2017小野寺律生誕祭   作:bui

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何度でも恋

『あれ?ここどこだったっけ?』

 

目が覚めて、ぼんやりと目だけであたりを見回すと、そこは明るい光が差し込む白い壁の部屋だった。

 

 

 

俺は・・・。

 

仕事から帰ってきて、どうしたっけ?

 

えっと?

 

何だか頭の中がすっきりしない。

 

靄がかかったみたいに思い出さなければいけないことが浮かばない。

 

 

 

 

 

 

「律?起きた?」

 

「あ、先輩。」

 

先輩?

 

先輩だ・・・。

 

そうだ俺、先輩といたんだ・・・。

 

 

「そんなところで転寝してると風邪ひくぞ。」

 

 

 

先輩だ・・・。

 

先輩、先輩・・・。

 

 

「どうした?そんなにきょとんとした顔して?寝ぼけてる?」

 

先輩の細くて長い指が俺の頬をさする。

 

その指を手で包むように覆ってほおずりすると先輩の目が少し細められて優しく笑った。

 

 

先輩はいつだって俺のことを見ていてくれているのに、なんであんな夢を見たんだろう?

 

 

俺と先輩が誤解から別れて、そして10年後に職場で再開するなんて。

 

夢の俺は先輩を拒絶し続け、それでもやっと二人の時間がスタートしたのに、俺は素直になれなくて喧嘩ばかり・・・。

 

 

今、幸せ過ぎて怖いぐらいだからきっとそんな馬鹿な夢を見たんだ。

 

 

俺が先輩にひどいことを言うわけない。

 

 

 

そんなわけない・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩・・・。あ、すみません・・・。」

 

どうしても慣れなくて俺はつい先輩のことをそう呼んでしまう。

先輩は恋人らしくないから名前で呼んでといつも言ってくれるのだけどとても名前でなんて呼べない。

 

恐れ多いし恥ずかしい。

 

名字でさえも精いっぱいなのに、ま、政宗さんだなんて・・・。

 

ほ、ほら・・・。

 

想像しただけで顔が火照ってやけどしそうなぐらいだ。

 

「なんでそんなに真っ赤になってんの?やらしいこと想像しちゃった?」

 

先輩が挙動不審の俺に気づいて顔を覗き込んだと思ったら、頬の指を顎に回しててくいっと上を向かせようとする。

 

え?え?え?!こんな昼間からキスするの?

 

慌てて肩をすくめて目を瞑ると先輩がおかしそうに笑ったので、自分の勘違い気づいてもっともっと恥ずかしくなってうつむいてしまった。

 

泣きたい・・・。

 

キスされるかと思うなんて恥ずかしい。

 

ドキドキしっぱなしで恥ずかしい。

 

先輩に笑われて恥ずかしい・・・。

 

 

「はぁ・・・。お前さあ・・・。」

 

先輩の呆れたような言葉が頭の上から聞こえて来た。

 

 

どうしよう。

 

またうざいって言われちゃうかもしれない。

 

 

 

「ま、いいや。今日はお祝いだからさ。予約のレストランにそろそろ行こう。」

 

先輩がポフポフと俺の頭に手をのせて二度叩いた。

 

今までのちょっと落ち込んだ気持ちがフワリと上がって、急に何だかうれしくなってくる。

 

そう、俺はこの春先輩の通っている大学に無事に合格できたのだ。

 

 

 

先輩がご両親の離婚で香川に引っ越しをしてしまった夏、俺もまたイギリスへの留学が決まっていた。

 

小野寺の家の男は昔から海外で遊学をすることが暗黙のルールのようになっていた。

 

まだ渡欧の制限も厳しい、何代か前の当主からずっとそうしてきたと俺は知っている。

だから小さいころからそうするものだと思っていたけど、いざその年齢になったときに俺は先輩と出会ってしまった。

 

見ているだけの日々だったら、想いを吹っ切るために自らその状況を受け入れただろう。

 

しかし想いを交わしあった後は、ほんの少しの時間さえも離れたくなかった。

 

