遊戯王 INNOCENCE - Si Vis Pacem Para Bellum - 作:箱庭の猫
実は今回、原作のキャラクターをお借りしました!
知る人ぞ知る、あの御方です!
意外かも知れないけど、ボクが住んでいる大都市『ジャルダン』の1番街には、カードショップは1店舗しか存在していない。
何故かと言うと理由は明白で、そのたった一軒のカードショップがあまりにも大型な為、新しく増設する必要がないからだ。
他の区域には小規模なショップがチラホラ見受けられるけど、ここ、カードショップ・『
『
お目当てのパックや欲しいカードを探し求めて、はたまた、自分のデッキを強化するのに必要なカードを補充するべく、大人も子供も分け隔てなく
もちろん店内には
友達や初対面の人と
さて、そんな名店にボクが何の用事で来ているかと言うと……
『レディース・アーンド・ジェントルメーン!! よくぞ集まってくれたなお前ら! これより、カードショップ・
「「「「おおおおおおおっ!!!!!!」」」」
「わぁ……すごい熱気」
ビルの最上階──10階。
そう。ボクは今、この店で定期的に開催される
えっ? いつものメンツはどうしたのかって? ……本日は、ぼっち参戦です。
「……あれ? セツナさんなのです!?」
「あっ、
語尾が独特な喋り方をする、黒い丸メガネを掛けた黒髪の女の子と出会った。名前は
「偶然だね~。記文ちゃんも大会に参加するの?」
「それもあるのですが、今日は新聞部として、この大会の取材に来たのです!」
「取材かぁ、仕事熱心だね」
「はいなのです! お父さんの様な立派なジャーナリストになる為にも、シャッターチャンスは
「記文ちゃんのお父さんって、ジャーナリストなんだ?」
……記文ちゃんに似て、メガネを掛けてカメラとマイクを構えた中年のおじさんを想像してしまった。
『イィ~~~ッツ! タイム・トゥ・デュエル!!』
っと、話してる内に大会が始まったみたいだ。広い室内の
「【モリンフェン】で【シーホース】を攻撃!」
「グワーッ!!」
「さすがジャルダンのカードショップ! どこもかしこも激しい
ハイテンションで会場内を駆け巡り、あちこちの
確かにどの
「ボクの試合は……もう少し先か。ストレージでも漁ってよっかな」
ストレージと言うのは、ケースの中に大量のカードが詰められている売り場の通称で、1枚10円とか30円で買えてしまう様な、レア度の低いカードが並んでいる。安物と言えど、掘り出し物が多いから侮れないんだよね。
「どれどれ? ……おっ、良いのあるじゃん」
【D・D・クロウ】、【
昨今の
「……カカカッ、無駄にデケぇカードショップですね兄貴?」
「ククク……さすがは
……? 今すれ違った三人組が妙な会話をしていた気がした。小太りな男と細身の男、それから
「おっと、もうすぐボクの出番だ。急がないと」
手に持っていたカードの束をストレージに戻そうとした時、ふと1枚のカードが目についた。
「これって……」
……直感で購入を決めたボクは、そのカードを取り出して、レジに持っていった。こういうのを衝動買いって言うのかな。
「──これでチェックメイト! 【ラビードラゴン】で
「うわあぁっ!? ま、負けたぁ……」
ここまで順調に勝ち星を重ねて今ので三連勝。今日も調子が良いみたい!
