クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

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ガエリオ仮面……一体何者なんだ……?



仮面の男、ヴィダール

アーブラウでの式典も無事に終わり、ラスタルの弱味も握る事が出来た。

 

今ガランはモンターク商会に拘束されて尋問されている事だろう。

 

その情報を使ってラスタルを失脚させる事は出来るだろう。しかし、それではラスタル陣営を根こそぎ潰す事は出来ない。

 

マッキーの話曰くクジャン家の当主がラスタルの傀儡なのだとか。

 

それにラスタルを信頼するアリアンロッドの艦隊もいる。

 

なので切り札はここぞという時に使うべきだと俺とマッキーは決めたのだった。

 

 

 

……そういえばガランを確保した後、ギャラルホルンの基地に一緒に戻り、マッキーがこっそり隠していたグリムゲルデと並んで記念撮影をした。

 

「おぉ……いい写真だ……」

 

『次はこう……見栄をはったポーズで』

 

『こうかね?』

 

二機のモビルスーツが武器をケレン味たっぷりに構えて戦っている最中の様なポーズをとる。

 

普通に考えれば倒れる体勢だが、シンの重力制御の無駄遣いによって何とかなっていた。

 

「ハイ、撮りますよー准将ー!シンさーん!」

 

それを次々と撮影していく石動。

 

表面上は普段と変わらないが、正直格好いいロボは石動も好きなので地味にテンションが上がっている。

 

その後も、小型化し人間サイズとなった俺と記念撮影をしたり、ロボット談義をして過ごし……

 

 

そして三時間後、久しぶりに楽しい時間を過ごした三人はいい笑顔でそれぞれの帰る場所へ戻って行った。

 

(あはははは、楽しいと時間忘れるって本当だね~)

 

(いやぁ!楽しかったなぁ!!早く帰ってアルミリアに見せるとするか!!)

 

(私とも一緒に撮ってくれるとは……どこに飾ろう)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

一方ラスタル陣営はガランからの連絡が一切絶えた事に戸惑っていた。

 

「まさか……髭のおじさまが……」

 

彼を信頼していたジュリエッタは驚きを隠せない。

 

「彼は仕事をきちんと果たす男だ。その彼から一切の連絡が無いという事は……」

 

「そんな……」

 

ジュリエッタの目に涙が浮かぶ。

 

「泣くな、ジュリエッタ。……彼はどこにも存在しない。私の活動に裏で協力するため彼は家も所属も本当の名前すら捨て戦いの中で生きそして死んだ」

 

ラスタルは重い雰囲気のまま続けた。

 

「存在しない彼の死を悲しめば、それこそそこまで尽くしてくれた彼の思いを踏みにじる事に他ならない」

 

「……はい」

 

ジュリエッタが涙を拭う。

 

ラスタルは窓からアーブラウの方向を向き、目を閉じ黙祷した。

 

(友よ……)

 

 

 

 

ラスタルの部屋から退出した後、自身のレギンレイズの待つ格納庫に直行したジュリエッタは脇目もふらずにシミュレーターに没頭していた。

 

そんなジュリエッタに仮面の男が声を掛ける。

 

『随分と熱心じゃないか』

 

「邪魔を!……貴方ですか」

 

水をさされキレようとしたジュリエッタだがその仮面を見て丁度良い相談相手が来たとシミュレーターを打ち切った。

 

『何があった?』

 

「髭のおじさま……私の師匠に当たるお方が亡くなりました」

 

『……どんな人だったんだ?』

 

ヴィダールのその質問にジュリエッタは暫し沈黙した後、話し出した。

 

「……身寄りもない私をラスタル様に推薦してくださったのがおじさまです。……私の戦い方はおじさまに教わったものです」

 

『そのおじさまと言うのはラスタル・エリオンの手の内の者か』

 

「そうです。名も家も全て捨てラスタル様の為に尽くしたお方です」

 

それを聞いたヴィダールがふとジュリエッタに呟いた。

 

 

『だがテロリストだったのだろう?』

 

 

「な……!貴方!!言って良い事と悪い事が!」

 

『良く考えろ。我々の組織の名前は何だ?』

 

「何を今さら……ギャラルホルンです」

 

『そう、ギャラルホルン。世界の秩序を守る存在だ』

 

そこでヴィダールは区切りを付け、続けた。

 

 

『なら何故ラスタルは秩序を乱す存在であるテロリストと手を組んでいる?』

 

 

「……!それは……古くからの友で」

 

『友がテロリストになったのなら断罪こそすれ、手を組むのはおかしいだろう』

 

「…………!」

 

この身はラスタル様の剣であればいい。そう考えていた自身の信念が揺らぐ。

 

「……もういいです。シミュレーションに戻らせて貰います」

 

それ以上考えるのは不味いとヴィダールとの会話を切り上げた。

 

足早に去っていくジュリエッタにヴィダールから言葉が投げられる。

 

『【人の間違いを正すのはいつだって人間だ】……俺の友が俺に言った言葉だ』

 

その言葉を聞いたジュリエッタは立ち止まり、振り返らないままヴィダールに疑問をぶつけた。

 

「……貴方は間違いを犯したのですか?」

 

その言葉にヴィダールは背後の自身と同じ名のモビルスーツを見上げ、呟いた。

 

『……あぁ。だから俺はここにいる』

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

ゲイレールからあらかた情報を引き出し終えた俺達は早速団長に報告をしていた。

 

『……というのがこの糞野郎のしでかそうとしていた事ですね』

 

地球支部をガランに売り自身の安全は保証して貰う。

 

まったく……テロリスト相手にそんな口約束が通じると本気で思っていたのかね?

 

『成る程な、おいラディーチェ。何か言い訳はあるか?』

 

「全て貴方達の言い掛かりです!私は何も悪くない!あのガラン・モッサという男から地球支部を守ろうと私は!」

 

『その口を閉じろ』

 

余りに苛つく事を言い出したので重力制御で地面に叩き付ける。

 

立っていた状況から急に三倍の重力を掛けられた事でラディーチェの体が土下座をしている様になった。

 

「コイツ口を開けば言い訳ばかり言いやがって」

 

チャドが憎々しげに呟いた。

 

 

『さて……テイワズにはどうして貰おうか』

 

『歳星墜とします?』

 

『いや、搾れるだけ搾りとってからでも遅くねぇ』

 

『……確かに。最近クリュセ郊外の採掘場くれたし』

 

夜明けの地平線団を壊滅させ航路の安全を確保してくれたお礼として貰ったのである。

 

『あ、そうだ。その採掘場からガンダムフレームとモビルアーマーが出てきたぞ』

 

団長から驚きの情報が。

 

『え?大丈夫でしたか?』

 

『ミカと昭弘が倒したぜ』

 

『おぉ!流石!』

 

『だよなぁ……すげぇよミカは』

 

ふーむ、モビルアーマーの素材とかガンダムフレームか……火星に戻りたいな。

 

『団長、俺火星に戻りたいです』

 

その言葉にチャドが反応した。

 

「お、なら地球支部もそろそろ終わりか!かー!辛かったぜー!慣れない纏める立場ってのも!」

 

早速、後ろではタカキやブルワーズの皆が帰るまでに何処へ遊びに行こうかの相談を開始している。

 

『……何か帰るのが確定事項になってないか?』

 

『……すいません』

 

俺の影響力強すぎない!?

 

 

 

 

 

『……結局テイワズから何奪います?』

 

『金と他の採掘場だな』

 




火星には何故か原作より多目のモビルアーマーが眠っています。

モビルアーマー編でのクリュセの守護神の活躍をお楽しみに。
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