この世界に生を受けてから、私の感覚は不思議なほど、魂の時より強く感じ、海の潮風、太陽の光り、海のにおい、潜航した時に僅かに感じる海の塩の味等魂では全く感じなかったことを感じ、何かもが新鮮であった。
だが、私がなぜ、この沈んでから、再び肉体を持ち、生を受けたのか、考えても分からない・・・
神が居るとするなら、神が私に生をもたらしたのか、考えれば考える程謎が深まる。
私の今、目の前にいる知的生命体?の小人も私の世界では空想上の生き物であった、だが、実際に目の前で、集団となっている・・・これはやはり夢かあの世ではないだろうか?・・・沈んだはずの仲間にも会うことができたしな・・・と少し現実逃避していると妖精さんから、声をかけられた。
「わー今までの艦娘で見たことのない人だー」
「飛行甲板を持っているということは空母?」
「でも、それにしては背中の箱や見たことない装備があるし、重武装に見えるけどー」
「お姉さん、なんて言う名前なのー?」
(・・・・・・もう、何と言うか可愛いな・・・うん、可愛い生き物であるが、妖精とはもうはやオカルト域だな・・・あ、名前を聞かれたのだったな)
「・・・私の名前は潜水戦闘空母一番艦ジェラードだ」
「潜水戦闘空母?」
「潜水できる空母ってことー?」
「でも、飛行甲板を持っているから空母じゃないのー?」
「ねーねー、潜水戦闘空母ってなにー?」
「?潜水戦闘空母というのは潜水航空機運用を目的とし、敵地強襲作戦能力、単独作戦行動能力、圧倒的攻撃能力等を求められた軍艦のことだ。」
「潜水空母ならあるけど、潜水戦闘空母はないねー」
「ジェラードさんは潜水艦ということー?」
「・・・そうだな、どちらかというと潜水艦に値するかもな」
「おー」
「ところで、妖精さんと言ったな?妖精達がなぜ、ここに居るのだ?」
「私たちはねー」
「ここは元々軍の施設で、艦娘運用を前提として、前線基地として機能してたけど」
「深海棲艦に襲撃されて、全滅しちゃったんだー」
「で、私たちは基地の中で隠れて、何とか生活してたんだー」
「・・・・・OK、よし、聞き慣れない単語がいくつものあったが、それを聞いてもいいか?」
「うんー」
「まず、艦娘とはなんだ?」
「艦娘は深海棲艦を撃滅するために対抗兵器として私たちが生み出したんだー」
「・・・深海棲艦とは?」
「深海棲艦は恨み、憎しみ、悲しみ等といった負の思い、塊から生み出される存在で、人類を海から追い出した存在であるー」
「なぜ、深海棲艦は人間を海から追い出す?」
「理由は分からないけど、恨み、憎しみ、悲しみといった感情と関係あるじゃないかー」
「・・・・・・・・・なるほど、ちょっと待ってくれ」
(・・・・・この世界は異世界であることは間違いない、目の前に居る妖精を含め、艦娘、深海棲艦といった存在は今まで聞いたこともないものだし、少なくとも私のデータベースにそれは存在しない。なら、この世界では艦娘は人間側、深海棲艦は敵勢力であろう・・・ということは深海棲艦の情報が不足しすぎて、まだ、確定ではないが、敵対行動する者がほとんどだろう・・・ここは人類側の味方のほうが得策だな・・・)
「ねーねー、ジェラードさんって、潜水戦闘空母って言ったけど、どんな潜水艦なのー?」
「そうだな、簡単に言えば潜航可能な空母だ。航空母艦ではあるが、ミサイル戦、艦隊戦を個艦防衛及び攻撃を想定した艦艇だ。」
「うーん?それってでも航空戦艦じゃなーい?あ、でも、ジェラードには主砲がないー」
「でも、箱はあるよー?なんだろうー?」
「うん?艦娘には、どれだけの種類がいるんだ?」
「えーと、戦艦、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦、空母、軽空母、潜水艦、補給艦、練習艦があるよー」
「・・・なるほど、戦艦?ミサイル艦はないのか?」
「みさいる?ってなにー?」
