「打ち方用意よし!砲撃開始!」
砲撃された砲弾が真っすぐ標的に命中した
「次弾装填、次、右目標距離5000、撃て!」
「命中!」
矢矧が砲弾を命中させる光景に艦娘達は唖然とした表情で見つめていた。
「すごい・・・距離5000だと近でも良いほうなのに全弾命中なんて・・・」
「今回搭載された高性能防空システムとと聞いたけどこれだけの性能なんて・・・」
「ハラショー・・・」
「すごいですね・・・今回新しく新装備の実験をかねた砲撃訓練を行うとは聞いてましたがこれだけの命中、稼働状況は良好でテストも記録更新ですよ・・・アイオワさん」
「GOOD、それはそうよ、私も半信半疑だったけど、妖精さんが開発した「高性能防空システム」はアドミラールが教えた技術の一つ、コンセプトとしては艦隊防空を重視したシステムのようよ」
「艦隊防空ですか・・・あの命中率は異常ですよ・・・」
「まだ次の段階ではないけど、艦隊から距離500k離れた場所でも攻撃迎撃可能な攻撃火器が実験されるわね」
「私にも搭載できるのですか?」
「予定だと思うわ、不知火もそうだけど、駆逐艦、巡洋艦にも搭載される予定とアドミラールが言ってたわね」
「それは楽しみですね・・・フフフ・・・」
普段笑わない不知火だが、次の新装備が搭載されれば提督に役に立てると想像したのか、微笑む
「どー?」
「バッチグーですー!」
「妖精さん、次の段階でも大丈夫ですか?」
「大丈夫だよー!いつでもOKですー!」
「こちら噴式航空隊、当海域に到着した、いつでもいいよー!」
「了解!矢矧さん、次の実験に移っても大丈夫そうです!」
「分かったわ、電探探知、目標距離23000、目標数3急速接近中、速度1200k、右対空戦闘用意よし、ミサイル発射!」
近くで様子見していた島風は目標の速度に目を見張る
「(速度1200k!?はやい、そんな航空機を迎撃なんてできるの・・・・?)」島風は少し不安な表情で矢矧を見る
矢矧は冷静に電探から送られて来るデータをミサイルに入力し、搭載されているVLSから蓋が開放され、一発ミサイルが白い煙を上げながら急上昇し、目標地点へ飛行する。
ミサイルは事前に目標のデータが入力され、ミサイルが目標の熱探知し、撃墜した。
「目標撃破、対空目標に脅威となる機体無し、対空戦闘終了。」
「どうー?データ取れたー?」
「取れた取れたー!やったよ!ようやく完成したよ!」
「やったー!」
「まさかまだ計画段階だった兵器の完成板を見えるなんて最高だぜえええええー!!!」
「本当に迎撃できたよ・・・」
「・・・私も正直半信半疑だったが、この高性能防空システムはすごいものだ・・・送られて来る航空機の詳細なデータがいち早く分かる!これなら阿賀野型の名をかけて対空戦闘ができるわ!」
矢矧は過去に日本軍の特攻作戦で大和と駆逐艦と共に運命を共にし、圧倒的な敵航空隊を前に撃沈された・・・
しかし、もし、この装備があの頃にあれば・・・と頭に過るが、頭を振る
過去のことをいくらいっても仕方がない、今はこの装備に喜ぼう・・・と思い表情を笑う
「うん、結果は良好ね、対空対艦ミサイルの性能もバッチリだし、これなら順々に改修ができるわね」
「他にも何かできるのですか?」
「そうね、あの高性能防空システムには対空対艦戦闘と対潜戦闘も可能になるはずよ」
「対潜ですか?電探で目標を探知した後爆雷攻撃ですか?」
「いえ、対空対艦ミサイル同様対潜ミサイルも開発中のようよ、戦術としてはソナーで目標を探知した後、対潜ミサイルで目標へ打ち込み、海中で弾頭に装備された追尾式魚雷が攻撃する、ね」
「追尾?魚雷が追尾するのですか?」
「そうね、魚雷頭部にソナーが取り付けられて、そこから発する電波で反応する敵艦を追尾するようよ」
「・・・それは恐ろしい兵器ですね」
追尾式の魚雷、魚雷は今まであらゆる艦艇を海底へ葬り去った火器であり、一発だけでも大型艦ならともかく駆逐艦では致命傷にもなりかねることがある。しかも魚雷が真っすぐではなく、自分に追尾するのだから、一度探知されてしまうとどうなるか、想像し少し身震いした。
「相変わらず信じられない程の性能を持つ武器ですね・・・」
