、其れでも僕はエクスカリバーが許せない。

 

『なあ、祐斗。エクスカリバーに恨みを向けるのはやめとけよ』

 

 以前、部長はそうおっしゃった。

 

『エクスカリバーはただのもの。悪いのは、人体実験の後切り捨てた当時の研究者だからな。この国じゃあ、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いっていうらしいぜ、それは』

 

 確かに、エクスカリバーはただの剣だ。そこに意志はないといってもいい。

 

 だけど、あれに振り回された人々のせいで僕たちは無残に殺された。

 

 おいしいものを食べたかっただろう。

 

 素敵な景色を見てみたかっただろう。

 

 もっといろいろ遊んでみたかっただろう。

 

 そして何より、生きたかっただろう。

 

 選ばれたものになれるといわれ、それを信じてきた僕たちはものの見事に裏切られた。

 

 許せない。許せるものか。許せるわけがない・・・。

 

 その感情が、久しぶりにぶり返した。

 

 と、その時僕の視界に神父が一人映る。

 

 ここはリアス・グレモリーの管轄地だということをわすれて、またも派遣されてきたのか。

 

 褒められたことじゃないけど、八つ当たりじみた牽制でもした方がいいだろうか。

 

 そう思って剣を取り出すが、しかし彼はそのまま倒れてしまう。

 

 血だまりが生まれる。

 

 これは、人に襲われたのか?

 

「おやおやー? これはグレモリー眷属の騎士(ナイト)じゃーありませんかー?」

 

 と、聞いたことのある声が響いてくる。

 

 彼は、確かフリードとか言ったか。

 

 相変わらずいい加減な表情を浮かべている。実に腹立たしい。

 

「さっさと消えてくれないかな? 悪いけど僕は不機嫌なんだ」

 

「え、そうなの? 俺様は超ご機嫌なんだよねー。ぶっ殺したいって思ったやつを、ぶっ殺せるステキ武装を手にした状態で出会ったんだもんよぉ」

 

 そういいながら全身を脱力させながらフリードは接近しようとし―

 

「―そこまでにしろ、フリード」

 

 後ろから、さらに声が響いた。

 

 そこにいるのは白っぽい金の髪をなびかせた、鋭い目つきの少女。

 

 ・・・彼女をみて、僕は固まった。

 

 そんな、馬鹿な。

 

 彼女は・・・彼女は・・・!

 

「久しぶり、イザイヤ」

 

「トリア、トリア・・・なのかい?」

 

 そう、彼女はトリア。

 

 僕とともに、聖剣計画で実験体となっていた少女の一人だ。

 

 処分される少し前に別の実験で連れられて行方が分からなかったが、彼女が生きていたのか!

 

「トリアの姐さん? 俺、この糞剣士と因縁があるからすっぱり行きたいんですよぉ? ねえ、切っていいでしょ?」

 

「却下。まだ準備も整ってないのにグレモリーとことを立てるわけ位にはいかないから」

 

 そう告げる彼女は、しかし僕を見ると一振りの剣を見せる。

 

 それを見て、僕は固まった。

 

 そんな、そんな、馬鹿な。

 

 あれは、あの剣は、忘れもしない・・・!

 

「聖剣エクスカリバー。私は、この剣を使えるようになった。・・・お前たちとは、違うんだ」

 

 なぜ、エクスカリバーを彼女が持っているんだ!!

 

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