う〜・・・コンパスも羅針盤も壊れて海図も嵐で流されてしまい、燃料も3分の1を切った・・・
嵐が過ぎてから数日、迷子の補給艦となった神威です!
私は絶賛、迷子中です!
どんなに進んでも海ばかりで陸地どころか、島すら見つからない状況・・・
何とか燃料食料は切れても、積載していた物資から飢えと燃料切れは逃れて来たけど、もうそろそろ限界・・・
お願い誰か・・・誰でもいいから助けて下さい・・・
補給艦一隻で護衛も無しで航海する、すぐにでも死ぬかもしれない・・・
「誰か〜!!!!助けて下さい〜!」
彼女は誰もいない海上で叫ぶが、返信はない
はあ・・・このままだといずれ燃料切れとなる・・・
どこか、どこかに島・・・小島でもいいから探さないと・・・
通信機も連日嵐によって故障し、味方とも通信ができずにいた。
妖精さんが必死に修理してくれているが、まだ修復できる兆しはない
積載している荷物には食料、燃料、弾薬の他に、新装備である戦艦・空母・巡洋艦の装備を輸送するのが任務であった
敵艦隊に物資を奪われないようわざわざ遠回りするルートが仇となった
彼女は元々米国から新技術の装備を本国へ輸送することが任務であり、深海棲艦がうじゃうじゃいる海域で、何とか突破し、順調に航行していた
しかし、そんな行く手を阻むかのかのように超大型級の台風と遭遇し、護衛艦娘とはぐれてしまった・・・さらには激しい嵐の中、航行に必要な装備が破損した
かれこれ2日以上航行し、何とか飢えを凌いでいるが、長くは持たない
救援信号を出そうにも、敵地の中で出せば、自身の位置を発信するのと同意義である
元々長距離航海していたため、燃料残量数も少ない
なので、何とか味方の海域まで航行している彼女は、あと数時間しか持たない燃料計に視線を向けながら、焦っていた
「拙い・・・燃料がもうこんなにもない・・・誰か〜!!!!」
誰かの声が響く海域から離れたところで、4隻の艦娘が航行していた
神威のいる海域から離れたところで、ルクラニア基地所属の艦娘が哨戒していた
「ねー誰かの声が聞こえなかった?」
「うん?何を言っている、誰も聞こえなかったわよ?」
「聞き間違いではないでしょうか?」
「え〜誰か聞こえたような気がするだけどな〜・・・」
「それなられーだーで探知できないの?ジェラードさんの電探はかなりの高性能と聞くし、探知可能なのです」
「暁、電、雷?まだ、任務の途中よ?おしゃべりはなるべく控えなさい」
「「「はーい(なのです)」」」
電・雷は新たなに建造された駆逐艦娘であり、哨戒任務に就いていた
「ねーねー、響はジェラードと一緒に日本へ出発したけど、大丈夫なのかしら?」
「大丈夫、彼女ならいくら物量を得意とする国家でも対抗が難しい艦娘だ、簡単にはやられないよ」
「・・・そうよね・・・それにしてもジェラードさんはそれぞれの艦種のことをよく理解しているわね・・・」
「このみさいるという兵器は本当にすごいのです、これなら戦艦と空母が来ても、大ダメージを与えられるし、有利に戦うことができるのです。」
開発されたミサイルはジェラードから見れば旧式であるが、それでも現代の巡航ミサイル以上の性能を発揮し、これらは対艦・対地・対空・対潜等多種に分かれ、駆逐艦、軽巡、重巡、潜水艦などを中心に配備され、大型艦戦艦、空母などは高性能なレーダーを搭載している
「そうえば、矢矧さんの装備も変わった電探を搭載していると聞いたけど実際はどうなんなのかしら?」
「そうね・・・一言で言えば異次元に来たかのような感覚を見れると思いますよ〜」
矢矧の装備している画面が展開され
そこには各種レーダー、ソナー等のデータが送られ、モニターしている
駆逐艦にもできればすべての艦娘に高性能防空システムを搭載したいが、なにぶんコストがかかり、まだ時間がかかる
「ああ〜今頃ジェラード達は真っすぐ日本へ進んでいるから・・・台湾沖か〜」
「できれば、私たちも連れて欲しかったなのです!」
「仕方ないわよ・・・今回はあくまでも様子見として向こうに会いにいっているわけで、あまり練度の低い子が言っても万一別の勢力に捕まってしまったら大変だものも」
