今回も目に止めてくれた方々本当にありがとうございます。
また今回初めてこれを見たよ!って人は1話2話も投稿済みですのでそこから見てほしいと思います(汗)
ここまでほのぼのでとても書いていて楽しいのは作者として幸せなことなんだなと思います。
司令官と面と向かって会話する、という意味の初めましてのお話です。
「どんな人かしら……」
「信頼に値するかどうかだな」
「大丈夫! 電がいるんだから!」
ゴクリとつばを飲み込み、執務室のドアをノックしようとゆっくり手を伸ばす。顔の知らない司令官の姿を今から見るって……結構緊張するものね。
一度深呼吸をし、気持ちを落ち着かせてから改めてノックをする。すると、ドアの向こうからは電の声が返ってきた。
「はいなのです」
「雷よ、挨拶に来たわ」
「はわわっ雷ちゃん!? どうぞなのです」
電の声に安心しながらあたし達は部屋の扉を開け中へと入った。まだ着任して時間が経っていないせいか、執務室はまだ開いていないダンボールと机しかなかった。
そして、机に向かって座っている男性とパチリと目が合った。その瞬間にあたしはなんだか司令官とは目を合わせたくないような、そんなもやもやとした気持ちに心が包まれていった。
だけど挨拶は挨拶、しっかりとしないといけないわね。
あたしはゴホンと咳払いを一つしてから、一歩前に出て自己紹介をするために口を開いた。
「雷よ! かみなりじゃないわ! そこんとこよろしく頼むわね!」
あたしは決して豊かではない胸を張って……何よ、問題ある?
胸を張って、司令官と目が合わないようにして自己紹介をした。すると、暁がぶつぶつと私がお姉さんなのにって文句を言っているのが聞こえた。
まぁ、ここは長女から自己紹介をするのが妥当だったかもしれないわね。配慮は確かに足りなかったかも知れないわ。
暁は少し不機嫌そうな目をしながら、そして響は特に何も気にしていないようないつもの調子で司令官に挨拶をした。
「暁よ、一人前のレディーとして扱ってよね」
「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」
三人とも挨拶が終わってあたしが一息ついていると、司令官がようやく口を開いた。
「そうか、先ほど後ろの列にいたから見えなかったんだな。三人とも、これからよろしく頼む」
そう言ってにこりと笑った……ような気がしたわ。さっきから目が合うのが嫌で顔なんてほとんど見ていないんだから!
「それから、電はこれからも俺の秘書艦でいてもらう予定だ。だから以前より共に過ごす時間が減るかもしれないが、任務などでできるだけ一緒にするから許してくれ」
「そんな! 電が忙し過ぎて疲れ切ってる姿を私達は見たくないわ!」
「司令官、それは私も同感だよ」
「あたしも納得いかないわ」
司令官の突然の発言にあたし達は動揺を隠せなかった。あたし達の一番下の妹が、そんな激務をこれからもずっとこなすなんて……
「大丈夫、適度な暇も食事も睡眠も与える事を姉の君達に約束しよう。電がどうしても気に入ったんだ」
そう優しく言って、宥めるように暁の頭を撫でた。
司令官、それはまずいんじゃないかしら……
次の瞬間。思いっきり人の肌を叩く音と暁の怒った声が同時に部屋に響き、暁の被っている帽子がはらりと床に落ちるのが視界に入った。
「それがレディーに対する態度なのかしら、もう子供じゃないって言ってるでしょう?」
普段の暁と違う声色と睨みつける目に、その場にいる全員が凍り付いた。そして暁はツカツカと扉まで歩いていき、扉を大きな音で閉めて部屋を後にした。
「これは……追いかけた方がいいわね」
「そうだね、間宮さんのところで暁がお子様ランチをヤケ食いする前に」
「司令官、急におしかけてしまってごめんなさい。暁は本当にいい子だから気を悪くしないでくれるかしら?それでは」
司令官にそう言い捨て、あたしと響も急いで暁の後を追った。
視界のはしに困ったような電の顔が見えて、内心申し訳なさに包まれながらあたし達は部屋の扉を静かに閉めた。
ここで前書きに入れ忘れていた恐ろしいことがありますね。そう……
実はこの3話で連載前からの書き置きが全てなくなっております!
遅筆なのお許しください(涙目)
これから更新ペースが乱れることが予想できますが……どうぞ生暖かい目で応援を送ってくださると作者は泣いて喜びます…