遊戯王 INNOCENCE - Si Vis Pacem Para Bellum -   作:箱庭の猫

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 YouTubeで遊戯王OCGチャンネルが配信しているショートアニメ『白の物語』で、【鉄獣戦線(トライブリゲード) キット】にひとめぼれしました。キットちゃんかわいいよぉぉぉぉ!!



TURN - 60 GLOW UP

 

 学園内の決闘(デュエル)フィールドは、あらかじめ予約しておけば好きな時間帯に利用ができる。

 

 放課後、ルイくんと決闘(デュエル)する約束をしたアマネは、ちょうどよく空いていた第4決闘(デュエル)フィールドを押さえた。ボクたちにはなにかと縁がある場所みたいだね。

 

 

 

「セツナの(あに)さん! マキノの(あね)さん! お待たせしやした!」

 

「やぁケイくん。悪いね急に呼び出して」

 

「兄貴とアマネの姐さんが決闘(デュエル)するって聞いちゃあ、見に来ないわけにはいきゃあせんぜッ!」

 

 

 

 今まさにアマネとルイくんは、フィールド上で対峙している。見物人はボクとマキちゃんとケイくんだけ。

 

 

 

「弟くんも来たことだし、そろそろ始めましょうか、ルイくん」

 

「は、はいっ! よろしくお願いします!」

 

 

 

 ……決闘(デュエル)が始まる前に、ボクはひとつ気になったことをアマネに聞いてみた。

 

 

 

「でも良いの? これでもしアマネが負けたら、ランク降格なんてことも……」

 

「覚悟の上よ。そうなったら私はまだ、十傑(じっけつ)どころかランク・Aの(うつわ)でもなかったってこと。また1から(きた)え直せばいいだけだわ」

 

「……そっか」

 

 

 

 アマネはルイくんとの決闘(デュエル)を、ようやく掴んだトップランクの座をも賭けるに(あたい)すると踏んだのか。

 

 ならボクが言うことはなにもない。勝負の行方を、静かに見守らせてもらうとしよう。

 

 

 

「ルイくんも、私を()()とすつもりでかかってきなさい。それが本気で闘うってことよ」

 

「……分かりました、全力で挑ませてもらいます……!」

 

 

 

 アマネは赤色(レッドタイプ)のデュエルディスクを、ルイくんは緑色(グリーンタイプ)のデュエルディスクを同時に展開させ、オートシャッフルが済んだデッキから5枚カードを引いた。

 

 一瞬の沈黙のあと── 二人は開戦の合図を宣言する。

 

 

 

「「 決闘(デュエル)!! 」」

 

 

 

 アマネ LP(ライフポイント) 4000

 

 ルイ LP(ライフポイント) 4000

 

 

 

「僕の先攻で行きます! 僕はモンスターを裏守備表示! さらにカードを1枚伏せて、ターン終了(エンド)です!」

 

「私のターンね、ドロー」

 

 

 

 さて、アマネはどう来るかな……?

 

 

 

(アマネの【ヴァンパイア】デッキは攻撃力2000クラスの上級モンスターがひしめく、いわばルイくんとは対極のパワー型……)

 

(きっとアマネ先輩には【弱肉一色】のコンボは通用しない…… それなら……!)

 

「私は【ブラッド・サッカー】を召喚!」

 

 

 

【ブラッド・サッカー】攻撃力 1300

 

 

 

「さらに永続魔法・【ヴァンパイアの領域】! 1ターンに一度、ライフを500払うことで、通常召喚に加えて一度だけ、自分のメインフェイズに【ヴァンパイア】を召喚できる!」

 

 

 

 アマネ LP 4000 → 3500

 

 

 

「【ブラッド・サッカー】をリリースして、【ヴァンパイア・ロード】をアドバンス召喚!」

 

 

 

【ヴァンパイア・ロード】攻撃力 2000

 

 

 

「まだよ! 私は【ヴァンパイア・ロード】を、ゲームから除外!」

 

 

 

 こ、この展開は、まさか……!

