転生 状況把握 蒲田くん
俺はどこにでもいるような高校生だった。
少し趣味が爺臭いとも言われる事もあったがそんなことはどうでもいい。
何故高校生だったと過去形で言うのかと言うと……
『あれは撤退中の我が軍のモビルワーカー隊!貴様ぁ何と卑怯な!』
『どの口が言うんだ……!』
目の前で現在進行形で鉄血のオルフェンズが始まってる訳でして……
それを見つめる俺は何と巨大なおたまじゃくしの様なモノになっていたからである。
(ちょっと待ってくれ、何でまたこんな事になってるんだ?)
『止めろアイン!俺が行くまで……』
『行けます!ライフルが使えなくてもこんな奴!』
(息は……出来るな。眼……は見えづらいけど集中すれば理屈は解らないが回りの事は把握出来るな、現に)
『武器を投げるなんて!?』
(アインの乗ってるグレイズにメイスを投げつけるバルバトスの姿が見えるしな……)
『浅いか……』
(ここでミカのメイスがアインのグレイズにカスって煙の中からクランク二尉のグレイズが斧で斬りかかって来るはず……)
『そんな旧世代のモビルスーツでこのギャラルホルンのグレイズの相手が……』
(うん、このへんカッコいいから何回も見直して覚えてるんだよな、しかし……ここは鉄血のオルフェンズの世界なのか?余りにもリアル過ぎるし現実としか考えられない)
『もう一人死んだみたいだけど?』
『その声……!貴様、子供か?』
(うーん、ここが鉄血世界なのは確かだとして俺は何だ?二期ではハシュマルなんてモビルアーマーが出てきたけど俺はどう見ても生物だしなぁ?しかしこの理屈抜きに回り把握できたりといいこのトンデモ具合……ん?……え、嘘だろ?)
『そうだよ、あんたらが殺しまくったのも…これからあんたらを殺すのも……』
(……このおたまじゃくしみたいな姿といい……まさか!)
遠くでアインがクランク二尉の援護射撃を始めたがこの現状を理解し始めた俺にはBGMの様に聞こえていた。
(俺シンゴジラになってる!?しかも第一形態!?)
クランク二尉とアインは引き上げていった様だった。
いや、こっちとしても今明かされる衝撃の真実ゥって奴に驚愕していて、気が付いたら戦闘が終わってたって感じでして。
取り敢えず第二形態に成らないことには進む事も出来ない。
しかし形態変化ってどうやるんだ?とか思ってたら出来ました。
足ー!さっきのMS見たいにー!って念じてたらちゃんとおたまじゃくしの体から生えてきたよ、10秒足らずで。ついでに首も伸びてお馴染み蒲田くんこと第二形態に成れた。
ナニコレ気持ち悪い(笑)
いやぁ自分の体だけどさ……形容するなら急に人から阿修羅マンになったみたいな?
まあ無事に蒲田くんに成れた所で、周囲の情報を探るために動き出そう。
……動き出そうといざ足に力を込めた時点で俺は気付いた。
(そういやシンゴジって核分裂とかの核エネルギーで動いてるんだよな?……放射能垂れ流し!?やべぇ!怪獣としてならこのままでいいけど、■■■に味方しようと考えてる今の自分ならマズイよな……コレどうすればいいんだ?)
結論、下手に動くとマズイ。
(何故か血がダバダバ出ることも無くて汚染は最小限といっても、何か解決策が……汚染もなく……エネルギーが得られ……あ)
気付いた俺は首をもたげ、一瞬第三形態に成りかけながら、潰されたオーリスのグレイズを見やる。
(あった!エイハブリアクター!!……って体が熱い熱い第二形態に戻れー!!)
第二形態に戻りじっと動かず背鰭から放熱が終わるのを待つ。
(第二に変化したばかりだからまだ熱が籠ってるな…それに水が無いことには形態変化も映画みたいに一瞬とはいかないし……何より熱の放熱が出来なくなった時どうなるんだ?まさか爆発?)
俺の脳裏で何故か『みんな下がれ!コンボイ司令官が爆発する!!』のシーンが流れる。
(ホアアアアア!?いやマズイって核分裂で動いてる今の俺が爆発とか汚染の度合いが半端ない!下手したら■■■全員死ぬぞ!?)
冷や汗は出ないが精神的な冷や汗をかきながら、辺りが暗くなり空気が冷えてくるまでじっと待った。
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ハイ夜に成りました。今頃は一軍の皆さんは薬入りのご飯を食べて寝こけているところでしょうね。
さて、俺も動きだそう。
MS襲撃&三日月による撃退の後のせいなのかCGS乗っ取り作戦進行中のせいなのか見張りの姿は見えない。
(好都合だ。今のうちに……)
ずりずりと体を引きずらせながらCGSの近くへと進んでいく……
ずりずり……ずりずり……
(遅ッ!!)
劇中でも時速13kmとか言われていたが、
(全速力でないとはいってもこれ以上の速さで進んだら徹夜で作業してるモビルワーカーの移動とかでは誤魔化し切れそうにないしなぁ……)
ずりずり……ずりずり……ずりずり……
(しかも起伏も激しいしさぁ……)
ずりずり……ずりずり……ずりずり……ずりずり……
(まあ地道に行きますか)
何とかたどり着いた。
(取り敢えず、食べればいいのか?エイハブ粒子作れーって念じても出来なかったし、どんなものかをこの体が理解する必要があるよな)
そして俺は口を大きく開け、
(頂きまーす!)
グレイズの残骸にかじりついた。
(リアクターに噛みついてみたけど、エイハブ粒子出てんのコレ……?俺の体ー!分析ー!)
リアクター部分丸ごと引きちぎり、モグモグと口の中でリアクターをかじり続ける。
そして暫くして脳裏に大体こんな感じ、というこの粒子のアバウトな情報が浮かぶ。
(おぉ分析出来た、凄いなこの体…………いや感心してる場合じゃないさっさと俺の主エネルギー源をコレに切り替えよう)
核エネルギーを生成する器官を生体式エイハブリアクターに作り替え、冷却剤の役割を果たしていた血液はそのままエイハブリアクターの冷却に使うことにした。
(順調順調!これまた随分と熱のやりくりが楽になりそうだな。そうすれば水が無くても第三形態にいけるかも……?よし!後はこのグレイズに最低20日は近づけないように周りを堀でも作っておくか!)
体内の大半が置き換わり、そのエイハブリアクターから溢れるエネルギーを使い、頭で周りを掘っていく。
(ボーブトブーブーズヤッテクレルカイ?ボーブトブーブーズイエス!ウィ!キャーン!ははは懐かしいなぁ!昔砂場でよく遊んだなぁ!)
あまりに上手く事が進み、俺は一つの重要な事柄を見落としていた。
【緊急!エイハブウェーブの反応あり!繰り返す!エイハブウェーブの反応あり!】
エイハブリアクターは独自のエイハブウェーブを発する事を。
(あ、やべ)
ファーストうっかり。