遊戯王 INNOCENCE - Si Vis Pacem Para Bellum - 作:箱庭の猫
セツナ vs 九頭竜 決着です!デュエルシーンって難しいけど書いてて楽しいですね!( * °ω°)
その日、『デュエルアカデミア・ジャルダン校』にて高等部1年生の担任を務め、未来ある若者に、正しき『デュエル道』を教え導くべく教鞭を振るうベテラン教諭・
--- 『
放課後、生徒達が口々に噂しているのを小耳に挟んだ
(……転入生……ふむ……
結果を何よりも重視し、『実力主義』を教育方針に掲げるこの学園に
そんな栄誉ある位階を
自分が尊敬する
だが今回の挑戦者は、学園に籍を置いて間もない中途入学の転入生。一見すると、勝敗の分かりきった、ミスマッチにも思えてしまう。
それでも
それは恐らく、高御堂が誰よりも、転入生 ---
気づけば彼の足は、誘われる様に『第4デュエルフィールド』まで向かい始めていた。
ごきげんよう、トレードマークは赤メガネ!
ただいま絶賛デュエル中。相手は、このジャルダン校の高等部3年生にして、学園の
セツナ
九頭竜
「す、すごいです、セツナ先輩…!
「そうね……確かに今は、デュエルの主導権はセツナが握ってる様に見える。……けど…九頭竜は転んでも、ただじゃ起きない。そこが恐ろしいのよ…!」
(……ボクの場には上級モンスターの【ラビー・ドラゴン】が1体。対して、九頭竜くんの場は、さっきの戦闘で【ガンナードラゴン】が墓地に送られた事で現状ガラ空き……状況は一見ボクの優位に見えるけど……)
「…やりやがったな…このガキィィッ…!」
(まだ九頭竜くんのターンは続いてる……なんだか嫌な予感がするんだよね…)
「…そんな
「ハッ!たかが【ガンナードラゴン】
「…!……」
「お前が攻撃力で劣るラビー・ドラゴンを、わざわざ攻撃表示で出してきた時点で、
「……分かってて攻撃を仕掛けたって、そう言いたいの?」
「邪魔なトラップは早めに使わせときゃあ、後が楽だからな」
「だとしても、ここから一体どうするつもりさ?ランク・A」
ボクが少し煽る様な言い方をしてみると、九頭竜くんは何やら、怪しげな薄ら笑いを浮かべた。
「見せてやるぜ!手札から【シャッフル・リボーン】を発動!」
「ッ!」
「墓地から
【可変機獣 ガンナードラゴン】 攻撃力 2800
「わっ!また出た!?」
「だが【シャッフル・リボーン】で復活させたモンスターは、エンドフェイズに除外されちまう。だから、その前に有効活用させてもらうぜ!
「!そのカードは…!」
「ガンナードラゴンをリリースし、手札からレベル7のモンスターを特殊召喚できる!俺が呼び出すのはこいつだ!リボルバードラゴン!!」
【リボルバードラゴン】 攻撃力 2600
「かっ…カッコイイ!!」
「言ってる場合じゃないですよ先輩ー!」
「リボルバードラゴンのモンスター効果発動!『ロシアン・ルーレット』!!」
九頭竜くんが宣言すると、リボルバードラゴンの頭部と両腕を成す、計3丁の
『ロシアン・ルーレット』という能力名からして、あの3つの弾倉には、それぞれ1発ずつ、銃弾が装填されてると推察できる。
やがて、シリンダーは全て回転を止め、その内2つの銃身から『カチッ』『カチッ』と、小気味よい音が鳴るのが聞こえた。えっ、これって、まさか…!
「
リボルバードラゴンは両腕の銃口から、同時に弾丸を撃ち放った。耳を
そして、2発の銃弾が瞬く間に、ラビー・ドラゴンの身体に被弾した。
首と胴体を撃ち抜かれたラビー・ドラゴンは、爆発して消し飛んでしまった。
爆風が真下に立っていたボクを襲う。
「うあっ…!?くっ…!」
(せっかく召喚したラビー・ドラゴンが…こんなあっさり…!?)