 

 

 

「── 【ヴァンパイアジェネシス】を特殊召喚!!」

 

 

 

【ヴァンパイアジェネシス】攻撃力 3000

 

 

 

「うっ……!?」

 

 

 

 開始2ターン目にして早くも召喚された最上級モンスターを見上げて、ルイくんは愕然(がくぜん)とした表情を浮かべた。

 

 ボクは思わず苦笑してしまう。

 

 

 

「あはは…… アマネ、それはさすがに本気過ぎるでしょ……」

 

「【ヴァンパイアジェネシス】は手札のアンデット族モンスター1体を墓地へ送ることで、同族のレベルの低いモンスターを墓地から特殊召喚できる。【ヴァンパイア・レディ】を手札から捨てて、【ブラッド・サッカー】をよみがえらせるわ!」

 

 

 

【ブラッド・サッカー】攻撃力 1300

 

 

 

「行くわよルイくんッ! 【ヴァンパイアジェネシス】で、裏守備モンスターを攻撃!!」

 

 

 

- ヘルビシャス・ブラッド!! -

 

 

 

【バニーラ】守備力 2050

 

 

 

 【ヴァンパイアジェネシス】の巨体が血のように赤い奔流(ほんりゅう)に変化して、【バニーラ】を襲撃する。

 

 

 

「くっ……! 【バニーラ】っ……!」

 

 

 

 【ローレベル】デッキが相手だと、裏守備モンスターの守備力もさほど高くないだろうと油断して、攻撃力の低いモンスターから先に攻撃させたくなりそうなものだけど…… アマネはそこまで甘くなかったか。

 

 

 

「そして【ブラッド・サッカー】で、プレイヤーに直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

 

「っ!」

 

 

 

 鋭い牙を剥いて勢いよく飛びかかった【ブラッド・サッカー】は、ルイくんの身体を両手でがっしり掴むと、彼の頬にその長い舌をベロリと這わせて舐め上げた。

 

 

 

「ひぃっ……!?」

 

 

 

 そして次の瞬間── 無防備な細い首に、まるでゾンビみたいに噛みついた!

 

 

 

「いっ、いやぁぁぁっ!?」

 

「ルイくん!?」

 

「兄貴ぃっ!?」

 

 

 

 じゅるじゅると血を(すす)っているかのような音が鳴り、ルイくんは苦しそうに呻きながらビクンビクンと身体を震わせている。

 

 

 

「あっ…… うぅ……! ふあっ、やっ……! あぁっ……!」

 

「クスッ…… イイ声ねッ…… ゾクゾクしちゃうわッ……!」

 

 

 

 そんなショッキングな光景を、アマネは()(えつ)(ゆが)んだ笑みをたたえながら眺めていた。

 

 

 

「あれ? アマネひょっとして、ドSモードに入ってる……?」

 

「ご満悦だねぇ~、アマネたん」

 

 

 

 ルイ LP 4000 → 2700

 

 

 

「【ブラッド・サッカー】が相手に戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの上からカードを1枚、墓地へ送るわ。これで私はターンエンドよ」

 

「っ…… はぁ…… はぁ……!」

 

 

 

 噛み痕の残った白い首筋を手で抑えながらフラつくルイくん。

 

 

 

「あなたのターンよルイくん。それとも…… ここまでにする?」

 

「……いえっ…… まだ…… まだやれますっ……!」

 

 

 

 息も絶え絶えながら、まだルイくんの闘志は折れていないようだった。

 

 

 

「フッ…… その意気よ」

 

「僕のターン…… ドローです! 僕は【ハッピー・ラヴァー】を召喚!」

 

 

 

【ハッピー・ラヴァー】攻撃力 800

 

 

 

「そして手札から永続魔法・【黙歯録(アポカリエス)】を発動します!」

 

「【黙歯録(アポカリエス)】? 見たことないカードね」

 

「このカードを発動した時の効果処理として、相手フィールドのカードの数だけこのカードに『(カリエス)カウンター』を置きます!」

 

 

 

黙歯録(アポカリエス)(カリエス)カウンター × 3

 

 

 

「そして相手の表側表示モンスター1体を対象に、(カリエス)カウンターを4つまで取り除くことで、その数によって別々の効果を対象モンスターに適用します。【ヴァンパイアジェネシス】を対象に、(カリエス)カウンターを2つ取り除きます!」

 

 

 

黙歯録(アポカリエス)(カリエス)カウンター × 3 → 1

 

 

 

「2つ取り除いた場合の効果は、対象モンスターの攻撃力がゼロになります!」

 

 

 

【ヴァンパイアジェネシス】攻撃力 3000 → 0

 

 

 

「なっ……!?」

 

「バトル! 【ハッピー・ラヴァー】で【ヴァンパイアジェネシス】を攻撃! 『ハッピー・バーニング』!!」

 

 

 

 小さな天使の口から放たれた炎が、吸血鬼の始祖を焼き尽くして消滅させた。

 

 

 

「くっ……!!」

 

 

 

 アマネ LP 3500 → 2700

 

 

 

