麒麟児になりて   作:氷月

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しごとが徹夜続きで時間かかってしまいました。スミマセン。


6話

狼の朝は早い、素振りに正拳突き、そして気を練る事を日課としているからだ。

普段は無心で行う狼たが今日は、無心ではいられなかった。なぜなら・

『朝起きて第一声が知らない天井だ、ってなんでだ俺?!』

 

朝起きたら変な電波を受信した狼は、逃げたがりな中学生パイロットの台詞を口走ったらしい。

 

『あれは俺じゃない!あれは俺じゃない!』

 

「随分早くに起きられるんですね」

 

心の中で自分に強く言い聞かせながら刹那を振るう狼。

そんな狼に司馬懿が近づき声をかけた。

 

「まあ日課だからな」

 

「それにしても凄い剣速ですね、微かにしか刀身が見えないなんて」

 

狼の剣速は並の兵では見切ることは不可能な剣速、狼が地道に築き上げた努力の結晶である。

 

「司馬懿は鋼糸を使うんだよな?」

 

昨日みた限り中々の技量があるのは間違いない、そうなれば是非見てみたいと狼は思った。

 

「とても誇れるようなものではありませんが」

 

そう言いながら右手を振るう司馬懿、その袖から伸びた鋼糸は木の枝に巻き付き司馬懿が腕を引くと音もなく切断された。その光景をみて狼はあることを思い司馬懿にたずねた。

 

「その鋼糸、誰かから貰ったものか?」

 

狼が気になったのは鋼糸に付加している気と司馬懿の気が同一でないこと、似てはいるが異なる気、恐らくは血縁の者だと思った。

 

「ええ、祖母が使っていたものを頂きました。」

 

なるほどと、納得したように頷いた狼、その様子に首を傾げる司馬懿。

「ああ、司馬懿の気と司馬懿の鋼糸におびている気が違うからもしかしたらってな。もし扱いきれていないならそれは」

 

「私の実力不足ですか。」

 

そう言って少し悲しげな表情を浮かべる司馬懿に、狼は言葉を続ける

 

「まあかもしれないが、それだけお祖母さんが凄い使い手だったってことだな」

 

司馬懿は祖母の事を思い浮かべた、鋼糸を自在に操り岩をも砕く素晴らしい武を持った祖母だった

 

「だけど司馬懿にだって才能はある、だからそんなに思い込まなくていいんじゃないか?」

 

司馬懿は自分ではこの鋼糸を扱いきれないと思い込んでいた。

智には自信があった、しかし武は伸び悩み才能がない、と。

 

「そんな司馬懿に少しだけ助言だ、鋼糸は気で操作するんじゃなくて、鋼糸に気を流し後はじぶんで頭の中で思い描くんだ、腕を動かせば初動がばれるから。」

 

そういって懐から鋼糸を取り出し右手に握る。

そして次の瞬間司馬懿の切り落とした枝が空を飛び粉々に切り刻まれた。

 

「・・・凄い。」

 

司馬懿はその様子に驚きを隠せなかった。

狼は動きを見せていなかった。この歳で祖母に匹敵する狼の鋼糸の扱いに尊敬を覚えていた。

憧れたその実力に。

 

「鋼糸の扱いは一朝一夕にできるものじゃない。ただひたすらに想像するんだ自分のからだの一部を動かすように」

 

それ故に司馬懿は師事を仰ぎたかった、が狼は旅の身、それに自分にも士官の誘しが来ている。

 

「さて、じゃあ俺はこれで失礼するよ」

 

「そんな、せめて朝食くらいは」

 

「今のうちにしなくちゃいけないことがあるんだ悪い」

 

引き留めようとする司馬懿たが、無理に引き留めることはでかなかった。

 

「仕方ありませんか、姜維さん貴方の智そして武に敬意を評して私の真名を預けたい、私の真名は愛理といいます。」

 

「俺の真名は狼だ。」

 

そういって握手を交わす二人。

 

「また会えますか?」

 

「また会えるさ。」

 

手を離し体の向きをかえる。

 

「それじゃあ愛理また会う時まで元気で」

 

「はい、狼さんもお元気で」

 

そういって別れの言葉を交わし狼は歩きだした。

この時司馬懿は愛理は決意をした。

 

鋼糸を扱いきれるようになったら、もっと智を身に付けたら、私は貴方に仕えます。

 

「その為にも、努力しなくてはいけない。」

 

後の最強の義勇軍の軍師がいま進みだした。

 

 

 

 

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