食事を終え、セイバー霊体化させたまま表に出ると錬土が丁度やって来たところだった。
「よーっす、戈咒。今日はちゃんと登校する気みたいだな。」
「当たり前だろ、俺は基本的に真面目なんだ。ただこの間は小学校を監視してたからたまたま行けなかっただけだ。」
「お前の中のマジメの基準ってなんだよ……」
錬土が嘆息しながら呟く。
失敬な。とても大事な理由があったからしょうがないだろうに。
「それに、学校サボって1日ナンパチャレンジしてたお前には言われたくねぇぞソレ……」
「いや、俺は流石に不真面目な自覚はあったからな?」
「なん……だと……」
「ふふふ、どうやらマヌケは見つかったようだな……お、あそこの姉ちゃん胸でかくね?」
「そうだなー、まぁでかいんじゃね?」
俺は巨乳などという堕肉に興味はないので生返事を返すが、錬土の奴は興味津々である。
「うわー、棒読みー。なぁ戈咒よ、やはり時代は大艦巨砲主義だぜ?大は全てを飲み込む究極にして完全無敵の至宝、女体という
その余りにも余りな主張に思わず溜息を深くつく。やはりダメだな。巨乳など邪道に過ぎる。やはり胸は薄さこそ、ソリッドさが素晴らしき女性らしさであり力なのだと。コイツにとくと伝えねばならないーーー!!
「いつもながら、何腑抜けたこと言ってやがるんだよ錬土。時代が真に求めているのは貧乳、ひいてはロリだ。真の
しかし俺の一大演説も錬土には馬耳東風だったようでお前こそわかってねぇ、わかってねぇよ。と言わんばかりの深い、深い溜息をつく。
「かーーーっ、これだからロリコンはよお。巨乳撲滅とかどこの世界に喜ぶヤツがいるんだよ。」
「おいおい待てよ錬土、俺は確かにロリコンだが巨乳を全否定してる訳じゃねぇぜ。確かに俺の好みからは外れるし邪道だとも思っているがそこに幼き
「うわー、これだから真性はー。」
「うるせぇ、だいたいお前だって真性の巨乳スキーだろうが。」
「いやいや、そんなことは流石にねぇし。」
「ほぅ……なら、可愛い巨乳の彼女が出来たらまず何を頼む?」
「ンなモン決まってんだろ!!勿論挟んでもらってむしゃぶりつくに……あ。」
やはり、な。やはりコイツは
「おい、なんだよその勝ち誇ったようなドヤ顔。お前の真性ロリコンの方が普通にアレだからな。」
「いやぁ、俺は
「……………へーーーー。」
チベットスナギツネのような目で俺を見てくる錬土。コイツ、ぶん殴ってやろうか。
と、その時。脳内にセイバーの声が聞こえてくる。
『……お主ら、いつもこんなコントみたいな会話しとるのか……』
『なんだ、盗み聞きとは趣味が悪いぞセイバー。』
『そんなもんせんでも嫌でも聞こえてくるわい馬鹿者。はぁ……どうやらますたぁが阿呆というより、この時代の若者が阿呆なのかのう……』
『失礼な、錬土みたいな見境の無い女好きと一緒にしないで欲しいな。』
『儂からすれば変わらんわい……』
そう話してるうち、錬土がボソリと負け惜しみのように呟く。
「……でも、社会的に見たらお前の方が圧倒的アウトだからな。」
なんですと?これは聞き捨てならねぇぜコノヤロウ。
「おいおいおい、女の敵が
「いいだろう、戈咒。で、勝負の種目は?」
俺の提案に対し、錬土はニヤリと笑いそれを受ける。
「おいおい錬土、忘れたのか。俺達の間で争いがあったなら勝負の手段は当然、アレだろ?」
「いいや、ただの確認さ。なら始めるとするか、俺は巨乳のお姉さんを。お前はロリを。どっちが先にナンパ成功するか、ナンパバトルのスタートだ!!」
「望むところ!!」
かくして俺達の決闘、すなわちナンパバトルの火蓋は切られた。
俺達はおもいおもいの方向へと走り、目指すレディへと声をかけるーー!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから、15分後。
結論から言うと。
俺らは、ボコされた。
錬土は、見かけた推定Eカップのお姉さんに声をかけてる最中、通りかかった委員長の華麗なまでのワンツースリーでダウン。そのまま引き摺られ。
俺は、見かけた恐らく7歳の
結果、2人揃って首根っこを掴まれたまま。大人しく学校へと向かうことになるのだった。
「女って、難しいな……戈咒よ。」
「あぁ……そうだな……」
あぁ、諸行無常なり。