「ああっ!!先輩の切り札が!?」
「セツナ!?」
「ッ…!」
ラビー・ドラゴンが破壊された事で、今度はボクのフィールドが
「くくっ、他愛もねぇ。俺は最後に、カードを1枚セットしてターン
九頭竜くんの見事なカードプレイングで、ボク達のデュエルを見守っていた観衆が大いに盛り上がり、歓声が上がった。
ついでに、ボクへの心ない野次なんかも激化してるけど、無視して自分のターンを開始する。
正直そっちに意識を
「ボクの…ターン……ドロー!」
「…悔しいけど、やるわね…九頭竜の奴。一瞬で形勢を立て直すどころか主導権まで奪い返すなんて…」
「これが…ランク・Aの力……うぅ…セツナ先輩…!」
「アマネ!ルイくん!
(……なんて強がってはみたけど……この手札じゃ、あのリボルバードラゴンは倒せない……今はターンを凌ぐしかない!)
「モンスターをセット!更にカードを1枚セットする!これで……ボクはターンエンド……」
とうとう手札が
外野から「いきなり弱気になってやがんの!」とか「最初の威勢はどうしたァ!」とか茶々を入れられるけど気にしない。
「なんだよ、自慢のエースモンスターが
「………ッ…」
「…良いところで来やがったぜ。
(!!ここで手札増強カード!?ボクの方が欲しいよ!)
「……さぁて、まずはリボルバードラゴンの効果を、また使わせてもらうぜ!『ロシアン・ルーレット』!!」
リボルバードラゴンの、3つの蓮根状の
あの黒光りする3丁の銃身の内、2つ以上のシリンダーで、弾丸を装填した薬室が銃口に入った時、リボルバードラゴンの効果が成立して
それにより、前のターンで運悪くヒットしたラビー・ドラゴンの様に、ボクのモンスターは破壊されてしまう。
正に
こんな危険な運試しを世界で最初に考え出した人は、相当クレイジーだったのでは!?
そんな事を頭の片隅で思い見ていると、シリンダーの廻転が間もなく止まろうとしていた。
(確率は2分の1…!)
シリンダーが停止した。
「はははっ!2連続で
「!!」
またもや2発の銃弾が撃ち込まれて、ボクが
「これで、お前を守る壁モンスターはいない!!撃て!リボルバードラゴン!『ガン・キャノン・ショット』!!」
バトルフェイズに移行するや否や、リボルバードラゴンは次なる
(こんなの、実質2回
銃弾は全て、寸分の狂いも無い弾道を
「ガッ…!」
ボクは呻き声を上げ、たまらず床に片
やっぱり撃たれる系の攻撃は苦手だ。
セツナ LP 4000 → 1400
「せ…先輩!!」
ルイくんが悲痛な声で叫んだ。
「思い知ったか!ジャルダンは弱肉強食の世界だ!お前みてぇな弱小デュエリストが生き残れる程、
「……く…ッ…」
九頭竜くんが吠える。
会場の皆には、この
「うーわ、やっぱランク・Aは
「あの転入生、九頭竜さんから先手を取った時は、もしや…と思ったけど…」
「まぁ最初から、結果は見え見えだったしな」
達観、諦念、嘆息。
デュエルの
「まだ分からないでしょっ!!!!」
アマネの声が会場中に響き渡った。鋭くも芯があり、力強くも凛とした
「あ……アマ…ネ…?」
「セツナ、ライフは1400も残ってる。戦意喪失するには、まだ早いんじゃない?」
「……アマネ…」
「黒雲さん…」
「ケッ、くだらねぇ。女に励まされてやがる」
「…はっはっは。なかなか盛り上がっているじゃないか」
「…あっ…!」
出入り口の方から小さく拍手を打つ音と、年輩の男性らしき低い声が聞こえてきた。
それに反応して、アマネとルイくんが背後を振り返ると、靴音を鳴らして二人の前まで歩いてくる、グレースーツを着こなした中年の男性と対面した。
男性は
柔和な微笑みと穏やかな口調からは、全く
ボクは目を輝かせて、その人を、こう呼んだ。
「先生!!」
そして、デュエルフィールドから飛び降りて男性の元まで駆け寄り、彼の左手を両手で掴んで上下に振った。
「
「はっはっは。こらこら、今はデュエル中だろう?
