ハリーポッターとゴーント家の令嬢   作:ゆきみかん

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ホグワーツ特急

キングス・クロス駅、9と4分の3番線。ホグワーツ特急はここから発車する。この9と4分の3番線という中途半端な番線は、マグルの運営するキングス・クロス駅に魔法族が秘密裏に作ったもので、たどり着くには隠された入口から入るかホームへと直接姿現しを行うかのどちらかとなる。魔法族の大半はマグルのひしめく通常のキングス・クロス駅を通る事は避け後者を選ぶが、当然それは姿現しができる年齢の生徒か付き添い姿現しをしてもらえる生徒に限られる。

残念な事に私はその何方でもない。当初はリーネの付き添い姿現しで行くつもりだったのだが。

 

姿現しとは行き先を正しく思い浮かべないと行く事はできない。正確には屋敷しもべ妖精の姿現しは多少仕組みが違うため、屋敷しもべ妖精自身が正しく行き先を理解していなくても命令されれば飛べる場合がある。しかしそれは、主人が行ってほしい場所を思い描く事ができるか、馳せ参じるべき主人の元に行く場合のみなのだ。リーネも私もその場所を知らないのであればどうしようもない。

 

 

「では、行ってらっしゃいませお嬢様。どうかお気をつけて」

「ええ、来年度までは戻るつもりは無いから屋敷のことは頼んだよ」

「はい、おまかせくださいませ」

 

そう言うと私は表で待たせてある車へと向かった。そう、私がキングス・クロスに向かう手段として選択したのは車だ。もちろん魔法族のものだが。私は巨大なトランクとフクロウを片手にマグルの交通手段を使うほど酔狂ではない。魔法界にもナイトバスを始め幾つかマグルの世界を移動する手段がある。今回利用したのは多少値は張るが、どんな場所でも送迎を行ってくれる妖精の羽というヤツだ。ちなみにこの妖精の羽を手配するのが私のフクロウ、メティスの 初仕事となった。知恵の女神からとった名前だが我ながら良い名前だ。

 

 

 

マクゴナガルから聞いた話では、9番と10番の間の柵に見えない入り口があるとの事だった。キングス・クロス駅に来るの自体が初めてなので細かい場所がわからないが、番線案内表示を見ながら進んでいく。7番線、8番線、9番線。

 

「ここらへんかな」

 

10番線との間にはいくつか柵があったが、10番線寄りの柵に魔法がかかっているのが視える。試しに、背丈より高い柵に手を置いてみた。いや、置こうとしたが手は柵に触れることはなく、突き抜けたような感覚があった。ここに間違いなさそうだ。改めてカートを操作すると一気に柵へと進む。当然ぶつかる感覚はなく柵を通り過ぎると、目の前には紅色の蒸気機関車が停車していた。これがホグワーツ特急だろう。それなりに余裕を持ってきたつもりだったが、ホームはすでに人でごった返していた。

 

ゲートから近い1、2車両を覗いたが生徒でいっぱいのようだ。いちいち空いている車両を探すのは面倒なのでホームを進み最後尾の車両へと向かう。最後尾の車両脇へとカートを放置し車両の中を確認してみると流石に空いていた。ここにするとしよう。荷物を中に上げるため列車の戸口からホームへと降りようとした時、丁度車両へ入ろうとする人物と目があった。

 

「あら?また会えたわね、サラ。先月ぶり」

「ん?あー・・・」

 

一瞬誰だコイツ?と思ったが、よく見るとこの銀髪には見覚えがあった。ダイアゴン横丁のマダム・マルキンの店で横にいた快活な少女だ。はて、名前はなんだったか。

 

「あ、ひどい、誰だろう?って思ったでしょ」

 

完全に図星だったが、記憶を辿っていく。記憶力には割りと自信があるのだが覚えようとしていなければ人間記憶には残りづらい物なのだ。

 

