Fate/erosion   作:ロリトラ

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全然書くのが進まないぞ!何故だ!

……検事2やってたからですね
弓彦カッコよかったよ弓彦

でもクリアしたし来週からはもう少し早く……おや、こんなところに3DSと逆裁6が……(おいコラ)


……とまぁ茶番は置いておきまして、ほぼ一週間ペースなので次回もこのくらいのペースかなぁとは予想しております

それにしても2章がなかなか終わらない……!!


幕間/送迎

守掌市上空500m程の空中に、その女性と獣はいた。

 

「ふぅ………全く、マスターも人使いがあらいわねぇ。」

 

自らのマスターが錬成した鷲獅子型の合成獣(キメラ)の背に立ちながら、彼女は低いテンションで気怠げにそう呟く。

 

「まぁ、マスターの頼みだし逆らえないんだけどさ……ふぅ。大体……うちのマスターがあんなダンディなイケオジなのが悪いわよねぇ……。そこら辺、どう思う、ねぇ?」

 

そう、自身の足元の合成獣に話しかけるも「グルル……」といった唸り声しか返っては来ない。

しかし彼女はそれで言いたいことを理解したのか、頷きながら言葉を続ける。

 

「だよねぇ……ワタシも本当なら聖杯なんて興味無いしさぁ。適当に済ませたかったのに……ふぅ。まぁ、とりあえず言われたことはこなそうかねぇ……ふぅ。」

 

そう言いながら背中を踏んで合図をすると合成獣は翼をはばたかせながら螺旋運動で下降を開始する。

人間ならまず引きちぎられる程の風圧と遠心力。しかしそれをものともせずに合成獣の背に立ち続けるのは人間を超越した英霊であるサーヴァントとしての面目躍如と言ったところだろうか。

 

そして流星のように迅く、鋭く。

されど羽毛のように軽く、柔らかく。

そうして教会の中庭に降り立った彼女の前には、ルキアととルーラーが待ち構えて並び立っていた。

 

「ふぅ……おたく達が監督役と、裁定者様かい……ふぅ。ワタシはラバックのサーヴァント・キャスター。マスターの頼みで迎えに来たよ……ふぅ。」

 

しかし同盟相手を前にしても気怠げな態度を崩さないその姿勢が気に触ったのか、ルーラーが不満そうに注意を投げかける。

 

「もう少しシャキッと出来ませんこと?あなた、それでも英霊でして?」

「ふぅ……しょうがないでしょ……。ワタシ、そんな大層なのじゃないからさ……ふぅ。」

「せめてその溜め息を止めてもらえませんこと?幸せが逃げますわよ。」

「いやお前なんでそんな知識知ってるんだよ。」

「勿論、聖杯からの知識ですわ。」

 

余りにも俗過ぎる知識を披露するルーラーにルキアが思わずつっ込むが、ルーラーは何故かドヤ顔で答える。

 

「いやいやいやいや、何でそうなるんだよおかしいだろその聖杯。」

「?ですから、こうして同盟を組んでいるのではなくて?」

「いや……そういうことじゃあないんだけどな……まぁいいや。」

 

そうして言葉切ったルキアは周囲を見回すとキャスターに尋ねる。

 

「で、ラバックの野郎はどうした。自分は来ないのか。」

「……………ふぅ。マスターは、『すまないが、説明用のパワポのの準備があるから君1人で行ってくれ』って……言ってたわね。」

「おいコラなんで魔術師がパワポ使うんだよ魔術はどうした。」

「……知らないわよ。ワタシ……キャスターだけど魔術なんて使えないもの……ふぅ。」

「……はぁ!?どういうことだよ、そりゃ。魔術師のクラスが魔術使えないとか色々とおかしいだろう。」

「ふぅ……もどきみたいなものなのよ、私は。別に足を引っ張るつもりは無いから安心してくれていいわよ……ふぅ。」

 

