Fate/erosion   作:ロリトラ

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連続更新だぞヒャッホー!


幕間/ランサーvsアーチャー

ーーーinterludeーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

初めに動いたのは風破だった。

 

「ゲーt……アーチャー、ランサーを殺しなさい!」

 

命じられると同時に、いや実際はそれより前に飛び出していたのかと思えるほどに素早く、ランサーの喉元に向かい飛び込む!

 

だがランサーも魔力不足気味とはいえれっきとした英雄。

それを紙一重とはいえ躱し、続く爪の一撃も捌く。

とはいえ、元よりはランサーは武勇に優れた英霊ではない。その事は召喚した私自身が何より理解している。

 

だが、それは私とて承知の上。彼を使いこなせないようでは、お兄ちゃんを守れなんてしない!

 

幸い、既にセイバーはあのレアと名乗るバーサーカーの下に向かったのだろう、真名が漏れる恐れはない。決めるなら、今だ。

 

「ランサー!下がって第2宝具の使用を!ここで仕留めるわよ!!」

 

「待ってたよ、その言葉!おら、退きな犬っコロぉ!」

 

槍でアーチャーの身体弾くものの、ランサーの膂力では押し切れず距離を取り切れない。

 

「ッ!宝具を使われる前に仕留めなさい、アーチャー!」

「ガルルルァッ!」

 

アーチャーは大口をあけてランサーの頭に喰らいかかる。

やられるーーー!

 

そう思った瞬間、ズブリ、と肉を貫く音がした。だがその音は、アーチャーの牙がランサーの頚に刺さった音ではなく。

 

ーーーランサーの槍が、逆に穂先を口内に突き刺すことでつっかえ棒のように支え、防いでいる。

 

「あらん、驚いたわぁ。てっきりもうダメだと思ったのだけれど。なかなかいい駒を引けたようじゃない、お嬢さん。」

「ふ、ふん。なんてったって私は繰空の後継者だもの!当たり前じゃない!」

 

でも、今のままじゃ虚勢を張るのが精一杯。確かに防ぐことは出来たけど、あれは所詮一時の延命手段だ。

向こうからは見えないだろうけれど、アーチャーの口内の傷跡が盛り上がってそのまま穂先を押し出そうとしている。

あのままでは、ランサーがやられるのは時間の問題だ。そう感じて令呪を切ろうとした瞬間ーー

 

『おいおい、お前は俺のマスターだろう。少しは信用してくれよ。』

 

ーーそう、念話が入る。

そうか。私は、マスターなのだ。サーヴァントと共に聖杯戦争を戦い、そして勝ち抜くパートナー。マスターである私が自分のサーヴァントを信じきれなくては勝てるはずもないだろうに。

そうして令呪を切ることをやめる。代わりに、私が言うのはただ一つだけ。

 

「頑張って!勝つのよランサー!」

 

それを聞くとランサーは目蓋を一瞬閉じ、口を開く。

 

「その言葉が聞きたかった。」

 

そう呟き、ニヤリと笑うと、ランサーは指先に魔力を収束させる。

 

「ここまでしてもらったんだ。応えなきゃサーヴァントの名折れさね。」

 

そうして、三角形のような図形を描き。

 

「喰らいな、犬っコロ。《ケン》!」

 

そう言い放つと空中に描いた図形から火炎が激しく吹き上がり、喉を焼く。

そうか、あれはルーンか!

 

「距離は取れた……このまま決めさせて貰うぞ。」

 

そう言うと同時にランサーが懐から紐を出す。あれがランサーの第2宝具。高まる魔力の収束は、真名解放により真価を解き放つ瞬間をまだかと催促しているようにすら見える。

 

「戒めろ、貪る(グレイプ)ーー」

 

 

そしてそれを手中より解き放つ!!

 

「ーー魔枷(ニィィィィル)!」

 

ランサーの手の中から幾本ものの紐が飛び出し、アーチャーの四肢に絡みき動きを封じる!

 

「……なっ!フェンリルを戒めたドヴェルグ共の紐!?まさか貴方、北欧の天空神だっていうの!?」

「はっ、それこそまさかだね。俺はあんなに勇敢じゃないし、愚かでもない。親友(ダチ)1人守り抜けない、ただの人間だ。」

 

ランサーはそう自重するように苦笑すると、槍を構え直して一気にアーチャーへと詰め寄る。

 

「アーチャー、抜け出るのよ!紐を噛み切りなさい!」

「ガグルッ、グラルラッ。」

「無駄だ、その紐は並の霊基じゃ抜けられない。それに獣となればなおさらな。」

「で、でもこれで漸くイーブンよ!いえ、寧ろアーチャーにロクにダメージを与えられない以上貴方が有利な訳じゃないわ!」

「……確かに。さっきまで、ならな。」

「……え?」

この紐は縛った相手の魔力を俺に還元する。つまり今の俺なら、ダメージくらい楽に与えられるって訳だ。」

 

そう言いながらランサーは地面にガリガリとルーン文字を書き続ける。

 

「だからな、これで終いさね。」

 

そう、処刑宣告のように言い。

 

「《ソーン》!」

 

その一言と共に無数の棘が濁流のように伸び、アーチャーを槍衾にするーー

 

 

ガギンガギガギギガギン!!

 

 

ーーかに思われたが。そこに入ってきた影が伸びてきた棘を全て叩き折った。

 

「Grrrrrrrrrーーー!!!」

 

耳をつんざく大咆哮。思わず耳を塞いでしまう。一体何なのだ、あれは。

煙が晴れ、姿が見える。

あれは、まさか。

 

「人狼……!」

 

時代と共に、人の世を追われ、世界の裏側へと消え失せたはずの幻獣。幻想となった、人狼(ワーウルフ)がそこに佇んでいた。

 

 

ーーーinterlude outーーーーーーーーーーーーーーーーー




一応言っておくとアーチャーは魔神王とはなんの関係もありません

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