「その分、コストが高いけどね・・・」
「?その追尾式魚雷一発はどのくらいの価格するのですか?」
「そうね・・・酸素魚雷が20本購入できるじゃないかしら?」
「20・・・本ですか・・・」
戦争当時でも魚雷というのは高価であり、一本1万5000円、それが20本で30万だ、当時の一式陸上攻撃機の値段は25万であり、軍人もびっくりの値段だ
さらに追尾式魚雷には電子機器が積まれている、材料調達もレアメタル、レアアース等が必要になるが、それらはすべて海外もしくは海底から採掘、調達している。
「でも、30万の価格で確実に命中させることができるのなら安いものですね」
「まあ、私の建造費もかかったけど、アドミラールはもっと建造費がすごいわね・・・」
「え?提督はアイオワさんよりも建造費が高いのですか?」
実験が終わった矢矧達がアイオワと不知火に合流し、会話に入った。
「ええ、大和型が数隻以上はできるじゃないかしら?」
「す・・・・数隻分ですか!?」
「えーと・・・大和型は1億5000万だとして・・・3億以上ですか!?」
*当時の大和型の建造費は現代に加算すると2兆円以上でジェラード級一隻の建造費は5兆円以上なので、2〜3隻分の費用で建造できます。
「まあ・・・でも、あんな潜水空母で潜水艦を搭載して戦闘もできるのだから、そのあたり知っていたらある意味当然かもしれませんね・・・」
「いやいや建造費は確かに5兆円だが、艦載機、搭載する潜水艦等の費用も加算すると10兆円以上かもしれんぞ」
「10兆円!?うわ〜いちじゅうひゃくせんm・・・」
「少なくとも大和型が5隻は出来ますね」
「ちなみに高性能防空システムも高いわよ」
「でも、高くても確実に相手に勝つことを考えれば・・・安心できるわね」
「ええ、アドミラールも空母艦娘が来たら新型の艦載機を搭載するために飛行甲板を改装する予定のようよ」
「え?どんな甲板に?」
「さあ・・・確かアドミラールの世界では古い形のようだけど、離発着が同時に可能になるね」
「おー!」
「名前はアングルドデッキとか言ってたかな・・・」
「ハラショーそれは楽しみだ」
「提督みらいなものじゃないんだ〜」
*ジェラード級の飛行甲板はアングルドデッキではなく上から見るとY型かH型と間に当たる形状をしている。
「さすがにあれはね・・・」
「あれ?でも、提督も空母ですよね?しかもあの性能ならあまり優先的に建造しないくてもいいじゃないですか?」
「いや、提督もあの馬鹿げた性能とはいえ、空母は多く居たほうが戦術の幅が広がる上、まず提督は司令官だぞ?もしものことがあれば困るだろ・・・」
「ああ〜・・・なるほど・・・」
「・・・といってもたまに戦線に出るけどね」
「まあ・・・そのほうが安心ですけどね」
「ちなみに提督は今何をしているの?」
「ああ、確かビスマルクと共に新たな艦娘を建造するために建造ドックへ行っている」
「新たな艦娘・・・陽炎型が来て欲しいものですね・・・」
「阿賀野型だと良いな・・・」
「特型駆逐艦とか出ないかな〜」
「それはさすがに分からないわね・・・アドミラールも今回巡洋艦と潜水艦、空母を建造したいと言ってわ」
「でも、新たな仲間が増えるのは大歓迎!」
「そろそろ第二艦隊と第三艦隊で哨戒と遠征もしたいしね」
「訓練を行ってはいますがまだまだ不知火も落ち度がありますね・・・」
「でも、どんな艦娘が来るのだろう?」
「できれば好戦的な艦娘が来ないと良いのですが・・・」
「ああ〜確かイギリス、アメリカ系でいるもんね」
「結構日本海軍にもいるのですけどね・・・」
「そうね・・・さあ、皆実験が終わったところで次は陸戦の訓練を行うわよ!」
「えー・・・陸戦は苦手だな・・・」
「まあ、戦術の幅を広げる点では私たちも陸戦を行えるようにして損はないでしょう・・・近年の深海棲艦は陸上型も見られているようだし」
「はいはい、おしゃべりはそこまでよ、訓練を開始するわよ」
「はーい」
艦娘達が訓練に明け暮れている頃、ジェラードとビスマルク、ミラ(セラは偵察任務中)でドックに居た。
「わーい、ジェラード様とビスマルクさんだ〜」
「次は何を作りますかー!」
「さあ、みんな仕事開始だよー!」
