この鬼殺隊士に祝福を!   作:冬威

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更新が遅くなりました。すいませんでした。





パ○ティー

 

 

 

 

 

「う、うう…、ぐす」

 

和真にスキルを教える為に、ダクネスと共に出て行ったクリスが泣いていた。…スキルを教えるだけだよな?

 

「あ、あのさ。何でクリスは泣いてるの?」

 

「いや〜、実はさ「うむ、クリスはカズマに盗賊スキルのスティールを教えた際に、公衆の面前でパンツを剥がれ、さらにあり金を毟り取られたのだ」お、おいあんた何言ってんだ!間違って無いけど待て‼︎」

 

和真が答えるより先にダクネスが説明してくれた。必死に弁明しようとしているが、ダクネスの言ったことに間違いは無いらしい。

 

……どん引きだ

 

「お、おい何だよ真路郎!その顔やめろ‼︎」

 

「う、ぐす。自分のパンツの値段は自分で決めろって、でないと我が家の家宝として奉られる事になるって。ぐす」

 

…ほんとどん引きだよ

 

クリスが更に和真の悪事を暴露し、和真は必死に取り繕うとするも周りの冒険者、特に女性からの視線が冷たくなっていく。

 

「ダクネス、私これから稼ぎのいいダンジョン探索に参加してくるね。下着を人質にあり金失っちゃったしね!」

 

「おい、待てよ!この状況放ったらかして行くなよ‼︎アクアとめぐみん以外の視線が冷たすぎる!」

 

開き直ったのかクリスは、金策に出掛けることにしたらしい。和真はクリスを引きとめようとするも、そそくさと去って行ってしまった。

 

「…それで、カズマは無事にスキルを覚えられたのですか?」

 

残された俺達の間には凄く気不味い空気が流れたが、めぐみんが話題を転換させた。

 

「あ、ああ!見てろよ?いくぜ、『スティール』!」

 

和真は叫び、めぐみんに右手を突き出した。一瞬眩く光ったその手には黒い何かが握られている。

 

すると、横にいるめぐみんの顔が赤くなり、俯いてしまった。

 

和真が盗ったものは…。

 

 

 

 

そう、パンツである。

 

 

 

 

……どん引きだよ!

 

「…何ですか?レベルが上がってスキルを覚えて、変態にジョブチェンジしたんですか?…スースーするのでパンツ返して下さい」

 

「あっ⁉︎あれー、おかしいな!盗めるものはランダムなはずなのに⁉︎」

 

慌てふためく和真は、テンパっているのかめぐみんのパンツを持ったまま、右往左往していた。

 

「和真。早くめぐみんに返せよ」

 

「あ、ああ、そうだな。…頼むからその顔やめろ。お前の視線が一番キツイんだよ!」

 

和真はめぐみんにパンツを手渡しながら、半泣きで訴えてきた。自分が今どんな顔をしているのか分からないが、表情筋が引きつっているのだけは分かる。

 

「ああ!こんないたいけな青少年が、あんなにも人を蔑んだ表情をするなんて‼︎」

 

ダクネスが何かブツブツと言い出した。そして意を決したように和真に詰め寄った。

 

「やはり私の目に狂いは無い!こんな幼げな少女の下着を公衆の面前で奪い盗るなど、なんて鬼畜なんだ!それに加えて少年の蔑む眼!…私を!私をあなた達のパーティーに入れて欲しい‼︎」

 

「いらない」

 

「んん…!くっ…!」

 

興奮気味に捲したてるダクネスに和真は即答。だが何故か顔を赤らめ身震いをしている。

 

そう言えばダクネスについて何も知らないな?俺と同じ考えなのだろうか、アクアとめぐみんも似たような表情をしていた。

 

「ねえ、カズマ。この人誰?昨日、私とめぐみんがお風呂に入っている間に来た人?」

 

「この方、クルセイダーではないですか!断る理由は無いのではないですか?」

 

ダクネスの冒険者カードを見ながら、めぐみんは頭を抱えるカズマを訝しんでいた。たしか、クルセイダーは戦士系の上級職だったはず…。

 

(なんで和真は頑なに嫌がるのだろうか?)