「最近では妖精と艦娘が増えるのは助かるけど、同時に深海棲艦の動きも活発化しているらしいわ」
「それって、拙くないの?今、出かけて大丈夫なのですか?」
電が首をコテンと傾けながら言うと
「大丈夫よ、そのためにアイオワとキーロフ、セラを防衛として置いているし、瑞鳳もいるから余程大艦隊が来ない限りわね」
「えっと・・・大艦隊が来たらどうするの?」
「ミサイルと爆弾、砲弾の雨を降らせるしか、ないわね、できれば今の段階で消費を抑えたいけれど、そうは言ってられないしね」
事実、ルクラニア基地はようやく工業力を持ち、原油設備・施設が稼働したが、精密機械であるミサイルなどの大量生産には生産ラインが整っていない、計画こそしているものも、いくら妖精さんの力でも、できることとできないことがある
世の中そう甘くはないということでもあるが
「大丈夫よ!電!その時は私が敵をやっつけるだから!」
「頼もしいです!」
「さすがに大編隊で来られたら多少の損害は覚悟しないといけないけどね・・・」
「いいじゃないかしら?むしろ、新開発の装備も実験したいとこの前主任が言っていたわよ?」
「また、ゲテモノを作ったのかしらね・・・あの主任は」
「帰ったら、甘いものが食べたいのです!」
(ふふふ・・・駆逐艦達も相変わらず甘いものになると喜ぶわね・・・素直でいいことね・・・
今回、ジェラード達は様子見とあるけど、何か土産ものがあったらいいな・・・)
とその時、レーダー探知音が鳴る
「うん?レーダー探知、北西230k地点、大型クラスの艦艇、結構近いわね・・・」
「情報リンク良し、単独?この敵地で単独航海なんて、はぐれ駆逐艦かしら?」
「どうする?矢矧さん」
「・・・そうね・・・一隻であれば、撃滅、この艦影から見ると艦娘の可能性があるわ、これより調査に向かうわよ」
「「了解(なのです)」」
「あ、でも、この艦影・・・戦闘艦にしては武装が少ないわね」
「ということは補給艦かな?」
「おおかた・・・この数日前に来た台風と関係するかもしれないわね・・・」
「あわわわ・・・そうだとすれば助けてあげないといけないのです!」
「ええ・・・とりあえず先に偵察機を射出するわ」
矢矧の甲板上で妖精さんがあっちこっち走り回り、零式水上観測機を取り出す
「あーあー早く開発部門で開発中の航空機実用化しないかな〜」
「確かにね・・・そうすれば私もレディとして航空機運用も夢じゃないのにな〜」
彼女達が言っている航空機は多目的ヘリコプターのことであり、駆逐艦さすがに魚雷艇、哨戒艇、海防艦などには搭載不可能だが、駆逐艦程度であれば搭載可能であり、現にヘリコプターを搭載している駆逐艦は多く現代で存在している(ただし、駆逐艦と巡洋艦の区別が曖昧になっている現代で果たして一万tクラスの艦艇を駆逐艦と呼ぶ時代ではあまり参考にはならないが)
「無駄話はあとでよ、目標へあと1時間後には接触できるわ、油断しないようにね」
「「「「はい(なのです)」」」」
う〜・・・太陽が暑い・・・・お腹も減ってきたな・・・燃料も残り僅か・・・
もう・・・救難信号を出すしかないのかな・・・・
うん?あれは何?・・・あれは・・・・!!!!????
「見つけたのです!」
「あれは艦娘で間違いないわね、これより不明艦調査から艦娘保護任務へ移行する」
「了解!」
「ねえ〜!あなた大丈夫〜?」
「怪我はないのですか〜!」
「ねえ〜・・・あ・・・た大丈夫〜?」
やった・・・やった・・・・救いが来たああああああああ〜!!!!
神は私を見捨ててなかった!
「お・・・おーい・・・助けてくださ〜い・・・」
「ちょ!・・・電、そっちを持って、この子、燃料が空っぽよ!」
「!はいなのです!」
二人は神威を保護すると、すぐさまロープを繋げた
「・・・やっぱり補給艦娘ね、あなた大丈夫?」
「・・・いえ・・・・お腹が空いて、燃料がなくて、もうヘトヘトです・・・申し訳ございませんが、そちらの鎮守府へ補給させてもらえないでしょうか?私は大本営、特殊輸送部の物です」
(特殊?)
