クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

47 / 81
紫電は整備長考案の阿頼耶識、非阿頼耶識どちらにも対応したテイワズの次世代試作機です。

整備長の希望で鉄華団に大量に配備され、日々稼働データを蓄積しています。

その中でもずは抜けた成績だったシノは専用機を貰い、それが今の流星号と成りました。




根回し

「何なんだ……あのモビルスーツは……」

 

俺はその戦闘の凄まじさに感動すら覚えていた。背筋がゾクゾクする。

 

あれがバルバトス、三日月が駆る鉄華団最強の存在。

 

いや……三日月さん(・・)だ。

 

(あの人に着いて行けば俺も……)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

戦闘は終わった。襲ってきた相手は全て倒し終えて今は皆回収や整備で大騒ぎしている。

 

そんな皆を他所にクーデリアとフミタン、オルガとビスケットとユージンは会議室で今後の事を話し合っていた。

 

「当座の危機はこれで無くなったが、アンタ達は鉄華団に避難して貰う」

 

オルガが二人に告げる。

 

「そうだね。そっちの方が安全だ。……オルガ、どうするつもり?」

 

ビスケットがオルガに問い掛けた。

 

「夜明けの地平線団相手にやらかすかって話だな。……どっちみち奴らに目を付けられた以上、いずれ事を構えるんだ。ならこっちから手を打つのが俺は手っ取り早いと思う」

 

「確か戦力が……艦艇十隻にモビルスーツ多数。正面からはシンが居ないとキツイが奇襲なら倒せるだろうな」

 

ユージンが相槌を打つ。

 

「本当に大丈夫なのですか?」

 

無謀な戦いを仕掛けようとしているのでは?とクーデリアは心配しオルガに話し掛けた。

 

「平気だ。俺は勝てない戦はしない主義だ。家族を失ったらキレてヤバい奴もいる事だしな」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

会議も終わり、三日月に挨拶しておこうと格納庫へフミタンと共に向かう。

 

「この角を曲がって突き当たりの……」

 

「あ!クーデリアさん!!」

 

偶然通りかかったアトラさんが此方に気付いて駆け寄ってくる。

 

そして、ぴょんと私の腕に飛び込んできた。

 

「わぁ!ビックリしましたよアトラさん」

 

「えへへ……久しぶりだね」

 

そう言ってぎゅーっと抱き締めて来る。

 

(……あぁ可愛い。この数日間の疲れが癒えて……)

 

「お嬢様、にやけてるのが隠せてませんよ」

 

「ハッ!?いやこのまま事務所まで持ち帰りたいなんて思ってませんよフミタン!?」

 

「……承知しております」

 

「っはぁ!クーデリアさんの匂いだー!」

 

「可愛いですアトラさん」(三日月に挨拶しておこうと思っていたのですが)

 

「お嬢様心の声が漏れてます」

 

「ん?三日月の所?案内するよ!!」

 

 

 

(……何でアトラさんはお嬢様の心の声の方が聞こえたのでしょうか?)

 

 

 

 

場所は移って格納庫。

 

「三日月ー!!クーデリアさんがが来てるよー!!」

 

バルバトスの側に居て整備長と話していた三日月が気付いて振り返った。

 

「あ、アトラにクーデリア。それにフミタン」

 

「お久しぶりです」

 

「うん。久しぶり」

 

 

……え?それで終わり!?と考えているのが分かる顔をアトラさんがしている。

 

そこで整備長が気を利かせて三日月に暫く一緒に散歩しておいで、と提案した。

 

「よろしいのですか?」

 

「ハハハ、正直シン君作のこのモビルスーツは機体側の損傷はほぼゼロな上に多少の傷は自己修復するからね!戦闘後の阿頼耶識の調整しかする事が無いよ!!それも終わったし、私はこれから他の機体を見に行くよ!!」

 

そう言い放つと「ハッハッハァ!!待ってろォ!!新しい機体よぉぉお!!!」 と言って駆けていった。

 

それを見送ったアトラさんが呟いた。

 

「ちょっと変だよね」

 

「うん」

 

「随分とバッサリいきますね!?アトラさん!?」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「久しぶりだな。モンターク」

 

「君達か。何の用かな?」

 

クーデリアとの会議を終えたオルガは早速ギャラルホルンのマクギリス、モンタークにコンタクトを取っていた。

 

「宇宙海賊の夜明けの地平線団、名前は聞いてるな?」

 

「あぁ、地球圏まで手を伸ばす神出鬼没の大海賊だ」

 

「その大海賊サマが俺達に目を付けた。鉄華団はコイツらを叩き潰す予定だがそちらにとっても良い話がある」

 

オルガの言わんとしている事に直ぐ気が付いたマクギリスは通信カメラ越しにニヤリと笑い掛けた。

 

「成る程。不安な戦力差をうちで補う積もりか」

 

「察しが良くて助かるぜ。その通りだ、海賊を捕らえたっつー手柄はそっちにやる。そっちは此方の命令に従える戦力を寄越せ」

 

「分かった。私にとっても益がある話だ。手配しておこう」

 

しかし、とマクギリスは思案顔になり、

 

「正面からは迎え撃つには少々厳しい戦力差だったハズだが何故叩き潰そうと?」

 

「クーデリアを殺そうとしてきた輩だ」

 

「成る程、バルバトスの彼の彼女か。ならば此方は私の右腕の石動を送ろう」

 

(確実に殺らなくてはな)

(あぁその通りだ)

 

目線で通じ合い、形式的な別れの言葉を告げて通信を切った。

 

 

「フー……次はテイワズだな」

 

手柄はやるとは言ったものの、実質的な手柄は此方が立てるのだ。

 

ならばテイワズに鉄華団はゴジラ抜きでも夜明けの地平線団を潰すだけの戦力が有るぞと知らしめるいい機会だとオルガは考えた。

 

「お、繋がった。……お久しぶりですマクマードの親父」

 

「オルガ・イツカか。何の用だ?」

 

「夜明けの地平線団が俺達に喧嘩を売ってきたので叩き潰して来ます。そちらの新型機の紫電の実戦テストに持って来いですし」

 

「お、おお……分かった……好きなようにやれ」

 

「報告は以上です。好きにします」

 

そう言って通信を切った。

 

(マクマードの親父……随分と老けたな……)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「何だあのガキ!親父相手に!!」

 

通信を切れたのを確認した後、テイワズの自称No.2ジャスレイ・ドノミコルスは怒鳴り散らした。

 

「何だ、なら面と向かって文句言ったらどうだ?」

 

「キレて何してくるかも分からないガキ共ですぜ?」

 

「奴等はまだ若いがテイワズと肩を並べる鉄華団だ。一応昔目を掛けてやったという事があるから向こうの対応も下に出ているが、戦力で言ったら到底敵わねぇ」

 

「チッ!いつから親父はそんなビビりになっちまったんだ!此方は圏外圏では泣く子も黙るテイワズですぜ!?ここらで力の差って奴を見せたらどうです?」

 

「その前にこの一件をよく見ておくんだな。力の差って奴を語るんなら」

 




次回夜明けの地平線団戦です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。