「うおぉーッ!? やったぜ兄貴ィィーッ!!」

 

「スゴいよルイくん! レベル2のモンスターで最上級モンスターを倒しちゃうなんてッ!」

 

「ルイちゃんずっと言ってたもんね~、『セツナ先輩みたいに勇敢に闘える決闘者(デュエリスト)になりたい』って」

 

「ゆ、勇敢? ボクが? そ、そうかなぁ~ッ?」

 

「……こうもあっさり私のエースモンスターを倒すとはね」

 

「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンドです!」

 

 

 

 ライフは並んで戦況も()()と言ったところ…… まだまだ勝負はこれからだ。

 

 

 

「想像以上にやるわね…… フフッ、燃えてきたわ……!」

 

「……!!」

 

(なんて凄まじい気迫っ……! これが本気になったアマネ先輩の…… 一流の決闘者(デュエリスト)の闘気……!)

 

「私のターン、ドローッ! 【ブラッド・サッカー】をリリース! 【カース・オブ・ヴァンパイア】をアドバンス召喚!!」

 

 

 

 (さか)()ったライトブルーの髪と真っ赤な瞳が特徴的な細面(ほそおもて)の男が、マントをひるがえして現れた。

 

 

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2000

 

 

 

「【ハッピー・ラヴァー】を攻撃! 『ネイルファングブロー』!!」

 

「っ……! (トラップ)発動! 【ドレインシールド】!」

 

 

 

 ドーム状のバリアが【カース・オブ・ヴァンパイア】の攻撃を受け止めた。さらにその攻撃力分、ルイくんのライフが回復する。

 

 

 

 ルイ LP 2700 → 4700

 

 

 

「相手の反撃に対する備えも抜かりなしか、さすがね。ターンエンドよ」

 

「僕のターン! ドローです!」

 

(……来た! このカードがあれば……!)

 

「── 【カース・オブ・ヴァンパイア】を対象に、【黙歯録(アポカリエス)】の最後の(カリエス)カウンターを取り除いて、効果を発動します!」

 

 

 

黙歯録(アポカリエス)(カリエス)カウンター × 1 = 0

 

 

 

「1つ取り除いた場合の効果は、対象モンスターの攻撃力を500ダウンします!」

 

 

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2000 - 500 = 1500

 

 

 

「さらに(トラップ)カード・【一色万骨(いっしょくばんこつ)】を発動! 自分の墓地の通常モンスターの種類によって、全部で5つの効果を適用します! 僕の墓地にある通常モンスターは1種類。よってこのターン中、僕の場の通常モンスターは、攻撃力が800アップします!」

 

 

 

【ハッピー・ラヴァー】攻撃力 800 + 800 = 1600

 

 

 

「良いぞ兄貴ッ! 攻撃力が【カース・オブ・ヴァンパイア】を上回ったぜ!」

 

「まだです! 僕は手札からフィールド魔法・【心眼(しんがん)祭殿(さいでん)】を発動します!」

 

「!」

 

 

 

 ルイくんの後ろに、なにやら(ほこ)らしき形状の武器を(まつ)るかのように安置した、祭殿が()り上がってきた。

 

 

 

「このカードがフィールドゾーンにある限り、お互いのプレイヤーが受ける戦闘ダメージは、全て1000になります!」

 

 

 

 戦闘ダメージを固定化するフィールド魔法か、おもしろいカードを使うね。初期ライフ4000の決闘(デュエル)なら、単純計算で4回の攻撃が通れば勝てるわけだ。

 

 どんなに低い攻撃力のモンスターでも与えるダメージを増やせるし、どんなに高い攻撃力のモンスターから攻撃されても、ダメージを軽減できる。

 

 ルイくんのデッキにとっては、低ステータス(ゆえ)の欠点を(おぎな)える、優秀なサポートカードと言えるね。

 

 

 

「さらに【()()(うら)(もの)()】を召喚!」

 

 

 

【屋根裏の物の怪】攻撃力 550 + 800 = 1350

 

 

 

「バトルです! 【ハッピー・ラヴァー】で【カース・オブ・ヴァンパイア】を攻撃! 『ハッピー・バーニング』!!」

 

 

 

 【ハッピー・ラヴァー】が火炎を吹いて、【カース・オブ・ヴァンパイア】を葬った。

 

 本来なら100ポイント程度の戦闘ダメージだけど、【心眼の祭殿】の効力で、数値は10倍に跳ね上がる。

 

 

 

「っ……!」

 

 

 

 アマネ LP 2700 → 1700

 

 

 

