―ある日の休憩時間中―
「あーやっと休憩だ!今更だけどこの仕事ってなかなか疲れるな」
「お疲れ様です。提督」
そう言って提督にお茶を差し出すのは古鷹。今日の秘書艦でもある。
「ありがと古鷹……うん、やっぱり自分で淹れるお茶と比べると全然おいしいな」
「そうですか?特に味は変わらないと思うんですけど…」
「いやこれが違うんだよ、淹れる人が変わるだけでお茶はその味を変えていくモノなんだよ。俺が淹れるお茶は何故かただお湯と同じような感じなんだよ」
「それって単に茶葉を変えないでいるだけなんじゃ…」
「いや変えたりするよ?けど何かお茶が全然薄いんだよ毎回毎回」
「そうなんですか…不思議な事もあるんですね」
「まぁ、お茶にこだわりとかあるわけじゃないからそんなに気にしてはいないけどね」
一気にお茶を飲みほす提督。古鷹にありがとうと言い茶碗を返す。
「…ところで提督」
「んー?」
「前に加古と2人で朝早くからおしゃべりしてたんですよね?」
「ああしてたよ?…何を話してたのか気になるって感じかな?」
「はい…すみません。加古に聞いても秘密だって言って教えてもらえなくて」
「?何も秘密にするほどの話しはしてないと思うけど…」
「そうなんですか?でも本人は楽しそうに言ってましたけど…」
(…もしかして、あのダンスの事か?だとしたら俺的にもあまり広まるのはよろしくないかな?)
提督はふと思った。
「大したことは話してないよ?加古がまた古鷹に怒られたって事を話してただけで」
「はあ~、加古ったらまたそんな事を…すみません提督、後でしっかり言っておきますので」
「ハハッ、その様子じゃ古鷹も相変わらずそうだな」
「そうなんですよ~…はぁ、加古ってば本っ当に寝てばっかりで毎回私が起こさないとずっと起きないんですよ!それに最近なんか寝ながら食事する事もあるし、というか寝ながら食べるってなんなんですかアレは!?」
「おーおー落ちつけ落ちつけ。てか、寝ながら食事するって…それ特技みたいだな。ある意味」
「そんな呑気に言わないでくださいよ~、他にも色々とあるんですから、提督も知ってるじゃないですか」
「まぁな、加古が秘書艦のときはいつもより仕事が遅く終わるってのはあるが…」
「提督は加古のときだけ他の娘達よりもおしゃべりし過ぎなだけです!もう少し提督も気をつけてください!」
「手厳しいな古鷹は、でもその日の仕事はちゃんと終わらせてるぞ?確かにおしゃべりは多いがその分、楽しく仕事できてるって感じだぞ?」
「そういうところも加古に甘いっていうことでもあるんですよ!」
「わ、分かった!今度から俺も気をつけるよ」
あまりの古鷹の迫力に後ずさる提督。
「全くもう、お願いしますね提督?」
「あ、ああ分かったよ……加古絡みになると人が変わったようになるのも相変わらずか」ボソッ
「何か言いました?」
「いや何も言ってないです!」
古鷹のこういう一面を知っている提督は、自然と敬語になって返事をした。
「…それに加古との時間が楽しいなら、私との時間はそうでもないって事ですか?」
不服そうに提督言う古鷹。
「そんな事ないよ!古鷹との仕事も楽しいって!…お茶淹れてくれるし」
「それお茶淹れてるだけじゃないですかぁ!」
「あー!違うって!本当に楽しいって!」
何故か次第に焦ってくる提督。
「……加古ばっかりそんなに提督話せてズルいです」ボソッ
「おいおい、俺もそこまで加古とばっか話してるわけじゃないぞ?」
「!?…聞こえてたんですか?」
「だってここ俺ら2人しかいないし、それにお互い距離近いし」
「っーーーー!」///
聞こえていたことに顔を赤くする古鷹。思わず顔を両手で隠す。
「…でも、俺も古鷹からそんな風に思われて嬉しいよ?ありがとな♪」
「ぅー……凄い恥ずかしいです」///
「さてと、そろそろ休憩も終わるし仕事に戻るか!」
「…はぃ」///
そのあと、提督と一緒だった古鷹はずっと顔が赤いままだったとか。仕事が終わった後もすこし顔が赤いままだった。
「ふぃー終わったー!古鷹お疲れ様、ありがとな!」
「いえいえ、それが秘書艦の務めですから♪提督もお疲れ様です…それと…」
提督に何か言いたげな古鷹。
「……今日あったことは他の人には言わないでおいてくださいね?」///
「ん?あー…………うん」ボソッ
「提督っ‼」///
「分かってるよ、言わないって、言うわけないだろ?俺まで変に皆からいじられちゃうかもしれないし」
「はぁ~…お願いしますね?」
「そんな溜め息ばっかりついてると幸せまで逃げてくぞ?」
「もうつき過ぎて、他のものまで逃げてますよ…」
「ハハハッ!、それは大変だな!まさか古鷹がそんな事言うなんてなぁ~」
「今回は提督が悪いですよ!もう!」
「悪い悪い、あ…そうだ、お詫びといっては何だがこれ持っていってくれ」ヒョイ
「?何ですかこれ?」
古鷹にある袋を渡す提督。
「この間出掛けてきたんだけどそのお土産だよ。白い恋人って洋菓子なんだけどな、これが旨いんだよ。加古と2人で食べな」
「へぇ~…いい名前の洋菓子ですね、白い恋人かぁ…ありがとうございます!提督♪」
「おう♪んじゃ、引き留めておいて悪かったな、また頼むな古鷹」
「はい!では、失礼します!」
古鷹が執務室から出ていき1人になる提督。
「………よし」
そう言ってデスクの引き出しからタブレットを取りだし、ある動画を流す。
「練習するか」
執務室のカーテンを締め、廊下に誰もいないことを確認した提督は1人ダンスの練習を始めた。
「~~♪~~~♪」
その顔は無邪気にはしゃぐ子供のような顔だった。
自分の部屋に戻ってきた古鷹。
「ただいまー」
「あぁ、おかえりー…っと、そこっ、銃剣突撃だ!」アァッー‼
「何?それ新しいゲームだよね?」
「うん、バト〇フィールド1ってやつ。前作4の次のやつ」テキノカンゴヘイダゾ!キヲツケロ!!
「あっ、そうなんだ!でも何か昔みたいな感じだね」
「今から100年前の第一次世界大戦が舞台なんだって、あー!敵に銃剣突撃やられたー!」エアァァァ!!
「ふ~ん、あぁ提督からお土産貰ったから後で食べよ?」
「お!本当に?さすが提督分かってる~♪」マケマシタ
「お風呂あがってからだからね?今はダメだよ?」
「分かってるって~♪早く食堂行こ古鷹!」グイッ
「ちょ、ちょっと!いきなり引っ張らないでよ!…全く、もう」
今度は古鷹が加古に手を引かれるという逆のかたちに、2人が食堂に向かった後も、部屋に置いてあるゲーム機は電源がずっと点きっぱなしだった。
(今度提督にお返ししなくちゃ♪)
そう思いながら加古に手を引かれる古鷹だった。