「いや、グリーングラスでしょ。ダフネ・グリーングラス」

「良かった、ちゃんと覚えててくれたのね?」

「記憶力には自信があるからね」

「わ、得意げだ。ねえ、まだそのコンパートメント空いてる?」

「うん」

「良かった。ね、よかったら一緒に座らない?誰かと一緒だった?」

「いや、私は一人だけど・・・」

 

グリーングラスは相変わらず社交的な様だった。少し考えたが、あえて断る理由もないだろう。ホグワーツに着くまでのはなし相手が居るのも悪くは無いかもしれないし。

 

「そうだね、そうしよう」

 

グリーングラスはニッコリ笑うと、私に道を譲ってくれた。さっさと中に荷物を入れるとするか。

 

「それサラの荷物?上げるの手伝うよ、おもいでしょ?」

 

大丈夫と言うと杖を出して荷物へと浮遊呪文をかける。

 

「や、すごいね、入学前なのにそんな重いものを持ち上げられるなんて」

 

確かに、浮遊呪文は重く大きなものになればなるほど難易度が上がるが、浮遊呪文は基礎中の基礎すでに多数の魔法を使える私にとってこの程度なら造作も無い。ついでに、グリーングラスの荷物にも浮遊呪文を掛けて中へと入れる。彼女の口ぶりからすると、重い物はまだ持ち上げられないのだろう。

 

「わ、ありがとう!」

 

二人分の荷物をコンパートメントに運び入れ、メティスを窓際に置くとようやく席に座ることが出来た。グリーングラスも私の正面へと座る。

 

「もう、コンパートメントに入って扉閉めちゃったけどよかったの?」

 

ホームへと視線を向けながら、グリーングラスが聞いてきた。他の生徒のように親とかと話さなくていいのか?と言う事だろう。

 

「駅には一人で来たからね」

「そうなんだ。私もパパが送ってくれたんだけどすぐ、仕事にいっちゃったんだ。サラもそんな感じ?」

 

私は一瞬まよったが、特に隠すことでもないので事実を言った。

 

「ううん、私両親居ないから」

 

私が言うと、グリーングラスはさっと表情を暗くし申し訳無さそうな顔をした。

 

「ご、ごめんなさい、私そんな事だと思わなくて・・・」

「いやいや、気にしないでいいよ」

「うん・・・ごめんね・・・」

「いいって。グリーングラスはどうなの?」

「私は両親健在。ママは今日妹の看病で来れないだけなの」

 

いつまでも微妙な空気が続いても面倒なので別方向に話題をもっていく。

 

「ふーん。グリーングラスには妹がいるんだ」

「うん、2つ下でアステリアって言うの。あ!ごめん、だめだったかな?」

 

急に謝られて、ダメかと聞かれても何の話かさっぱりわからなかった。

 

「何が?」

「名前、サラって呼んじゃダメだったかな・・・?」

「別に構わないけども」

「よかった。私の事もよかったらダフネって呼んでくれていいよ。グリーングラスじゃ長くて言いにくいでしょ?」

 

成る程、そういう事か。呼び名を特に意識してファミリーネームにしていた訳では無いし確かにダフネの方が短くていい。

 

「わかったよ。ダフネ」

「うん、よろしくね。サラ」

 

そう言うと、ダフネはまたニッコリと微笑んだ。ついでにすこし気になった事を聞いておく。

 

「ダフネは誰にでもそんな感じなの?」

「どういうこと?」

「社交的というか、ほら、今知り合った所で寮が同じとは限らないしさ?」

「あら、寮が違うと友達になれないなんて事はないでしょう?」

「どうかな。まあ、人それぞれだとはおもうけど」

 

ボォオオオオオオ

そんな他愛ない話をしている内に11時になっていたらしく、ホグワーツ特急はホームを滑り出す。

発車して少したった頃、赤毛の男の子がコンパートメントの外から話しかけてきた。

 

「ごめん、そこ座ってもいい?他どこもいっぱいなんだ。僕ともう一人いるんだけど」

「うん、もちろんいいよ。サラもいいよね?」

 

少し狭くなるな、と思ったが面倒くさいので無言で頷く。

 

「たすかった。おい、ハリー。ここ座れるぞ」

 

ハリーだって?

