ハリーポッターとゴーント家の令嬢   作:ゆきみかん

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1年後・・・


夜の散歩

談話室から一人、また一人と寝室へと消えてゆき、煌々と燃えていた暖炉も火が落ちかけた頃、ようやく私は読んでいた闇の魔術に対する防衛術の上級教本を閉じるとふかふかのソファから立ち上がり大きく伸びをし、談話室への入口へと足を向ける。

そろそろ日課の散歩に行くとしますかね。今日は空が澄んでるから天文台にでも行こうかな。

 

「サラ」

 

すでに意識が外に向いていた私は後ろからかけられた声にびっくりして少し飛び上がってしまった。

 

「びっくりしたー。ダフネか。こんな時間にどうしたの?」

 

もうとっくに寝たかと思っていたダフネだった。

 

「ん、いやそれ私のセリフだけどね」

 

ダフネは苦笑しながら近づいてくる。

 

「今日もどこかいくの?」

「なんだ、ばれてたのか」

 

別段隠してたわけではないけども、まさか散歩がばれてるとは思わなかった。

 

「ん、同じ寝室だしね」

「そりゃそうだね」

 

言われてみれば当たり前の事である。同じ寝室の隣のベッドに居るかどうかなんてすぐわかることだ。

 

「深夜徘徊はほめられた事じゃないよ。先生やフィルチに見つかるかも。それに夜は危ないよ?」

 

なんといい子であろうか。頭ごなしに止めるのではなく、私の身を気遣ってくれるとは。いや、徘徊はしてないけども。私は肩をすくめると答えた。

 

「散歩だよ散歩。ダフネも行く?夜の学校昼とはまた違って楽しいよ」

 

全くやめる気はなかったのでついでにダフネも誘ってみる。1人で夜歩くのが好きだけどまあ、ダフネにならこの楽しみを分けてあげてもいい。

 

「や、行かないけども。規則違反だし、私暗い所嫌いだもの」

 

ダフネはため息をつくと、あきらめたようにつづけた。

 

「一応友達として止めておこうと思ったの。ホントにもう」

「ごめんごめん、大丈夫、色々と気を付けるよ」

「止めるって選択肢はないのね。でもね早めに帰ってきたほうがいいよ。おやすみ。ホント気を付けてね?」

「うん、おやすみ」

 

普通に私の身を案じてくれたダフネにおやすみを言うとそのまま談話室から地下牢へと出る。

 

 

「ダフネ、いい母親になりそうだな・・・」

 

子供のいたずらとか怒れなさそうだけど。当初の目的通り天文台へと足を向けながらつぶやく。

 

地下牢から上る階段に揺らめく自分の影を見て思い出す。

 

「忘れてた・・・危ない危ない」

 

杖を取り出し自分の頭に向かってコツンと軽く振り下ろす。

一気に何か冷たい物が流れ落ちるような感覚に身震いする。

 

「目くらまし術、夜歩きには便利だけど地下牢でかけるとめっちゃ寒いな・・・」

 

 

 

夜の学校は昼とは全く違う装いを見せる。生徒やゴーストであふれる食堂も今は夜空が瞬くだけだ。

入学してからほぼ毎日散歩と言う名の探検をしているけども、ホグワーツの1割も探索で来てないだろう。

城自体が動く事もだが、夜だと現れる通路や、隠し扉、抜け道がとにかくたくさんあるのだ。

これは絶対日中普通に生活しているだけだと見つからない。普通に普段使うのに便利な抜け道もあるし私の散歩も体力づくり以外にも学校生活に役立っていると言えるだろう。

 

途中2回ほどミセスノリスとニアミスしたけど、目くらまし術さえかけていれば直接見つからないのは実証済みだ。毎回においか気配は感じてるらしく立ち止まってあたりをじっと伺ってるみたいだけど。

 

食堂を通り過ぎ、西塔へと向かう途中の事だった。どこからか話し声が聞こえる。

 

「はて?」

 

話し声が聞こえる方へと気配を消しながらゆっくりと近づいていく。

 

 

「・・・とても・・・・もう・・・おやめ・・」

 