「続けて【屋根裏の物の怪】で、ダイレクトアタック!」

 

 

 

 【クリボー】に似た姿の可愛らしいモンスターがアマネに体当たりする。

 

 

 

「くっ!」

 

 

 

 アマネ LP 1700 → 700

 

 

 

 ダメージこそ1000ポイントに減ったけれど、【ハッピー・ラヴァー】の攻撃と合わせたら2000のダメージ。結果的には【心眼の祭殿】を発動しないより、多くライフを削れたね。

 

 

 

「スゲぇ! スゲぇよ兄貴ッ!! ランク・Aの、それも次期十傑候補の姐さんを押してるぜ!!」

 

「ルイちゃんホントに強くなったねぇ~ッ! あたしもビックリだよぉ~!」

 

 

 

 ボクも驚いた。アマネ相手に互角…… いや、それ以上に渡り合ってるなんて……!

 

 たしかに見違えるほど強くなってる。もしかしたら本当にこのまま勝っちゃうかも……!

 

 

 

(……それにしても、あぁも簡単に攻撃を通すなんて、少しアマネらしくな……)

 

「そして再生する──」

 

「!?」

 

 

 

 突然アマネのデュエルディスクの墓地(セメタリー)ゾーンから、さっき倒したはずの【カース・オブ・ヴァンパイア】が飛び出して── あろうことか持ち主であるアマネの首に、尖った歯を立てて喰らいついた!

 

 

 

「ひえっ……!?」

 

 

 

 ルイくんは口元に手を当てて青ざめる。ボクたちもギョッと目を丸くした。

 

 

 

「……これが【カース・オブ・ヴァンパイア】の能力、『不死』よ。何度倒されようと、次の私のスタンバイフェイズに私の血を吸わせることで復活する。さらに(ちから)を増してね」

 

 

 

 アマネ LP 700 → 200

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2000 + 500 = 2500

 

 

 

「もう一度【ハッピー・ラヴァー】に攻撃! 『シャープスネイルブレード』!!」

 

 

 

 よみがえった【カース・オブ・ヴァンパイア】の強靭な爪による斬撃で、ついに【ハッピー・ラヴァー】が撃破された。

 

 

 

「うぐっ……!」

 

 

 

 ルイ LP 4700 → 3700

 

 

 

「【ヴァンパイアの領域】の効果。自分の【ヴァンパイア】が相手に戦闘ダメージを与えた場合、その数値分だけ私のライフを回復するわ」

 

 

 

 アマネ LP 200 → 1200

 

 

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「くっ…… 僕のターン、ドロー!」

 

(……よし!)

 

「装備魔法・【()(こく)(じょう)の首飾り】を、【屋根裏の物の怪】に装備します! このカードを装備したモンスターが自分よりレベルの高いモンスターとバトルする時、そのレベル差 × 500ポイント、装備モンスターの攻撃力をアップします!」

 

 

 

 良いカードを引いたね。【カース・オブ・ヴァンパイア】とのレベル差は4だから、【屋根裏の物の怪】の攻撃力を一気に2000アップできる。

 

 

 

(この攻撃が通れば、アマネ先輩のライフは残り200、もう【カース・オブ・ヴァンパイア】を再生する余裕はなくなるはず……!)

 

「悪いけど、そうはいかないわよ。カウンター(トラップ)発動、【ヴァンパイアの支配】! 自分フィールドに【ヴァンパイア】がいる時、魔法・(トラップ)・モンスター効果の発動を無効にし、破壊する!」

 

「っ!?」

 

 

 

 おっと、さすがに対策されてたか…… これでもう【下克上の首飾り】は再利用できなくなった。どうするルイくん……?

 

 

 

「……【屋根裏の物の怪】を守備表示にして…… ターンエンドです……!」

 

 

 

【屋根裏の物の怪】守備力 450

 

 

 

「私のターン! 【ヴァンパイア・ソーサラー】を召喚!」

 

 

 

【ヴァンパイア・ソーサラー】攻撃力 1500

 

 

 

「バトル! 【ヴァンパイア・ソーサラー】で、【屋根裏の物の怪】を攻撃!」

 

「!」

 

「や、やべぇ! 兄貴のフィールドがガラ空きになっちまった!」

 

「【カース・オブ・ヴァンパイア】でダイレクトアタック!」

 

 

 

- シャープスネイルブレード!! -

 

 

 

「あうぅっ……!!」

 

 

 

 ルイ LP 3700 → 2700

 

 

 

「そして【ヴァンパイアの領域】の効果で、ライフ回復!」

 

 

 

 アマネ LP 1200 → 2200

 

 

 

「ターンエンドよ」

 

「……僕の…… ターン……」

 

 

 

 【心眼の祭殿】のおかげでダメージは抑えられたけど、戦況の優劣は完全に引っくり返された。

 

 以前のルイくんだったら、ここで折れてたかも知れない……

 

 

 

「兄貴ぃーっ!! がんばれぇーっ!!」

 

「ルイくん……!」

 

(……まだだ…… まだ終わってない……! 諦めるのは、負けてからでいいっ!)

