「ねぇ!シン!!折角人の姿になったんだからさ!行こうよ!買い物!」
三日月さん達の所に帰って来て一週間、農場の仕事をしたその日の夜にアトラが提案してきた。
「えぇ……?別にいいですよ鉄華団のパーカーで」
今の俺の格好はつなぎに鉄華団パーカーを羽織っただけのものである。
「よくないの!三日月も何か言ってやって!」
「分かった。……行ってきたら?明日は俺も鉄華団の本部に用事があるし」
「機体の整備ですか?」
もしそうならそれを口実に逃げようかと思っていたのだが、
「いや、オルガに報告するついでにハッシュの訓練を見に行くだけ」
「……特に整備とかは?」
「しないね」
バッサリっすか三日月さん。
「ほら!だから明日はクーデリアさんにフミタンさん誘って四人で買い物しよう!似合うの選んであげる!」
アトラさ~ん……滅茶苦茶笑顔ですね……。
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「来てしまった……」
翌日、アトラに引きずられるままにクリュセのショッピングモールへと来てしまっていた。
「成る程、可愛らしいですね。どんな服を着せましょうか」
「何かこう……フリフリってした可愛い奴とか!」
「フム、確かにそれもいいですが、ここは敢えてボーイッシュなモノにして可愛さを引き立てるのは……」
「それもいいかも!早くシンに色々着せたいなぁ!」
(誰か俺を殺せ……恥ずかしくて死ねる……)
死んだ眼でクーデリアに目線を向ける。
「シンさんならきっとどれを着ても似合うと思いますよ」
そういって微笑まれた。
違うそうじゃない……そうじゃないんだ……
なし崩し的に真月の記憶ではついぞ入らなかった女物の服コーナーに連れていかれる。
やめっ……ヤメロォー!!
結果的に小柄な身長から可愛さをアピールする服を着せられる事になった今着てる。
何だよスカートって足がスースーするんだよそれに萌え袖って何だ、何でフミタンはそういうのに詳しいんだよご高説垂れてんじゃねぇアトラにクーデリアもフムフムじゃねぇよ「じゃあこれは?」ってそれゴスロリってフミタン解説するな着せようとするな。……巫女服パーカークッキークラッカーの通ってる学校の制服似合ってるじゃねぇやかましいわ……猫耳?ゴジラだから猫の遺伝子くらい持ってるのにわざわざ付けるかよ、あー……けもみみ談義始まったかーうぇるかむとぅよーこそゴジラパークぅ……
三日月さんタスケテ。
三百前のヤシオリ作戦にて人類はゴジラに物理的な攻撃をもってして凍結に成功した。
その頃の人類はまさかその三百年後、ゴジラにヤシオリ作戦時に与えた以上の精神的ダメージをゴジラに与えたのが女三人だとは思いもよらなかっただろう。
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「……………………まぁ似合いますね」
着せ替え人形になり本格的に眼が死んできてようやくして、皆がマトモな服を選んでくれた。
女である事に違和感は無いものの可愛く着飾る事には抵抗があるので格好いい系でまとめて貰い、上がBusterと書かれた赤色のTシャツに七分丈の紺色のズボン、黒色のロングパーカーを羽織っている格好に落ち着いた。
「でしょう!来て良かった!三日月に早く見せたいなぁ!」
「あー……何て言いますかね」
「押し倒したい」
流石に吹いた。何言ってんのフミタン!?
「冗談です」
「…………ハイ」
いや冗談……冗談て……
「では店員の人に包んで貰ってきます」
俺のジト目を完全スルーしフミタンが会計に服を持っていった。
「ハァ……」
俺ががっくり項垂れてるとアトラが話し掛けてきた。
「シン、今日は楽しかったかな?ちょっと強引だったかもだけど……」
「………………」
「それとも迷惑だった……?」
「アトラさん……」
クーデリアが心配そうな声を掛ける。
「……迷惑じゃありませんよ。何か
「シンは人間だよ?」
「は?」
ゴジラですよ?何処まで行っても俺は。
「だって三日月の事好きでしょ?」
「好き……って」
まだ結論は出てないけど。
「三日月とえっちな事したいって思うでしょ?」
「あ、アトラさん!?」
「鉄華団の皆はシンの事、種族は違うけど家族って思ってる。けどシンは寂しかったんだよね?だからもっと近づく為に人間になった」
「俺は……ゴジラで……」
「好きな人とえっちして子孫を残せるのは人間だけだよ?他の動物はそんな事考えなくて強いのだけ生き残るようにしてるらしいし」
クーデリアさんに薦められた本に書いてあったんだけど、と言ってアトラは続きを話し出した。
「矛盾した行動を取るのも人間だけなんだって、シンはゴジラだったんだよね。完全に一人で完結した個体」
【ゴジラ】、個体にして唯一の完全生物。
「それが女の子っていう一人では完結しない種族の片方になってる。これって変だよね、わざわざ自分から完全さを放棄してるんだから」
「あ…………」
呆然としていると黙って聞いていたクーデリアが声を掛けてきた。
「シンさん、アトラさんの言う通りです。貴女は人間の女の子です。私達と同じ三日月が好きな」
「……っ!」
突きつけられた事柄に脳が思考をオーバーヒートさせる。
「……俺は……」
そんな情報処理は一瞬で終わる筈なのに。
「……ずっと仲間が欲しかった……世界でたった一人きり。俺を殺そうとしてくる奴等しかいない……」
熱に浮かされたように言葉が溢れてくる。
「目が覚めて鉄華団の皆に会って、受け入れられるか心配だった……三日月さんだけは俺の言う事を完璧に理解してくれて……仲間が出来た……初めて。絶対に手放したくないから色々無茶苦茶やった。……地球で
ふと俺が両目から涙を流してるのに気付く。
それと二人が抱き締めてくれてるのも。
「……俺は
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「……ミカヅキさんと」
「笑わせる、ゴジラが人になりたいなど何の冗談だ」
その時背後から声が聞こえてきた。
はっとして涙を拭い振り向くと、俺達から2,3メートル離れた先に黒い服を着た男が立っていた。
「冗談なんて……!シンは本当に……!」
「待って、アトラ。何だその体は?」
スキャンしたら驚いた。人の要素たる肉や脳、心臓が全て存在してない。機械だ。
「消された艦内データから貴様の姿を復元した。よもや少女になるとは些か計算外だったが……まぁいい、貴様をここで消す」
「消す?どうやってさ」
しれっと戻ってきたフミタン、クーデリアとアトラの三人を背後に庇う。
レーダーを一帯に飛ばした所、目の前のコイツしか機械人間はいないと分かったので問い詰める。
「嘆かわしいモノだな。嘗ては衛星を堕とした君だろう、人間ごっこでその狭い視野でしか計れなくなったのかね?」
「……!」
悪寒を感じレーダーの範囲を最大に拡大する。
「三人とも掴まって!!」
床を蹴って走り、そして大跳躍、デパートの窓を重力制御で蹴破る。
「三人共手荒になるけどゴメン!!」
形態変化し俺を軸にコックピットを作り第五形態となる。
そしてデパートから急いで距離をとる。
直後その建物に