赤毛の男の子は通路に一声かけると、コンパートメントへと入ってくる。

 

「ありがとう、助かったよ」

 

そう言って赤毛の男の子の後ろから別の男の子が入ってくる。もしやと思ったがやっぱり私の知っているハリーだった。グリーングラスといい偶然というものはあるものだ。

赤毛の男の子の向かいに座ると、こちらに気がついたらしく驚いたような声を上げる。

 

「あっ、あのときの・・・」

「どうしたハリー?知り合いだったの?」

「ううん、そうじゃないけど・・・」

 

そう言ってこちらを見てくる。

 

「オリバンダーの店で杖を買う時にたまたま一緒だっただけ」

「へー、じゃあ丁度よかったね」

 

赤毛の子が適当な相槌をうつと同時に、ダフネが二人に聞いた。

 

「ね、二人は名前は何ていうの?私は、ダフネ。ダフネ・グリーングラスよ。こっちはサラ。サラ・ゴーント」

 

なぜか赤毛の子が得意げな顔をして答えた。

 

「僕は、ロン。ロン・ウィーズリー。ロンって呼んで。こっちはなんと、ハリー・ポッターなんだぜ」

「ハリー・ポッター?」

「う、うん。ハリーでいいよ・・・」

 

ダフネは驚いて、ハリー・ポッターの方をまじまじと見る。ハリーは少し身じろぎをすると頷いた。

 

「私と同い年だとは聞いてたけど、貴方がそうなのね」

 

ハリーは少し居心地わるそうにすると

 

「やっぱり僕の事しってるの?」

「ええ。もちろん」

「そりゃそうさ、ハリー。魔法族でハリーの事を知らない奴はいないよ。妹のジニーなんか君のファンだぜ」

 

ハリーは先ほどより更に落ち込んだように言う。

 

「でも、僕何も覚えてないし何も知らないんだ。誕生日まで自分が魔法使いだってことも知らなかったし。両親の事もヴォルデモートの事だって」

 

そうハリーがいった瞬間、ダフネとウィーズリーは露骨にビクリと体を震わせる。

 

「は、ハリー、君例のあの人の名前を・・・」

 

「あ、ごめん。僕名前を言うことで勇敢な所をみせようって訳じゃないんだ。名前言っちゃいけないってことも知らなかったんだよ」

 

そう言ったハリーに対して私が続ける。

 

「気にすることはないよ。私も実際に会ったことは無いものの名前に怯えるとか意味わからないとおもってるし。まあ世間的には名前は呼ばないほうがいいかもしれないけど」

 

私がそう言うと、今度は私に対して、ダフネ達が信じられないといった顔をしている。私は肩をすくめると続けた。

 

「私は自分で見聞きした事以外は信用してないからね。それより、闇の帝王をどう打倒したのかは分からないの?」

「うん・・・。まだ赤ん坊だったらしいし。緑色の光がいっぱいだったのを覚えてるけど、それだけ」

 

なるほど、話を聞いてみれば当たり前の事だ。赤ん坊に闇の帝王が魔法戦で倒された訳ではないだろう。

緑の光と言う事は死の呪文か。ハリーが直接倒したわけでは無いのであれば何が原因だったのだろう?

外的要因でたまたまハリーだったのか、はたまたハリーはやはり何かを持っているのか。

 

私が自らを磨き高め頂点に上る為に最強と言われた存在を意識するのは当然の事だ。

ハリーも私が力を付ける上で参考になる事もあるのかもしれない、とぼんやりと考えていたが現実のハリーはそういった特別な事は一切感じさせなかった。

 

「ともかく、僕こういったことだとか、学ばなきゃいけないことばっかりなんだ・・・きっと僕――クラスでビリだよ」

「そんな事は無いわよ。マグル出身の子もたくさんいるし、ちゃんとやってると思うわ」

「そうだぜ、ハリー。気にすることないよ・・・」

 

 

