ペースは(飽きない限り)頑張るので、お付き合い下さいませ。
伊藤空月は人生をやり直している真っ最中である。
厳密に言えば、過ごす世界も両親も名前も違うから、別の人生というべきかとしれない。
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理系がからきしな空月は、物理の学年末テストで一桁を取り、再再々テストを漸く終えて貴重な休みを3日潰したことにガッカリして、呟いた。
「どこでもいいから違う世界に行きたい」
できれば物理がない世界。
すると、強烈な眠気が空月を襲い、気がつけば目の前に大量の幼児がいた。
外で鬼ごっこをしている子もいればブランコをこいでいる子もいる。ごっこ遊びをしている子もいれば、絵を描いている子もいる。
周りはファンシーな玩具でいっぱいで、壁には幼児特有のなんとも言えない絵が飾ってある。
ついでに言えば、なんと形容したら分からない色のもやが背中あたりに張り付いていて、霊と思しきモノがチラホラと見える。
呆けていた空月を心配した先生が寄ってきて言った言葉で確信がついた。
「くづきくん、大丈夫?お引越ししたばかりで疲れたのかな?」
俺は時間を遡り、別の誰かの人生を送っている、と。
異常事態に陥って、頭の中はすっかり混乱状態だった。
取り敢えず先生に大丈夫だと言って、トイレの個室に篭った空月は自分の言動と結果ともやについてと現在の状況を噛み砕いた。
自分がこうなったのは違う世界に行きたいと願ったからで、もやはそれを叶えたが、力をうまく扱えず、こんな風貌で、違う名になってしまったと。(ついでに先ほど確信した別の誰かの人生を乗っ取ったようなわけでなく、存在を捩じ込んだだけらしい、盛大にからかわれて赤っ恥をかいた)
もう一度寝てみても、故意に頭をぶつけても、元の世界に戻る事は無かった。
空月はとうとう諦めて、開き直った。
どうせ違う世界なら、少なからず前の世界との相違点もあるだろう。職なら尚更だ。今までの狭い視野から解き放たれ、この世界を満喫してやろう!幸いな事に引っ越したばかりで先生は前の自分の性格を把握していないし、親も引っ越し先の他の子供の影響を受けたと装えば何ら問題は無い。
そう思い、意気揚々とくまさん組に帰った空月は早速失望した。
何故なら、目の前に恐らく苛められてるであろう1人の子とそれを取り囲む3,4人の子供がいたからだ。
ただし、失望したのはその事ではない。苛められてるであろう子に嫌というほど見覚えがあったのだ。
黒いくせっ毛に青い目。
将来有望な目鼻立ち。
そう、彼の名前は藤丸立香。スマホゲーム「Fate/Grand Order」に登場するプレイヤーキャラクターであり、人理焼却を目論む魔術王に対し戦いを挑んでゆく主人公である。
空月は心中で叫んだ。
(ここFGOの世界かよォォォ!!!!!)
空月って書いてくづきって…(苦笑)
なんか勘違いされる人って他人から凄く評価高いからなんか綺麗な感じの響きの名前が欲しくて取り敢えず空と月をくっつけたんですけどこれは無い。
もうちょっとマトモな名前思いついたら修正します。