遊戯王 INNOCENCE - Si Vis Pacem Para Bellum - 作:箱庭の猫
アニメ遊戯王VRAINS ついに始まりましたね!!(今更)
遊作くんに踏まれたい。罵られたい。すいません何でもないです待って行かないで!!!!
おはよう。本日も
ボクが『デュエルアカデミア・ジャルダン校』に在学してから、4日目の登校日が始まった。
この黒い制服も、そろそろ
最初こそ色々あったけど、
この調子なら、
黒の学生
その道中、
ボクは
新しいパックか……ボクのデッキにシナジーするカードは収録されているかな?今度、見かけたら買ってみよう。
そんなことを考えながら、ついでに(今日の
校舎内の長い
「んー?」
「おはよ、セツナ」
振り返ると、
たぶん今のところ、ボクにとっては
「あぁ、おはよう、アマネ。今日も
「なにそれー」
少し
「……あっ、セツナ。ネクタイ曲がってるよ?」
「ありゃ?ホントだ」
アマネに指摘された通り、ボクのワイシャツの首元に巻いてある、青いネクタイが微妙にヨレていた。
気づかなかった。この状態で通学路を闊歩してきたのかと思うと、さすがに少し恥ずかしい気もする。
「ほら、じっとしてて」
「えっ?あ…!」
ボクが自分で直そうとするより早く、アマネの綺麗な両手がボクの胸元に伸びてきて、手慣れた様子で、ネクタイを締め直してくれた。
……昨日、事故とは言え、アマネにラッキースケベをやらかしてしまった
いやいや、許してくれ。ボクだって思春期(?)の男子なんだよ。
「はい
「あ…うん。ありがとう」
(本当に気が
ネクタイの手直しが終わると、ボクはアマネにお礼を言った。正直、嬉しくて
その
「…さて、今日も
ボクは
そうしてから、廊下と室内を
「
元気よく声を上げながら辺りを見渡した時、ボクは何かの
どう
クラスメート達は
全体的に緊張状態と言ったところだ。
……今日って、筆記テストとか無かったよね?
「……お、おい…どうすんだよ…」
「なんで……
ボクの手前で、二人の男子が小声で会話しているのが聞こえた。
「ねぇ
「「!?」」
「あ、
「つ、ついに来てしまったか…!」
「???」
二人はボクの顔を見るなり、オーバーリアクションで
ボクは全く
「なになに?ボク
そりゃあ、授業中に
ボクが
「お前の席…見てみろ…」
「席?…………!」
言われた通りに自分の席を見てみると……
「……
本来であれば、ボクが使わせてもらっている、その席に、見知らぬ青年が
青年の特徴は、
目鼻立ちの整った、美形の色男だった。
よほど読書に集中しているのか
その
「なっ…!
同じく青年の存在を
「アマネ、知ってるの?」
「知ってるも何も……ランク・Aの生徒にして、学園
なるほど、
「最
「
「……なるほどね」
ボクが言葉の意味を理解し、納得している横で、アマネは神妙な顔つきのまま、話を続ける。
「
「……うへぇ、おっかないね……で、どうしてそんな超人さんが…ボクの席に
「もしかしたら、セツナの
「…………そうしたいところだけど、このままじゃボクが授業を受けられないからね」
「セツナ…!?」
足を前に踏み出して、ボクは自分の席へと歩み寄っていく。周囲のざわめきが更に
どういうつもりかは……まぁ大体は察してるけど、とにかく、あの人との接触は
「はじめまして」
ボクは柔和な笑顔を見せて、青年・鷹山 要に声をかける。
それに対して数秒間、無反応だった彼だが……おもむろに、
「……遅い登校だな。待ち
体格は長身
付け加えて説明しておくと、ボクの身長は172センチ。
彼の
心の底まで、全てを
「まだ始業には
「
「
彼は、
そんなことだろうとは予測してたけど、にしても文脈ぶった切り過ぎでしょう!?
もしや、この人……
「……デュエルなら、いつでも大歓迎だけど、まず君の名前が知りたいな」
「もう
どうやら素直に名乗るつもりは無いみたいだ。
ここでボクは、
「自己紹介は大切だよ?どこかの
強気に
((((なに挑発してるんだぁぁぁ!!あのアホはぁァァァァッ!!!?))))
