安定した分量で更新するのって、難しいなぁ……
学校からの帰り道。
俺達は商店街の総合スーパー『オールマート』に晩御飯の材料の買い物に来ていた。
「……おい。何お前はカゴにさらっとお菓子入れてんだ。買わねぇぞ?」
「えー……そんな無体な事を言わぬでも……ほれ、儂も今日は頑張ったじゃろ?」
セイバーは猫なで声を出しつつ、そう上目遣いでこちらを見てくる。
ぐぼァッッ……やばい。益々こちらのツボを心得て来てやがる。それこそまるで
「ありがとのう、ますたぁよ。」
ロリのおねだりには、勝てなかったよ………
「このマシュマロなるもの、前から気になっておったのじゃよ。はむぅ……なんじゃ、この柔こさは!!神の発明か!!これを生み出したのは神域の天才に違いないのじゃ!!はむはむふがふが。」
見るとセイバーはまるで齧歯類のように頬を膨らませてマシュマロを食べていた。
「おい食べ過ぎだダメイバー、後で焼く分が無くなるだろ。」
「ん〜〜む〜〜!」
そうして袋を取り上げると頬をいっぱいにしたまま不満気に睨んでくる。
コイツどんだけ甘いもん食いたいんだ……
「はぁー、分かった分かった。食後にクッキーくらいなら焼いてやるからそれで勘弁してくれ。」
「ホントじゃな!?嘘じゃったら舌刻むからの!?」
お、おぉ……すげぇ食いつきだな……これからはこの手に限るな。
「分かったってーの、俺も舌刻まれたくはないしちゃんと作るさ。」
そうこうしているうちに帰宅。
セイバーにはテレビでも見てもらってるうちにさっさと作っちゃうか。今日のメニューは炒飯だから、野菜とハムを刻まなきゃな……ん、待てよ?
「ちょっと、セイバー。」
セイバーをちょいちょいと台所まで呼び寄せる。
「……んむ?なんじゃ、ますたぁよ。」
「ちょっと思ったんだけど、この野菜とハムを全て微塵切りに出来るか?」
「……お主、なかなかに剛毅な奴じゃの。普通サーヴァントに、それもその武装で料理の手伝いしろなんて言わぬぞ。」
「いやー、だってセイバーの腕前なら一瞬で終わるかなーって。それに実体じゃないもう1振りの方なら汚れとかも無いだろうし?と思ってさー。」
「いや、そういう問題ではないじゃろ……まぁ良いわ。これくらい十秒で終わらせてやるのじゃ。その代わり……」
「ああ、分かってる。今から生地を作るから待っとけ。」
そうして任せろとばかり親指を突き出すとセイバーも満面の笑みとともにサムズアップして返してきた。
さて、じゃあ向こうはセイバーに任せて、米が炊けるまでの間にクッキーの生地も作るとしよう。
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そうして夕食を終え、約束通りセイバーにクッキーを振る舞いながら一服ついていると、セイバーが提案をしてきた。
「なぁ、ますたぁよ。お主、見回りに行く気は無いかの?」
「見回り?どうしてまた、そんな急に。」
「なに、今日の1件でお主もやっと本気で聖杯戦争に臨んでくれるようになった訳だし、今までのように受身なだけでなく攻めの姿勢。ついでに情報収集も兼ねて行くのはどうかと思っての。本来は昼にやろうと思ってたんじゃがレアのやつが学校に通う以上そうそう休むことも出来まい。」
確かに……昼が基本的に学校という予定で埋まってしまった以上、何かアクションを起こすなら夜が主体になるのは必然か。そこで時計をチラリと見やると時刻はちょうど10時を回ったところか。
「セイバーの言う通りだな……じゃあもう少ししたら出てくか。こないだは結局案内できなかったこの街の地理の案内も兼ねようと思うから港の方に行こうと思うがいいか?」
「うむ、構わぬぞ。じゃが、まずは……もう一杯紅茶を頼む。砂糖たっぷりでの。」
「はいはい分かりましたよお姫様。」
そう呟きながらティーポットの中が空になるまで注ぎ切る。
場合によっては今夜から早速戦闘になるかもしれない。
だから今は、セイバーとの束の間の