「おおー!」
「それでアドミラール?次は何を建造する予定ですか?」
「そうね、次はこの基地にも海上航空隊を整備したいから空母だな、それ以外でも巡洋艦と潜水艦を建造したい」
「OKOKー!」
「よーし、やろうどもー!早速仕事だぜ仕事!」
「確か空母系はボーキサイトを多めにすればいいのだな?」
「うん、そうだよー!」
「よし、なら燃料弾薬300鋼材400ボーキサイト400・・・よし、建造開始」
4:20:00
「4時間20分・・・これは空母か?」
「おー!これは扶桑型か加賀ですねー!」
「よし、次も建造しよう、同様のレシピだ」
「了解ー!」
2:40:00
「おー!ジェラード様は運が良いほうですね〜祥鳳型ですね〜」
「軽空母ですー!」
「それは良かった、軽空母でも改装すれば対潜空母にもしたいしな」
「潜水艦・・・怖いものね・・・」
ジェラードは自分自身もそうだが、潜水艦への脅威は年度変われど艦娘にとって脅威であり、軽空母には飛行甲板を装甲、耐熱化させて垂直着陸可能なジェット機を運用させたいと思っている。これによって個艦防衛能力と対潜能力を備えた軽空母が居れば艦隊はかなり安全に航海することが可能になる。いくらソナーが発達し、ジェラード達がいるとはいっても、彼女達は常に傍に居る訳ではない。その対策として対潜空母を考案している。
*現在のひゅうが型、いずも型護衛艦の役目とよく似ている物でそれに護衛機運用を追加させているだけだ。
「よし、この調子で続けるぞ」
「おー!」
4:50:00
「うん?4時間50分?・・・データにない数値だな・・・どうだビスマルク、妖精さん」
「今まで確認されているデータにない数値ね、時間からすると大型艦で間違いないと思うけど・・・」
「えーと・・・こればかりは建造終了まで待たないと分からないかと・・・」
「そうか・・・よし、高速建造材を使おう」
「よっしゃ野郎ども!バーナーだー!」
「やったぜー!」
目の前のドック建造時間数値が高速に動き、重厚な扉が開くとボブカットの銀髪に黒の軍服にミニスカートの女性、艤装には大型の電探、レーダーと思われる構造物に円球の主砲、VLSの箱型を装備していた。
「キーロフ級ミサイル巡洋艦一番艦キーロフだ、ソ連海軍の名に恥じない勝利を提督に授けよう」
「・・・おー・・・見たことのない艦娘が来たー!」
「(ソ連軍か・・・確かデータではソ連海軍の艦娘が一部確認されているらしいが、キーロフ級ミサイル巡洋艦だと?聞いたことのない艦娘だな・・・だが、ミサイル巡洋艦ということはミサイルを装備しているのか?)うむ、私はジェラード級一番艦ジェラードだ、この基地の司令官を務めている。」
「!・・・なるほど、あなたが司令官か、艦娘なのか?」
「そうね、理由があって司令官を務めているけど、艦娘で間違いないわね」
「・・・・ふふふ・・・なるほど、あなたが私を使いこなせるか、見物ね」
「そこは期待に答えられるか、分からないが、期待に沿えるよう努力する」
「そう・・・私は結構癖の強い艦娘よ?」
「それでもだ、よろしくお願いね」
「ええ・・・こちらこそソ連海軍の名に恥じない戦果を上げるわ」
ジェラードの元に新たな仲間が増えていき、着実に強化されていくのであった・・・
と思った矢先少しトラブルも発生した、それはキーロフとビスマルクだ
「・・・」
「・・・」
二人はお互いをじっと目が合った瞬間から目つきが変わり、動かないでいた
「・・・・・・私の直感だけど、主砲打ち込めと何かが叫んでるわ」
「奇遇ね、私もあなたにミサイルを打ち込めと頭に響いているわ・・・」
「あら?お望みなら演習を構えてもいいわよ?」
「そうですね・・・戦艦のあなたが私に損害を与えられるか、見たいですね・・・」
「あら・・・それは挑戦かしら?」
「うむ、それでもいいかもな・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
すると二人の頭に何かが振り落とされた
バシッバシッ
「おい、そろそろ次の段階に移りたいのだが、いいか?」
「あ、はい・・・アドミラール」
「うむ」
その後二人はライバルと決め、演習し合うようになった・・・