余りにも予想外なキャスターに対しルキアは思わず顔を顰めるもすぐに気を取り直し目の前の合成獣を指しながらキャスターに尋ねる。

 

「ーーで、だ。アタシ達はそれに乗ってけばいいのか?」

「ええ……そうね。ワタシが首元に乗るからあなたは背中の鞍にでも乗ってくれないかしら…………ふぅ。」

 

溜息を繰り返しながら彼女は懐から取り出した煙管に火をつける。

 

「気を抜いてるところ、悪いのですけれど。(わたくし)は、どこに乗れば良くて?この鞍はどう見ても1人用のようですし、私は乗れないのでは?」

 

と、ルーラーが合成獣の背を見回しながら鋭く指摘する。その指摘で初めて気づいたのか、はたまた全て分かった上でわざとやっているのか。キャスターは気怠げに溜息を1つつく。

 

「ふぅ……あぁ、本当だねぇ。おたく、コイツの足に捕まってぶら下がってかないかい?」

 

キャスターはそういって合成獣の鷲の様な脚を指し示す。

 

「そんな場所、いざと言う時に困りますわ。私もまだあなた達を信用したわけではありませんでしてよ。……そうですわね、私が首元に乗りますからあなたがぶら下がったらどうですの?」

「…………ふぅ。ワタシがそこにいたら操縦出来ないじゃない。おたくじゃコイツと意思疎通は出来ないでしょうし………ふぅ。仕方ないわね、5分貰うわよ。」

「5分?どういうことだ?」

 

ルキアがそう問うとキャスターはかったるそうに教会の片隅にある廃材を示して言う。

 

「あの廃材を使って、5分で鞍を作ってあげるって言ってるのよ。だから……大人しくしてなさいな。」

 

そう言うとキャスターはすたすた歩き出して廃材の下へ言ってしまう。

 

「日曜大工の得意なサーヴァント……ってとこか?」

「そのようなわけないでしょう。道具作成スキルが確認できましたし、恐らくスキルによるもの、ですわ。」

「なるほど。で、なんて英霊なんだ?」

「……分かりませんわ。真名看破でも見破れませんでしたの。おそらく、隠蔽系のスキルや宝具を持っているに違いありませんわ。」

「なるほどな……にしても初っ端から真名看破出来なかったりルーラーって割にはそこまで強権発動出来そうじゃないよな、ルトガルディスって。」

 

すると、その言葉に腹を立てたのかルーラーは頬を膨らませてムキになりながら反論を始める。

 

「し、仕方が無いでしょう!私にだって苦手なことくらいありますわ!!自分が出来ないのに人を悪く言ってはいけないんですのよ!そ、それにだいたい聖杯からの召喚からしておかしかったんですもの!」

「わわ、そうムキになるなよ、冗談だって冗談。予想だけど、ラバックの言うことが本当なら、ルーラーが召喚されるのは予想できたはずだ。だから予め真名の隠蔽能力のあるサーヴァントを狙って召喚したんじゃないかね。」

 

そしてそのルキアの推理を聞いたルーラーはハッ!とルキアの眼を見やる。そうしてルキアがコクリと頷くのと同時に自身も辿りついたその予想の先を口にする。

 

「ということは、私達と敵対できる用意がある……と?」

「その可能性は多分にある……と

思ってもいいと思うね。味方だと思ってて後ろからグサリ、なんてのはアタシとしてもゴメンだからさ。」

「そんなの……私だって御免ですわ。それにしても、気怠げな表情の裏にそんな考えを持っていたなんて……戦うなら正面から来るべきですわ!許せませんわ!」

「お、おいおいちょっと待った待った。まだそうと決まった訳でもないから問い詰めようとするのやめてやめて。ただそういう可能性もあるから油断しきらないでって話だからこれ、ね?」

「……あ、そうでしたわね。見苦しいところを見せてしまってお恥ずかしい限りですわ。」

 

そうして恥ずかしそうに呼吸を整えるルーラーを宥めつつルキアはルーラーに質問を投げる。

 

