「ふむ、では余興に暴れてもらいたいが・・・どっちが使う?」
「私は最後に渡してくれればいい。フリードが使えば?」
「お、姐さん気前がいいねー! んじゃ、このまま悪魔をずんばらりんと行きますか!」
そうテンションを上げていくフリードは、エクスカリバーを片手にこっちに近づいてくる。
「そんな・・・そんな・・・」
だめだ、木場はショックのあまり動けない。
それを見て、トリアは特に何の感慨も浮かべずに静かに見る。
「・・・ここまでされて落ち込むだけ? ホントにどうしようもないんだ」
心底見下げ果てたかのような目で見ながら、トリアは光の剣を振り上げた。
「もういいや。死ねば?」
そして剣が振り下ろされて―
「させねえよ」
それを、部長が魔力を込めた腕で受け止めた。
「おお! なかなかすごいねお姉さん! トリアの姐さん、負けるなー!」
やんやとフリードがはやし立てる中、部長は振り向かずに木場に語り掛ける。
「お前、このままでいいのか?」
「ぶ、部長・・・」
弱弱しく、しかし木場は顔を上げる。
「このまま、大事な仲間の一部がこんな外道どもに使われるのを、黙ってみてるつもりか?」
「で、でも・・・」
それでも、木場は動けない。
そんな中、部長はにやりと笑って見せた。
「いいじゃねえか平凡な生活。届くかどうかも分からない光を目指すのはかっこいいかもしれねえけどよ、日常をしっかり守っていくのも十分かっこいいだろうがよ」
真正面から光の剣を受け止めながら、部長は木場に語り掛ける。
「気合を入れやがれ祐斗! てめえ、このまま仲間たちをこんなゲスどもに好き勝手にされていいのかよ!?」
「ああ、まったくその通りだ!!」
俺はすぐにナイフを引き抜くと、フリードと切り結ぶ。
「・・・おいおいマジですか! そんなナイフがエクスカリバーと打ち合えるんですか!?」
「案外大したことねえな! この程度ならどうとでもできるんだよ、ガキ!」
冥界の技術の粋が詰まった一品を宝具化してんだ。それぐらいはできないとな!
つってもナイフと剣だとリーチが違う。この調子だと押し切られるか・・・っ!
「木場ぁ! 立ち上がれ、このまま、このまま、このまま・・・」
俺はフリードと打ち合いながら大きく声を上げる。
「このまま、お前の同胞を苦しめさせるなぁ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・そうだね」
ゆっくりと、ゆっくりと木場は立ち上がった。
その目はまっすぐ特盛なく、バルパー達を見つめている。
「もうこれ以上、僕の同胞たちを苦しめさせはしない!」
そのまま、高出力の魔力が放出される。
な、なんだなんだ?
「・・・ちっ! 面倒ね」
トリアが警戒したのか飛び退って距離をとる。
おい、これっていったいなんだ。
「ほう? これは面白いものが見られるな」
と、コカビエルが面白そうに木場を見る。
すると、その現象が放たれた。
バルパーが持っていた決勝から、そしてフリードやトリアの体から、光の粒子が放たれると木場に集まっていく。
「な、なんだこりゃぁ!?」
「・・・屑どもが! 私の邪魔を・・・するな!!」
フリードとトリアは狼狽し、そしてそれ以上にバルパーは驚愕する。
「馬鹿な、粒子たちがあつまって行くだと!? こいつらに意志があるとでもいうのか!?」
そんな狼狽する状況の中、木場が何かを謳っている。
なんだろう、これ、すごい素敵な歌な気がする。
「聖歌ですね。悪魔の私たちが、頭痛を感じずにこの歌を聴けるだなんて・・・」
「ああ、これもきっと、主のお導きです」
小猫ちゃんが唖然とし、アーシアは涙すら浮かべて感動する。
そして、そんな中木場はたった。
「―
それは静かな変化だった。
木場が手に持つ魔剣。それが静かに変化する。
光と闇が入り混じったかのような、そんな不思議な剣に変化した。
「・・・まさか至る奴がいるとはな」
コカビエルが想本音で褒めると、俺たちを見下ろした。
「やるじゃないかグレモリー眷属。まさか
ば、ばらんすぶれいかー?
それって、確か神器の進化形態!
「・・・僕は、剣になる」
そう漏らし、そして木場はバルパーに剣を向ける。
「復讐・・・だなんて言わない。だが、これ以上同士達のような被害者を生み出したりはしない!!」
「ほざくなよ、たかだか禁手程度でエクスカリバーをどうにかできる者か! フリード!!」
「はいはいお任せあれぇ!」
そういいながらフリードは危機としてエクスカリバーを伸ばすとそのままたたきつけようとして―
「甘いね」
そのまま、木場はエクスカリバーを弾き飛ばした。
「・・・な、エクスカリバーを上回るってのか、その駄剣が!?」
「本来のエクスカリバーならそうはいかないだろう。だけど―」
続けざまに、こんどは刀身を透明にして放たれる一撃を、しかし木場はあっさりと迎撃する。
「―そんな寄せ集めで、僕たちの聖魔剣は倒せない!!」
「おいおいおいおいふざけんなよ!? お前さん伝説の聖剣なんだろうが! 気合入れてよねえ!?」
フリードは焦りの表情を浮かべながら、反撃のために攻撃をしようとする。
だが、そんなフリードに迫る影があった。
「では、伝説の聖剣同士で勝負と行こうか」
そういいながら、ゼノヴィアは破壊の聖剣を下すとすぐさま一振りのでかい剣を呼び出した。
な、なんだあれ!?
「デュランダルだと!?」
コカビエルも余裕が欠けるほどに驚愕する。
「ああ、私はもともとデュランダル使いの天然品でね、エクスカリバーは兼任していただけに過ぎない」
「・・・ぁ・・・ぁあ・・・っ」
バルパーも絶句してるよ。よっぽど緊急事態何だろうな、コレ。
「こいつは暴れ馬だが、合一化されたエクスカリバーが相手となればちょうどいい。できれば一度戦ってみたいと思っていた!!」
「ふっざけんじゃねえぞクソビッチがあああああ!!!」
想定外の展開にキレながらフリードはましょうめんから切りかかり。
「・・・折れたぁああああああ!?」
エクスカリバーはましょうめんから粉砕された。
「・・・所詮は折れた聖剣か。ああ、私は気が済んだぞ、あとは終わらせるといい」
ゼノヴィアはそういうと興味をなくしたかのように木場にバトンタッチする。
「ああ、観ているかい皆」
そして木場は獲物をなくしたフリードに迫り、一気に切りかかる。
「僕らの剣は、エクスカリバーを超えたよ」
そのまま一気に振り抜いた。