「セツナさん安定の強さなのですー! この勢いだと優勝も狙えるのです!?」
「ありがとう記文ちゃん。あー、どうかな……」
そりゃ優勝できれば嬉しいけど。試合を終え、ボクが
(あっ……あの人はさっきの)
壇上に立っていたのは少し前に見かけた、小太りでおかっぱ頭の男だった。よほど腕に自信があるのかイヤらしい笑みを浮かべている。
「「
……
「【吸収天児】で攻撃!」
「うあぁーっ!?」
「カカカッ、どうした? もう手詰まりかい?」
「……あぁ……俺の負けだ……っ」
(決着か……運が悪かったね、対戦相手の人)
あの人のデッキに小太り男のデッキは最悪の相性だった。
「あっ!」
「? どうしたの? 記文ちゃん」
「見たことある顔だと思ったら……あの人は確か、『ストア・ブレーカー』なのです!」
「ストア・ブレーカー?」
「以前、お父さんに教えてもらったのですが……カードショップの売り上げ金や、客のレアカードを奪って店を潰す、悪い人達なのです。ついにここもターゲットにされたのですね……!」
そんなのがいるのか。要はあの三人を放っておくと危ないって事だね……
ジャルダン屈指の人気店が潰れたりしたら街の経済的にも相当な痛手になるだろうし。騒ぎになる前に、それとなく司会者さんに伝えておこうかな。
「おい! もっと他に強い奴はいないのか! ひょっとしてこの店の最強は俺!? カカカカカッ!!」
「待つのですー!!」
「!?」
記文ちゃんが突然このフロア全域に響く程の大声を発した。小太りの男が記文ちゃんを睨む。周りの客も、一斉に彼女へと視線を集中させた。注目に晒されながらも記文ちゃんは気丈に言い放つ。
「そこまでなのです、ストア・ブレーカー! カードショップを荒らす悪人には、正義の鉄槌を
「ボクッ!?」
「ス、ストア・ブレーカーだって……?」
「聞いた事あるぜ、店の上前をはねたり客からレアカードを奪う連中だ……!」
「マジかよ、この店まで潰そうってのか……?」
周囲の客の懐疑的な視線がストア・ブレーカー達に突き刺さる。完全にアウェーだ。これに耐えかねて退散してくれれば丸く納まるけど……
「チッ……兄貴、どうします?」
「ふん、いいだろう。受けて立ってやる」
小太り男が兄貴と呼んだロン毛の男が、被っていたフードを脱いで素顔を見せた。目付きは悪いけどイケメンだった。どうやら彼がリーダー格みたいだ。
『あーーーーーっ!!』
今度は司会者さんが驚きの声を上げた。どうでもいいけどマイクうるさい。
『こいつはカードショップ経営者の間でブラックリストに登録されていた……
「百ぅ!?」
『そのひとつひとつが対戦相手のあらゆるデッキを想定して組まれた──アンチ・デッキ!』
『アンチ・デッキ』……なるほど、さっきの
「ていうかこれ……本当にボクが
「セツナさんファイトなのですー! ストア・ブレーカーなんて、ガツンとやっつけちゃってくださいなのです!」
『頼むぞ少年! 私の店を守っておくれーっ!』
「ちょ、やめてよ司会者さんまで!」
「クククッ、確かキサマ、この大会で上位にランクインしていたな。私が勝った場合、キサマのデッキを頂くとしよう」
「! ……それは負けられないなぁ」
やるしかないか。デッキもそうだけど、ボクもこの店には何度か
ロン毛の男──
「さぁて、どのデッキを使おうかな? クク……こいつで行くか」
百野は
ボクと百野は
「「
セツナ
「ボクの先攻!」
(クククッ……キサマのデッキの『
「カードを1枚セット! そして、【暗黒の
【暗黒の
「フッ、やはりドラゴンか」
「………」
「私のターン! 【コストダウン】発動! 手札を1枚捨て、手札のモンスターのレベルを2つ下げる! レベル4となった【
【
「このモンスターが召喚された時、フィールドのドラゴン族モンスター1体を破壊する!」
「なっ!?」
【
「バトルだ! 【
「うわあああっ!!」
セツナ LP 4000 → 2000
「くっ……!」
『おぉーーーっと! いきなりライフポイントが半分も削られてしまったぁーっ!!』
店の存亡が危ぶまれてるのに実況はしっかりこなす司会者さん、MCの
「おやおや、こんなものかい?」
「いいや、まだだよ!
【暗黒の
「辛うじてモンスターを場に残したか。私はカードを1枚伏せてターン
「ボクのターン! 【レッサー・ドラゴン】を召喚!」
【レッサー・ドラゴン】 攻撃力 1200
「さらに手札から【ユニオン・アタック】発動! 【暗黒の
【暗黒の
「【
2体の竜の合体攻撃が決まり、【
「たかが【
「……1枚カードを伏せて、ターンエンド!」
「私のターン、ドロー! ……クククッ、キサマに
「?」
「手札より、【竜破壊の
「!! バッ……【バスター・ブレイダー】!?」
デッキから引き抜き、百野が見せつけてきたカードを見た途端、ボクは驚愕の声色で、そのカードの名を復唱した。観戦していた皆や司会者さんも驚いている様で、店内に大きなざわめきが広がった。
『なななななんとーっ!? 百野 真澄が手札に加えたのは、あの伝説の
司会者さんの実況を受けて観衆は一気に歓声を湧かせた。ストア・ブレーカーへの敵視など
でも、ボクにも彼らの気持ちは凄く分かる。今、百野の手の内にあるカードには、それだけの存在価値があるんだ。
──
デュエルモンスターズの世界にその名を轟かせた初代王者。
そんな伝説の
……どうしてそれを彼が持っているのか……ボクは疑わしくなって、百野に尋ねた。
「……そのレアカードも
「ククッ、あぁそうとも」
やっぱり。
「奪われたカードで組まれたデッキが……
「そんなことは私に勝ってから言ってもらおうか! リバース
【トロイホース】 守備力 1500
【コストダウン】で捨てたのは、あのモンスターだったのか。
「【トロイホース】は地属性をアドバンス召喚する際、2体分のリリースに出来る」
(まさか……!)