「・・・誘導兵器だ、この世界にはミサイルはないのか?」
「うーん・・・あ、でも、大本営で開発してた・・・あれじゃ」
「うん、誘導噴進弾のことかな?」
「えーと、ジェラードさんの兵装が分からないけど、普通の艦娘は主砲、魚雷、体術、機関銃、爆雷、航空機等で倒すよー」
「なるほど・・・状況は分かった、妖精さん、一つ聞いてもいいか?」
「うんー?」「なになにー?」
「私は撃沈したはずなのに、気がつけば海上に居たのだが、私がなぜ、魂だったものが、生を受けることができたか、知っているか?」
「うんー艦娘は皆沈没、解体等された第二次世界大戦の艦艇から生まれるよー、なぜ、ジェラードがここに生を受けたか、は分からないけど、普通の艦娘は戦争で沈み、当時の記憶を持って生まれるんだー」
「艦娘を生み出しているのが、私たちドック妖精さんだよー」
この不思議な妖精さんでも分からないことか・・・
「なるほど・・・ひとまず、分かった、もっと詳しく聞いてもいいか?」
「いいよー」「どんどんきてきてー」
その後、しばらく話した後、ジェラードは思案した
(とりあえず私がなぜ、生を受けたか、は分からなかったが、肉体を持つ理由は分かった、だが、そうだとすれば、私に取れる手段は限られているな・・・この世界は恐らく妖精によって艤装が動き、戦闘するか・・・うん?ちょっと待て、ということは私にも妖精が存在するのか?)と艤装を見ると艤装と肩、頭に妖精が居た
「!?」
びっくりしたあまり、妖精を落としそうになるが、何とか体勢を維持し、自身の妖精に話しかけた
「えーと・・・あなた達は私の艤装を動かす妖精で合っているのか?」
妖精さんは笑顔でコクコクと頷く
「そうだよー」「ジェラード様ー」「お久しぶりですー」
妖精達は私の搭乗員の服装をしており、見たことのある特徴しているものが多い
どうやら、この妖精は当時の乗員をそのまま妖精になった存在だな
「・・・ちなみになぜ、最初から海上に居た時に声をかけなかったんだ?」
「妖精は他人に認識されないと姿を見ることができないんだー」
「だから、ずっと、操作してたけど、今、ここの妖精さんの姿を認識したことで私たちが見れるんだよー」
・・・なるほど、しかし、どうしたものやら、恐らくこれから、行動するに当たって人類側に付いても慎重に交渉する必要があるな・・・
私の装備、私自身彼らにとって未知の存在であり、鉱石動力型粒子機関、光学兵器・・・700m以上の空母で、二隻の4万tクラスの潜水艦を搭載し、一隻で小国どころか、大国も滅ぼせる戦闘能力・・・うん、他の深海棲艦だけではなく、この世界の国が絶対に放置することはあり得ないし、私の技術は我が国の技術の結晶でもある、しかし、それを他国に渡すことはできない・・・なら、できるだけ接触を避けるか、接触には細心の注意が必要のようだな・・・
とりあえず、こんな良い場所も発見したとこだし、ここにひとまず留まるか・・・
この妖精の協力があれば、格段に楽になるはず
「・・・あなた達は、これからどうするか、方針が決まっているのか?」
「ないなー」「私たちは放棄されたからなー」
「・・・なるほど、もし、良かったら、この基地を本拠地として使いたいのだが、どうだろうか?」
「おおおーー!!!」目をキラキラさせた妖精達は一カ所に集まり、何やら話し、再び向かい合った
「それは是非、こちらからもお願いしたいですー」「それなら、こっちの願いも叶えてもらってもいいかなー?」
「む?願いとは何だ?」
「私たちの司令官になってほしいのー」
「司令官?しかし、私は一人の艦艇しか、ないぞ?」
「・・・ぶっちゃけ、ジェラードさんは規格外のような気がするけど、艦娘を指揮する能力がありますー」
「艦娘を指揮する提督は素質が必要で、指揮できる人数も決まっているのですー」
「ちょっとまて、地味にリスられた気がするけど、艦娘を指揮するには素質が必要なの?」