(恐らく新兵器、新型の技術などを輸送するための艦娘です!どういった経緯でここに来られたか、分かりませんが、この艦娘は大本営と繋がりを持ち、少し警戒したほうがいいかと・・・)
(なるほど・・・分かったわ)「分かった、すぐにこの子を輸送するわよ、これより帰投する!」
「了解!」
「あらら・・・この子・・・大部衰弱してるわね・・・」
「はわわわ・・・それは大変です!早く基地へ連れて行くのです!」
「そうね・・・基地へ運ぶ間、暁、電その子は燃料がなくて意識不明のようだから、しっかり面倒を見てあげてね?」
「了解!(なのです!)」
「それにしても、見たところ補給艦娘のようね・・・」
「結構積載している荷物が多いし、金属製のコンテナということは極秘任務だったのかしら?」
「・・・念のために妖精さんに中を調べさせてみましょう、ないとは思うけど、何か爆発物等が見つかったら厄介だから」
「はーい!」
暁と電が横付けしたまま、艤装の妖精さんを補給艦娘へ送り、そこの妖精さんと交渉した結果、許可をもらい、臨検した。
妖精さんがあっちこっち調べた結果、運んでいるものが弾薬、燃料缶が空っぽだが燃料、装備などだ
「うん?新型装備?」
「はいなのですー戦艦用、空母用とかあったけど、新型の装備ですー」
「そうか・・・それならいい、荷物を無くさないよう厳命し、その子を見るぞ」
「了解しましたー」
この時神威に積まれている装備は試製自動装填システムと16㌅三連装砲Mk7、F6F-3、噴式航空機などだ
この世界からすれば十分艦娘の装備としては最上位に来るものばかりのアメリカ製の装備だが、この時は全く矢矧達には分からなかった
「しかし、新装備の輸送とは重要な任務ね、護衛とか居なかったのかしら?」
「恐らくこの前来た台風によってはぐれたのでしょう・・・」
「多分ね・・・国籍も日ノ丸ということは日本ね」
「・・・大丈夫かい?重要な任務ということは士官クラスの可能性もあるよ?」
「・・・ただの兵士、士官クラスでも艦娘であることには間違いない、私たちはあくまでも深海棲艦と戦争しているのであって、人類と戦争しているわけではないわ・・・いや、正確には艦娘とは敵対するつもりはない、と言ったところかしら?」
「・・・人類とは敵対する可能性がある・・・ということか・・・」
「人間と真の絆を結ぶのはかなり難しいわ・・・特に国家単位になると昨日味方だったとものが今日は敵になる可能性がある
一人の個人単位なら信用はできるけど、集団になった人間ほど信用ができるものではないわ
むしろ、互いを利用し合う関係が一番最善と言えるでしょう
特に人間には持ってない技術、戦力を持っているうちを他国が放っておくと思う?」
「それは・・・・・・放っておかないな・・・」
「・・・もし、不安があるならば、響あなたがその子の面倒を見なさい、その子は恐らく敵対行動は取らないと思うけど、万一に備えて監視してもらえる?」
「了解」
「ありがとう」
「う・・・ん・・・」
「あ、目が覚めたのね!大丈夫?」
「ここは・・・どこなのでしょうか・・・?」
「ここはまだ海上よ、あと少しで基地に着くからそれまで辛抱してね」
「いえ・・・助けて頂きありがとうございます・・・もう燃料と食料が底を尽きかけていたので・・・」
「そう、ただ、まだあんまり動かないでね?まだ身体が衰弱したままだから」
「う〜・・・貴方達は一体どこの所属の艦娘でしょうか?」
「私たちはルクラニア基地所属、第一哨戒部隊旗艦矢矧よ」
「駆逐艦電です!」
「暁よ!よろしくね!」
「雷よ!かみなりじゃないからそこんとこよろしくね!」
「・・・響だ、よろしく頼む」
「るくらにあ?・・・そんな鎮守府は聞いたこともないよ・・・」
「詳しい話は基地に着いてから話すわね、あなたお腹が空いているでしょ?」
「!はい!もうぺこぺこです・・・」
「ふふふ・・・元気な子ですね、それまでゆっくりして下さいね?」
・・・・ふう・・・とりあえず助かったみたいね・・・
一時期はどうなるか、と思いましたが・・・
それにしてもこの艦娘達・・・あまり見慣れない装備を付けている・・・あのくるくる回っているのは電探?
それに暁型ってこんな艤装の形をしていたっけ?
それに旗艦矢矧の装備も最新鋭軽巡洋艦とはいえ、あんな貧相なフォルムだったかな・・・
確か舞鶴所属の阿賀野はもう少しごてごてとした装備だったはず・・・
「貴方達・・・見たことのない装備を付けているけど、それは新装備?」
「?・・・ああ、この装備か、この装備は新型のレーダーだな、機密は言えないが、現行の中で最新型と言えるだろう」
・・・あれ?でも、私の装備している32号電探が最新だったはず・・・秘密試験装備?
でも、それなら、こんな海域で訓練はしないはず・・・
一体・・・この艦娘達は何者・・・?
それに何か箱型の艤装と見たことのない・・・あれは・・・テレビ?
でも、テレビはあんな薄くないし、でっかい箱型のものだったはず・・・
もしかして、案外秘密艦隊に助けられたとかかな?
・・・ふふふ・・・それなら楽しみね・・・一体どんなものが見えるかな?
「・・・・」(響・・・一応彼女から目を離さないようにね?結構私たちの装備に興味を持っているから)
(了解)
くう・・・時間があまり確保できず、書く暇がないです・・・汗
誰か〜私に時間をもっと下さいです!
ジェラード「おい、そんなことを言える暇があるならば、やることをやってから小説を書け、いろいろ溜まっているぞ?」
ひええ・・・・