「あっ、そうだった。急がないと!」
「……
「なに?先生」
「素晴らしいデュエルを、見せてくれたまえ」
「……うん!」
満面の笑顔で返事した後、ボクはステージの手前で力いっぱい
……九頭竜くんは
「いやーごめんごめん。お待たせ、九頭竜くん」
「チッ!」
アマネとルイくんが味方になってくれてるし、お世話になった
「デュエル再開!……さっきのリボルバードラゴンの
「…!」
「リバースカード・オープン!【ダメージ・ゲート】!」
(!?…ダメージ・ゲートだぁ?)
「ボクが戦闘ダメージを受けた時に発動し、そのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体を、墓地から特殊召喚できる!ボクが召喚するのは、さっき『ロシアン・ルーレット』で破壊されたモンスター・【プチリュウ】!」
【プチリュウ】 守備力 700
「何が出るかと思えば……そんな低級モンスターを苦し紛れで場に残すのが精一杯か!俺はカードを1枚セット!」
(…リボルバードラゴンの
「ターンエンド!」
「……これで次は、セツナ先輩のターンですね……でも、ドローしても手札は1枚…ここから一体どうしたら……」
「ふむ…」
「…………ねぇ高御堂先生?こんな時に聞くのも
「おや、どうしたかね?黒雲くん」
「さっき、セツナが『
「えっ、そうなんですか?高御堂先生」
「……うむ、ご名答。その通りだ。君達は、
「え?まぁ、うん」
(……
「そうか。では、その目で
「「?」」
「
「ボクのターン!ドロー!」
「彼のデュエルは……予測不可能だ」
(…!やった!ボクの手にも来た!)
「魔法カード発動!【馬の骨の対価】!」
「!お前もドローカードか…悪運の強い野郎だ!」
「プチリュウを墓地に送り、2枚ドローする!」
たった2枚、されど2枚。この手札から活路を見出だす!
「さて……」
ここでボクは今朝のデュエルの時と同じく、赤メガネを外して、制服の胸ポケットに差し込んだ。
レンズには度が入ってないから、視界に変化は無いけれど、
漫画の主人公が
「それじゃあ始めようか!手札から【一時休戦】を発動!お互いにカードを1枚ドローし、次の相手ターンが終わるまで、
「ふん…」
「続いて、ボクは【ドラゴラド】を召喚!モンスター効果で、墓地から【プチリュウ】を再び特殊召喚!」
【ドラゴラド】 攻撃力 1300
【プチリュウ】 守備力 700
「それで……プチリュウには何度も悪いんだけどさ、また墓地に
ボクが手札にあるカードを見せながら先に謝ると、プチリュウに凄く
「次は活躍させるから!
