今回も見てくれた方、本当にありがとうございます
今回…割と気合入れて書きましたw
あまり本編に触れるとネタバレになるので前置きはこの辺で
作戦の話を終え、解散後の執務室には司令官と私の二人きりになる。
執務室はさっきと違ってとても静かで、どことなく気まずい雰囲気……というか気まずい以外の何ものでもないわ!
だってあたしが苦手な司令官本人に話があるって取り残されているなんて、そんなの気まずいに決まっているじゃない!
しかもあたしが一方的に苦手だと思っているんだから!
「雷」
「あら、あたしを一人残すなんてどうしたのかしら?」
名前を呼ばれてなんとも言えないような居心地の悪さを感じてつい空元気を出す。
どうして司令官は、あたしをこの場に残したのかしら……。
そう考えていると、司令官は意を決したように口を開く。
「どうして……」
どうして……。
どうしてあたしが司令官と目を合わせないか?
どうして司令官に苦手意識があるか?
どちらもどうしてなのかは今のあたしにはわからない。だからもしも目を合わせられていないことがバレてしまっていても、苦手意識があることが態度から滲み出てしまっていても。
あたしは司令官に何も答えることなんて……
「どうしてそんなに泣きそうなんだ?」
「え?」
意外な言葉にあたしは驚く。
あたしが泣きそう?
あたしは悲しくも辛くもないわ、涙が出そうだと感じていたわけでもない。それなのにどうして司令官はそんなことを言うのかしら。
それとも、気を使われている?
「君は何故か僕と目を合わせてくれない」
「……」
「君を見ているとね。君は初めて会った昨日からいつも泣き出しそうな、どこかへ逃げ出したいような顔をしている」
逃げ出したいような顔?
そんな顔をしてしまうほどあたし、司令官に苦手意識を持っていたのかしら。
ううん、あたしは苦手というよりもね。司令官と目を合わせたくなかっただけのはずなの。
気まずいと感じたことはあっても、逃げたいって思ったことなんて1度もない。
「電に聞いたよ、君は暁をフォローするために一生懸命長女の支えになってきたんだね」
「ええ!だから司令官もどんどん頼っていいわ!」
「ううん、僕は君に頼らないよ」
……あたしに、頼る価値がないから?
たしかに暁の方がしっかりしているし、頼りになる。我儘でまだまだ一人で突っ走るところがあっても、暁は長女であたしは暁には敵わない。
「あたしが頼りないからかしら」
「違うな」
「なら……」
どうしてあたしのことは頼らないって決めたの?
あたしはその言葉を飲み込んだ。それを言ったらあたしが司令官のことが好きみたいだし、そもそも暁に敵うわけがない。
「君はたくさん頑張ったから、僕のことをもう頼っていいんだ」
「……え?」
その時。
あたしは司令官の目を初めて見た。
司令官はあたしを、優しさと慈愛に満ちた笑顔で見ていた。
司令官のその笑顔にあたしは……釘付けになった。
「暁をサポートするために君は同時に妹という居場所を捨てたんじゃないかい?」
「……」
間違ってはいないわ。
あたしはみんなを守りたい。だからあたしは暁と対等な場所に立って、一人で背負おうとする暁を助けたい一心で周りを見てきたのだから。
それと同時に、二人の姉に甘えることをあたしはやめたわ。じゃないと姉や妹を守れないと思ったから。
「僕はね、この鎮守府のみんなに笑顔でいてほしいんだ。もちろん電の姉である君にも。だからね」
真剣な声で、それでも笑顔で司令官は続ける。
あたしは司令官の目を見続けてその言葉の続きを待つ。
「僕にもっと頼ってもいいんだよ?」
あたしが今まで目を合わせることが出来なかった理由。
目を合わせたくなかったんじゃない、目を合わせられなかったの。だって……。
目を合わせたらもう離せなくなるのが、きっとあの一瞬自分で分かってしまっていたから。
これが恋だということにあたしは気づいたけれど、同時にあたしは絶望的な事実にも気づいている。
『あたしは電の姉以上の存在にはなれない』
はい!ここから始まる不穏な空気っやつですね!
内容もあれなのであまりちゃかせませんがw