 

「ドローっ!!」

 

(── !!)

 

 

 

 ルイくんがカードをドローした、その直後──

 

 

 

「!?」

 

 

 

 いくつもの光る(つるぎ)が、アマネのフィールドに突き刺さった。

 

 

 

「これは…… 【光の()(ふう)(けん)】!?」

 

「このカードでアマネ先輩のモンスターは、3ターンの(あいだ)、攻撃ができなくなります……!」

 

「おしッ!! 3ターンもあれば逆転のチャンスは充分あるぜ! さっすが兄貴ッ!!」

 

「僕のターンは終了です!」

 

「……この土壇場で、大した引きね。私のターン! 【ヴァンパイア・ソーサラー】を守備表示に変更!」

 

 

 

【ヴァンパイア・ソーサラー】守備力 1500

 

 

 

「1枚カードを伏せてターンエンド!」

 

「僕のターン! ドローです!」

 

「ルイくん、【護封剣】で攻撃は封じたつもりでしょうけど、ひとつ忘れてないかしら?」

 

「えっ……?」

 

「私の一番得意な戦術は、効果ダメージなのよ── 永続(トラップ)発動! 【ゴブリンの()役人(やくにん)】!」

 

「!?」

 

「相手のライフが3000以下の時に、このカードは発動できるわ。相手のスタンバイフェイズ(ごと)に、相手に500ポイントのダメージを与える!」

 

 

 

 そうだった、あの手この手でライフを削ってくるのが、アマネの闘い方だったね……!

 

 

 

「まるで本人の性格を反映したような……」

 

「なにか言ったセツナ?」

 

「いや、なんでも」

 

「『おっぱいおっきいね~』って言ってたよ~ッ」

 

「マキちゃん静かに」

 

 

 

 いつものやり取りはさておき。ルイくんのターンがドローフェイズからスタンバイフェイズに移行したことで、【ゴブリンの小役人】の効果が発動する。

 

 

 

「うぅ……!」

 

 

 

 ルイ LP 2700 → 2200

 

 

 

「っ…… 1枚カードを伏せて、ターンエンドです……!」

 

「私のターン、ドロー! 【ヴァンパイア・ソーサラー】をリリースして、【ヴァンパイア・レッドバロン】をアドバンス召喚!」

 

 

 

【ヴァンパイア・レッドバロン】攻撃力 2400

 

 

 

 ここに来て2体目の上級モンスターか。またさらにプレッシャーをかけてきたね……!

 

 

 

「ターンエンドよ」

 

 

 

 【護封剣】の効果は、あと1ターン……

 

 

 

「僕のターン……!」

 

「スタンバイフェイズね。再び【ゴブリンの小役人】の効果で、ダメージを受けてもらうわ」

 

「くぅっ……!」

 

 

 

 ルイ LP 2200 → 1700

 

 

 

「……魔法カード・【命削りの宝札】を発動! さらに3枚ドローします! ……モンスターをセットして、カードを1枚伏せます! これで僕はターンエンド…… 【命削りの宝札】の効果で、手札に残ったカードは全て墓地に送ります……!」

 

「私のターン!」

 

(さて、どうしようかしら。手札には初手からずっと【マジック・プランター】が残ってるけど…… ルイくんがこのまま防戦一方でなにもできないなら、【小役人】の効果でライフを削り切れるだろうし……)

 

「……まぁ、もう1ターンぐらい様子を見てもよさそうね。私はカードを1枚伏せて終了するわ。そしてこのエンドフェイズに、【光の護封剣】は消える」

 

「……!」

 

 

 

 ── とうとう光の剣が全て消滅した。

 

 拘束を解かれた【ヴァンパイア】2体は、今にもルイくんに襲いかかりそうな威圧感を放っている。

 

 

 

「さぁ、あなたのターンよ」

 

「僕のターン……」

 

(大丈夫、まだ勝算はある……! あのカードが来れば…… 上手くすれば、このターンで勝てるっ!!)

 

「ドローっ!」

 

(!!)

