麒麟児になりて   作:氷月

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14話

「さあかかってこい!華琳さまの剣である私が叩き斬ってやる!」

 

「いや、叩き斬ってたら駄目だからな?」

 

狼と黒髪の女性夏候惇が中庭で模擬刀を構え向かい合っている。

何故こうなかったと言えば。

 

曹操が狼達を勧誘→夏候惇が反対し狼を馬鹿にする→明命がそれに反論→宜しいならば決闘だ表に出ろ→模擬刀を構え向かい合う←今ここである

 

「相手に一撃加えた方の勝ちよ、姜維が負けたら私に支え、春蘭が負けたら諦めるそれでいいわね」

 

「見ててください華琳さま!私がこんなやつに負けるはずがありません!」

 

「狼様!頑張って下さい!狼様なら楽勝です!」

 

夏候惇の言葉に対抗してなのか、明命は手をブンブンと振ってそう言っている

内心明命がやる流れじゃないのか?と思ったりもしたが我慢した。

 

「では始め!」

 

曹操が開始を告げる。

 

「さあこい!貴様など一g」

 

狼もいい加減馬鹿にされるのも飽き飽きしていた、故に速攻で勝負を決めた。

夏候惇の左肩に突きを放ち模擬刀の側面で模擬刀を持つ手を叩くすると夏候惇は簡単に模擬刀を落とした。狼が突いたポイントは突かれると一瞬力が入らなくなるポイントで狼それを利用して夏候惇から模擬刀を手放させたのだ。

 

「俺の勝ちだな」

 

「流石は狼様です!」

 

曹操達三人は唖然とし動けず、明命は喜びからか背中に飛び付き抱きついた。

初めに正気に戻ったのは曹操だった。

 

「信じられないわ、春蘭がこんなにもあっさり」

 

「わ、私が負けただと?嘘だ!もう一度戦え!」

 

「止せ姉者!」

 

曹操はただ夏候惇があっさりと負けた事実に驚き、夏候惇は未だ認められず再戦を迫るが夏候淵が必死に 止めている。

 

「止めなさい春蘭、認めたくはないかもしれないけどこの勝負貴女の負けよ。」

 

「か、華琳さま、・・・申し訳ありません」

 

「いいのよ私の予想以上に姜維が強かった。ただそれだけよ。」

 

勝負に不服をたてるが主である曹操に言われ夏候惇も流石に諦めた。

曹操は予想以上に姜維が強かったことでより姜維が欲しくなったが約束を違えるのは己の理念に反する。だからこそ今は手を引く、そう今は、だ。覇王は欲したものは必ず手に入れる主義なのだから。

 

「残念ね、それだけの強さを持つ貴方が手に入れられないなんて」

 

「残念だったな。代わりと言ったらなんだが晩飯を作らせてもらえないか?」

 

「あら、貴方味が分かるだけじゃなくて料理もできたの?面白いは料理人には私から言っておくわ」

 

「まあ、楽しみにしてるといい明命手伝ってくれ」

 

「はい!頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日狼が作ったのは青椒肉絲に炒飯、回鍋肉に餡掛け焼きそば、〆に杏仁豆腐とゴマ団子である。

曹操からの批判もなく、それどころか旨いとの評価だった。

特にゴマ団子が気に入ったらしく作り方を聞かれたりもしたくらいだ。

狼のゴマ団子は揚げたあと表面きな粉をまぶしてあり、餡が胡麻餡の胡麻団子で甘過ぎず胡麻の風味を生かした一品だった。

 

「まさか貴方がこれ程の腕だったなんて、ますます惜しいわ」

 

「そこまで誉めてもらえるとは、光栄だな。」

 

曹操の誉め言葉に光栄だと返す狼。

料理を食べ終わり、曹操は狼と明命に泊まっていくように言い、狼達はそれを受けた。

今は明命と庭先で話している。

 

「明命、曹操をどう思った?」

 

「え~と、なんて言うんでしょうか?気圧される感じで、真面目な夏蓮さんと同じ感じがしました。」

 

狼の質問にそう返した明命、明命は曹操が発するその覇気を感じ取って自身の知る夏蓮と表現した。

今まで狼は明命の前で覇気を発したことがないため明命は狼の覇気を知らない。

 

「そうか、あれが王足りうる者が持つものだ。明命、夏蓮に曹操、いろんな領主を見てきた、気になる、支えたい領主がいたなら支えてもいいんだぞ?」

 

狼がそう言うのも明命のためになると自身で考えた結果だった。

将となれば色々な事が経験できる、兵の調練、兵の動かしかた、何が士気を高めるのか、下げるのかそれは自分といるだけでは経験出来ないことだ。

 

「私は狼様と一緒にいます!・・・・・・・・・ずっと」

最後の方でボソッと言った、ずっと、と言う言葉は狼には聞こえていなかった。

 

「そうか、ありがとうな明命」

 

内心明命が誰かに支えたいと言ったらどうしようかなどと不安があった狼はホッとし礼を言いながら明命の頭を撫でた。

 

「あら?こんな所で何してるのかしら?」

 

「なにを、さっきから見てただろ?」

 

ソコに曹操が現れ狼達に何をしているのかと訊ねたが狼は白々しいとばかりに言いはなった。

 

「あら?知ってたの?つまらないわね」

 

「それで?なにか用があるんじゃないのか?」

 

「ええ、実は前々から目にかけていた娘が居るのだけれど、3年前程から頑なに支える事を拒まれているのよ。理由を聞けば支えたい人がいるからだ言うのよ。なにか知らないかしら?」

 

曹操がなにか用があるとふんだ狼が訪ねると曹操は話をした。

話を聞いた狼だが身に覚えがない。この世界では史実と違う事が多くある。故にわからない。

 

「まあいいわ、明日家に来る予定よ、旅に戻る前に会って見たらどう?」

 

「そうさせてもらうか、じゃあそろそろ寝るか、じゃあまた明日」

 

「えぇ」

 

狼はそう言って宛がわれた部屋に向かった。思わぬ再会があるとは思わずに。

 

 

 

 

 

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