麒麟児になりて   作:氷月

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大変遅くなり申し訳ありませんです。
色々なことがありすぎて全く執筆できませんでした。
これからは多少ましになると思います。


18話

狼達がその集団を目指し移動を始めてから一週間が経過していた。しかし、その集団とはいまだ遭遇できずにいた。何度か颯に確認してもらったがその集団がいたであろう場所には誰もいなった。

 

「……おかしいですね」

 

「……確かにな」

 

この事態に狼達は疑問を抱いた。こんなに早い間隔で移動を繰り返す理由は何なのか。

確かに早い間隔で移動をする習慣がある可能性もあるが、これまで見てきた場を見るに慌てて移動を始めたように感じられた。

 

「……まさか颯か?」

 

「どういうことですか狼様?」

 

暫く考えて狼はある可能性に気がつき肩に停まる颯を見た。

掵里はその理由をたずねた。

 

「颯は針尾雨燕と言われる種類の燕なんだけどな、一部の地域ではその容姿から悪魔の鳥と呼ぶ所もあるらしい」

 

「……なるほど、匈奴ではそれを凶事の予兆としていると言うことですか?」

 

「あくまで可能性の話だがあり得る話だろ?」

 

「確かにそうですね。では今度は明命に?」

 

「……いや、俺が行く」

 

「「「駄目です(ピューイ)!!」」」

 

理由を話し明命に探らせず自分が行くと言った狼だったが瞬時に三人と一羽に却下された。

 

「何でだ?」

 

「狼様が偵察で済ます訳がありません!」

 

「そうです!以前にだってそんなことがありました!」

 

「なので却下なのです!」

 

「ピュピューイ!ピュイ!!」

 

これまで旅して来たなかで賊討伐の際、狼が偵察に向かい自分一人で問題ないなと判断し、そのまま賊を全滅させたことがあったのだ。その際に他の三人と一羽にお叱りを受けたことがあったのだ。三人と一羽も狼の実力を知ってはいるものの心配だったのだ。

 

「……仕方ないじゃあ明命任せた。」

 

「御意!」

 

狼の命を受けて明命は直ぐ様駆け出していった。

 

「さて明命が帰ってくるのを待つだけじゃあれだし、俺達も少し進むか」

 

「そうですね、その方が宜しいかと」

 

「じゃあ行くぞ」

 

「「御意!」」

 

残った面々もまた移動を始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明命が集団を発見したのは狼たちと別れてから半日ほどたった頃だった。

 

「恐らくあの集団で間違いありません」

 

意外に早く見つかったと明命は笑みを浮かべた。

そして発見した場所を報告すべく来た道を引き返そうとしたとき、殺気を感じ横に跳んだ。

明命が跳んだすぐあとに明命がいた場所には矢が二本刺さった。

 

「何者だお前」

 

矢が放たれたであろう方向には一人の青年が立っていた。

 

「只の旅人です」

 

「只の旅人じゃあ今の矢は避けられねーよ、それに言ったよな「あの集団で間違いありません」って家の家族たちに何の用だよ、場合によっては容赦しねぇぞ?」

 

「……」

 

明命は悩んでいた、ここで勝手に狼の目的を話していいものかと。

 

「黙りかよ、なら!」

 

青年は腰にさした剣に手をかけ構える。

 

「ま、待ってください!私が旅をしているのは本当です!ただ、私が支え共に旅をしている方が貴方達の王に会い話がしたいと私に捜索を命じ探していたのです!」

 

「俺と話だって?」

 

明命は此処で戦闘を行っては友好を結ぶことが難しくなると判断し素直に目的を話した。

しかし青年の答えを聞き疑問を抱いた。

 

「俺と?もしかして貴方が」

 

「いかにも俺が禅于だ。見たところお前結構強そうだな。お前の主も強いのか?」

 

「はい、私などまだまだ及びません!」

 

明命の答えを聞くと青年は嬉しそうに笑った。

 

「クックックッ、そうかよ、いいね~実にいい。いいぜお前の主を呼んできな会ってやるよ」

 

 

明命はそれを聞き軽く会釈をして来た道を駆け青年は出した。

 

「あの速さでまだまだ及ばないってことはどんだけ強いだアイツの主様は?あ~、凶事だと思って避けてたが久しぶりにいい緊張感が味わえそうだぜ!」

 

 

明命が去っていくのを眺めながら嬉々として笑っていた。

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