 

「【ゴブリンの小役人】の効果! 500ポイントのダメージを与える!」

 

 

 

 ルイ LP 1700 → 1200

 

 

 

「……僕は裏守備モンスター・【ハリケル】を反転召喚!」

 

 

 

【ハリケル】攻撃力 900

 

 

 

「伏せカード・オープン! 魔法カード・【闇の量産工場】! 墓地から通常モンスター・【ハッピー・ラヴァー】と【命の砂時計】を手札に戻します!」

 

 

 

 【命の砂時計】……? あぁ、さっき【命削りの宝札】の効果で墓地に捨てていたカードか。

 

 

 

「さらに(トラップ)発動! 【一色(いっしょく)即発(そくはつ)】! 相手モンスターの数まで、手札のレベル4以下のモンスターを特殊召喚します! 僕はさっき手札に加えた2体を、攻撃表示で特殊召喚!」

 

 

 

【ハッピー・ラヴァー】攻撃力 800

 

【命の砂時計】攻撃力 700

 

 

 

「お、おい兄貴、攻撃表示ってまさか……!?」

 

「攻撃してくるつもり? いいわよ、受けて立つわ」

 

「行きます! 僕は手札から永続魔法── 【()(せん)ジャミング】を発動します!!」

 

「!」

 

 

 

 フィールドに、アンテナらしき棒を3つ立てた、無線LANルーターみたいな形の機器が設置された。

 

 

 

「バトルです! 【ハリケル】で【カース・オブ・ヴァンパイア】を攻撃! 『ハリケーンアタック』!」

 

 

 

 竜巻のモンスターが【カース・オブ・ヴァンパイア】に向かって突っ込んでいく。

 

 

 

「この瞬間! 【無千ジャミング】発動!!」

 

 

 

 さっき出現した謎の機械から、怪しげな電波がフィールド全体に発せられた。

 

 すると、アマネのモンスターに異変が起こる……!

 

 

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2500 → 500

 

【ヴァンパイア・レッドバロン】攻撃力 2400 → 400 守備力 1000 → 0

 

 

 

「!? これは……!」

 

「【無千ジャミング】の効果! フィールドに攻撃力1000以上のモンスターが存在する場合、モンスターが戦闘するダメージ計算時、フィールドの全てのモンスターの攻撃力と守備力は、その数値1000につき1000下げた数値になります!」

 

「1000につき1000下げた数値……? ど、どういうことスか?」

 

 

 

 ケイくんがボクに尋ねた。

 

 

 

「要するに攻撃力も守備力も、(しも)(けた)までしか残らなくなっちゃうってことだね」

 

 

 

 つまり下3桁が『000』だったら、実質そのステータスはゼロになるわけだ。

 

 あの伝説の【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)】や、デュエルモンスターズ史上最強のモンスター・【(ファイブ)(ゴッド)(ドラゴン)】でさえ無力化できてしまう……

 

 反面、元から攻撃力1000以下のモンスターしか入っていないルイくんのデッキには、なんの影響もないどころか戦闘の大きな助けとなる。まさにこれ以上ないほど相性抜群なカードだ。

 

 

 

「ルイちゃん、あんなカード今まで使ってなかったよね~。アレもセツナくんのアドバイス?」

 

「いや、ボクも初めて見るカードだね。【心眼の祭殿】もそうだけど、きっとルイくんが自分で考えてデッキに入れたんだと思う」

 

 

 

 まさか【ローレベル】デッキで、ここまで戦闘に重きを置いた攻撃的な決闘(デュエル)ができるとはね……! ボクには思いもつかない戦術だ。

 

 

 

「【ハリケル】の攻撃で【カース・オブ・ヴァンパイア】を撃破! 【心眼の祭殿】の効果で、戦闘ダメージは1000になります!」

 

「っ……!」

 

 

 

 アマネ LP 2200 → 1200

 

 

 

「さらに【ハッピー・ラヴァー】で【レッドバロン】を攻撃! 『ハートビーム』!」

 

 

 

 ハート型の光線を浴びて【レッドバロン】も破壊された。

 

 

 

「ぐっ……!」

 

 

 

 アマネ LP 1200 → 200

 

 

 

「これで最後です! 【命の砂時計】でダイレクトアタック!!」

 

「この攻撃が決まれば兄貴の勝ちだぁッ!!」

 

「まだよ! (トラップ)発動! 【死者所生(しょせい)】!!」

 

「っ!」

 

「モンスターがバトルで破壊されたターン、手札・デッキから【死者蘇生】1枚を墓地へ送り、自分か相手の墓地からモンスター1体を、【死者蘇生】による特殊召喚扱いで蘇生できる! 私は【ヴァンパイア・ソーサラー】を、守備表示で特殊召喚!」

 

 

 

【ヴァンパイア・ソーサラー】守備力 1500

 

 

 

(くっ、壁モンスターを召喚された……!)