近づいてみるとそこにいたのは闇の魔術に対する防衛術教諭のクィレルだった。誰かと話してるとかと思いきや空き教室でぶつぶつと独り言をいってるみたいだ。

元々少しおかしい人だとおもったが、普通にヤバイなこの人。意味がない言葉の可能性もあったけど聞き耳をたてる。

 

 

「ですが・・・スネイプが・・・・。はい・・・。スキがなく・・。」

「はい、・・・ず、突破する方法を・・・。守りが・・・」

 

 

独り言というよりも、誰かと会話しているみたいだけども姿はみえず。魔法具か・・?。

守り、突破、隙、スネイプ先生。圧倒的に不審な内容である。

 

少しすると、クィレルはむせび泣きはじめて、奥の準備室の方へと消えていった。

 

「いったいなんだったんでしょうかね?」

 

一瞬後を追おうかともおもったけども、狭い空間だと逃げずらいし、ニンニクもくさいしやめておくことにした。

 

 

天文台への道すがら西塔への階段がそろそろ見えようかと言う所、通路手前の銅像の後ろへとスルリと消えていく影が見えた。

 

「ミセスノリスにしては大きかったけど」

 

近づいてみると銅像の後ろにはぱっとみではわからない低めの穴が開いている。どうやらここも隠し通路のようだ。

 

「これだから、ホグワーツの散策はやめられないんだよね」

 

 

私は独り言を言いつつ、隠し通路へと通じる穴へともぐりこんだ。

 

意外と中は広く通路が奥へと続いている。月明かりで意外と明るい。これならルーモスはいらなさそうだ。

 

この通路はどこへと続いているんだろうか。

新しい物を発見した時のこの高揚感がたまらなく好きだ。

 

目の前には、どこかへと続く通路、そしてその通路に立ち止まって話ている二人の背の高い赤毛の生徒の姿があった。

見た目そっくりである。グリフィンドールの制服だが、1年生ではない。

 

「どうだい首尾は?」

「上々さ、ほら早く運んじゃおう」

「今日は満月だから、西塔にある星の絵画の裏にある通路に抜けたほうが近いな」

「OK~」

 

はて、こんな夜中に隠し通路で何をしているのかな。私も人の事は言えないけど。

上級生ともなるとホグワーツにも詳しいのか、この後通る隠し通路の相談もしている様子。

ちょっと悪戯心で話しかけてみるか。

 

「なんの相談をしてるんですか?私もまぜてくださいよ」

 

「っうっわーっ」

 

私が話かけると、かなり驚いたようで小さく叫び、あたりを見回している。

目くらまし術に気が付かないようでかなり狼狽している。

 

「な、なんだ?」

 

二人できょろきょろと見回してる様子がおかしくて思わず吹き出してしまった。

 

「アハハハっっ」

 

二人の目の前で目くらまし術を解く。頭からあったかい何かが流れるように落ちていき私の姿が現れる。

 

「うっわーーーー」

 

今度は二人同時に同じように叫ぶのでまた、笑ってしまう。

 

「ごめんなさい、ふふっ、ついつい・・・。でもあまり騒ぐと誰かきちゃいますよ」

 

「えっ、ん?スリザリン?、なんで?」

 

だいぶまだ混乱してそうなので、説明してあげた。

ここに入るのが見えた事やなにやら相談してるのとまったく気が付かないのでつい脅かしてしまった事など。

二人もすぐに落ち着いたが、今度はえらい私の事を警戒している。まずいぞ・・・囁きあってるのが聞こえる。

状況的には、グリフィンドール生が何やら規則破りをしているのをスリザリンにみられるといった所か。

たしかに、警戒するのは当然と言えた。ここに居るのが私じゃなければ。だが。

 

「そんなに警戒しなくても、べつに先輩方の事だれかに言ったりしないですよ」

 

と、伝えるも、え?何言ってんのこいつ?みたいな顔をされる。まあ、当然と言えば当然だけど・・。

 

「私も、夜の散歩中ですし。お互い様と言う事で・・・」

「だってさジョージ」

「どうするよフレッド」

 

フレッドにジョージ。どこかで聞いた名だ。

たしか、ホグワーツ特急かな・・・?