「!」
「フィールドのドラゴンを2体リリースして、デッキからレベル8のドラゴンを特殊召喚できる!現れろ!【トライホーン・ドラゴン】!!」
【トライホーン・ドラゴン】 攻撃力 2850
「なんだと!?こいつがこんなレアカードを!?」
「ほほぅ、まさかトライホーンとはねぇ」
「先輩すごいです!」
「よーし!やっちゃえセツナ!!」
「さぁ
トライホーン・ドラゴンは両腕の鋭利な3本の爪で、リボルバードラゴンを引き裂こうとする。
「させるかよぉ!リバーストラップ・【重力解除】!モンスターの表示形式を変更する!」
【トライホーン・ドラゴン】 守備力 2350
【リボルバードラゴン】 守備力 2200
「あらら、上手く行かなかったかぁ……ざんねん。ボクはこれで、ターンエンド!」
「……驚いたぜ、トライホーン・ドラゴンか…良いじゃねぇか!お前ごときには
「……良いよ、ボクに勝てたらね」
「俺のターン!!」
「ど、どうしましょう黒雲さん…!このままだと、トライホーンが破壊されちゃいますよぉ…!」
「くぅ…すんなりと攻撃を通してはくれないのね…でも【一時休戦】の効果で、このターン、セツナにダメージは無いから…まだ1ターンはチャンスがあるわ!」
「そ、そうでしたね!よかった…」
「…果たして、本当にチャンスを与えてくれるかな?あの九頭竜くんが」
「……!」
「九頭竜くんのデッキは、確かに重量級モンスターが
「…じゃあ…九頭竜の真髄って一体…」
「初めて知った時は、私も目を見開いたよ」
「……くっくっく…引いたぜ…!俺の完璧な『コンボ』を成立させる、キーカードをなぁ!!」
「!?…コンボ…?」
「お前に今から……地獄を見せてやるよ!」
「…あの男…
「俺がドローしたカードは【アームズ・ホール】!デッキの上から1枚を墓地に送り、デッキから装備カードをサーチできる!俺は【魔界の
【リボルバードラゴン】 攻撃力 100 守備力 100
(えっ…リボルバードラゴンがパワーダウンした…!?)
「魔界の足枷を装備したモンスターは攻撃力・守備力が100になり、攻撃は封じられる」
「……わざわざリボルバードラゴンを弱体化させて、何を企んでるのさ…?」
「くくっ、これで良いんだよ!更に俺は、手札から【機械複製術】を発動!俺のフィールドにいる攻撃力500以下の機械族モンスターと、同名のカードをデッキから特殊召喚する事が出来る!!」
(!!そうか…この為にリボルバードラゴンの攻撃力を下げて…!)
「とくと味わえよ転入生…!俺の
【リボルバードラゴン】 攻撃力 2600
【リボルバードラゴン】 攻撃力 2600
「リボルバードラゴンが……3体…!?」
同じ大型モンスターがフィールドに3体も並ぶ圧巻の光景に、会場が再び熱狂した。
(だけど、その内1体は、魔界の足枷で弱体化している!少なくとも攻撃
「
「なっ…!
「フィールドに出ている【魔界の足枷】をデッキに戻し、1枚ドローする!」
魔界の足枷が外れた事で、リボルバードラゴンのステータスが元に戻った。
すごい…!1ターンで自分に有利な戦況を整え、デメリットは回避して、オマケに手札の補強まで…!
九頭竜くんの抜け目ない戦略に、ボクは感服する他なかった。
「守備表示のリボルバードラゴンを攻撃表示に変更!」
【リボルバードラゴン】 攻撃力 2600
3体のリボルバードラゴンが一斉に攻撃の態勢を取った。合計9つの銃口がトライホーン・ドラゴンとボクに向けられる。
毎ターン、1体につき1回…計3回も『ロシアン・ルーレット』を撃てるってわけか。もう
「本当なら、このターンで撃ち殺してやりたいところだが…お前が発動した【一時休戦】のせいでダメージは与えられない…どの道『ロシアン・ルーレット』を使う意味もねぇ。なら普通に攻撃して、そのドラゴンだけでも消しておくぜ!!」
- ガン・キャノン・ショット!! -
「トライホーン・ドラゴン、粉砕!」
「ッ…!」
頼みの綱だったトライホーン・ドラゴンまで破壊されて、いよいよ窮地に追い込まれてしまう。
一時休戦のおかげで直接攻撃は
「案外あっけなかったな。シャッフル・リボーンのテキストに従い手札を1枚、除外する。これで俺はターンエンドだ!」
(さぁ足掻いてみせろよ転入生。俺のフィールドは
「…………ボクの、ターン……」
このドローで何も出来なかったら、ボクの負け。いよいよ崖っぷちだ。デッキに伸ばす右手が震えて、鼓動が高鳴るのを感じる。
……それでも、不安や恐怖は無い。震えだって
「ドロー!!」
命運を分かつ、ディスティニードロー。……引いたカードは……
「…ボクの引いたカードは……【命削りの宝札】!」
(-!?こいつ…!またドロー効果を持つカードだと!?何なんだ、その無駄な引きの良さは!)