それが何年もだなんて・・・。

 

とても受け入れがたかった。

 

 

 

 

嫌だ嫌だと本当の理由は言えずにハンストで抗議をしたら、ヘロヘロの俺のところにわざわざ香川から先輩が来てくれて、勉強はできるときにするもんだと俺を諌めたのだ。

 

 

距離ぐらいで負けるような気持なのか?と背中をさすられ髪をなでられ、俺は言葉に詰まってしまった。

 

言っていることは分かる。

 

でも・・・。

 

でも、でも、でも・・・。

 

 

先輩は平気なんですか?俺と二年も会えないんですよ。

 

ヤッパリ先輩は俺のことなんて・・・。

 

 

 

ドンどん気持ちが落ち込んでもう消えてしまいそうになっていた俺に

 

「めそめそしないで。大学はこっちに帰ってきてさ、また一緒に通おう。」

 

先輩がそういった。

 

 

「先輩、俺自信がないです。先輩が俺のことを待っていてくれるなんて、そんな調子のいいこと思えないです。」

 

まためそめそと泣く俺に

 

「律のためになら、俺は東京にだって来るし、イギリスだって飛んでいく。俺は律の傍にずっといるつもりだから。」

 

と、先輩がまるでプロポーズのように言ってくれたのだ。

 

うれしてうれしくて、先輩がますます好きになってもう俺の好きの気持ちは小さなビーカーでは収まらなくなっている。

 

いつか先輩にふさわしい自分になって、俺の気持ちごと全部先輩にもらってもらうのだ。

 

 

そう思うことがその時の俺には精いっぱいだったから・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのあと、4月から大学に通うために先輩はすぐに東京に戻って来たけど、俺は二年もの間、厳格なイギリスの学校に通っていた。

 

 

メールのやり取りをしたり、長期休みの帰国には毎日のように会っていたけど、それでも先輩のいない毎日の方が圧倒的に長く、俺は毎日必死に学び、帰国の日を指折り数えて暮らしていた。

 

両親はそのまま海外の大学に通うことを望んでいたけど俺は帰国をし、半年間の受験勉強の末先輩と同じ大学の合格通知を手に入れたのだった。

 

 

 

先輩とまた同じ学校に通える。

 

そう思うだけでこの辛かった二年と半年間の受験勉強も全部いい思い出だって思える。

 

今この時のために頑張って来たのだ。

 

俺はきちんと先輩の隣に立てるような男になります。

 

 

だから先輩、あまり急いで先に行かずに俺を待っていてください。

 

 

頑張って追いかけるのでお願いします。

 

 

 

 

 

 

俺たちはその夜、学生の身には過ぎたおしゃれなお店で夕食を食べた。

 

たわいもない話が出来る事に感動して、こらからの毎日に夢を膨らます。

 

でも、先輩か目の前にいるなんて、やっぱり慣れない・・・。

 

まだ未成年の俺なのでお酒は飲めなかったけど、先輩は20歳になっていたのでスパークリングワインを頼んでいた。

そして俺は先輩がお酒を飲む口元に見惚れて食事が遅れてしまった。

 

「食欲ない?」

 

先輩が心配そうにそういうので失敗したとわかり顔が赤くなる。

 

「いえ、違います。そうじゃなくて・・・。」

 

先輩に見とれてたなんて恥ずかしくて言えない・・・。

 

「食事、口に合わなかった?」

 

少し暗い声でそう言うので先輩が誤解をしていることが分かった。

 

違うんです。先輩が素敵で、俺が先輩が好きすぎて・・・。

 

「せ、先輩がお酒を飲んでるのがかっこよくて・・・、あの・・・。すみません・・・。」

 

 

俯いてしまったので先輩がどんな顔をしているのか分からなかった。呆れられているに違いないと思うと余計にしょんぼりしてしまう。

 

「律が・・・、」

 

沈黙を破るように先輩が話を始めた。それはいつもと同じ低い声だったのに、なぜか春風のように優しく感じた。

 

