Fate/Dimension Loster   作:蛇苺

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今回寝ぼけ眼で仕上げたので、誤字脱字あるかもしれません。
その場合、ご報告頂けると大変ありがたいです。


act.2 神様なんて信じていない僕らのために

藤丸立香は一般人である。

 

ティーンエンジャーという瑞々しい響きを持った期間真っ只中で、運動も学力も並、決断した時の行動力の速さが個性のごく普通の学生だった。

一般人であるというのに学生だったというのは()()()()おかしいだろうが、彼が今まさに立たされている境地としては何ら不思議でも何でもなかった。

 

夏休みのはじめに、立香は駅前で妙な張り紙を見つけた。

【私たちと共に、世界を救うヒーローになりませんか。】

変な宗教団体が貼ったような張り紙だ。パソコンで印刷されたそれは、その一文と電話番号、それからカルデアと書かれた団体名のみだった。

誰も彼もが素通りをしていく中で、立香はその張り紙に釘付けになっていた。

どの道ほうっておいたら張り紙剥がしの人がコンパニオンクラブの張り紙と一緒に処分されるだろうと思い、それを剥がして家に持ち帰った。

 

その後、電話をしてそれをする期間や、どこにあって何をするかをこと細かに聞き出した所、どうやら海外の人類史資料館でアルバイトをするということらしい。

それにしては大分大仰なうたい文句だと思ったが、交通費も向こうが出すということで、短期海外留学のつもりで行ってこいと両親から背中を押され、カルデアに赴く事になった。

 

さて、実際カルデアというのはただの資料館ではなく、人類継続保証機関である。故に隔離された場所にあらねばならず、標高6000mもある雪山を歩き続け、いきなりの量子ダイブに疲弊し、某生き残った男の子の様に魔術という非現実的なものに直ぐに順応することも出来ずに流された結果、立香はファーストミッションから外されてしまった。

 

(ヒーローって言葉に釣られて来た上にうたた寝で外されるとか…)

カルデアで出会ったマシュという少女に案内されて割れ当てられた部屋へ謎生物、フォウくんと一緒に向かいながら立香は心中で溜息を吐いた。

立香が張り紙を見てお菓子をあげると言われた子供の様について行ったのには「ヒーロー」といううたい文句があったからである。

 

幼い頃、日本人に珍しい青い目だからかガキ大将+αの標的は専ら立香だった。その時、引越してきた伊藤空月というヒーローが見せた後ろ姿に憧れて、立香にとって正義やヒーローという言葉が、やけに輝かしい言葉となって鮮烈に記憶された。

 

立香にとっての空月は、友であり、ヒーローだった。

だから彼もなりたかったのだ。

自分が救われたように、誰かを救えるんじゃないかと。

いつか、空月(ヒーロー)の隣に立てるんじゃないかと。

 

だが現実はどうだ、破壊された人理。燃える施設。少女ひとり救うことすらできない非力さ。

どう足掻いてもどうにもならないのだと、嫌というほど思い知らされた。

そして、それは今現在も。

 

「いや―――いや、いや、助けて、誰か助けて! わた、わたし、こんなところで死にたくない!」

「だってまだ褒められてない……! 誰も、わたしを認めてくれていないじゃない……!」

 

カルデア所長、オルガマリー・アニムスフィアの嘆きが響く。

彼女にとっての唯一の支え、レフ・ライノールの裏切りによって、彼女は今、カルデアスにその身を投じさせられようとしていた。

 

「どうして!? どうしてこんなコトばっかりなの!?」

「誰もわたしを評価してくれなかった! みんなわたしを嫌っていた!」

「やだ、やめて、いやいやいやいやいやいやいや……! だってまだ何もしていない!」

「生まれてからずっと、ただの一度も、誰にも認めてもらえなかったのに―――!」

 

(救え、ないのか)

(所長を、目の前で消えるモノ()を)

 

(……させるもんか)

立香の中に一抹の消えかけていた炎が再び灯った。

 

(何でもいい!俺に力を貸してくれ!!)

 

心の限り叫ぶ。彼の願いを。

「誰でもいいから!!助けてくれ!!所長を!!この世界を!!」

 

オルガマリーがカルデアスに触れようとするその時。

 

カルデアスから出てきた()()が、オルガマリーを立香達の方へと引き戻した。

デミ・サーヴァントとなり、少なくとも立香より力が上のマシュが咄嗟に受け止める。

オルガマリーはいつまでも来ない死の感覚に怯え、放心状態ではあるが、まだ精神体は死んでいなかった。

 

「立香」

 

懐かしく思う声が呼ぶ。

 

「よく頑張ったな、後は任せろ」

「……サーヴァント、ではないな…生身の人間が生き残っている筈はない…貴様一体何者だ?」

 

「これは失礼した」

 

(我々)の名は伊藤空月。人間になり損ねたただの人間(怪物)さ」

 

滲む視界の中、堂々たる出で立ちで、レフの前に立ちはだかる空月の背中は、やはり、とても大きく見えた。




〜一方、幕裏〜
私「この世界、中々はっきり大きな事を願う子がいないわね」
俺「フジマルリツカ、っていうのが主人公らしいから期待してたのにな」
僕「てか人理焼却されちゃってますけど」
あたし「あたしらはこの世界の人間じゃ無いし、関係ないっしょ」
空月「( ˘ω˘ ) スヤァ…」
僕「って、思いっきり消えてるじゃないですか!?」
俺「中身が無くなったら体俺達が貰うだけだしいーだろ。あーてか暇だわ、何ここ。なーんもねぇ」
(誰でもいいから!!助けてくれ!!)
私俺僕あたし「「「「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」」」」
俺「一番は貰った!!」←本編介入の為身体の主導権握り退場
僕「……冷静になってみるとあれリツカ君の声でしたよね。俺君上手く誤魔化せるんでしょうか……」
私「結構香ばしい展開になってそうね」←大当たり

次話は明日投稿できたらやります。
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