 

そんな事を考えていると…

 

 

 

『緊急!緊急クエスト!街の冒険者は各員、街の正門まで集まって下さい!繰り返します。街の冒険者は各員、街の正門まで集まって下さい‼︎』

 

ギルド職員の声と警戒音が、けたたましく町中に鳴り響く。

 

「一体何なんだ⁉︎」

 

突然の事に和真が声を上げる。

 

「何ってキャベツよ。キャベツ」

 

…今、アクアは何て言った。

 

俺と和真は、は?何言ってんだこの駄女神。といった表情をするも、ダクネスとめぐみん、他の冒険者はアクアの発言に意を返さぬように支度をし、正門へと走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

正門を出ると冒険者がひしめき合い、異様な空気が流れていた。

 

「今年は荒れるぞ」

 

誰が言ったのか分からない、その言葉にゴクリと喉を鳴らす者もいる。

 

「嵐が…、来る…!」

 

めぐみんの言葉で場の緊張はピークに達した。

 

(…何これ?)

 

隣に立つ和真も、俺と同じで場の空気についていけてないようだ。

 

「…なあ、和真?これ俺達がおかしいのか?後衛の魔法使いのめぐみんが、何で最前線でポーズとってんの?」

 

「すまん…。俺も分からん」

 

「二人共いいか?」

 

和真2人で状況についていけない中、ダクネスが俺達に話しかけてきた。

 

「このキャベツ狩りで、私のクルセイダーとしての力を見せよう。だから私のパーティー入りを考えてくれ…。しかとその眼で見極めて欲しい!」

 

そう言うとダクネスは最前線へと去っていった。その後ろ姿は正しくファンタジーに出てくる騎士だった。

 

「ごめん、和真。俺、キャベツ狩りで鬼殺隊士の力をどうやって見せれば良いか分かんない…」

 

「ああ、俺もどう実力を見極めたらいいか分かんねー」

 

2人で顔を見合わせていると、アクアがキャベツについて説明してくれた。

 

「あんた達は知らなかったわね。この世界のキャベツは、収穫の時期になると飛ぶのよ!食べられてたまるかとばかりに。だから私達は一玉でも多く捕まえて、美味しく食べてあげようってわけよ‼︎」

 

「俺帰っていいか?」

 

和真はやる気を無くしたのか帰ろうとし、それをアクアに引きとめられて喧嘩し始めた。

 

「来たぞーー‼︎‼︎キャベツ狩りじゃーー‼︎」

 

「マヨネーズ持って来い‼︎」

 

冒険者達の雄叫びあたりに響く。どうやら始まったみたいだ。

 

「キャベキャベキャベキャベキャベキャベ」

 

これは鳴き声なのだろうか?迫り来るキャベツの大群に目を向ける。

 

(…数多くないか?それに、なんか、かわいい顔してるな)

 

周りの冒険者達は一斉に飛び出して行く。だが…

 

「うわぁ!」「ぐっ!」

 

キャベツの突進攻撃で吹き飛ばされ、苦戦を強いられていた。予想以上の強さだ。そんな中、ダクネスが前に出た。

 

「セヤァァァ‼︎」

 

気合いが入った掛け声と共に、両手で握られた剣を振るい連撃を叩き込む。

 

「キャベキャベキャベキャベ」

 

「……」

 

ダクネスの顔が真っ赤に染まった。一撃も当たらなかった。嘘だろ?

 

和真も信じられない物を見る目になっていた。

 

「ぎゃぁっ!」「ぐわぁっ!」

「おい!逃げろ!」

 

何人かの冒険者がキャベツにやられ、起き上がれなくなっている。そこにキャベツの追撃が迫っている。

 

「くっ!ここは私が防ぐ‼︎その間に体勢を立て直せ」

 

間一髪でダクネスが間に割り込み、身を挺して冒険者を守った。大の男たちを吹き飛ばす攻撃を、防ぎきっていく。

 

(…すごい防御力だ)

 

俺はダクネスの強みは高い防御力なんだと、思わず感心して見入ってしまった。しかし、横にいる和真は何か違ったらしい。

 

「こいつアレだ。ただのドMだ…」

 

和真の発言にもう一度ダクネスに目を向けると…。

 

キャベツが当たるたびに、顔を赤らめ息を荒くしていた。

 

(そっかぁ…。うん、人の性壁をどうこう言ったらダメだよね?人に危害を加えているわけじゃないし…)

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、爆裂魔法を操る者!今こそ混沌の闇を払いし時‼︎『エクスプロージョン』‼︎‼︎」

 

 

 

ドカーン‼︎‼︎‼︎

 

 

 

…めぐみんがダクネスごとキャベツを吹っ飛ばした。爆裂魔法が直撃したにも関わらず、その表情は光悦とし普通に生きていた。

 

(うん、もういいや。俺もキャベツ狩りを始めよう)

 

こうして、俺の異世界て初めてのキャベツの収穫が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

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