「【トロイホース】をリリース! 出でよ、【バスター・ブレイダー】!!」
その長身と同等サイズの大剣を軽々と操る屈強な剣士が、竜を狩るべく
【バスター・ブレイダー】 攻撃力 2600
「出たぁーっ!! 【バスター・ブレイダー】!!」
「カッケー! この目で見れる日が来るなんて……!」
「シャッターチャンス! 大スクープなのですーっ!」
記文ちゃんまで熱狂する
まぁ無理もないか。ジャルダンでは強いカードや珍しいカードを所持しているだけでも、称賛に値するステータスになるからね。最も、そのカードに見合った実力が持ち主に伴ってなければ、「宝の持ち腐れだ」と笑われてしまうけど。ここはそういう街だ。
「【バスター・ブレイダー】の攻撃力は、相手フィールドと墓地のドラゴン族1体につき、500ポイントアップする!」
「!」
「今キサマの場にはドラゴン族が2体。よって攻撃力は、1000ポイントアップ!」
【バスター・ブレイダー】 攻撃力 2600 → 3600
「攻撃力3600……!?」
「まだだ! 私は手札から【竜殺しの
【バスター・ブレイダー】の握る大剣が姿形を変えていく。
【バスター・ブレイダー】 攻撃力 3600 + 700 = 4300
『なんということだぁーっ! モンスター効果と装備魔法の効力が合わさり、【バスター・ブレイダー】の攻撃力が4300まで上昇したぞぉーっ!!』
「……っ」
『このままでは
なんか横で一人で盛り上がってる人がいるけど……そうか、これ負けたら責任重大の
「クククッ、呆気ないものだったな。──バトルだ!」
「ッ!」
「【バスター・ブレイダー】で【レッサー・ドラゴン】を攻撃! 『
【バスター・ブレイダー】は鋭い眼光で【レッサー・ドラゴン】を捉えると、強化された大剣を高々と上段に掲げ、標的を切り裂こうと剣身を振り下ろす。
「
「!」
「この魔法効果で、フィールドの表側表示モンスターは全て裏守備になる!」
ボクの場のモンスター2体と百野の【バスター・ブレイダー】が、一斉に表示形式を裏側守備表示に変更され、横向きの伏せカードへと姿を変えた。
また、【バスター・ブレイダー】に装備されていた【竜殺しの剣】は、対象を失った事で破壊され墓地に送られた。
「……チッ、味な真似を」
『た、助かったぁ~……』
司会者さんもホッと胸を撫で下ろしている。うん、それボクのセリフ。
「私はターンを終了する」
「エンドフェイズだね。【皆既日蝕の書】の効果で【バスター・ブレイダー】はリバースして、君は1枚ドローできるよ」
【バスター・ブレイダー】 守備力 2300
「ふん」
「ボクのターン、ドロー!」
(よし!)
「まずは【暗黒の
【暗黒の
【レッサー・ドラゴン】 攻撃力 1200
「そして【レッサー・ドラゴン】に
【レッサー・ドラゴン】 攻撃力 1200 + 1500 = 2700
「なに!? 攻撃力が【バスター・ブレイダー】の守備力を越えただとっ!?」
「行くよ! 【レッサー・ドラゴン】で【バスター・ブレイダー】を攻撃!」
パワーアップした【レッサー・ドラゴン】の攻撃が決まり、【バスター・ブレイダー】は破壊される。
「くそっ……! この【バスター・ブレイダー】がたかが低級ドラゴンごときに!」
「甘く見たね! お次は【暗黒の
「ぐあぁあっ!!」
百野 真澄 LP 4000 → 2500
『ついに総角少年の攻撃が通ったァーッ!!』
「セツナさん凄いのですー!」
「いいぞー! ストア・ブレーカーなんてやっつけちまえーっ!」
「これで形勢逆転だね! ターンエンド!」
【レッサー・ドラゴン】 攻撃力 2700 → 1200
「調子に乗るなよ、私のターン!」
(せいぜい良い気になってな……このデッキには、まだ切り札があるんだよ!)