「20歳になったら一緒にお酒を飲みに行こう。ほかの誰に誘われても初めては俺とな。」

 

俺は顔を上げたけど言葉を返すことはできず、ただ先輩の目を見つめ続けた。

 

あまり表情を変えない先輩が俺に優しく笑う。まるでやっとほころび始めた薄い薄い白に近い桃色の桜の花のように。

 

それは、俺に呆れてなどいないと一生懸命告げてくれているようで、うまく言葉にできない俺のことはみんなわかってくれている・・・。

 

心臓がどきどきするけど、同じところにある心がホンワリと温かくなった。

 

 

「律、18歳のお誕生日おめでとう。」

 

 

「先輩、ありがとうございます。

 

今日俺は18歳になったのだ。

 

 

 

 

 

 

大学は始まってもすぐに授業とはならなくて、むしろ雑事が多かった。

 

一般教養はできれば早めに単位を取りたいと思うと、パズルのような時間割の組み合わせになってしまって頭を悩ませた。

 

俺はバイトはしていないので曜日のくくりなど無くて遅い時間に授業を入れられるけど、先輩はできればもう親の世話にはなりたくないと言ってバイトを頑張っていた。

 

一応仕送りはもらっているようだけどそれに手を付けたくないのだそうだ。

 

そう、俺は先輩の両親が先輩を犬の子のように放り出したのを知っている。

 

だから俺はその話になると悲しくなって何も言えなくなってしまうんだ。

 

本当は先輩のために何かしたいと思うけど俺に何ができるんだろう?

 

身の回りのことさえ、俺はまだ全然できていないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大学に入ればもっともっと先輩と一緒にいられるものだと思い込んでいた。

 

でも現実はそうではなかった。

 

偶然学食などで見かける先輩は、背の高い凛々しい顔をした友人と談笑をしていることが多く、その人とはバイトも一緒だと言っていた。

 

あんな楽しそうな顔の先輩を見たのは初めてだ。

 

 

昔、高校生の時の先輩は友人と一緒にいることは少なかったように思う。

 

もちろんカッコイイ先輩だから女性にはもてたし、一緒に帰ったりする姿は見かけることはあった。

 

俺はいつだって先輩が幸せならいいと思っていたから先輩の付き合っている人に嫉妬などしたことはなかった。

 

 

だって・・・。

 

先輩のことを好きだと言うつもりはなかった。

 

それどころか近づくつもりもなかった。

 

遠くから見ていられれば良かったんだ・・・。

 

なのに・・・・。

 

 

なんであの人と仲良く笑っている姿を見るとこんなにもやもやしてしまうんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

温かくてウキウキする季節が終わって、じめじめとした暑苦しい季節が始まった。

 

日本は四季の美しい国のはずだったのに、最近はいきなり季節が変わる。

 

今日は久しぶりに先輩と会う。

 

恋人同士のはずなのになんで一か月以上も会えないのかというと・・・。

 

 

俺が知ってしまったから・・・。

 

 

 

 

俺から近寄らないと先輩は俺に近づかない。

 

高校生の時だって、先輩から名前も聞かれずずっと勘違いされていたし、図書室に行かなければ先輩とは何日も会わない日が続いた。

 

 

そしてそれは今も同じなのだ。

 

 

 

先輩がバイトや友人との付き合いに忙しそうにしているのを知っているから、俺からは会いたいと言うどころかラインさえもできずにいた。

 

先輩から返事が来れば返事を返したくなってしまうし、そうすると先輩の時間が削られる。

 

わがままな俺の気持ちを先輩に押し付けるわけには行かない。

 

 

 

だから先輩が俺の持っている資料を貸してほしいとラインをくれた時には飛び上がりたくなるほどうれしかった。

 

それを口実に先輩に会えるんだから・・・。

 

 

 

 

 

先輩のマンションは5階建てで、先輩の部屋は4階の角部屋で、マンションの隣に小さいお寺があるために窓の外には季節になると綺麗に桜が見えるのだそうだ。

 

見たいと思いながら今まで一度もそれを見たことがない。

 

だって、今まで俺の部屋に来てくれることがあっても俺から先輩の部屋にお邪魔すること自体がほとんどなかったから。

 

 

 

 

 

今はもうアジサイの季節になってやっぱりお寺の生垣のアジサイがきれいに見えていた。

 

久しぶりに先輩に会える・・・。

 

先輩の部屋からもあのアジサイは綺麗に見えるのだろうか?

