その名は
この世界は馬鹿げている――
西暦200年。世界は宇宙世紀へと移行しようとしていた。これは、宇宙世紀へ移行するまでの反対派と賛成派の争いの物語である――
「ナナト・ユウセイ! また寝てたのかお前は!!」
「あー、さーせん」
「さーせん、じゃねえ!」
ここは宇宙世紀へと移民するために人類史の歴史を補完する職業――アーティストを育てるための歴史学校である。だがしかし、俺はトップで通過したはいいものの、授業が詰まらな過ぎて退屈していた。そう、あの日までは――
「ねえ、ナナトくん」
「?」
「なんでいつも寝ているの?」
「俺さ、アーティストになったらやりてえことがあるんだ」
「へえ、どんなこと?」
「機械を作るんだよ」
「機械?」
「おう、モビルスーツ――略してMSだ」
「それってどんな機械なの?」
「うーん。どんなの? って言われてもなあ」
そう。俺の夢はモビルスーツを実現させることだった。当然一人じゃ無理だしそれ相応の資金もいる。そこで考えたのがアーティストになることだ。
アーティストになると一生に困らない、いや、それ以上の金額が負担されていることがわかっている。それもそうだ。アーティストはいわば語り手。歴史の生きる教科書なのだ。それ故に資金の負担も大きい――というわけだ。
アーティスト。歴史の語り手。だがしかし、同時にやってしまってはいけないでメリットがある。それこそが――反乱である。反乱は宇宙世紀反対派へと認識される。
つまり、反逆者の出来上がりだ。
「MS作っても叛逆にはならねえ……よな?」
「たぶんね」
「ならいいんだけどなあ」
彼の夢は近い将来実現することとなる。そう、「近代兵器」として。
「なあ、ミホカはさ、なんでアーティスト目指してるんだ?」
「楽しそうじゃない? 語り部って」
「あー、まあ楽しそうだとは思わんが」
「えー、つまんないのー」
「つまんないとかいうな!」
「ふふ、でもそういうの好きだよ私」
「そういうのって……MSか?」
「うん」
事件はこの後起きた。
「ただいまーって……ない」
「ん? どうした、ユウセイ」
「父さん、俺のMSの設計図は?」
「あれか……宇宙世紀賛成派に回収されたよ」
「は……?」
「なんか、使わせてもらうとかでな」
「なんであいつらが情報知ってるんだよ!!」
「ああ、教えちゃまずかったか」
悔しかった。俺の夢がほかの誰かの夢になるのが。
……思えば、俺の叛逆はここから始まったのかもしれない。
「……」
「やめろ、やめろ! ユウセイ!」
「あんたが勝手に売ったんだろ……俺の夢をっ!!!」
俺はこの日――父親を殺した。