という、クラスメート
「……フッ、おもしろい男だな。良いだろう、俺の名は
「カナメ…ね。覚えたよ」
彼は…カナメは、自分の名前を
強い風が入り込んできて、ボクの
「
言いながら、カナメは
それから……
「ついてこい」
と、一言。そして何の
カナメの姿が視界から消える。
余談だけど、ここ、4階です。
「……どうするの?」
アマネが問いかける。ボクの答えは決まっていた。
「行ってくるよ」
それだけ言って、ボクはカナメを追いかけるように、窓の外へ飛び出した。
上階から空中に飛翔したボクの身体は、重力に従って真下へと、一直線に下降していく。
そのまま地面に着地して顔を上げると、カナメがデュエルディスクを構えながら
「さぁ始めるぞ、
「セツナで良いよ。楽しい
左腕を
(げっ!?ボク、ディスク付けてない!もしかして教室に忘れてきた!?)
そう、ボクの左腕は完全に
やってしまった…!よりにもよって、
どうしよう。今から
「セツナ!!」
上手いこと受け取って、教室の方を見上げると、アマネが
「全く、もう……
「あはは……ありがとう!アマネ!」
アマネが投げ渡してくれたディスクを左腕に装着する。
これで準備は完了。気を取り直して、カナメとの
「やぁやぁ、お待たせ」
「……お前は九頭竜を
カナメは右手に
「特別に、俺の『本来のデッキ』で相手をしてやろう」
彼が宣言した途端、上の教室が急に
「マジかよ!あの鷹山 要の
「まさかこんなところで拝めるなんて…!」
「ちょ、押すな押すな!落ちる!」
「……セツナ…気をつけてね…」
本来のデッキか…つまりは、それだけボクの事を評価してくれてるってわけかな。だとしたら…
「嬉しいね」
「それと、もうひとつ。ハンデを付けさせてやる」
「ハンデ?」
「このデュエル、俺に
「ッ!?」
普通に考えて
バーンカード1枚で決着してしまう。
そんな不利な条件を、わざわざ自分に課すなんて、よっぽど実力に自信と自負があるのか。
「……
「あぁ、ぜひとも俺を後悔させてくれ。
「ッ…!」
おっと、いけない。熱くなるな、
「……期待に
「「
セツナ
カナメ
「ボクの
先攻はボクに決定した。まずは最初に引いた、5枚の手札を確認する。
(……
悪くない…どころか最高の初手だ。
早速ボクのデッキの
【ミンゲイドラゴン】は、ドラゴン族をアドバンス召喚する時、このモンスター1体で、2体分のリリース要員に出来る。
そして【
(…【ミンゲイドラゴン】を召喚したあと【
そうと決まれば!と、ミンゲイドラゴンのカードに手をかけた時、ボクは何かを
(でも……もし、カナメが除去カードを出してきたら…?)
万が一、ここで召喚した【ラビードラゴン】を、返しのターンで
オマケにモンスターが
攻撃が許されていない先攻1ターン目に、いきなり上級モンスターを召喚しても、相手は
カナメがどんなデッキで、どんな
「……ッ…!」
(…ダメだ…!やっぱり危険すぎる…!)
「ボクはモンスターをセット!さらに1枚カードを伏せて、ターン終了…!」
ミンゲイドラゴンを裏側守備表示で場に出して、念のため
(ミンゲイドラゴンは墓地に送られても、ボクのターンに特殊召喚できる。これで、もしカナメの攻撃を受けてミンゲイドラゴンが破壊されても、まだ【ラビードラゴン】を召喚するチャンスはある!)
(……セツナにしては
「
「…………」
「俺のターン。俺は手札を1枚、墓地へ送り、【
【
「さらに【ベルリネス】をリリースし、【
【
「くっ…いきなり強力なモンスターを…!」
「墓地の【ベルリネス】の、効果を発動!このカードがアドバンス召喚の為にリリースされた時、相手の手札を確認する」
「なっ!?」
「そして、その中から1枚を選択し、エンドフェイズまで除外できる。さぁ見せてもらおうか!お前の手札を!」
そんな効果があったとは…ボクは仕方なく、今ある3枚の手札を、全て相手に公開した。
「……なるほどな。【エレメント・ドラゴン】に【
(うぅ…手札を見られるのって、なんか恥ずかしいな…)
「ならば俺は、【
カナメの指定したカードを、ゲームから取り
どうせ、ターン終了と同時に戻ってくるのだから問題は無いけど、カナメに手の内を知られてしまったのは
「まだ終わりではない。【炎帝テスタロス】の効果発動!アドバンス召喚に成功した時、相手の手札をランダムに1枚、墓地に送る」
「また手札を…!?」
テスタロスの効果で、手札の【エレメント・ドラゴン】が墓地に捨てられてしまう。
「それだけじゃない。捨てさせたカードがモンスターカードだった場合、そのレベル
「!」
「【エレメント・ドラゴン】のレベルは『4』。よって、400ポイントのダメージだ!」
「ぐう…っ!?」
セツナ LP 4000 → 3600
ライフを先に減らされたか。だけど、運よく【ラビードラゴン】は手札に残った。
このターンで【炎帝テスタロス】に破壊されるだろう【ミンゲイドラゴン】を、次のターンで復活させて、ラビードラゴンを召喚する!
