麒麟児になりて   作:氷月

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最近ハードすぎる


10話

狼達の前に現れた二人のうちの桃色髪の女性がまじまじと狼をみる。

 

「よくもまあ、あんな芸当やってのけたもんだ。自分の倍以上の体格の男を蹴りあげる脚力、何より足で相手の服を掴むなんて易々とできることじゃない」

 

桃色髪の女性は狼の行動の難しさを理解しているのだろう、それゆえに狼を誉めたのだ。

 

「確かに堅殿の言う通りじゃな、自分の目で見ていなければ信じられんじゃろうな。」

 

続いて薄い紫色の髪の女性も思ったことを口にした。

 

「さっきからなんですか?それにどちら様ですか?」

 

自分達のいいたことを言う女性達に狼がそう言うと周りがざわめいた。

 

「ん?あー!悪いね、私は孫堅だ。」

 

「儂は黄蓋じゃ。」

 

 

狼に話しかけた二人は孫堅に黄蓋だった、周りのざわめきも当然だなと狼は納得した。

 

「孫堅様と黄蓋様とは知らず、ご無礼をお許しください」

 

「頭をあげろ、もとはといえば私がまだ長沙を纏めきれていないせいだ。」

 

そう言って頭を下げ謝罪をする狼に孫堅は頭を上げるように言った。

 

「堅殿もこう言っておるんじゃ頭をあげい、ところでお主らは二人なのか?」

 

「はい、そうです!」

 

黄蓋も頭をあげるように促す、そして幼い子供が二人でいることが気になったのか二人にたずねそれに、明命が答えた。

 

「お主らその年で駆け落ちはないじゃろう」

 

「はぅわ!?そ、そんなじゃありません!」

 

「なんじゃ恋仲ではないのか?」

 

黄蓋の駆け落ち発言を驚き顔を赤くしながらも否定した明命、しかし恋仲ではないのか?と聞かれたあと黙り何かぶつぶつと言っている。

 

「あはははは、そっちの娘は気があるみたいじゃないか、あんたはどうなんだい天水の麒麟児、姜維伯約」

 

明命の様子を愉快そうに笑う孫堅、しかしそのあとの言葉に狼は驚いた。

 

「なんで俺が天水の麒麟児だと言うんですか?」

 

自分はまだなのっていない、多くの場所でなを名乗っていない、容姿で判断するのも無理だろう、と。

 

「なんだそんなことかい、勘だよ、勘。あんたの反応からして間違い無さそうだがね。」

 

勘だよと言う孫堅の言葉に驚いた。勘で人をあてるのなんてどういう勘だよと。

 

「まあいい、あんたら私の屋敷にくるといい会わせたいやつもいるしな。」

 

「・・・はい、わかりました。」

 

孫堅の誘いに悩みながらも狼は応じ明命も頷いた。

しかし会わせたいやつとはいったい誰だろうかと狼は考えた、おそらく孫策、孫権、周瑜、程普その辺りではないかと思う。

 

「ふむ、ならば姜維、後で儂と手合わせするぞ」

 

「俺と手合わせしても面白くないのでは?」

 

「何を言うておる、先の動きが本気でないのは見ればわかる、儂に同じ事が出来なくても他にやりようがあるじゃろう」

 

手合わせすると言い出した黄蓋の誘いをやんわりと断ろうとしたが、先の動きを見られていたので不可能だった。そんなやり取りをしながら孫堅の屋敷に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

孫堅の屋敷に着き孫堅は家の者に誰かを連れてくるように指示をだした。

その間に中庭に移動し黄蓋と手合わせをすることになった。

お互いに刃びきした模擬刀を持つ。

 

「黄蓋様は弓ではないのですか?」

 

「確かに弓の方が得意じゃが剣も使える心配無用じゃ。お主こそ目隠しは取らんで良いのか?」

 

「いえ、取ります。そこまで自惚れていませんから。明命持っててくれ。」

 

そう言うと目隠しを外し明命に渡す。

 

「頑張ってください狼様!」

 

「ああ、頑張るさ」

 

明命の言葉に頭を撫でながら狼はこたえた。

全盛期に及ばない今、賊相手程度なら問題ないが猛将相手は初めてである、どれだけ手札を切るかも悩むところだ、あくまで手合わせ、手の内力量をさらしすぎるのも宜しくはない。

だが明命に頑張るといった以上情けない姿は見せられなくなった。

 

「判定は私がする、敗けを認めるか有効打が入ったら敗けだ、始め!」

 

孫堅の合図で手合わせが始まった。

黄蓋は模擬刀を正眼に構えるに対し、狼は模擬刀を左手で逆手にもち右足を半歩マエニダス、

体勢は立ったまま攻撃をする姿勢ではなかった。

 

「ふむ、珍しい構えじゃな、先手は譲ってやろう」

 

黄蓋は正直な感想を口にする。その構えは異質、防戦からの反撃狙いかと思い先手を譲るが構えは変わらなかった。

 

「ではお言葉に甘えて」

 

その言葉と共に狼は行動をおこした。

狼は持っていた模擬刀を上に投げたのだ。黄蓋の視線が一瞬狼から離れた。

その時、ザッと音がなり黄蓋はしまった、と思い急いで視線を戻す、先の戦いぶりで狼が体術も使えるとわかっていたからだ。この行動は誘導だと確信したのだ。慌てて視線を戻した先に・狼は・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだいた。下げた左足で地面を蹴った後であろう格好で。

その事に戸惑う黄蓋は動けなかった。しかしそれが狼の狙いだった。

狼がニヤリと笑った直後狼の勝利宣言があがった。

 

 

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