クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

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イサリビも実は魔改造されてます。

というかシンがしてないハズが無いですね。




蒔苗との会談

そして次の日の昼過ぎ、

 

蒔苗との交渉へ向かうオルガ、ビスケット、クーデリア、メリビットの四人は別の場所でその支度を進め、残りは蒔苗氏からの夕食の食材の差し入れを見に滞在する事になった宿の門の前でたむろしていた。

 

そして置かれたのは蓋のしてあるバケツ。

 

アトラがおずおずと蓋を開けて除き込むと、ばしゃん!と水音と共に中から見た事の無い生き物が飛び出してきた。

 

「わっ!わぁあ!?何よコレ!?」

 

反射的にアトラが近くにいた三日月に抱きつく。

 

直ぐに三日月がアトラを背中に回して庇った。

 

 

「何だよこりゃあ?」

 

地面に落ち、動きが止まったそれをシノが足でつつく。

 

すると再び激しく跳ねだした。

 

「「「「「わあああああああ!!??」」」」」

 

鉄華団の全員がその跳ねて向かってくるそれから逃げ惑う。

 

 

その時、むんずとラフタの手がそれを捕らえた。

 

「すっごーい!これカレイじゃない?」

 

「あぁ、うまそうだ」

 

「……ヒラメじゃないの?」

 

その発言にアトラが真っ先に反応する。

 

「え?……これ食べれるんですか?」

 

 

 

そんな食べれる食べれないの話をしていると蒔苗氏からの人が急に挙動不審になり慌てて車で去っていった。

 

「どうしたんだ?急によ」

 

「オメーらのその背中のだ。阿頼耶識なんて地球じゃ誰もやってる奴はいねぇ……まぁ俺の義足も似たようなもんだがな」

 

 

そこへ支度を終えたオルガ達が出て来て、また何だそりゃ食べれんのか!?の話が巻き上がった。

 

 

 

 

「三日月、私がコレ料理したら食べてくれる?」

「うん」

「よ~し!頑張るね!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

ここは蒔苗の屋敷の中、海に面したその和室の中で蒔苗とクーデリアが対面して座り、側にオルガ、ビスケット、メリビットが控えている。

 

「い~やいやいやいやよう来てくださった。儂が蒔苗東護ノ介じゃ。待ちわびとったよ、腹は空いておらんか?」

 

「蒔苗さん、そんなゆっくり話出来る時間は無いんだが」

 

初っぱなから長引きそうな出だしで始まった会話をオルガがピシャリと打ち消す。

 

「ギャラルホルンなら心配無用、奴等は此処には来んよ。ここが何処の管理区域に属しているか知っておるかね?」

 

「オセアニア連邦……ですね」

 

クーデリアが答える。

 

「左様、つまり連邦の許可がなければ此処へは入ってくる事は出来ん」

 

「けど、オセアニア連邦が俺達を匿う理由は無いでしょう?」

 

オルガが突っ込む。

 

「理由ならあるとも。むしろあんたらに表彰状でも渡したいくらいに感謝しておるよ。ドルトの改革でアフリカンユニオンは打撃を受けた。それは我々他の経済圏にとっては万々歳じゃ。その恩人を売り渡す事だけは連邦はせんよ」

 

いや~あの件は痛快じゃった!と蒔苗が膝を叩いた。

 

「で、何じゃったかな?お前さん達が来た理由は?」

 

「アーブラウとの火星ハーフメタル資源の規制解放の件です」

 

クーデリアが即答する。

 

「そうだったそうだった。それは儂も実現したいと常々考えておったことだ。だが今は無理だな」

 

「無理?それはどういう……?」

 

「儂は失脚し亡命中の身だからな」

 

部屋の気温が一瞬にして下がった。

 

「つまり今の儂にはなんの権限もない」

 

「俺達は何の権力も無いじいさんに会う為だけに火星からここまで来たって事かよ……」

 

オルガがボソッと呟く。

 

その呟きを拾った蒔苗がオルガに話し掛けた。

 

「何の権力も無いとはまだ決まっとらんぞ?まだまだ逆転の目は残っておる」

 

「何だよその逆転の目ってのは」

 

「儂をアーブラウの代表指名選挙に連れていけ」

すぐにその意味を理解したクーデリアが疑問を投げ掛ける。

 

「……出れば確実に当選すると?」

 

「ああ、それは保証しよう」

 

しかし、その蒔苗の態度にメリビットが異義を唱えた。

 

「待って下さい。連れていくと簡単におっしゃられますが対抗馬のアンリ議員はギャラルホルンの後ろ楯がついているとの噂があります。もしそうならギャラルホルンからの妨害は避けられません」

 

「そうじゃな、だがそれしか道は無い」

 

会話が止まりお互いに黙り込む。

 

 

 

「……アンタの状況は分かった、ならこの話は一旦持ち帰らせて貰う」

 

「あん?持ち帰るだと?ぬるい……ぬるいな。お前さんら少し勘違いしとらんか?」

 

「当然だろ?俺の仲間に命張らせるんだから」

 

そのオルガの言葉に蒔苗が先程までの好々爺とした態度をガラリと変えた。

 

「お前らはどうやって火星に帰るつもりだ?帰る手段がどこにあるっていうんだ?ええっ!」

 

その剣幕にオルガは一向に動じず、

 

「帰る方法ならあるぞ」

 

と返した。

 

それに驚いたのは仲間の方である。

 

「え?」

 

「何言ってるのさオルガ!?」

 

「お前らは知らなかったか。イサリビは単体で大気圏突入、離脱出来るように改造されてる。……まぁ周囲の被害を全て無視するのなら、だがな」

 

「それならギャラルホルンは?お前たちをギャラルホルンに売り渡さぬようオセアニア連邦が動いてくれているのはさっき言ったな。だがそんな話わしの一存でどうとでもなる」

 

「テメーは脅す事しか出来ねぇのかよ?アンタが失脚してなけりゃしなくてよかった苦労を俺達がするんだ、素直に手伝って下さいぐらい言えねぇのか?」

 

「……あんまり調子に乗るなよ、小僧」

 

蒔苗の口調が低くなる。殺気も飛ばされるが、正直シンの殺気を知っている身からするとかわいいモノとしか思えない。

 

「まあいい、ギャラルホルンに連絡するなら好きにしろ。その時はお前を殺して俺達は火星に帰る」

 

気負う事なく立ち上がり仲間に声を掛ける。

 

「皆の所へ戻るぞ、ビスケット、 シン(・・)

 

そして、その言葉に反応し外の海から盛大な水柱が上がる。

 

そして屋敷を海水の奔流が飲み込もうとした瞬間、まるで時間が停まったかの様に静止した。

 

そして静かにその場に落ちる。屋敷は一切濡れていない。

 

 

 

現れたのは黒い異形。

 

重力制御を完全に習得した第四形態。

 

300年の時を経て、シンゴジラが地球に帰還した瞬間であった。




~オルガの心境~

何となく居そうな気配感じて声掛けたんだが……アイツやけにデカくなってないか!?


※118.5メートルです。
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