 

「でも、その守備力も【無千ジャミング】で500に下がります! 【命の砂時計】で【ヴァンパイア・ソーサラー】を攻撃!」

 

 

 

【ヴァンパイア・ソーサラー】攻撃力 1500 → 500 守備力 1500 → 500

 

 

 

 【命の砂時計】の攻撃で【ソーサラー】は倒されるけど、アマネはダメージを受けずに済んだ。

 

 

 

(削り切れなかった……!)

 

「だぁーっ!? 惜しい! けどまだ次があるぜ兄貴!」

 

「……【ソーサラー】が相手によって墓地へ送られた場合、デッキから【ヴァンパイア】モンスターか、【ヴァンパイア】魔法・(トラップ)を1枚、手札に加えることができる」

 

 

 

 ……【無千ジャミング】がある限り、アマネはもはや攻撃も守備もままならない。

 

 それにもう、なんらかの効果を発動するためにコストを払えるほどライフも残っていない……

 

 この状況で、どんなカードを手札に呼び込むつもりだろう?

 

 

 

(ここで私が選ぶべきカードは……)

 

「── 私は【ヴァンパイア帝国(エンパイア)】を、手札に加えるわ!」

 

「……ターンエンドです……!」

 

「私のターン、ドロー! 【マジック・プランター】を発動! 【ゴブリンの小役人】を墓地へ送って2枚ドローする!」

 

(……この手札なら……!)

 

「行くわよ! フィールド魔法・【ヴァンパイア帝国(エンパイア)】、発動!」

 

 

 

 アマネのフィールドが赤い満月に照らされた西洋の街並みへと景色を一変させる。

 

 

 

「さらに手札から【生者の書-禁断の呪術-】を発動! 私の墓地から【カース・オブ・ヴァンパイア】を特殊召喚し、あなたの墓地から【屋根裏の物の怪】を除外するわ!」

 

「!」

 

「再びよみがえりなさい! 【カース・オブ・ヴァンパイア】!!」

 

 

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2000

 

 

 

 ……アマネのプレイングを見て、ボクはある疑問を抱いた。

 

 

 

(どうして【レッドバロン】じゃなくて【カース・オブ・ヴァンパイア】を……?)

 

 

 

 【無千ジャミング】に下げられた攻撃力を【ヴァンパイア帝国(エンパイア)】の効果で500ポイント上げるにしても、【カース・オブ・ヴァンパイア】では一番攻撃力が低い【命の砂時計】にさえ敵わない。

 

 その点【レッドバロン】なら攻撃力900になるから、ルイくんのモンスターを1体は倒せるはずなのに……

 

 でも次の一手で、彼女の狙いはすぐ分かった──

 

 

 

「ひざまずきなさい! 魔法発動! 【威圧する()(がん)】!!」

 

「!?」

 

 

 

 アマネがカードを発動した途端、ルイくんのモンスターが一斉に【カース・オブ・ヴァンパイア】の前にひれ伏した。

 

 

 

「このターン、自分フィールドの攻撃力2000以下のアンデット族1体は、相手にダイレクトアタックができる! バトルよ、【カース・オブ・ヴァンパイア】でダイレクトアタック!」

 

 

 

 動けなくなった相手モンスターたちを素通りして、【カース・オブ・ヴァンパイア】がルイくんに迫る。

 

 

 

「【ヴァンパイア帝国(エンパイア)】の効果! ダメージ計算時にアンデット族の攻撃力を500アップする!」

 

 

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2000 + 500 = 2500

 

 

 

「【無千ジャミング】の効果、発動です!」

 

 

 

【カース・オブ・ヴァンパイア】攻撃力 2500 → 500

 

 

 

「500もあれば充分よ── 『シャープスネイルブレード』!!」

 

 

 

 電波の妨害にも怯まず、【カース・オブ・ヴァンパイア】は鋭い爪をルイくんの胸に突き立てた。

 

 

 

「きゃっ……!」

 

「【心眼の祭殿】の効果で、ダメージは倍の1000になるわ!」

 

 

 

 ルイ LP 1200 → 200

 

 

 

「そして私は【ヴァンパイアの領域】で、その数値分ライフを回復する!」

 

 

 

 アマネ LP 200 → 1200

 

 

 

「……カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

 ライフ差がまた逆転した……! けれど返しのターンで総攻撃すれば、ルイくんの勝ちだ!