「私はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」
「ボクのターン!」
……百野の場には壁となるモンスターはいない。このまま2体のドラゴンで攻撃すればボクの勝ちだけど、リバースカードが2枚か……ちょっと怖いな。
(ククッ、キサマが攻撃しようがしまいが……次のターンで私が勝つ事に変わりはない!)
──いや、行くしかない!
「【暗黒の
再び【暗黒の
「フッ、リバースカード・オープン! 【破壊剣の
「っ!」
「私は手札の【破壊剣一閃】を墓地に捨て、デッキから【破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー】を特殊召喚する!」
【破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー】 攻撃力 2600
「これは……新たな【バスター・ブレイダー】!?」
「さらに! 速攻魔法発動! 【破壊剣士融合】!!」
「!!」
「【破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー】は、フィールド上では名称を【バスター・ブレイダー】として扱う。私は【バスター・ブレイダー】と、キサマの場の【暗黒の
「なっ……ボクのモンスターを!?」
ドラゴンと、それを破壊する宿命を背負った孤高の剣士。本来なら相容れない筈の二つの存在が、渦を巻く様にして混ざり合っていく。
「融合召喚!! 現れ出でよ! 【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】!!」
【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】 攻撃力 2800
そうして召喚されたのは、竜と一体化した
【レッサー・ドラゴン】 守備力 1000
(! 【レッサー・ドラゴン】が勝手に守備表示に!?)
「竜破壊の剣士の前に、ドラゴン族の攻撃と効果の発動は許されない!」
「くっ……」
「そしてこいつの攻撃力は、相手のフィールドと墓地のドラゴン1体につき、1000ポイントアップする!」
【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】 攻撃力 2800 → 4800
攻撃力4800……!! ドラゴン2体分だけで最強クラスのモンスターに変貌した……!
「ククク……このモンスターには守備貫通効果も備わっている。分かるか? 次のターンでその
「……カードを2枚セット! ターンを終了するよ……」
「ハハハハハッ!! 戦意喪失してブラフを張るのが精一杯かぁ!?」
(まぁ仮に
「私のターン! トドメだ! 【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】で攻撃!!」
突貫してくる【バスター・ブレイダー】の進化形。斜めに切り払うつもりらしく、その剣撃は弧を描いて迫り来る。
だけど、まだ終わりじゃない!
「
【レッサー・ドラゴン】は倒されてしまったけど、ゲームエンドは何とか免れた。ボクはデッキから1枚カードを引く。
「チッ、さっさと負けていれば楽なものを」
「なに言ってるのさ──ここからが面白いんじゃない」
メガネを取り外して上着の胸ポケットにしまう。これやると集中できて、カードの引きが強くなる
(……奴の場にモンスターはいないが、【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】は
「1枚カードを伏せてターンエンドだ!」
「ボクのターン、ドロー! まずは
手札を4枚に増やす。このターンで状況を打開できなきゃ絶望的だ。さて……何を引けたかな?
「……おっ!」
引いたカードの中の1枚を見て、ボクは小さく声を上げた。それはあの時、ボクが店内のストレージで偶然見つけて
一見ただの低レベルモンスター。でも、この子の力はボクのデッキで必ず役に立つ──直感的にそう確信して、新たにデッキに入れた1枚だ。良いタイミングで来てくれたね。
「歓迎するよ、新入りくん。──ボクはこのモンスターを召喚! 【コドモドラゴン】!!」
ポンッとフィールドに現れた、つぶらな瞳が愛くるしい小型のドラゴン。【ポケ・ドラ】を彷彿とさせる可愛らしいモンスターの登場に、周りの皆は──ストア・ブレーカーも含めて──ポカンとした表情になった。
「可愛いのです~!」
「……キサマ、なんだその弱小モンスターは」
「カカカカッ!! もう勝てねぇと分かって勝負を投げたみてぇだなぁ! わざわざ、しかもそんなちっちぇードラゴンを召喚するなんてよぉ!」
……【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】の効果により【コドモドラゴン】は守備表示にされ、ドラゴン族が場に出た事で【バスター・ブレイダー】自身の攻撃力もアップする。
【コドモドラゴン】 守備力 200
【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】 攻撃力 4800 → 5800
『こここ、攻撃力5800っ!? この攻撃力の差は歴然だぁあーッ!!』
「ククッ、どうやら本気で諦めた様だな」
「……どうだろうね?」
「なに?」
「手札から
「なっ!?」
「お互いに自分のモンスターを1体リリースする! ボクは発動コストとして【コドモドラゴン】をリリース! 君にも自分のモンスターを
「ぐっ……!」
「──最も、君のフィールドには【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】しかいないから、選択の余地は無いんだけどね」
(自分で自分のモンスターをリリースだと……【破壊剣一閃】では無効に出来ない……くそっ!)