「俺は更に、手札から
「なっ…!ボクと同じカードを!?」
「これにより、俺は通常召喚を、もう
(まさか…!またアドバンス召喚を…!?)
「
【
「ッ!…レベル8のモンスターを、リリース1体で召喚した…!?」
「【爆炎帝テスタロス】は、アドバンス召喚したモンスター1体のリリースで、アドバンス召喚が可能。そして、このモンスターにも、召喚時に発動する
「!!」
「相手の手札を確認し、1枚を墓地に捨てる!…最も、お前のその残り1枚の手札は、【ラビードラゴン】である事はもう
手札の【ラビードラゴン】のカードが炎に包まれて、焼失した。
「しまった…!」
最後の1枚を
「さらに!この効果で墓地に送ったカードがモンスターだった時、そのレベルの数 × 200ポイントのダメージを与える!」
「…!ラビードラゴンのレベルは8…!」
「よって、1600ポイントのダメージを受けてもらう!」
「うああぁぁぁぁっ!!」
セツナ LP 3600 → 2000
「まだだ!【爆炎帝テスタロス】が炎属性をリリースして召喚された場合、このダメージに
「うっ…ぐ…!?」
「ぐあああああああっ!!!」
セツナ LP 2000 → 1000
「セツナのライフが…1ターンで、3000も削られた…!?」
「はぁ…はぁ…!」
「バトル。爆炎帝テスタロスで、セットモンスターを攻撃!『エンペラー・エクスプロージョン』!!」
球状の巨大な炎が撃ち込まれて、けたたましい爆発音を
「うぅぅッッ…!!」
攻撃を受けた
「……俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ」
「くっ…!」
「エンドフェイズに、【炎帝家臣ベルリネス】の効果で除外していたカード・【
「………!」
「…お前には失望した」
「…なにを…」
「【ミンゲイドラゴン】に【
うぐぐっ。違わないし、返す言葉も無い。
確かに、1ターン目で【ラビードラゴン】を召喚していたなら……少なくとも、ここまで一方的に追い詰められる事はなかったかも知れない。
結局、切り札を切るタイミングを先送りにした為に、こうして肝心の手札を奪われた上、絶体絶命の窮地に追い込まれてしまう結果となった。
(…『リスクを恐れて何もしない事こそが最大のリスク』……分かっていた
「
「……ボクのターン……は、ちょっと待って」
「?」
デッキからカードをドローする前に、一旦ボクは、肩の
脱力し、深く息を吸って、ゆっくりと息を吐く。
そうして呼吸と心拍を落ち着かせ、リラックスした
「……うん。待たせたね、ここからが本番だよ!」
「…ほう…」
(この男…メガネを外したら、急に雰囲気が変わったな)
もう大丈夫。無駄な
そうだ。相手が誰であろうと、全身全霊を持って、自分の
(そして……勝つ!!)
「では
(-!来たッ!やっぱり、いつも通りにやれば、ボクのデッキは
「このスタンバイフェイズ!ボクの場にモンスターが居ない時、墓地の【ミンゲイドラゴン】を特殊召喚できる!」
【ミンゲイドラゴン】 攻撃力 400
「さらにリバースカード・オープン!
「だがその代償として、お前は今後2ターンの間、ドローフェイズがスキップされる。苦肉の策だな」
「…いいや、勝利への活路だよ!ボクは手札から、【
【
「続いて手札より、【
「二度目の召喚
「ミンゲイドラゴンは、ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する時、1体で2体分のリリースに出来る!」
「なるほど。新たな上級ドラゴンを引き当てたか」
「ボクは【ミンゲイドラゴン】をリリースし、【ダークブレイズドラゴン】を、アドバンス召喚!!」
【ダークブレイズドラゴン】 攻撃力 1200
「……何が出るかと思えば…レベル7で攻撃力1200程度のモンスターだと?」
「確かに、ダークブレイズ単体じゃあ、君の【爆炎帝テスタロス】には敵わない。でも他のカードとの連携で、ボクのドラゴン達は、更なる
「!」
「竜の尖兵の攻撃力を、このターンのみ、ダークブレイズドラゴンの攻撃力に加える!」
【ダークブレイズドラゴン】 攻撃力 1200 + 1700 = 2900
「攻撃力が【テスタロス】を上回ったか…!」
「これがボクの
地獄の
「……ッ!やるな、
「
「…何が言いたい?」
テスタロスが粉砕した後の、立ち込める
「これは…!」
「ダークブレイズドラゴンが相手モンスターを戦闘で破壊した時、そのモンスターの攻撃力分の、
「!!」
「そうか…!【ユニオン・アタック】は戦闘ダメージは
これまで、ずっと余裕綽々で、
「…ダークブレイズドラゴンの効果……発動!」
- ブレイジング・ストーム!! -
燃え盛る火柱がカナメを飲み込んだ。
「スゲー!
