麒麟児になりて   作:氷月

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まずはじめに、熱くなれ様、タカ様、ブレイザー様、つっちー様、七閃様、他にもお名前を出さず申し訳ありませんが、沢山の方からご意見を
いただきました。ありがとうございます。これからも麒麟児になりてをヨロシクお願いします。


4話

狼が旅を初めてから2週間がたっていた。

最初に目指しているのは長安、誰に会うためと言うわけでなく一番近く大きいからだ。

自分と詠のことを考えると、三国時代の出生の頃合いが滅茶苦茶な可能性がある。

 

そのことから、自分の曖昧な三国志の知識をもとに三国になった段階の領地を想像し、武将や軍師を探すことにしたのだ。

 

「気で強化しながら走ってきたし、もう見えてもいいと思うんだけどな」

 

旅をはじめてから狼は2週間野宿をしながら徒歩で長安をめざしていた。

 

ピューイ

 

そうつぶやきながら歩く狼の肩に1羽の燕がとまる。

 

「長安まであとどれくらいだ颯(はやて)?」

 

その燕を颯と呼び指で頭を撫でながら話しかける。

もちろん颯は喋れない、だかピュイピュイと何度かなく。

 

「そうかあと半刻くらいか。」

 

しかし狼には颯が何をしゃべっているのかが理解できた。

颯は一年程前、家の前で怪我をしているところを保護し治療をしてやったところ、何故か意志疎通出来るようになり、なつかれたのだ。

 

颯は針尾雨燕という種類の燕で呼ぶところによっては、その容姿から悪魔の鳥と呼ばれる種類だ。

 

「そうとわかれば行きますか」

 

そういって気で強化し走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~なかなか賑わってるな~」

 

長安に着きなかにはいった狼は大通りを歩きながら呟いた。

 

「しかし見られてるな」

 

そう、狼は今深紅の瞳を隠すために布を巻いている。

そのせいでチラチラとみられる視線を感じていた。

しかし、狼は深紅の瞳が嫌いな訳じゃない。

ならなぜ隠しているのか、それは鍛練である。

風を感じ、気配を感じ、神経を研ぎ澄ますために。

 

 

今までは水仙の目があったため控えてきた前世での修行を、この旅を期に始めた訳である。

態々野宿をしているのも修行に他ならない。

 

医療の発達していないこの時代において毒は驚異である。

使われた毒の特定をしている間に死んでしまう可能性が高いだろう。

ならば抗体を作ればいい。

毒素を薄め摂取する、年単位でゆっくりと耐性をつけるいうものだ。

 

「まずは情報収集からはじめm「食い逃げだー!!」・・」

 

情報収集をはじめようとした矢先に、食い逃げだーという声が聞こえ声のした方向を見ると1人の男が此方に走ってきている。やれやれと思いなからも男の進路に狼は立った。

 

「退けガキ~!!」

 

食い逃げ犯である男は進路に立ちふさがる狼に向かって叫びながら拳を振るった。

しかし狼は男の拳を半歩下がってかわし、男の顎を膝で蹴りあげた。

 

顎を蹴られた男は、ガッ!と短く声をあげ後方に1回転して倒れた。

 

狼は蹴る瞬間に違和感を感じていた。

 

『蹴る瞬間、何かが男足を引っ張った。勢い良く膝に向かってきた反発力そのせいで1回転したんだ。』

 

狼にはその何かの見当は付いていた、うっすらと男の足に伸びた細い線。

 

『たぶん鋼糸だな、そして』

 

その線をたどった先にいたのは自分と同じ位の人影。

 

狼がそんな考えをしている間にその人影は歩きだした。食い逃げされた店の店主が追い付いてきた。

店主が食い逃げ犯である男を捕まえている間に、狼はその人影を追いかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「さっきは助かったよ。ありがとう。」

 

狼は追い付いた人影にそう話しかけた。

 

「何を言っているの?」

 

その声は幼さが残るも凛とした女の声だった。

 

「さっき男の足を引っ張ってくれただろ?・・その鋼糸で」

 

狼は少女の袖のなかにある、気を帯びた鋼糸の存在を指摘した。

 

「!・・・気づいていたの?」

 

少女は一瞬驚いたようだがすぐに冷静にかえした。

 

「まあね、俺は姓が姜、名は維、字が伯約、良かったたら名前をおしえてもらえないかな?」

 

「貴方が天水の・・・私は司馬懿、司馬懿仲達よ」

 

まさかいきなりこんな大物に出会うとはと、内心狼は驚いたのだった。

 

 

 

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