 

お菓子を買ってきたけど先輩は気に入ってくれるだろうか?

 

 

そんなことを考えながらドキドキして呼び鈴を押すとほどなくしてドアが開いた。

 

しかし中からは先輩ではなくいつも一緒にいる背の高い男の人が出てきたのだ。

 

 

「ああ?」

 

その人は俺の顔を見て不審げにそう言って俺をにらんだ。

 

俺は、とっさにはなんと言っていいかわからずにそのままでいると

 

「なに!?」とさらにその人は眉間の皺を深める。

 

怖い・・・。

 

「あ、あの先輩に頼まれたのでこれを持って来たんです。」

 

やっと言葉が出て、紙袋に入った資料を胸のあたりにあげると「政宗に渡せばいいんだな。」とその人はそれを俺から引きはがして俺の返事も待たずにドアをばたりと閉じたのだ。

 

呆気に取られてなにが起こったのか分からないまま、俺は開かないドアをしばらく見つめていた。

 

 

でももうドアは開かない。

 

もう一度呼び鈴を押す勇気は出ない。

 

そもそもなんであの人が居たんだろう?

 

しかもあの人は先輩のことをマサムネと呼んだ。

 

そして・・・。

 

先輩は俺に会うのを楽しみにしていてくれてはいなかったことを知ってしまった・・・。

 

 

今日、俺が来る事を知っていたのに友人と部屋で遊んでいたのだ。

 

本当に資料が欲しかっただけだったんだ。

 

俺が口実にしているように先輩も理由を見つけて俺と会おうとしてくれたと思っていたのに・・・。

 

そんな風に期待をしていた自分がばかばかしく思える。

 

 

なんでなんだろう。

 

恋をしても苦しいばかりだ。

 

 

 

 

 

 

もう・・・。

 

もう嫌だ・・・。

 

 

誰も好きになんてなりたくない・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい!おしまい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

ポロポロと涙を流している俺の目の前に突然ポンっと現れたのは、耳が長くてソックスを穿いてて、白くてピンクの・・・。

 

 

 

「ウサギ?」

 

 

 

「残念でした。私は妖精(ティンクル)です。」

 

そのぬいぐるみは俺に向かってステッキをくるりと回してそういった。

 

 

 

妖精(ティンクル)

 

 

「律ちゃんだめでしょ。せっかくお誕生日だからあなたの心残りを払ってあげようとしたのにまた同じことを繰り返すつもりなの?」

 

 

「心残り?」

 

「10年間離れ離れになったのは、もちろん先輩の責任もあるけど律ちゃんが一人でぐるぐるしちゃうからでしょ?」

 

 

10年間離ればなれ? あ・・・。

 

 

そうだ。俺は・・・。

 

先輩の言葉を最後まで聞かず、勝手に誤解して先輩に回し蹴りを食らわせて海外逃亡したんだ・・・。

 

 

 

「律ちゃんは何度やり直させても同じようなところで引っかかっちゃう。ヤッパリ律ちゃんと高野さんは10年間別れる運命だったのね。仕方ないわ。」

 

 

仕方ないって、どういうことなんだろう?

 

 

「ずっと後悔していたでしょ?あの誤解がなければって。」

 

そうだ。あの誤解がなければ俺と先輩は別れることがなくって、きっと今も・・・。今も・・・。

 

今も?

 

 

「ほらね。織田律のままでは律ちゃんが押しつぶされてだめなのよ。今の小野寺律でなければ本当のハッピーエンドは来ないのよ。」

 

 

ホントのハッピーエンド?

