クーデリアとフミタンを狙っていた弾丸は全て尻尾で受け止めた。
ゴジラの謎レーダー様々である。
(煙幕張ってその隙に狙撃ねぇ……さっきの爆発も自作自演だし、とことん自分達の都合の良いように進めようとしてるな)
今まではそれで通ってきたのだろうが、それもここで終わりだ。
ざっと狙撃兵の状態をレーダーで確認すると全員逃げ出すか失神していた。
当座の危機は無いと判断し、近くにあったテレビの中継車を尻尾で掴んで近くに持ってくる。
扉をこじ開けて中を覗くと、中にいた人達は俺の姿を一目見た途端慌てて出て来て逃げ出した。
尻尾を突っ込んで回線に接続する。
(おーし、これでテレビはOK)
後ろの団長達に向かって鳴き掛ける。
(フミタン、テレビの準備が出来たよってクーデリアに伝えて)
「……!分かりました。お嬢様、シンさんがテレビを。今なら皆話を聴いてくれます」
「分かりました。シンさん、いいですか?」
(バッチこーい!!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それからクーデリアは自分がドルトコロニーで聞いて見た事、殺された経営者の男の話、そしてギャラルホルンの陰謀を話していった。
ちなみに俺もただ全世界に放送をジャックして流すだけではなく、レーダーで把握していた自作自演で爆発を起こした証拠やギャラルホルンのクーデリア暗殺計画をテロップにして同時に放送し、色んな動画サイトに経営者の男とクーデリアの対話、ギャラルホルンがその男を撃ち殺すシーンなどを大量に投稿した。
また労働者の中に潜んでいたノブリスの暗殺者を三日月さんに教えて捕らえて貰う。
この流れでクーデリアに近付こうとして懐に銃を持っているのは暗殺者で確定だろう。
先程まで興奮していた労働者達は今は皆静かにクーデリアの話を聴いている。
話を聞いて貰う切っ掛けを作ったのは俺だが、それで皆が聴く話が出来るのは流石はクーデリアといった所だろう。
そして、クーデリアの話が終わる。
さて、これで落ち着いて……と思った矢先にレーダーに反応が。
(モビルスーツか、都合の悪い事を騒ぐ虫は潰すってか?)
直ぐに団長に状況を伝える。
この場はナボナさん達に任せてイサリビへと戻る事になった。
妨害するギャラルホルンは全て俺が蹴散らし、その後ろを団長と三日月さんが運転する二台の車が追従する。
港が封鎖されていたが関係ないと押し切りランチを強奪した。
皆に宇宙服に着替えてもらっている間に……
(来おおぉぉぉおおい!!バルバトス!!)
脳内蔵の初期のガンダムフレームはパイロットが乗っていなくても俺の簡単な指令なら聞くのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「三日月達がピンチなんだろ?なら俺がバルバトスを運んでやるよ!」
「!よせダンテ!ソイツは三日月専用に阿頼耶識のリミッターを……」
「何だ!?こいつ乗ってないのに!?」
誰も乗っていないのにバルバトスが勝手に起動する。
そして、近くに置いてあった【
「……え?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「行くのかい?」
「ああ、この機体の感覚も大分掴めてきた。礼を言う」
「もー!その機体やたら頑丈だし、パワーもあるし!ホント筋肉ばかー!」
先程からむきになって何度も戦いを挑んでいたラフタが愚痴を言う。
「ありがとう、最高の褒め言葉だ」
……何というか、うん。ラフタにまたクリティカルヒットしたようだ。
「兄貴、俺も行くぜ!」
「ああ、奴等をぶっ倒す!」
「「この筋肉に誓って!!」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……シン、それも持っていくのか?」
着替え終わった団長が俺の持つテレビの中継車をみて呟いた。
『まぁ何かと役に立ちそうなんで』
そんな事を話していると全員着替え終わったようだ。
『三日月さん、もうすぐバルバトスが来るのでそっちにどうぞ』
「分かった」
「あれ?バルバトスはイサリビだし、三日月しか動かせないんじゃ?」
ビスケットが疑問を抱いたようだが、
『いや、バルバトス限定で俺が遠隔操作出来るんですよ』
俺の説明を聞いて驚きつつ納得していた。
バルバトスが到着し三日月さんが乗り込み、俺達はイサリビ目指して移動を開始する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「攻撃を開始します」
先程の映像を見れば悪いのは明らかに我々だ。それを分かりつつ反乱分子として口封じに向かうとは……
(これがマクギリスの言っていたギャラルホルンの実態か)
「特務三佐、この状況ならモビルスーツを出しても問題にならないかと」
後ろのアインが不快な提案をしてくる。
「馬鹿か貴様は、こんな作戦に我が一族のガンダムフレームを使う訳にはいかないだろう。こんな抵抗する力も持たないコロニーの民を虐殺して口封じするなど……」
その言葉に艦長が反応した。
「お言葉ですが特務三佐、我々は違法な電波を垂れ流す輩の粛正をしに行くのです。虐殺などとは言わないで頂きたい」
「フン、その輩を始末する過程で
(ものは言い様だな)
その時モニターに例のガンダムフレームの姿が映し出される。
「……あれは探しておられていた機体では?」
(チッ!!)