 

『昨日面白くしてやろうかと思って黄色に変えようとしたんだ。ジョージが教えてくれて。でも呪文がきかなくて。やってみせようか、みてて・・・』

思い出した、ロン・ウィーズリーの兄弟の名前だ。ウソの魔法を教えた。

確かに、背が高くて赤毛、似ているな。

 

「お二人はロンのお兄さんですよね」

 

「弟の事しってんの?」

 

少し驚いた様子だ。

 

「ええ、同学年な上に合同授業もありますし。ホグワーツ特急のコンパ―メントで一緒だったので。好かれてはいないようですが」

 

「ほほー。ロニー坊やはスリザリンは皆話の通じない敵だとおもってるからな」

「ああ、そんな感じですよね。うちのドラコと共にスリザリンとグリフィンドールのいがみ合いの顕現者みたいなところありますし」

「と、いうか俺たちも基本スリザリンは話聞かない唐変木野郎しかいないとおもっているんだけども」

 

そう言ってじろりと私を見る。

 

「ま、人それぞれでしょうね。私は寮の垣根はあまり気にしませんし」

 

赤毛の二人は信じられないものを見たような目で顔を見合わせている。

 

「というか本当に、君スリザリン?」

「見ての通りスリザリンですが、どういう意味です?」

「いやぁさっき言った通りだよ、小馬鹿にしたような態度じゃないし、グリフィンドールの俺たちとも普通に話すしな」

「私こそ先ほども言いましたが、私に対して何もしなければ特にいがみあう理由もないですので」

 

ある程度警戒を解いてもらえたらしく、通路を進みながら今更の自己紹介をした。

 

「ああ、何度かサラ・ゴーントの名前はハリーやロンから聞いた事あるな」

「ハリー曰く、スリザリンのちょっと変わり者で、勉強できて魔法とかに詳しい。マルフォイと同じくスネイプのお気に入り」

「ロン曰く、顔はいいけど、頭でっかちでネビルを箒から叩き落としたやなやつ」

 

「まあ、予想してたけど散々ないわれようですね。あと叩き落としてはないですけど」

 

ロンの顔がいいけどってところがまたちょっとイラッとくる物言いである。

会話をしつつ、奥へと進む。ロンよりこの二人の方が物分りがよさそうだ。

 

 

「ふーん、フレッドとジョージは抜け道とかに詳しいんですね」

 

「まあな、フィルチより詳しいのは俺ら兄弟だけだとおもうぜ」

「詳細は企業秘密だけどな」

「えー、ケチですねぇ、まあ私も夜の散歩で見つけるからいいですけど」

「俺たちも苦労してるんだぜ」

「そうそう、ちょっとずるもしてるけどな」

「ふーん、因みにここどこに続いてるんです?」

「4階禁じられた廊下の手前さ」

「俺たちは廊下にはいかずに別の通路に入るけどな」

「そろそろ出口だぜ兄弟。・・・っとまずいな」

「どうした?」

「スネイプだ。廊下の前をうろうろしてやがる。隠し通路に行くにも目の前通ることになるぜ」

「ちっ、はやくどっか行ってくれ」

 

二人の背後からちらりとのぞくと、確かに廊下をうろうろと何かを調べるように行ったり来たりしている先生が見える。

 

少し様子を見てたが先生はまだ移動する気配はない。

 

「くっそ、どうする?ジョージ。もどるか?」

「かなり遠回りになるけど仕方ないな・・。だいぶ溶けてなくなちゃうがスネイプに見つかるよりましだな」

 

そういえば、何か運んでるんだったね。まあ、私も戻るのはめんどくさいし助け船を出して貸にしておきますかね。先生が何してるかも気になるし。

 

「この通路の事も結果的に教えてもらったし、私が先生の事ひきつけてあげますよ」

 

「おいおい、相手はスネイプだぞ?」

「大丈夫、大丈夫。私スリザリンですし」

 

そう言い残すと穴から這い出て廊下の角を曲がる。

 

 

「や、先生こんばんは」

 