その後も魔法界の事など、色々な話をしているうちに、汽車はどんどんとすすみ今は何処かの牧場地帯を走っている様だった。ハリーとロンーは話よりも途中できた車内販売のお菓子に夢中だったが。かくいう私も久々に食べた糖蜜パイに思わず笑顔がこぼれる。それをみたダフネはなぜかとっても嬉しそうだった。

 

「・・・でさ、ホグワーツには4つの寮があるんだよ」

 

ロンがそう言って、ハリーの蛙チョコレートの包を開けながら言う。

 

「うん、ハグリッドに教えてもらったよ。ハッフルパフとスリザリンとかだよね?」

「ええ。あとはグリフィンドールとレイブンクローよ」

「7年間同じ寮に所属するわけだから、この寮が重要でさ、組分けの儀式ってので決まるらしいんだけどどんな儀式か家族の誰も教えてくれないんだ。フレッドとジョージはすごく痛いって言ってたけど・・・誰か何か知ってる?」

 

問に対して私は無言で首を振った。

ホグワーツの歴史にも特に組分けについては、生徒の特色にあった寮に組分けの儀によって分けられる。以上の事は書いていなかった。

先生に聞けば教えてくれただろうけども、聞いてない。まあ楽しみにしておこう。

 

「とにかく、グリフィンドールに入れればいいんだけど」

「なんで、グリフィンドールに入りたいの?」

「僕の家族はみんなグリフィンドールなんだ。レイブンクローやハッフルパフだったらまだいいかもしれないけども、スリザリンになんかに入れられたらそれこそ最悪だ」

「スリザリンって、ヴォル・・・例のあの人がいたところ?」

「ああ。例のあの人をはじめ、闇の魔法使いや魔女はスリザリン出身者がとにかく多いんだ。でも、ハリー君はまず大丈夫だよ。例のあの人を倒した張本人なんだからさ。君たちの親は何処の寮だったの?」

 

「両親共に、スリザリンよ」

 

ダフネが少し不機嫌そうに言った。親の出身寮をバカにされたからだろう。私も私の中に流れるサラザール・スリザリンを否定されたようで気分は良くない。

 

「えぇ、スリザリン?じゃあ、君も?」

 

かなり驚いたような口調で聞いてきた。

 

「知らない。どの寮出身だったかすら聞いたことはないし」

 

ウィーズリーは少しほっとしたようだったが

 

「まあ、組分けが血筋によって決まるのであれば私が入るのはスリザリンかもしれないけど」

 

思わずそう続けた私の言葉を聞くと、急激にロンの目に戸惑いと多少の嫌悪の色が見て取れるようになった。ハリーもかなり驚いているようだ。

 

「じゃあ、君らふたりともスリザリンって訳?」

 

私は肩をすくめると溜息をつきながら答えた。

 

「知らないよ。組み分けの儀式までわからないでしょ。

そもそも私そのスリザリンだからとか純血だからとか嫌いなんだよね。自分で見聞きしたものでは無い事を判断基準に使うのがさ」

 

そんな私の言葉を受けてなお、もごもごとロンは喋っていたが唐突にこの話題は終わった。コンパートメントをノックして、丸顔の男の子が泣きべそをかいて入ってきたからだ。

 

「ごめんね、僕のヒキガエルみなかった?」

 

私は軽くコンパートメントを見回し、他の三人も首を振ったのをみて代表して答える。

 

「知らない」

 

私が言い放つと男の子はメソメソと泣き出した。

 

「いなくなっちゃった。僕から逃げてばかりなんだ」

「きっとみつかりますよ」

 

ダフネが優しく声を掛ける。

 

「う、うん・・・もし見かけたら・・・」

 

男の子はそう言うとしょげかえりながら出ていった。

 

「どうして探すのかなぁ。僕ヒキガエルなんてもってたら無くしちゃいたいけど」

 

そうおもわない?とこちらに振るロン。どうやら、先ほどの寮のくだりはヒキガエルによって上書きされたらしい。私がさてね、と肩をすくめるとポケットからなにやらネズミを取り出しつつ続けた。

 