(7年も連れ添った、掛け替えの無い
「【命削りの宝札】の効果で、ボクは手札が3枚になる様にカードを引く。今、ボクの手札は
このターン、ボクは【命削りの宝札】の効果により、特殊召喚を行えず、相手にダメージも与えられない。でも…この手札なら!
「ボクは
「なにっ!?」
フィールド上空に雷雲が立ち込め、
九頭竜くんの場に存在する3体のリボルバードラゴンは、1体が【生け贄
「つまり、これで3体のリボルバードラゴンは破壊される!!」
「くっ…ぐおおぉぉっ!?」
フィールドを制圧していた上級モンスターが
「ボクは……カードを1枚セットして、ターンエンド!」
会場全体に、何やら
「さっすがセツナ!」
「すごいです先輩!」
「はっはっは。天は彼を見放してはいなかった様だね」
「くそ…!よくも俺のリボルバードラゴンを…!ドローだ!」
(…チッ!出せるモンスターが手札にねぇ…!……屈辱だが…このターンは何も出来ねぇ……まぁいい…まだ俺には、
「…ターンエンドだ…!」
「…!?」
意外にも、九頭竜くんは何も
それを受けて、観客席には更に不穏な
「セツナ!今が
「ボクのターン!このスタンバイフェイズ、ボクのフィールドにモンスターが存在しない時、墓地に眠る【ミンゲイドラゴン】を特殊召喚できる!」
【ミンゲイドラゴン】 攻撃力 400
「…スペシャルハリケーンのコストで捨ててやがったか!」
「大正解。
「!」
「ミンゲイドラゴンは、ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する時、1体で2体分のリリースとして扱える!ミンゲイドラゴンをリリースして、【ラビー・ドラゴン】をアドバンス召喚!!」
【ラビー・ドラゴン】 攻撃力 2950
「バトル!ラビー・ドラゴンで、九頭竜くんにダイレクトアタック!『ホワイト・ラピッド・ストリーム』!!」
「ぐあああああああっ!!!」
九頭竜 LP 3050 → 100
今の一撃で、九頭竜くんのライフポイントは大幅に削られた。残り、100ポイント。もう風前の灯火だ。
デュエルの流れが急変すると、またもや会場内に歓声が鳴り響いた。興奮からか集まった生徒達は次々に総立ちしていく。
「うおおっ!!おいヤバくねぇか!?これって、もしかして…!」
「まさかの番狂わせ…
「あのランク・Aの九頭竜さんが……負けちまうのか…!?」
「…………俺が……負けるだと……?」
(……ふざけるな…!ふざけるなふざけるなふざけるなッ!!!俺が負けるわけねぇだろうが!!俺のプレイングは完璧だった!これは勝てる
「……九頭竜くん?」
ラビー・ドラゴンの攻撃を受けて、体勢を崩していた九頭竜くんだったけど、フラつきながらも徐々に立ち上がってきた。
---…彼が顔を上げると、その眼は凄まじく攻撃的で、明確な敵意と殺気に満ちていた。
ゾクッと、ボクの背筋が凍った。とうとう本気で怒らせたみたいだ。彼の刺すような気迫に
「そうだ…最強は俺だ…!俺より
(ッ!?アレはボクの使った【ダメージ・ゲート】と同じ…!だから今まで発動しなかったのか!)