 

 

「人の幸せは誰かの我慢や犠牲では成り立たないのよ。そんなの長続きしないにきまってるでしょ。」

 

我慢?犠牲?

 

 

「今の律ちゃんは高野さんに言いたいこと言えるし、喧嘩もするし、だから仲直りもできるのよ。」

 

 

喧嘩・・・。

 

 

「後悔のない人生なんてありえないんだから、それはそれとしてちゃんと前を向いて歩いてね。」

 

 

 

妖精(ティンクル)はそう言うと星のステッキをぐるぐると振り回して俺の前から消えていった。

 

 

 

俺はまた何も確認しないまま先輩を一人にしてしまうところだったのだろうか・・・。

 

 

そう思って、先輩の部屋のインターフォンをもう一度鳴らそうと、指をそのボタンにかけたところで・・・。

 

 

 

 

 

 

 長い夢から覚めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っで、なんで朝からそんなに不機嫌なの?」

 

口をへの字にした俺に恋人は呆れたようにそう言った。

 

 

あの後目覚めた俺は、隣でスヨスヨと気持ちよさそうに眠る恋人を見つけて、腹立ちが収まらずそのでかい身体をベッドから蹴落としたのだ。

 

 

「夢の中の先輩があんまりにも冷たい人だったからですよ。」

 

そう言うものの、考えてみればそうではなかったのかもしれない。

 

挙動不審の俺との距離を図りかねて、どうしていいかわからずにいたようにも思える。

 

そう、俺が先輩に甘えないから困っていたのかもしれない。

 

 

「夢の中のことまで文句言われてもなぁ・・。」

 

俺は今高野さんの腕の中にいる。この人は俺を甘やかしたいと言っていたくせにいつだって挑発して最後は怒らせる。

 

そして俺はまんまと高野さんに煽られてむきになっていろいろと頑張ってしまうのだ。

 

ただ守られて生きるなんて、そんなのは嫌だ。

 

それでは高野さんの隣に気持ちよく立てない。

 

同等の人として自分を誇れない。

 

 

 

それでも夢の中の出来事をかいつまんで

「俺は一月も放置されて、横澤さんに袖にされて、本当に居たたまれなくて泣いたんですよ。」

と話すと、

「ハイハイ分かったわかった。ごめんよ。悪かった。」

と、高野さんは全然悪いと思ってないくせに(ま、思う必要もないけどね)そんな風に言いながら俺の身体に覆いかぶさって俺をスプリングの効いたベッドに沈めようとする。

 

「一か月もお前に触れないなんてお前の夢の中の俺はインポか?」

 

高野さんはにやにやと意味ありげに笑って、じたばたする俺の服をいつの間にかツルリと綺麗に剥ぎ、俺の首筋にバムっと噛みついてきた。

 

噛まれたところがじわじわと熱くなる。

 

あっちもこっちも舌で舐められて指でつままれて、身体が跳ねるのを止められない。

 

「何かっていうとすぐにこうやってなし崩しにしちゃうんだから。むかつく。」

 

兆し始めた下半身を悟られないように、高野さんの顔を俺から引きはがして身をよじりながら抗議すると

 

「お誕生日おめでとう律。今から新しい律を存分に味わってやるから安心しろ。そんな薄情な昔の男のことはさっさと忘れて俺にしときな。」

 

と極上の笑顔で言ったのだ。

 

 

 

顔で好きになったわけじゃないけど顔は極上品。

 

もうこうなったら何を言っても無駄なことだ・・・。

 

 

「夜レストランに連れてってくれるんですよね?ほどほどでお願いします。」

 

あきらめて俺がそう言うと

 

「りょーかい。」

 

と、高野さんは抵抗をやめた俺の身体中に甘いキスと落として俺たちは二人だけの世界に旅立ったのだった。

 

 

 

 

 

☆彡☆彡☆彡

 

 

果たして律ちゃんはお誕生日ディナーをレストランで食べることができるのか?

 

 

それは妖精(ティンクル)さんでも分からないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

では、おしまい。

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