「しかもダメージを与えたって事は…!」
「この
4階の教室が再び盛況する。ハンデか…言われてみれば確かにそうなるけれど…
「!?」
突如、炎の中から
「がっ…!」
ボクは糸の切れた人形の様に、その場に崩れ落ちる。地面に
セツナ LP 0
「セツナ!?」
アマネが驚いた声で、ボクの名を呼んだ。
……ライフポイントが
でも、一体なぜ?敗北したことは事実として受け入れる。けど、カナメはどんな方法で、ボクにダメージを?
やがて、カナメの姿を覆い隠していた煙が晴れる。
カナメはデュエル開始時と変わらず、そこに平然と立ち続けていた。
「…これがお前の
「…!?」
カナメ LP 4000
「ライフが…減ってない…!?」
「惜しかったな。俺は【ダークブレイズドラゴン】の効果に対し、このリバースカードを
顔を上げ、目を
「…【リフレクト・ネイチャー】…?」
「そうだ。このカードは効果によるダメージを、相手プレイヤーに
「……そういう…こと……」
ダークブレイズドラゴンの
「…完敗…かぁ…」
全身の力が抜けてしまったみたいだ。
ボクは制服が汚れるのも構わず座り込み、空を見上げて、苦笑した。
すると、カナメがボクの目前まで近づいてきた。
「見込み違いだった……と、言いたいところだが…お前は俺の予想を
「……ご期待に
「フッ…次に闘える日を楽しみにしているぞ、
そう最後に言い残して、カナメは立ち去っていった。
ほんと、立ち
「……そろそろ戻らないとね。授業が始まっちゃう」
ボクはゆっくりと立ち上がって、ズボンに付いた
……いつも以上に授業の内容が頭に入ってこないまま、気づけば
現在、教室の中には、ボク一人だけが残っていた。他には誰も居ない。
十数分前までは、クラスメートの皆が帰宅の準備に取り掛かったり、卓上で、ディスクを使わない普通の
ボクはと言うと、何となくまだ帰る気に…というか動く気分にすらなれなくて、自分の席に腰を落ち着け、窓の外を
「いつまで
「…アマネ…」
てっきり先に帰ったと思ってた。
「どうしたの?忘れ物?」
「そうね、忘れ物」
アマネはボクの、
何を隠そう、そこが彼女の席だからだ。
……ほんの少しの沈黙を挟んで、アマネが会話を切り出した。
「よっぽど悔しいみたいね。負けたのが」
「……ははっ、そりゃあ、ねぇ」
ストレートに心の傷を
「……あれだけ
「…………」
デュエルを始めて、
ただ
「世の中って広いね…あーあー、悔しいよー」
その拍子に、掛けているメガネが
あっ、ヤバイと思ったとき、アマネが右手の人差し指で、メガネのブリッジ(真ん中の部分)を押さえつけ、そのままクイッと
「でも……セツナはここで折れる
笑みを浮かべて、アマネはそう言った。
ボクは両目を数回パチクリさせた後、同じように笑って身体を起こし、跳ね上がる様に
「当たり前だよ。次はボクが勝つ」
普段は『
「なら、選抜試験に出てみたら?リベンジするには良い機会かもよ」
「選抜試験…?」
なるほど、その手があったか。きっと…いや、まず間違いなく、カナメも
「……分かった。やってみるよ」
「あぁ
「ウェェェェッ!?早く言ってよー!!」
驚きのあまり、声が裏返った。こうしちゃいられない!
ボクは『選抜デュエル大会』の
「…クスッ、ごめんねセツナ。今日までってのは
というわけで、セツナの初めての敗北回でした!あんまり絶望感ないね!?
セツナ(主人公)と、アマネ(ヒロイン)の絡みを書くのが楽しすぎて、その内デュエル無しで、ひたすら二人をイチャイチャさせる話とかも書きかねない…!
うそです。ちゃんとデュエルもさせます!((o(°ω°)o))
感想など、お待ちしております(о´∀`о)