 

 

 

(今度こそ決めてみせる!)

 

「僕のターン!!」

 

(トラップ)発動! 【破壊指輪(リング)】!!」

 

「!?」

 

 

 

 【カース・オブ・ヴァンパイア】の指に、小さな丸い爆弾を着けた指輪がはめられた。

 

 

 

「自分フィールドの表側表示モンスター1体を破壊し、互いのプレイヤーは1000ポイントのダメージを受ける!!」

 

 

 

 指輪をはめた手を【カース・オブ・ヴァンパイア】が高く掲げると、爆弾から閃光が(ほとばし)り、大爆発を起こした。

 

 

 

「わあぁぁっ!!」

 

「あ、兄貴ぃーっ!?」

 

 

 

 ……やがて爆煙が晴れたフィールドに立っていたのは…… アマネ一人だった。

 

 

 

「ハァ…… ハァ……! ……フゥ、私の勝ちね……!」

 

 

 

 アマネ LP 1200 → 200

 

 

 

「いたた…… うぅ、負けました……」

 

 

 

 ルイ LP 0

 

 

 

 ……あまりに一瞬の出来事で呆気に取られたけれど、ボクは自然と感嘆の声が漏れて拍手していた。

 

 

 

「おぉ~ッ……! スッゴい決闘(デュエル)だったね!」

 

「ねぇ~ッ! ルイちゃんもアマネたんもカッコよかったよ~!」

 

「くう~っ! 負けちまったけどナイスファイトだったぜ兄貴ィッ!!」

 

 

 

 女の子座りで放心しているルイくんに、アマネが手を差し出す。

 

 

 

「対戦ありがとう、ルイくん。楽しかったわ」

 

「アマネ先輩…… こちらこそ、ありがとうございましたッ」

 

 

 

 ルイくんは微笑(ほほえ)んでアマネの手を取り、立ち上がろうとする。

 

 と、アマネに手を引かれた拍子に足がもつれたのか、ルイくんがバランスを崩した。

 

 

 

「あっ……!」

 

 

 

 よろけたルイくんは前のめりに倒れ込み── アマネの胸に、ポフッと顔を突っ込んでしまった。

 

 

 

「わっ」

 

「んむうっ……!? わぁーっ!! ごごご、ごめんなさいぃぃっ!!」

 

 

 

 大あわてでルイくんはアマネから離れる。

 

 

 

「ウヒョ~ッ! やるねぇルイちゃ~ん! もしかして狙った~ッ?」

 

「ご、誤解です! わざとじゃないんですぅぅぅっ!!」

 

「フフッ、分かってるわよ。怒ってないから気にしないで」

 

 

 

 アマネはルイくんの頭にポンポンと手を置いて、優しく微笑みかけた。

 

 

 

「まぁこれがセツナだったら壁にめり込ませてたけど」

 

「……あはは、冗談に聞こえないね……」

 

 

 

 ジト目をこちらに向けたアマネから、ボクは苦笑いしながら顔を明後日(あさって)の方向へ逸らした……

 

 ── 二人が決闘(デュエル)フィールドから降りてくる。ケイくんとマキちゃんがルイくんと談笑している(かたわ)らで、ボクはアマネに話しかけた。

 

 

 

「どうだった? ルイくんと真剣勝負してみた感想は」

 

「正直かなり焦ったわ。実力だけで言えば、もうランク・A相当じゃないかしら」

 

「へぇ~ッ……! アマネにそこまで言わしめるなんて、ボクも鼻が高いよ、先輩として」

 

「にしても、反省点の多い決闘(デュエル)だったわ。私もまだまだね……」

 

 

 

 ── 今回は予想以上に目覚ましい、ルイくんの成長を(かい)()見ることができた。

 

 もう初めて会った頃とは別人だね…… 今のルイくんは、立派な一人(いちにん)(まえ)決闘者(デュエリスト)だ。

 

 

 

「これはボクもウカウカしてたら、あっという間に()えられちゃうかもねッ」

 

 

 

 たくましくなったルイくんの背中を見つめながら、ボクはなんだか親心にも似た期待を胸に、そう呟いた。

 

 

 





 遊戯王Rのティラ・ムークが【カース・オブ・ヴァンパイア】に噛まれた時の表情が好きでして…… アマネにも同じ顔をしてもらってます……(^q^)
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