「いや、まぁルトガルディスはそれくらい直情的でもいいさ。アタシと足してバランス良さそうだしな。……それで、質問だなんだけどさ。さっきの時に言ってた聖杯の召喚がおかしかったって言ってたよな。アレってどういう意味?」

「あぁ、その事ですの?なんか、喚び出される時に何かにつっかえたような感じがしましたのよ。きっとそのせいでクラススキルのランクが下がったんですわ!」

「なにかに……つっかえた?」

「ええ、勿論イメージの話ですけれど。急に何やら考え込んで、何かわかったんですの?」

「いや、ちょっとな。ランクが下がったのはクラススキルだけか?固有スキルは?」

「……固有スキル?固有スキルは特に、これといった変化はありませんわね……ルキア?ルキア?」

「クラススキルだけ……つまり最初からルーラーを狙い撃ちしてた……?だが、目的と手段は………?それに、レアの仕業とするにはいまいち違和感が残る……………ダメだ、情報が足りない。」

「聞こえてますの!ルキアーー!」

「いっ!?」

 

ボソボソと1人で何やら考え込むように呟き続けたいたルキアに対して堪忍袋の緒が切れたのか、ルーラーが思わず耳元で叫ぶ。

 

「な……なんなんだよ。びっくりするよ、ルトガルディス。」

「なんなんだよ、じゃありませんわ!私が何度呼びかけたと思ってますの?」

「わ、悪い悪い……で、なんだった?」

 

ルキアがそう問いかけるとルーラーが返事するより早く、背後からの声により答えが返される。

 

「準備……出来たわよ………ふぅ。」

「ーーーー!!?お、お前いつの間に!?」

「……さっきからよ。時間に余裕があったから、肘掛けも付けておいたわ……ふぅ。」

 

ルキアは完全に気配を感じなかったことに怖気を覚えながらルーラーと共に鷲獅子の合成獣、その背の鞍に跨る。

 

「それじゃあ……出発するわよ。」

 

そう言うが早いか、キャスターはブツブツと合成獣に話しかけ、同時に一気に舞い上がった。

 

「うわっーー!」

「きゃ……!!」

 

そして雲を突き抜け、空を翔け。

守掌の端、鎖山森へと到着した




オマケとして、ルーラーが読み取れたキャスターのステータスを載せておきますね

キャスター
真名 ◼◼◼◼◼
属性:混沌・中庸
性別:女性
身長:168cm
体重:53kg

基本ステータス
筋力B 耐久D 敏捷D 魔力A+ 幸運E 宝具B+

クラス別スキル

・陣地作成(森):C 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる……スキルだがキャスターの場合魔術師ではなく森に住んでいたことから森限定で獲物の為のトラップを隠したり強化することに特化した結界を作ることが可能。
キャスターは魔術師ではないので、通常の陣地作成スキルで作れるような魔術工房などを作ることは出来ない。

・道具作成:B(E) 魔力を帯びた器具を作成できる。森での長い生活から植物や野生動物の素材を使った道具や罠の作成が得意だが、魔術の心得がある訳では無いので逆に通常の魔術道具などの作成においてはランクE相当のものしか作ることが出来ない。

固有スキル
・狂化:C- 戦闘時に判定を行い、その結果によりこのスキルが発動するかどうかが決まる。
発動した場合は魔力と幸運以外のパラメーターをワンランクずつアップさせるが、言語能力が不自由になり、複雑な思考、及び意思疎通が困難になる。

・動物会話:C 言葉を持たない動物との意思疎通が可能。
動物側の頭が良くなる訳ではないので、あまり複雑なニュアンスは伝わらない。

・啓示:C- 目標の達成に関する事象全てに最適な展開を“知覚する”能力。
自身や他人の死にまつわる運命は通常よりはっきりと知覚できるが、その代わりにその運命の改変が一切出来ない。

・森の隠者:A
森に隠れ潜む者に与えられるスキル。それ以外の説明は滲んでいて解読不能。

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