「……本意ではないがこの機会は逃せん。行くぞアイン!」
「はっ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
バルバトス・ルナノーヴァは早速辺りを見渡して獲物を探る。
見ればドルト2から出てきたイサリビに敵が追い縋っていたので、シンを追い越しイサリビを通り越して、追ってきていた4機のモビルスーツに肉薄し、斬り捨てた。
直ぐにシンがイサリビへ到着しランチと撮影機材を運び込む。
それを確認しつつバルバトスは増援で此方に向かってくる敵モビルスーツに向かって加速した。
一方グシオン・ディアボルスはコロニーの人々を守るべく、グシオンブーストハンマーを振り回し、ドルトの港から侵入しようとする敵機を弾き飛ばしていた。
『うおおおぉぉぉぉ!!オラァ!!フン!!むぅん!!』
当然相手のモビルスーツでグシオンの一撃が当たった者は例外無く機能停止に陥った。
直ぐに敵は散開して遠距離から倒そうとする。
が、グシオンの
サブアームの小型リアクターと直結し疑似ダインスレイヴと化した【
一瞬にして四機のコクピットを貫通し機体を停止させた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大方敵を倒したバルバトス。その時コクピットに接近警報が鳴り響く。
即座に機体を捻り何者からの銃弾を避ける。
ランスを携え飛来する白と紫の装甲を纏った機体。
『ガンダムフレーム、貴様には過ぎた名だ!』
ガエリオ・ボードウィンが駆るキマリスである。
ガエリオは機体の速度と馬力が示す圧倒的強さに高揚感を覚えた。相手のリアクター反応が違うのが少し気掛かりだが問題は無いだろう。
『宇宙ネズミめ!身の程を……!』
瞬間ガエリオの背筋が凍る。
相手の機体がこのキマリスの機動に完全に追従してきたからであった。
『な……馬鹿な!?』
『身の程が何だって?』
バルバトス・ルナノーヴァの【繊月】がキマリスの肩部装甲を切り裂く。
『ぐぁっ!!……くそっ!』
咄嗟にキマリスの脚部ブースターを起動し距離を取る。
旋回しランスの先端を向けて突撃する。
『これならどうだ……!』
しかし、キマリスの攻撃は寸前で避けられ、ランスも斬り裂かれた。
吹き飛ぶキマリス、それをバルバトスは追いかけ袈裟懸けに斬りつける。
何とか残ったランスの柄でガードするも、キマリスは再び吹き飛びデブリの小惑星に叩き付けられた。
『斬れない……こいつもガンダムフレームか』
背部のブースターから火を吹くキマリスを眺めて一人ごちる。
(こいつを殺し切るのはメイスの方が良かったかな)
その時イサリビから戻って来いとの通信が来た。
キマリスを見ればもう死に体だ。
三日月は火花を散らすキマリスを放置してイサリビへと舞い戻った。
ASWG-01~10が脳内蔵の素体を使って出来ています。
ASWG-01は唯一有翼化まで進化した素体です。