「でも僕だって人のこと言えないけどね、ねずみのスキャバーズ持ってきてるし」

「どんなペットでも可愛いものでしょ。でもみんなペットを持ってるのね。私も何か買ってもらえばよかったかな?」

 

ダフネは私のメティスやハリーのシロフクロウを見ながら言った。

 

「フクロウはかっこいいし役に立つからいいけどさ、こいつなんてみてよ。死んでてもみわけつかないよ」

 

ロンはため息をつきながら続けた。

 

「昨日面白くしてやろうかと思って黄色に変えようとしたんだ。ジョージが教えてくれて。でも呪文がきかなくて。やってみせようか、みてて・・・」

 

そう言って呪文を唱え始めたが、呪文の内容はえらい適当だった。杖先にも魔法の発動は視えない。おそらく、ジョージとやらに騙されたのだろう。唱え終わり杖をふるが当然なにも起こらない。ハリーはいつ変わるのだろうとわくわくしているし、ロンは嘘の呪文をもう一度唱えて真剣に杖を振っているので思わず笑ってしまった。

 

「ふふっ」

 

ロンはもじもじと杖でネズミをつついてみたりしていた。

 

「おっかしいな・・・」

 

私は笑いながら答えた。色を変えるくらいならば1年用の変身術の呪文集にのってたはずだが。

 

「結果は何もおかしくないよ。おかしいのは呪文のほう。ジョージとやらにからかわれたのかもね」

「えっ、何処が違うの?」

 

まさか、騙されたとは思ってなかったのか、嘘の呪文を必死に唱えてたのが恥ずかしくなったのか、ロンは頬を真っ赤に染めながら聞いてきた。

 

何処が、というかもう全部ちがった。色を変えるのは変身術の一環だ。まあ、変身術に限りはしないのだが魔法というのはただ呪文を唱えるだけでは効果はきちんと現れない。変身術であれば変化についての魔術構築式を理解した上で何処をどう変えたいのかを正確に意識しなくてはいけない。要はイメージが重要なのだ。有機物を無機物に変えるのが難しいと言われる所以はここにある。もちろん、ネズミの毛の色を変えるのは別に難しくともなんともない。この茶色のネズミの毛が黄色くなった事を意識しながら杖を取り出し呪文を唱えようとした時に再びコンパートメントの扉が開いた。先ほどの泣きべその男の子と一緒にホグワーツのローブを着た栗毛色の髪の女の子が立っていた。

 

「だれかヒキガエルみなかった?ネビルのが居なくなったの」

「さっきも見なかったっていったよ」

そう、ハリーが答えたが、女の子の耳には入っていないようだった。

 

「あら?貴方魔法をかけるの?じゃあ見せてもらうわ」

 

そう言うと、こちらの答えを聞きもせずにコンパートメントに座ると私の事を凝視してきた。改めてこの状況を意識すると、なぜ私は初めて会った他人に正しい呪文を教えようとしてるのかと思ってしまったが、今更か。

 

「ムタレシオ 色変えよ」

 

そう唱えて杖をネズミに向けると、そこには毛だけが黄色なキテレツなネズミが眠っていた。

 

「まあ、綺麗に変色したわね。私も家で練習のつもりで簡単な呪文を試してみたことがあるけど、みんなうまくいったわ。私の家族には魔法族はだれもいないの。だから、手紙をもらった時、私も両親もとても驚いたわ。でももちろん、嬉しかったわ。だって、魔法を学ぶなら最高の学校だってきいてるもの・・・今年度の教科書は全部暗記したわ。魔法をしらなかった分をとりもどさなくっちゃ当然よね?それで足りるといいんだけど。私、ハーマイオニー・グレンジャー。ハーマイオニーって呼んでくれていいわ。あなた方は?」

 

怒涛の勢いで話し始めたこの女の子について行けたのはダフネだけの様だった。

 

ハリーとロンは信じられないといった顔で見合わせている。

 

「アハハ、魔法族出身の子だって教科書丸暗記したりはしてないと思うわよ。私だって軽くめくって予習しただけだもの。あなた勤勉なのね。私はダフネ・グリーングラスよ」

 

