麒麟児になりて   作:氷月

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12話

狼達が孫堅の屋敷に泊まり始めてから2週間が経過していた。

狼達は早々に出ていくつもりだったのが、孫堅達に気に入られてしまったようで、出ていけないでいた。しかし旅を再開したい狼達は今晩脱出を計画していた。

この2週間街を散々つれ回され街の構造は理解している。

計画は練った、ただ唯一の不安要素は夏蓮と雪蓮の異常なまでな勘である。

因みに孫堅、孫策、周瑜、黄蓋とは真名を交換した。

はっきり言って二人の勘は勘と片付けていいレベルではない、はっきり言って異常である。

 

「いくぞ明命」

 

「はい」

 

小声で確認する狼と明命、置き手紙を残し部屋を出た。木に登り塀を越え走り出す。スピード勝負で負けるつもりはないが予定外の可能性があるかもしれない、その予感は的中していた。

 

「嘘だろ?冗談きついぞ」

 

「あ、あはは」

 

脱出地点に着いた二人を待っていたのは脱出地点に笑いながら立っている夏蓮と祭だった。

 

「いやー流石は私だな♪」

 

「確かそうですな」

 

嬉しそうに笑っている二人。

 

「勘弁してくださいよ夏蓮様、祭様」

 

「なら私に支えな狼、明命」

 

「だから俺達は旅がしたいんですって」

 

「それが終わってからでもいいぞ?」

 

「それは約束出来ませんって」

 

「なら今から支えろ」

 

平行線である。どちらも退かず決着がつかない。

 

「仕方ない、行くぞ明命!」

 

「はい!狼様!」

 

二人は走り出す。

 

狼の前を明命が走り夏蓮と祭の手前八メートルあたりで勢いを殺さず飛び上がり、狼は一回転し蹴りを放つ、その蹴りに明命がのり一気に跳躍、それを見上げる夏蓮と祭、そして明命は高い塀の上に着地し少し遅れて狼が着地した。狼は明命の長刀、魂切に鋼糸を繋ぎ、明命を飛ばした勢いで自身も跳んだのだ。しかし夏蓮は慌てていなかった、なぜなら。

 

「何で外に雪蓮と冥林がいるんだよorz 」

 

「・・・もう驚きません」

 

狼は思わずorzのポーズ、明命もうなだれている。

 

「逃がさないわよ狼、明命」

 

「そうだぞ二人とも」

 

そんな二人に雪蓮と冥林はいい放った。

 

「かくなるうえは!」

 

そう言って狼は指笛を吹く、そして耳をすます。

 

「何をしてるのしら?」

 

「さあな、私にはわからん」

 

 

 

 

 

 

ュイ

 

 

 

来た

 

 

 

 

ュュュイ

 

 

 

 

 

もう少し

 

 

 

 

ュュュュュイ

 

 

 

今!

 

 

ピュュュュュュイ!

 

 

 

狼が明命を抱え塀の上から飛び降りたと同時に一羽の燕が現れた。

颯だ。颯は雪蓮と冥林の側で飛び回り二人を牽制する。

 

「ちょ!なによこの燕!?」

 

「まさか狼の仕業か?!」

 

二人は武器を持っておらず手で必死に応戦していた。

だが素手で飛び回る燕を捕まえるなのど雲を掴むような話だ。

いくら雪蓮の勘が鋭くとも颯にも野生の勘がある。

 

颯が二人を牽制している隙に狼達は逃走に成功、自由(?)をかちとったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当分長沙には近づきたくないな」

 

「はい。私もです」

 

二人は項垂れながらそう言った。

そこに足止めをしていた颯が戻ってきて狼の肩に止まった。

 

「助かったよ颯」

 

「ピュピュイ」

 

狼が礼をいい颯をなでてやると、颯は嬉しそうな声をあげた。

 

 

「狼様、これからどうしますか?」

 

「そうだな、交州、楊州、豫州、徐州と言った感じに回って幽州までいこうと思ってる」

 

下から上へ向かい豫州で曹操をみてから幽州を目指すのが狼の計画であった。

しかし、幽州に用があるわけではなく、別の場所に用があった。

 

「まあ、万に一つもあるさっさと荊州をでてしまうぞ」

 

「はい!」

 

「ピュイ!」

 

神がかった二人の勘を警戒し歩みを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は交州、楊州を三年掛けてめぐった。

その旅の最中、襲ってきた山賊を討伐したり、村を襲っている賊を倒しているうちに狼は銀の幻影と呼ばれ、明命は黒き瞬神と呼ばれるようになった。

 

 

「漸く豫州に着いたな、黒き瞬神様?」

 

「そうですねって、その呼び方は止めてください!狼様だって銀の幻影じゃないですか!」

 

ふざけた会話をしながら歩く二人。恥ずかしさからか明命が話題を変えた。

 

「雪兎(ゆきと)と梨花(りーふぁ)は元気でしょうか?」

 

「そうだな、元気にしてるさ。」

 

明命の言った、雪兎と梨花とは旅の最中で仲良くなった太史慈と荀攸のことだ。

雪兎は孔融の所に行く事が内定していたし、梨花は親の許しが出ず旅に出れなかった。

 

「さあ、二人を思い出すのも程々にして先に進もうか」

 

「はい!狼様!」

 

 

そうして二人はまだ見ぬ後に覇王と呼ばれる曹操に会うため旅を続けるのだった。

 

 

 

 

 




前話の狼が祭に使ったモトネタマイナーすぎたかな?

さてそろそろ覇王様に会いに行こうかな~(* ̄∇ ̄)ノ

今後ともよろしくお願い致します。
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