挙動不審にうろうろしていた先生に声をかける。

先生は驚くことも無くジロリとこちらをみると不機嫌につづけた。

 

「こんな時間に、ここで何をしている?」

「それは先生もでしょ・・・ありえないくらい挙動不審でしたけど」

「話をそらすんじゃない。君が夜の学校をうろつくのは感心しない。しかもここは立ち入り禁止だ」

「そりゃほめられた事じゃないでしょうけども。ただの散歩ですよ」

「散歩だと?そういう問題ではない。いいかね?この場所は危険だ」

「危険って天下のホグワーツでしょ?」

「学校とて例外はある。それに闇は常に危険をはらむと教えたであろう?」

「私、暗い所すきですよ」

「そんな話をしているのではない!」

 

チラリと後ろに視線を向けるとフレッドとジョージがこちらに手を振りながら音もなく穴から這い出ると、通路を曲がって行くのがみえた。

この貸しは後日きちんとかえしてもらおう。先生が私の視線を追って後ろを振り向いたが残念、すでに誰も居ない。

私に視線を戻すと先生は続ける。

 

「夜間外出が禁則なのは、生徒を守るためでもあるのだ。規則には理由もある。それが分からない君ではないだろう?」

「不純異性交遊や窃盗防止かとおもってましたよ」

「無論、だがそれだけではない。この前も言ったが・・・」

 

そのまましばらく小言を受けていたが、スネイプ先生もきちんと先生と言うことか。

わりと何も言わずに見逃してもらえると思ったけどそうでは無いらしい。

 

「我輩が見回り当番だからまだ良かったが・・・・」

 

「いや、さすがに先生以外の教師に出会っても話しかけるほどアホじゃないですけども」

 

先生がどうだかねって顔をしているので実例を示すとしよう。

 

「現に、クィレルも見ましたけど見つかってないですよ」

「何?クィレルを見たのかね?」

 

意外な事に変な所に食いついてきた。

「?ええ、ホール近くの空き教室です。なにやらブツブツ言ってたので気になりまして」

 

「一人かね?誰か他の者は?」

「私が視た限りは一人でしたけど。魔法式が絡まない透明マントによる透明化とかしてたらわかんないですけどね」

「ふむ、話していた内容は?聞こえたか?」

「ちょっとだけですけどね。丁度よかったんで先生にお伝えしときますけど・・・」

 

とりあえず、聞こえた話の内容を伝えると、どうやら先生は内容を理解できた様子だった。

 

「何となくイメージはつきますけど、結局これなんの話だったんです?」

「君が知るべき事ではない」

「ケチらず教えて下さいよ。先生が問題抱えてるなら解決手伝いますよ!」

 

ニッコリと笑顔でアピールしたが、先生はため息をつくと

 

「今、我輩の寮生が深夜徘徊をしてる事が一番の問題だとおもうが?」

 

そう、不機嫌そうに続けた。

 

「これは先生に一本とられましたね」

 

「では、帰りたまえ。今直ぐに。いや待て私が談話室まで一緒に行こう」

「えー、それは遠慮しますよ。先生に悪いですし。それよりここの廊下何で立ち入り禁止なんです?先ほどの話ってもしかして・・・」

 

連行を断りつつ4階について聞こうとするが先生にぎろりと睨まれ、質問を中断する。

 

「・・・。あっ、と言うことで私は帰りますね!」

 

その場をさっと離れようとしたが先生に呼び止められた。

 

「待ちなさい」

 

私は首をかしげて振り返る。

 

「深夜に談話室を抜け出し校内を徘徊した事で20点減点だ」

「んなっ・・・!可愛い寮生である私から減点するなんて」

「特別扱いはしないと申し上げたはずですな?吾輩は規則を重んじる」

「むー。先生は先生だったと言う事ですか・・・。誤算です」

 

では談話室へ行くぞと言う先生から一歩さがる。

 

 

「一人で帰ります!では先生おやすみなさい」

 

 

そういうとサッと目くらまし呪文をかけると右の階段へと小走りで寮へと向う。

これ以上踏み込んだら小言が倍になりそうだった。それにしても減点くらってしまうとは・・・。これは彼らへの貸しは倍付けですね。

 