ダフネの言葉で呪縛が溶けたように、みんな順番に名乗った。ハリーがいた事に対しては大層驚いていたが、ハリーについての知識を本人にまくし立てていた。これはもはや勤勉とは少し方向性が違う気がするけども。

 

「あ、そうだわ。もうすぐホグワーツに着くみたいよ、さっき車掌に聞いてきたの。すぐ着替えないと。あなた方二人、私のコンパートメントで着替えたら?隣の車両の一番手前なの。私はもう着替えてるしネビルのヒキガエル探さなきゃいけないから使っていいわ」

 

着替える時は後から来た二人を叩き出そうと思っていたが、まあいいか。

 

「ありがとう、じゃあつかわせてもらうわね」

「ハーマイオニー、世話になるよ」

「どういたしまして」

 

グレンジャーはそう言うとヒキガエル探しへと再び旅立っていった。

 

「嵐みたいな子だったね・・・僕、スリザリン以外ならもうどの寮でもいいけどあの子がいないところがいいな」

 

後ろでロンがそうつぶやいたのが聞こえた

気持ちはわかるなと思いながら移動しハーマイオニーのコンパートメントでローブへと着替えていく。

 

「もうすぐホグワーツかぁ。ちょっと緊張してきたわ」

「私も楽しみではあるかな」

「ね、寮さ」

「ん?」

「一緒になれるといいね」

「ええ。そうだね」

 

割りと本心だった。まだ大してダフネの事は知らないが、少なくとも今のところ一緒にいて疲れる事は無いし。

着替え終わり、荷物も置いてあるので元のコンパートメントへと戻ろうとすると何やら騒がしい。

 

「どうしたんだろ?」

「さあ?」

 

コンパートメントの前まで行くと、ハリーとウィーズリーが何やら3人組の男の子と言い争いをしているようだった。

 

「へぇ、僕達とやるつもりかい?」

「いますぐ出ていかないならね」

 

互いに拳を握りしめ今にも殴り合いを始めそうな勢いだが魔法使いならせめて杖を握るべきだろう。トロールやマグルでは無いのだから。

それにしても私のコンパートメントの入口で言い争うのはやめてもらいたい。

 

「そこ、どいてくれる?」

「誰だよ。僕達の問題に首を突っ込まないでほしいね」

「逆にあなたは誰よ。私のコンパートメントの前で邪魔なんだけど」

「今取り込み中なのでね。すこしまってるといい」

 

そう言ってきた少年にため息をつき実力排除しようと杖に手をかけた所で、3人組の表情が変わる。

 

「チッ。ポッターの護衛の美少女二人ってわけだ。お前らそうやって後ろで隠れてるがいいさ。行くぞ、クラッブ、ゴイル。人が集まってきた」

 

そういって、3人組は去っていく。ロンとハリーはまだ3人組の悪口を言っていたが無視してコンパートメントの中へと入る。

 

「何だったんだろ?」

「褒められちゃったね。美少女だって」

「褒められてはいなかったと思うけども・・・」

 

ダフネの少しずれた感想に肩をすくめる。

 

「まもなく、ホグワーツに到着します。荷物は別に学校に届けますので置いていって下さい」

 

 

じきにスピードが落ちていき完全に停車する。ホグワーツについたらしい。

 

「ホグワーツ、どんな所だろうね」

 

ダフネが少し緊張した表情で話す。

 

「ま、この汽車の中のように騒がしくない事を願うよ」

 

そう言って、私達はホグワーツ特急を後にするのだった。




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ダフネとの再会、ハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビル、マルフォイとの出会いまで詰め込みましたが、詰め込みすぎて話がちらかってしまいましたね・・・。。

※オリジナルスペル(原作と同じように基本ラテン語をもじった造語です)
ムタレシオ 色変えよ
 対象の色を変化させる。変身術基礎呪文。
 通常は変身の過程に色の変色が含まれているためあまり単体で使われることはない。

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