「そうなのー、だから、結構質で戦っているけど、人類側は素質を持つ提督が少ないから厳しいのです」
・・・つまり今、人類は艦娘という切り札を持つが、指揮する司令官には素質が必要で、それを持つものは少ない、と、それが私にもあると・・・
「・・・なぜ、私にも素質がある?私は艦娘だから、指揮される側じゃないの?」
「普通はそうだけど、ジェラードさんの存在がイレギュラーで、艦娘を指揮する素質が備わっているじゃないかなー原因は分からないけど、イレギュラーと何か関係があると思うけどー」
「・・・なるほど、わかった・・・さっきの司令官とやら、になろう。
しかし、私は人類を信用している訳じゃない、最悪の場合敵対関係となるぞ?」
「大丈夫なのー」「私たちはジェラードさんに付いて行くよー」
「それにここで拒否しても捨てられた身だから、どうしようもないしねー」
「別に無理をする必要はないぞ?私の搭載している潜水艦で、日本という国へ送り出すぞ?」
「いや、私たちはジェラードさんに司令官になってもらいたいと思っている、だから、何が起こっても構わないさー」
「分かった、これからよろしくね、妖精さん」
「アイアイサー」「よろしくー」
わーいわーいと妖精さんが歓迎声を上げる中ジェラードは自分の中に存在している潜水艦セラとミラに話しかけた
(まさか、おとぎ話の妖精がいるとはな・・・この世界は不思議なことばかりだ)
(ジェラード様と私たちがこの世界で転生したことも十分おとぎ話ですけどね)
(それもありますが、これからどうしますか?)
(とりあえず、話を聞く限り、あまり積極的に人類側との接触はこちらの拠点の準備、情報収集がある程度完了するまで、無闇に動くのは得策ではないだろう、妖精さんからの話を聞く限り、この世界の技術レベルは恐らく電子機器が発展する前の時代ね、少なくとも私たちの持つ技術の100年以上前のものを使用しているわね)
(確かにそうです、艦娘の艦隊を偵察した時、大型艦の主砲が40㎝以上の口径はある武器を搭載し、電子機器等は初歩的技術が使用されていました。)
(この基地を捜索してた時に設備のほうを見ましたが、だいぶ旧世代の機械を使用していました。)
(なるほど・・・やはり、ここは拠点を開発して、少し様子見したほうがいいわね)
(はい、それがいいかと判断します)
(・・・あなた達も私の中から出て、行動していいのよ?もう、船の頃と違って、あなた達は肉体を持っているのだから)
(いえ、こうしているほうが私たちにとって落ち着きますし、これが私たちの待機モードなのです。)
(私達はジェラード様の手となり、足となれば本望ですから)
(・・・そう、分かったわ、だが、自由にする時は自由にするのだぞ?)
(はい、しかし、開発とは言ってもどうするおつもりですか、この島も大きいとはいえ、開発する場所は多いですが)
(そうね、まずは私たちが必要とする燃料と弾薬ね、これがなければ戦闘はできないし、航空機、レーダー、精密機械、船体の修理するための素材も必要だから、ドック、製鉄所を作る必要もあるわ)
(この世界に燃料となる輝コバルト鉱石なんてあるでしょうか)
(それは大丈夫、航行中海中からサンプルとして調べたら、微少だけど必要な素材が含まれていることがわかったわ、海水から鉱石を抽出することができれば、かなり行動しやくなるわ)
(わかりました)
とジェラードと二人のセラとミラで話し合いながら、今後について話し合った。
後に妖精さんからこの世界の情報、開発計画等を話し合い夜遅くまで話した。
今後についてはまず、基地の開発、鉱石エネルギーの海中抽出装置、私の整備するための機械等の生産。
周辺地域を徹底的に調べ、衛星を打ち上げることにしよう。さすがにこの時代の技術では衛星はないはずだから、見つかることはないだろう。とりあえず島にあった旧鎮守府の艦娘部屋で寝よう・・・