「手札を1枚捨て!俺が受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスターを、デッキから特殊召喚するッ!!出やがれえぇぇっ!!【ブローバック・ドラゴン】!!」
【ブローバック・ドラゴン】 攻撃力 2300
「また破壊効果のあるモンスターを!?…ッ…ボクは1枚カードを伏せて、ターンエンド!」
「俺のターン!ドロー!」
(…【奈落の落とし穴】か…ちぃとばかし来るのが
「ブローバック・ドラゴンのモンスター効果!2分の1の確率で、相手のカードを破壊する!!」
言うが早いかブローバック・ドラゴンの効果処理が行われる。その結果は…
「……
「くっ!?」
ボクにとっては不幸にも、効果は成立。ブローバック・ドラゴンは1発の弾丸でラビー・ドラゴンを射撃し、無惨に破壊した。
九頭竜くんは、カードに選ばれているんだ。
「フッ、ははは…!はーっははははっ!!ざまぁみやがれ転入生!勝利の女神は俺に
「……ッ」
「後はブローバック・ドラゴンで攻撃すれば、お前のライフは
バトルフェイズ。ブローバック・ドラゴンの銃口がボクの心臓に照準を合わせた。
「
「……あいにく、ボクは諦めが悪くてね!トラップ発動!【ガード・ブロック】!ダメージを
戦闘ダメージを回避して、デッキから1枚カードを引く。
(…!このカードは…)
「くそがッ……しぶとい野郎だ!俺はカードを1枚セット!」
(もし奴が強力なモンスターを出してきても、今セットした【奈落の落とし穴】で叩き落とせる!次の俺のターンで、今度こそ確実に仕留めてやる!)
「ボクのターン!ドロー!」
カードをドローした後、ボクは静かに目を閉じた。それから、言葉を紡ぐ。
「九頭竜くん。
「……あぁ?」
突然の勝利宣言をしてみせると、九頭竜くんの
そんな事はお構い無しに、ボクは手札から1枚のカードを取り出して、彼に見せつける。
「覚えてるかな?このカードは、君がボクにプレゼントしてくれたカードだよ!」
「…なんだと…」
そう、このカードは…ボクとルイくんが高等部3年生の教室にお邪魔した時、九頭竜くんから
デュエルの直前、興味本意で自分のデッキに投入してみたんだけど、こんな土壇場で引き当てるとは思いもしなかった!
「出ておいで!【メガ・サンダーボール】!」
【メガ・サンダーボール】 攻撃力 750
「…!…この状況で、そんな
「いいや、真剣だよ!ボクは手札から
「!?なっ…な…!」
「これで……チェックメイトだ!メガ・サンダーボールで、九頭竜くんに
「うああああああッッッ!!!?」
九頭竜 LP 0
ボクの勝利で
「九頭竜さんが負けたぁーッ!?」
「あ、あんな…ランクも付いてねぇ転入生に…!」
すっかり騒然としちゃってるけど……うん、そろそろ慣れた。
九頭竜くんを見ると、床に両
ボクは、そんな彼の側まで歩み寄る。渡さなきゃいけないものがあるからね。
「九頭竜くん。これは君に返すよ」
そう言って、彼に【メガ・サンダーボール】のカードを差し出す。
九頭竜くんが憎々しげな顔で、ボクを睨んだ。
「ッ…!ざけんな!誰が
「……そっか。じゃあ、このカードはアンティルールに
「…………!くそぉッ!!」
「おめでとうセツナ!まさか本当にランク・Aに勝っちゃうなんてね!」
「
戻ると、アマネとルイくんが祝福してくれた。いつ以来だろう。デュエルに勝って、誰かが誉めてくれるのって。久しく忘れてたよ、こんな嬉しい気持ち。
「ありがとう、アマネ!ルイくん!…あれ?高御堂先生は?」
「なんか…
「ええーっ?先生にも誉めてほしかったのに…」
まぁ後日どっかで会った時にでも抱き着けば良いか。そんな事を考えながら、ボクは勝利の余韻に浸った。
「……フフッ、
今回の最強カードは【メガ・サンダーボール】でした!!
九頭竜くんはライバルキャラですね。またデュエルさせるのが楽しみです!