百野がカードを墓地に送ると、【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】は光に包まれて消滅していった。百野は忌々しげに歯噛みする。
「そして、墓地に送られた【コドモドラゴン】の効果を発動! 手札のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚できる! 来て、ボクのエース、【ラビードラゴン】!!」
【ラビードラゴン】 攻撃力 2950
空高く──とは行かず、店の天井ギリギリまで飛翔した【ラビードラゴン】の巨影が、百野を覆い尽くす。
「わぁ~、セツナさんの【ラビードラゴン】、久しぶりに見たのです~!」
「【コドモドラゴン】の効果を使ったターン、バトルは行えない。ボクはカードを1枚伏せてターンエンド! さぁ、君のターンだよ!」
「………フッ……クッ、ククク……!」
「?」
「バカめ! これで勝ったと思うなよ! リバースカード・オープン! 【リビングデッドの呼び声】!」
「!」
「よみがえれ! 【バスター・ブレイダー】!!」
墓地からフィールドに舞い戻った、元祖【バスター・ブレイダー】。再びボクのドラゴンと対峙し、
『なんとー! ここに来て【バスター・ブレイダー】が復活だぁーッ!!』
「本来ならキサマへの
【バスター・ブレイダー】 攻撃力 2600 → 4600
「クククッ、今度こそ終わりにしてやる……!」
「っ……」
「私のターン、ドロー! ……ふん! 【バスター・ブレイダー】で【ラビードラゴン】を攻撃!!」
- 破壊剣一閃!! -
(勝った!!)
「……残念だったね」
「!?」
「リバースカード・オープン!
【ラビードラゴン】 攻撃力 2950 + 4600 = 7550
「! 攻撃力7550だと!?」
うわぁ、これはボクもビックリ。ここまで攻撃力が跳ね上がったのは初めてかも。
「【不屈の闘士】は自分の場のモンスターが1体だけの時、そのモンスターの攻撃力を、相手の場の攻撃力が一番低いモンスターの攻撃力分アップする!」
(くっ、対抗手段が……!)
「これでチェックメイトだよ! 【ラビードラゴン】の迎撃!」
- ホワイト・ラピッド・ストリーム!! -
【バスター・ブレイダー】は白い光の奔流を浴びて、瞬く間に消し飛ばされた。そして光線は勢いを止めずに百野にまで直撃し、超過ダメージを彼に与えた。
「うわああぁぁっ!!」
百野 真澄 LP 0
『決まったァァァァッ!!
「やったー! さすがセツナさんなのですーっ!!」
「あ、兄貴ィー!? そんなバカなぁ!」
大歓声が店内を揺らす。あー疲れた。どうにか勝てて良かった~。正直こんな心臓に悪い
百野は床に座り込んで、小太り男と細身の男に支えてもらっていた。ボクはメガネを掛け直すと彼らの前まで歩み寄り、百野の足下に落ちていた1枚のカードを拾った。ラストターンで百野がドローした唯一の手札で、【ラビードラゴン】の攻撃を食らって吹っ飛んだ拍子に手元から落としたカードだ。
(【ドラゴン・ライダー】か……あの局面で引いても、使いどころがなかったね)
「……
「なんだと……!」
「せっかく百個もデッキを扱える実力があるんだからさ、自分で1からデッキを作ってみなよ」
それだけ言い残して、ボクは
「ありがとう!! 君は我が店を救ってくれた恩人だーっ!!」
「わっ、そんな大袈裟な……」
「お前スゲー強ぇな! なぁ、次は俺と
「え?」
「なに言ってんだ、俺が先だ!」
「いや俺だ!」
「わたしもセツナさんにリベンジしたくなったのですー!」
「ええっ!?」
どういうわけだか続々と挑戦者が増えてきている……いやいや多すぎ! この人数は手に負えないって! ただでさえ集中モードで
「ちょ、ちょちょ……ちょっとタンマーッ!!」
なんやかんやで最後の一人まで全員の相手をするハメになり、気づいたら本当に優勝していたのが今日のハイライト。マジで死ぬかと思ったよ。
ちなみに優勝賞品は高額な
というわけで、原作・遊戯王Rより、百野 真澄さんにご登場いただきました! タイトルで誰が出るのかバレバレでしたね(笑)
今後も原作の様々なキャラを作品内でお借りする予定です!
感想など、お待ちしております( ^ω^)