 

スネイプは目の前でサラがみえなくなり階段へと小走りする音を聞き届けるとため息をつく。

 

「まったくあやつは何をしているんだ」

 

あ奴の母親は規則破りのきの字も出さない人だったのに、誰に似たのだろうか。

姿は母親そっくりだが、性格はまるで似ていない。

だが、あの魔法の習得の速度。目くらまし呪文などいつ覚えたのであろうか。あれは母親にそっくりだ。いや、父親の血が混ざった分ジェシカよりも上かもしれない。

 

 

 

代々フォウリー家の者研究者肌で魔法に対する理解が深いと言われている。

これは、広く知られては居ないが秘密がある。

 

そもそも魔法とは呪文を唱え、杖を振るだけではない。

確かに呪文自体にも意味はあり、魔法という現象を起こすきっかけにもなる。

だが、実際に魔法を使うためには、使う魔法毎に構築式を理解しなくてはならない。

構築式を理解し、呪文と杖の動きをもって構築式を発現し、結果をイメージする事で魔法が起こる。

 

フォウリー家の者はこの魔法発動時の構築式が【視える】そうなのだ。自分の魔法だけではなく、他人の魔法についても。

そしてこの視た構築式を理解さえすれば脳で再現できる。教科書に書いてあるものだけではなく、発動しどう魔力が回りどう発現しているかすらが視えるのだ。

発動している魔法の設計図を渡されている様なものだ。

 

当然、魔法についての理解も進むし、魔法の習得も常人に比べれば遥かに早い。

 

それに加え、彼女はサラザールスリザリンの血を色濃く継ぐゴーント家の者だ。

 

魔法族の血とは強い意味を持つ。魔法を使う時魔法族は知らず知らずに体内の魔力を使っている。この魔力とは血の中に含まれる魔素により生み出され体内を循環している。

基本的に生まれたときにその総量は定まっていて、最初は少ない魔力も身体の成長に伴い緩やかに増えていき成人を迎えると共にその上昇は止まる。

この魔力の総量は、血液の中にどれほどの魔素が含まれているかと魔素からどれ程の魔力を引き出せるかにより決まり血が濃くければその総量は多い。

つまり、純血であるほど血が濃く魔素量に優れているという事だ。純血主義も大本をたどればここ魔素量へと帰結する。

だが、実際にはマグル出身の者でも純血の者でも魔力量や使える魔法の威力に差が出ること多くない。

身体の成長で増える魔素量は所謂血中の最大保有魔力、つまりはポテンシャルでしかなくそこからどれだけの魔力を引き出せるかは本人次第という事だ。

 

血とは不思議なもので、何代も血に魔力が宿らずに居た家計でも隔世遺伝で伝わる事もあれば、代々魔法族でも血に魔力を宿さずに生まれるものも居る。

たまにマグル生まれでも魔法の力を血に宿すものが居るが、これは必ず先祖に魔法族がどこかに居る。

 

この現代ほとんどの家系は真の意味では純血ではないし、魔力をすべて引き出せている者は魔法族の中でも多くはない上にそもそも魔力量の差異は大体使い手の魔法に対する理解、つまりは効率的な魔法運用等である程度は底上げできるため、あまり重要視される事はない。

 

 

しかし彼女は生まれ持った真正たる純血のもつ魔力ポテンシャル、さらには自分の魔法発動に対して構築式を通して魔力分配の無駄などが見て取れる魔眼。まさに、魔法の申し子と言っても過言ではない。

 

彼女の事を長年見ているが、11歳の1年生だと言うのにその魔法の覚えとセンスは末恐ろしく思う。

彼女が道を踏み外す事無く、利用されることが無いよう見守らなくては。

 

だが、まずは彼女が見たクィレルの事を校長に報告したほうがいいと判断しスネイプは校長室へと向かうのだった。

 

 




繋ぎの話です。

彼女の眼は実は万能ではありません。
例えば、魔法発動の結果ではない透明マントは視えません。
細かくは徐々に。

※9話ハロウィンは修正のため一時非公開

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